3位 中国
中国人民解放軍は、陸海空軍と、ロケット軍、戦略支援部隊からなり、その他準軍事組織として武装警察部隊と600万人にもおよぶ民兵を有しています。
軍事費は1500億ドルと、アメリカに次ぐ世界第二位の規模で、1999年~2008年の10年間で約200%も増加しています。
近年は軍事兵器や軍事システムや戦闘スタイルの革新に力を入れ、通常兵器による軍事力も非常に強力です。例えば、戦闘機は日本や韓国のF-15保有機数を凌駕する300機以上のSu-27/Su-30MKKシリーズを有し、海軍は弾道ミサイル搭載原子力潜水艦3隻を含む世界最多の艦艇保有数を配備しています。
近代化のペースは非常に早く、米国国防省では、すでに中台海峡は中国圧倒的有利、さらに周辺先進国への重大な脅威となりつつあるという判定を下しています。
人民解放軍の戦力
人民解放軍・陸軍の主力戦車である99式戦車は、欧州の技術が多く取り込まれ、独自開発のレーザー誘導兵器およびレーザー検知式アクティブ防護システムも導入されており、1輌あたりの価格も高価となり、現状では廉価モデルである96式戦車とのハイ・ローミックスで配備が進められています。
人民解放軍・海軍は、潜水艦の戦闘能力強化を重要視しており、弾道ミサイル原子力潜水艦4隻、攻撃型原子力潜水艦5隻、通常動力型潜水艦48隻を配備しています。更に空母建造計画を進めており、就役中の「遼寧」、2020年就役を目指す「山東(推測)」、ほか3隻の空母を建造中とされ、うち2隻は原子力空母となる可能性があるとされています。
人民解放軍・空軍は、約2500機の戦闘機を有しており、その構成はMiG-21を国産化したJ-7、およびこれをベースに開発した拡大改良版のJ-8II、ライセンス生産も行われたSu-27、および輸入のSu-30などです。人民解放軍空軍の実質的な空軍力は、日本、韓国、在日在韓米軍をあわせたものに匹敵し、インドを含むアジアの空軍で最強であり、その急激な近代化がアジアの軍拡を誘発しているとされています。
人民解放軍・ロケット軍は陸海空軍からは独立した組織で、1966年7月1日に極秘裏に設立され、1984年10月1日の建国35周年記念の軍事パレードにおいて初めて公開されました。核抑止、核反撃、通常ミサイル精密打撃をその任務とし、核弾頭搭載の戦域・戦略弾道ミサイルを開発・運用しています。中国全土に8ヶ所のミサイル発射基地を有しています。
項目 | 数値 | 備考 |
---|---|---|
軍事力指数 | 0.0852 | |
総人口 | 13億7930万人 | |
軍人 | 269万人 | |
空軍戦力 | 3035 | 戦闘機:1125機 |
戦車数 | 7716 | |
海軍戦力 | 714 | 空母:1隻、潜水艦:73隻 |
天然資源 | 398万 BBL/日 | (石油生産量) |
核兵器 | 有 | |
軍事予算 | 1510億ドル | (約15兆1000億円) |
2位 ロシア
ロシア連邦軍は、ソ連崩壊後の1992年に、旧ソ連の核兵器を含むソビエト連邦軍の主力を継承して成立し、陸軍、航空宇宙軍(諸外国の空軍に相当)、海軍の3つの軍種と、戦略ロケット軍、空挺軍の2つの独立兵科で組織されています。
アメリカに次ぐ世界第二位の武器輸出国であり、第5世代ジェット戦闘機Su-57、主力戦車アルマータなど兵器の開発が盛んに行われています。
2010年には「2020年までの国家武器計画 (GPV-2020)」が発表され。同計画ではおよそ20兆ルーブルを投じてロシア軍の装備の大半が更新される見込みであり、装備調達を担当するウラジーミル・ポポフキン第1国防次官によれば、最優先は戦略核戦力の近代化、続いて衛星誘導兵器、自動指揮・通信システム、輸送機部隊の近代化(機動性確保のため)とされています。
ロシア連邦軍の戦力
ロシア陸軍は、広大な国土を防衛するため、約27万の兵力と約2700両の戦車(T-90A、T-80BV、T-72B)、その他17500両の戦闘車両を有しています。その兵力は間違いなく世界最強の一角と言えます。
ロシア海軍では、ソ連崩壊後の予算削減により低迷期が続いていましたが、現在は兵器の近代化を進めており、各種原子力潜水艦を配備し、新空母建造プロジェクトも進められています。
