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世界最強のコンバットナイフ・軍用ナイフの種類一覧(16種)

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紀元前一万年前には現在の形のものが存在したとされるナイフは、最も歴史が古く人間との関わりが最も密接な武器の一つです。

現在は一般部隊、特殊部隊ともに軍隊では武器としてよりも道具として扱われることが多いナイフですが、第二次世界大戦やベトナム戦争で活躍した伝説のナイフや現在軍隊で使用されているものなど、最強と呼ばれるに相応しいものを種類ごとに紹介していきます。

 

ファイティングナイフ

第二次世界大戦では、刃物武器は対日本軍用の武器として連合軍が白兵戦で使用したとされています。日本軍は夜間にアメリカ軍の野営地などに奇襲をかけることがあり、それを迎え撃つために使用されたのがケイバーやサイクス・フェアバーンといった伝説とも呼ばれるナイフです。

 

KA-BAR(ケーバー) USMC MarkⅡ

引用:https://www.breachbangclear.com

第二次世界大戦時にアメリカの海兵隊に支給された正式軍用ナイフで、硫黄島の戦いでも使用されました。全長30.4cm、刀身長17.7cm。

後にアメリカ海軍や沿岸警備隊にも支給されるなど、軍用のファイティングナイフとしての印象が強いUSMC MarkⅡですが、タフなつくりから多目的ナイフやサバイバルなどのアウトドアツールとして、現在の日本でも高い人気を誇ります。

 

サイクス・フェアバーン コマンドーナイフ

イギリス人のウィリアム・E・フェアバーンとエリック・サイクスにより作られたナイフで、この2名が上海警察に勤務している際に構築した“ディフェンドゥ・システム”という接近戦闘術に適した武器として設計されました。全長29cm、刀身長19cmで両刃のダガータイプのナイフです。

米軍とアメリカの特殊部隊で広く使用され、第二次世界大戦で最も活躍したナイフのひとつとして知られます。ステンレス製で細身の刃は、攻撃相手の肋骨の隙間を刺し通せるようにデザインされており、刺突のみならず斬撃にも用いられました。

第二次世界大戦後も、余分な機能を削ぎ落とした純粋な戦闘用のナイフである特質から近接戦闘の技能者が多い特殊部隊、英国のSOE(特殊作戦執行部隊)やフェアバーンも訓練の指揮を執ったとされる米国のOSS(戦略諜報局)などで使用されています。

銃刀法によりダガータイプのナイフは所持が禁止されているため、日本での入手は不可能です。

 

CHRIS REEVE(クリスリーブ)  グリーンベレー・ナイフ

JFK特殊戦争センターの卒業生に配られるというクリスリーブのグリーンベレーナイフは、オリジナルのモデルはケネディ政権下の特殊部隊司令官であるウィリアム・P・ヤーボロー准将を称えてヤーボローナイフと呼ばれることもあります。

マーキングのみ異なる流通モデルは全長31.5cm、刀身長17.7cmの7インチサイズと、全長27.6cm、刀身長13.9cmの5インチサイズの2種があり、日本でも入手が可能です。

 

GERBER(ガーバー)  MarkⅡ

ベトナム戦争で活躍したGERBERの代表的なナイフであるマークⅡは、映画『マッドマックス2』でもメル・ギブソンが演じる主人公が使用していたり、『キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー』ではセバスチャン・スタンが演じるウィンターソルジャーが使用していたりとフィクション作品への登場回数が多いことも特徴です。

刺突に特化したダガータイプのマークⅡは最も危険性の高いナイフとも言われており、かつては米軍駐屯地の売店でも残虐さから販売が中止されたという過去を持ち、ベトナム戦争後もデルタフォースなどの特殊部隊で使用されたと言われています。

またかつてはペンタゴン主催の特殊スクールで教材としても使用され、野生動物の調理などの講習で使用されたそうです。

海外ではマークⅡのみを集めるコレクターがいる程熱狂的なファンを持ちますが、日本では銃刀法違反に当たるために所持は禁止されています。

 

バヨネット

現在、武器として広く普及しているのが軍用ライフルに装着して使用するバヨネットです。

初期に登場したライフルは全弾発射しきってしまった後に装填時間がかかるという欠点を持っていたために、この間に襲われた場合に対抗する手段として誕生したのがバヨネットです。

そのため第一次世界大戦で使用されたバヨネットは、銃器を刺突武器として利用できるようするため刃渡りが40cm以上ある大型のものが主流であったとされます。

現在では各国が使用するライフルも小口径化されており、それに伴ってバヨネットも刀身の短いものが主流になってきました。以下にバヨネットの中でも特に有名なM7とM9を紹介します。

 

M7バヨネット

引用:http://www.usmilitaryknives.com

1964年にM16用に採用されたものがM7バヨネットです。全長は28.2cm、刀身長は16.7cm。

パーカーライジング仕上げされた黒い刀身は先端が両刃となっており、M16系統のライフルへの着脱も非常に簡単であったとされます。

 

