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こんなのあり!?世界最強の暗器・隠し武器一覧(21選)

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隠し武器(暗器)とは、一見すると武器とは見えない形状をしていたり、体や衣服の中に隠したり、不意打ちで相手を攻撃することを目的とした武器で、その使用目的は護身用から暗殺、スパイの武器まで様々です。

古代から現代に至るまで、世界中では実に多種多様な隠し武器が発明され、使われてきました。

ここでは、よく知られたものから一風変わったものまで、世界中の隠し武器たちを紹介していきます。

 

仕込み杖

引用:https://www.jauce.com

仕込み杖とは、その名前の通り杖の中に刀剣を仕込んだもので、護身用を目的とした隠し武器です。

主に江戸時代から明治時代にかけて使われ、刀剣を剥き出しで携行できない場所や暗殺などに用いられました。

盲目の凄腕剣士を描いた時代劇『座頭市』の主人公が使う武器としても有名です。

刀身には杖に合わせて反りがつけられ、長さや形状も様々で、自然の樹木の枝に似せて幾重にも曲がったものもあります。

現在に残る仕込み杖の多くは明治時代に作られたもので、その多くは握りの部分が鈎状に曲がったステッキタイプのものです。

廃刀令が出されて帯刀が禁じられると、士族の間で刀を仕込んだ杖を持ち歩くことが流行しました。

刀を差して歩くことがごく普通のことであった江戸時代の仕込み杖は、公然と刀をもつことのできない町人などが護身用に使うなどごく一部に限られ、現存する例はあまり多くありません。

ソード・ステッキ

引用:https://www.karatemart.com

ヨーロッパでも、日本の仕込み杖と同じようにステッキのなかに剣や短剣を仕込んだものが使われていました。

ソード・ステッキは18世紀ごろから、帯刀しないことが常識になっていたヨーロッパの紳士たちの間で使われ出したもので、一般的にはそれまでの刀剣に代わって、男性が盛装して外出する際のアクセサリーとして用いられました。

警官の装備品として採用されたり、ナポリ王国の重装騎兵ジェンダルメのように、ソード・ステッキを正式な武器として携帯していた例もあります。

 

角指

引用:http://www.taiyo-planet.co.jp

角指(かくし)は、日本の暗器の1種で、角手(かくて)、万力、角珠、隠し、鷹の爪、鉄拳などとも呼ばれます。

鉄製の輪に棘をつけたもので、これを指にはめて相手を殴りつけて攻撃します。

一見、素手で殴るように見えて、相手に不意打ちを浴びせることができます。

棘が外側なら殴るときの威力が増しますが、逆に棘を内側に向けると、相手の腕を掴んだときに棘が食い込んで相手にダメージを与えることができます。

こういった武器は握り物と呼ばれ、主に忍者が暗殺や隠し武器として使用し、敵地に潜入する際には髭のなかや脇の下に隠したりしました。

他にも、捕り物に使われたり、体の小さい女性に護身用として好まれたり、江戸時代には様々な流派が生まれて広く使われました。

 

グピティー・アガー


グピティーとは、インドで仕込み刀の意味で、グピティー・アガーは、15~18世紀のインド王族が非常時の護身用として使用していた仕込み剣です。

謁見や民衆の前に立つときなど、統治者にはどうしても不特定多数の人の前に身を晒さなければならない場面がありますが、そんなとき常につきまとうのが暗殺の危険です。

そういった非常事態にもちいられたのがこのグピティー・アガーで、ムガル帝国のアクバル大帝が残した『アクバル法典』にもグピティー・アガーの存在が記されています。

グピティー・アガーはT字型をした柄が特徴で、形状は杖に似せて作られています。

刀身には両刃と片刃の両方があり、アクバル法典には両刃のものが描かれていて、アクバル大帝の生きた16~17世紀にはそれが主流だったと考えられます。

 

袖箭


袖箭(ちゅうせん)は、中空の管の中にバネを仕掛け、その勢いを使って仕込まれた鋼鉄の矢尻を発射するという隠し武器で袖の中に隠し持つことができることからこの名前がつけられました。

単純な構造の武器ですが、殺傷能力は高く、射程もばねの威力によっては100mにおよぶものもあって、暗殺にも使用されました。

中国では三国志の時代から使われていて、諸葛亮孔明の著書『機輪経』にもその製造法が記されています。

普通の袖箭は1発しか撃つことができませんでしたが、明の時代になると複数の矢を発射できるものや連射式のものが作られるようになりました。

 