ロシア航空宇宙軍(空軍)は、MiG-35やSu-35など一線級の航空機を2,500機、内武装機1,100機を保有しており、2020年までに、航空産業複合体の創設・高精度兵器・対電子戦兵器・無人戦闘・偵察機の導入と600機以上の航空機、1,000機以上のヘリコプターの導入と400機の近代化改修が計画されています。
ロシア戦略ロケット軍は、侵略の核抑止並びに敵の軍事・経済施設に対する核ミサイル打撃による撃破を主な任務とし、ロシア連邦軍の戦略核兵器戦力の主力を担っています。ミサイル×369発、核弾頭×1247発を保有しているとされています。
項目 | 数値 | 備考 |
---|---|---|
軍事力指数 | 0.0841 | |
総人口 | 1億4225万人 | |
軍人 | 358万人 | |
空軍戦力 | 3914 | 戦闘機:818機 |
戦車数 | 20300 | |
海軍戦力 | 352 | 空母:1隻、潜水艦:62隻 |
天然資源 | 1055万 BBL/日 | (石油生産量) |
核兵器 | 有 | |
軍事予算 | 470億ドル | (約4兆7000億円) |
1位 アメリカ
アメリカ軍はアメリカ陸軍、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊、アメリカ空軍、アメリカ沿岸警備隊の五軍から成り、国内以外にも、イギリス、イタリア、ドイツ、日本(在日米軍)、大韓民国(在韓米軍)、カタール、キューバ(グァンタナモ米軍基地)、クウェート、サウジアラビア、ジブチ、スペイン、トルコ、バーレーン、ベルギーなどに在外米軍基地が存在します。
アメリカは世界第二位である中国の軍事費の4倍以上という圧倒的な軍事費を持つ、世界最大の軍事力大国・軍事費大国・軍需産業大国・武器輸出大国です。
アメリカ軍の特徴は、
- 陸海空の通常戦力、核戦力双方において他国を圧倒
- 実戦経験が豊富
- 全世界に拠点を持ち短時間で展開可能
- 宇宙空間やサイバー空間においても他国を優越
- 国内に石油や鉄鋼資源が存在することから継戦能力も高い
- ボーイング、ロッキード・マーティン、レイセオンなど世界の軍需産業の中核となる大手企業が集まっているため、世界最高水準の装備品を国内で開発・調達可能
上記は、歴史上いかなる国家・集団においても保持したことがなく史上最強の軍隊と評されています。
アメリカ軍の戦力
アメリカ陸軍は、常備軍・予備軍・州兵の3つで構成されています。M1A1/M1A2エイブラムス主力戦車の他、多数の戦闘車両、航空機、地対空ミサイルなどを有しており、世界有数の実力と実戦経験を持っています。
アメリカ海軍は、原子力空母10隻と揚陸艦31隻、原子力潜水艦71隻を中核に、80隻以上の巡洋艦と駆逐艦(全てイージス艦)など主要水上戦闘艦約270隻、戦闘機や対潜哨戒機などの作戦機約2,640機を保有し、約43万人の構成員が所属する世界最大・最強の海軍です。その規模は、世界の海は完全にアメリカ海軍に支配されているとも言えるレベルです。
アメリカ空軍は、7,000機以上の最新の戦闘機・爆撃機・輸送機・大陸間弾道ミサイルなどを運用する世界最大の空軍です。世界各地に空軍基地を持ち、数多くの戦争や紛争に実戦投入されています。
アメリカ海兵隊は、海外での武力行使を前提とし、アメリカ合衆国の国益を維持・確保するための緊急展開部隊です。ベトナム戦争、グレナダ侵攻、湾岸戦争、イラク戦争など、米国の大規模軍事行動には常に最前線に投入され、規模の大小はあるものの全世界に展開されており、有事の際には世界中どこにでも展開できる能力を有しています。
項目 | 数値 | 備考 |
---|---|---|
軍事力指数 | 0.0818 | |
総人口 | 3億2662万人 | |
軍人 | 208万人 | |
空軍戦力 | 13362 | 戦闘機:1962機 |
戦車数 | 5884 | |
海軍戦力 | 415 | 空母:20隻、潜水艦:66隻 |
天然資源 | 885万 BBL/日 | (石油生産量) |
核兵器 | 有 | |
軍事予算 | 6470億ドル | (約64兆7000億円) |
つぎのページでは世界の軍事力ランキング30位~11位の国々をご紹介しています。
気になる北朝鮮の軍事力や、中東、アフリカ、南米の各大陸で最大級の軍事力を持つ国々がランクインしています。