M9バヨネット

1984年にM7バヨネットの後継としてM16A2用に開発されたのがM9バヨネッタです。全長は30.85cm、刀身長は17.9cmで、刃はステンレス製。

M9バヨネッタは多用途銃剣(multi purpose bayonet system)とも呼ばれ、それまで採用されていたものと異なり多様な機能を備えたサバイバルツールです。

ナタのように使用することや軽金属をカットすることもでき、つばの部分には栓抜きもついていたりといった本体に工夫が施されているほかにも、鞘と組み合わせてワーヤーカッターとしても使うことも可能です。

また裏側には砥石がついていたり、ベレッタの弾丸が1本入れられる程度のアクセサリーパウチがついていたりと鞘にも工夫がされています。

M9は後発のバヨネッタに影響を与えたことでも知られており、日本の自衛隊が使用している新型スカバードもワイヤーカッター、栓抜きのほかに缶切りとしても使用できる多機能のものになっています。

生産はオンタリオ社、バック社などが請け負っていますが、M7、M9を含むバヨネッタの所持は銃刀法違反に当たるため、日本で入手可能なのは真鍮などの素材で作られたレプリカのみです。

 

サバイバルナイフ

1982年公開の映画『ランボー』でシルベスター・スタローン演じるベトナム帰還兵の主人公が利用していたことから、別名・ランボーナイフとも呼ばれます。

多くのモデルで刃の背面にセレーション(鋸刃)があり、ノコギリのようにも使用でき、また手袋をしていても握りやすいようにグリップ部分が大きめで滑り止めがついていたり、刃を握りの内部に固定する心が太くて長い等の特徴も見られます。

掘削作業や野生動物を捌くなど、名前の通りサバイバルツールとしての性格が強いナイフです。

 

RANDALL(ランドール) MODEL-18アタックサバイバル

前述の映画『ランボー1』で使用されたサバイバルナイフのモデルとなったのが、ベトナム戦争で使用されたとされるランドールのMー18です。

控え目ですが背面にセレーションが施され、ハンドル部分も中が空洞になっているなど以後誕生したサバイバルナイフに多大な影響を与えたことから、同種のナイフの祖とも呼ばれています。

切れ味を優先しているために炭素鋼を素材としているために錆びやすく、研磨が必要といったようにこまめなメンテナンスが必要ですが、オーダーをしてから数年は待たされることが当たり前という今なお人気の高い逸品です。

ニューヨーク近代美術館に展示されていることでも知られています。

 

BUCK(バック) #110ホールディングハンター

1963年に登場した#110ホールディングハンターは、BUCK社の名前を世界中に知らしめたナイフ界の重鎮的存在です。

当時はポケットナイフ全盛期であったためにフォールディングナイフで名品が少なかったこともあり、名前の通りハンターだけではなく工事関係者やトラッカーといったワーカー達の現場作業用ツールとしても受け入れられ、急激に浸透していきました。

#110の特筆すべきポイントとして挙げられるのが、1965年に初めてカタログで発表されて以降、ほぼ毎年と言ってよい程改良が続けられている点です。

材料や加工方法、強度、シェイプといったあらゆる方向から改良が加えられ、進歩し続けているという非常に珍しい1本で、刀身に刻印から年式を調べることが可能です。

近年に発表されたものは実用性と評価の高いアウトドアツールとして、1978年前後までに登場したものはヴィンテージ・バックと呼ばれ、コレクションとしての人気も持ちます。

Ontario(オンタリオ) M11 EOD

EODとはExprosive Ordnance Disposal(爆弾処理)の略で、米国の陸軍で採用されている爆弾処理用のサバイバルナイフで、後に紹介するM9バヨネットからマズルリングと着券装置を排除して単独で使用できるようにしたものです。全長は31.1cm、刀身長は17.8cm。

鞘の突起と組み合わせることでワイヤーカッターとして使用することができ、他のオンタリオ製のサバイバルナイフと違って刃の背面にセレーションが無いことが特徴です。

 

ポケットナイフ

ヨーロッパで登場したポケットナイフは、独立戦争前後の時代にアメリカに輸入された小型のフォールディングナイフであるポケットナイフ。十徳ナイフとして日本でも有名なスイスアーミーナイフのように多機能のものも登場し、アウトドアアイテムとしても高い人気を誇ります。

 

VICTORINOX(ビクトリノックス) ソルジャー

現在のマルチツールナイフの原型を産み出したとされるのがビクトリノックスです。スイス・アーミーナイフとして知られ、1890年代にスイス軍に納品したことを皮切りに1940年代にはアメリカ軍でも大量に採用されるなど、様々な軍隊での使用実績を持ちます。

片手でオープンできるラージブレードを始め、缶切りや栓抜き、ドライバー、のこぎり等の機能が揃っており、現行モデルも2008年にスイス軍に正式採用されるなど、丈夫さも折り紙付き。

アウトドアツールとしてだけではなく、家庭でのDIYや非常時用の備えとしても最適な1本です。

 

WENGER(ウェンガー)  チャンピオン・タイプ

ビクトリノックスと並び、多機能のポケットナイフを多く輩出したウェンガー。1902年からスイス軍への納品も行っており、その高い品質からスイス・アーミーナイフとしても知られます。

中でもチャンピオン・タイプは、ハサミ、ミニ鋸、ドライバー、万能ヤスリ、刺抜き、ルーペ、ピンセットといったように19種類にも及ぶツーツを1本に収納しており、アウトドアだけではなく旅行の際の便利なツールとしても人気です。(客室に持ち込むことはできませんが、搭乗前に預ければ飛行機での輸送も可能)

また、

現在ウェンガー社は2013年にビクトリノックスに吸収合併されましたが、ウェンガーのブランド名は継続されています。

 

Camillas(カミラス) 4徳ポケットナイフ

1876年創業、2007年に廃業したカミラス社のポケットナイフはシンプルなデザインと頑強なつくりで、米軍の装備品としても愛用されてきました。

片刃のブレードの他に、缶切り、先端がマイナスドライバーを兼ねた栓抜き、穴あけといった機能が揃っており、現在は米軍放出品などの中古での入手のみとなりますが、根強い人気を誇るために出品があってもすぐに売り切れてしまうことでも知られます。

 

CASE   W.R (ケース) トラッパーナイフ

引用:http://www.thetruthaboutknives.com

トラッパーナイフはクリップポイントとロングスペイという2本の長い刃が片方のエンドから出るのが特徴のジャックナイフです。

鋭利な先端と細い刀身を持つクリップポイントは刺突などオールマイトな使い方ができ、ロングスペイは獲物の皮を剥ぐ際に利用するといったようにハンティングに適したつくりになっています。

かつてはレミントン社もR1173などのトラッパーナイフを作出していました。現在トラッパーナイフを扱うメーカーとして有名なCASEもトラッパー、タイニートラッパー、ミニトラッパーの3種類の大きさのモデルを出しており、コレクションアイテムとしても人気を持ちます。

 

マチェット

アメリカの海兵隊員や兵士は、第二次世界大戦やベトナム戦争で藪やジャングルを切り払うために使用されたのがマチェットナイフです。他種のナイフに比べて粘度の高い鋼で作られており、過酷な作業に使用しても折れません。

マチェットの中でも人気が高いのが米軍にも納品していることで知られるオンタリオ社製のSP-8で、炭素鋼にエポキシコーティングを施した錆びにくいつくりになっています。

キャンプや庭仕事、ストーブ用の薪の調達というように、あくまでも道具として使用されることが多いマチェットですが、映画『13日の金曜日』でジェイソンが使用していることからも窺えるように殺傷能力が高く、南米では殺人の凶器として使われることもあります。

 

カランビットナイフ

フィリピンの武術“カリ”や“シラット”で使用される東南アジア発祥のカランビットナイフ。ナイフアクションシーンが高い評価を得ている2010年公開の韓国映画『アジョシ』で、ウォンビン演じる主人公テシクと敵対するマンソク兄が使用していたことでも知られます。

虎の爪のように湾曲した両刃を持ち、ハンドルエンドにあるフィンガーリングに人差し指を通して逆手に握りしめて使用することが多く、激しい戦闘をしても手から滑り落ちません。また、手を開いた状態でも落とすことがないので、所持した状態で他の作業ができるという利点も持ちます。

小型で軽量でありながら殺傷力が高いことからアメリカでは軍隊格闘術や護身術の武器としても使用されていますが、扱いに技術が必要なことから一般兵が使用することはなく一部の特殊部隊員などが用います。

 

ククリナイフ

ネパールのグルカ人が考案したとククリナイフは、世界で最も有名な戦闘用ナイフのひとつです。人間工学的に非常に優れたつくりになっており、指一本で縦にバランスが取れる反面、一振りで人間の首や腕を落とすことができます。

1814年~1816年のグルカ戦争後に英国陸軍に服務するようになったグルカ兵は、両次の世界大戦や植民地紛争の際もククリナイフを携行して参加して戦績を挙げ、世界最強の傭兵部隊とまで呼ばれるようになりました。

現在ではイギリス軍やアメリカの特殊部隊でも採用されているククリナイフですが、グルカ人の間では肉を切ったり調理道具としても使われており、最強のナイフと謳われる一方で熟練した兵士が使ってこそ威力が得られるとも言われています。

 

まとめ

ここに紹介した以外にもフィンランドの少数民族が使用した“プッコ”と呼ばれる狩猟用ナイフを元に作られ、ロシアの特殊部隊・スペツナズで使用されたと言われるNR-1940や、同じくスペツナズが使用したと考えられている弾丸発射機能のあるNRS-2など、軍隊や特殊部隊の装備品として活躍したナイフは多数あります。

2008年に秋葉原で起きた無差別殺傷事件以降、刃渡り5.5cm以上の刀剣類の所持が禁じられるなど銃刀法がいっそう厳格化されたために、多くのナイフは日本国内では所持することは勿論、実物を見ることさえ難しいのが現状です。

しかし、武器としてはもちろんツールとしてもシンプルな構造だからこそ作り手と使い手の腕が試されるナイフには、他の武器には無い美しさを感じますよね。




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