忍び杖

引用:http://www.ninja-museum.com

忍び杖は一見すると、なんの変哲もない竹の杖ですが、中には様々な仕掛けが組み込まれている、忍者が使う仕込み杖です。

忍び杖にはいろいろな状況に対応できるよう、5種類の仕掛けが隠されています。

第1の仕掛けは、杖そのもので敵を攻撃したときに威力を増すことができるように、どちらか一方の先端に鉛が仕込んであります。

2つ目の仕掛けは、竹の節の中に分銅をつけた鎖が仕込んであり、これを引っかけたり、相手にぶつけて攻撃することができます。

3つ目は、先端に近い節の途中に、折り畳み式の刀身が出てくるところがあり、これを引き出して杖を鎌のような武器にすることができます。

4つ目は、鎖分銅を仕込んだのと反対側に釘状の手裏剣が仕込んであり、振り下ろすと発射することができます。

そしてもう一つ、この手裏剣と一緒に目つぶし薬が仕込んであり、攻撃すると同時に相手の視力を奪います。

こうして、忍び杖一本から様々な攻撃を繰り出すことができ、いくつもの使い方をすることができます。

 

バグ・ナク


バグ・ナク(バグ・ナウ)は、ヒンディー語で「虎の爪」を意味するインドの武器で、手の平に握ればもっているのかわからないほど小型であることから、盗賊や暗殺者が好んで使用しました。

バグ・ナクには金属製の棒に先の鋭い曲がった爪が4つまたは5つ取りつけられていて、棒の端には親指を入れるための輪がついています。

使うときにはこの輪に親指を入れ、指と指の間から尖った爪を出して握り、爪を使って相手を刺したり抉ったりします。

バグ・ナクによって攻撃された敵はまるで猛獣の爪によって抉られたかのような傷口ができ、それがこの武器の名前の由来にもなっています。

また、バグ・ナクを基にして端に短剣をつけたビチャ・ハウ(サソリ)・バグ・ナクという進化形のような武器もあり、こちらも暗殺者に用いられました。

 

峨眉刺


峨眉刺(がびし)とは、中国武術における暗器の一種で、護身具として使われた短兵器(短い武器)です。

30㎝ほどの鉄の棒の両端を尖らせ、真ん中に指を通すための穴をつけたもので、清朝の時代に生まれた武器といわれています。

真ん中の輪に中指を通して峨眉刺を握り、拳を振り下ろして敵を突き刺します。

両手につけて使うこともあり、敵の刃を受けたり、点穴などの急所を突いたり、相手に向けて投げつける手裏剣のような使い方をすることもあります。

先が丸いか角張っていて刺突はできないようになった護身用や、先の部分を筆にようにした点穴筆(てんけつしつ:ティエンシュエピー)、短くて軽量な投擲用の飛刺(ひし:フェイチー)などいろいろなバリエーションがありました。

 

枕槍

引用:http://blog.livedoor.jp

枕槍は、江戸時代に使われていた武器で、見た目はただの短い槍ですが、これは武家の寝室に隠しておくために短かったのです。

枕槍は名前の通り枕の下に隠され、ヨーロッパでも同じようにベッドの中に隠す護身用のピロー(枕)・ソードという武器がありました。

実際には、枕の下よりも枕元などに置いておくほうが、いざという時の使い勝手はよかったでしょう。

武家の屋敷では、床の間や見上げ壁にも槍を隠しておくことがあり、こちらは「忍び槍」と呼ばれ、枕槍よりも長く2mほどでした。

時代劇などでよくある、「何奴!!」などと叫びながら天井裏に忍び込んだ敵に槍を突き出すシーンで使われているのが、この忍び槍です。

 

鉄扇

引用:http://www.nipponto.co.jp

扇は日本で古くから使われている道具で、江戸時代になってからは武器としても使われるようになり、骨の部分が鉄でできた鉄扇が作られるようになりました。

鉄扇には3種類あり、扇の一番外側の骨である親骨と親骨に挟まれた幾本もの骨で紙が貼られている部分である小骨の両方が鉄で作られているもの、親骨だけが鉄製のもの、閉じた扇の形をしているが開けることはできず扇としては使用できないものに分けられます。

鍛錬具として用いられるものは手馴らし鉄扇と呼ばれていました。

折り畳み式の扇は日本独自のもので、鎌倉時代頃から中国にも輸出されるようになると、中国でも鉄でできた扇が作られました。

これは摺畳扇(しょうじょうせん:ラーティエシャン)と呼ばれ、最初は少林寺の僧侶たちに武器として取り入れられ、元や明の時代になっても使用されて、携帯に便利な防具としても用いられました。

 

鉄笛


鉄笛(てってき)は、名前の通りに鉄で作られた笛で、相手を打ちのめしたり、敵の攻撃を受け止めたりするのに使われました。

中国では紀元前の漢の時代から使われ、外観はただの笛であることから隠し武器として非常に重宝され、清朝の時代まで用いられました。

ただ単に鉄の棒を笛に似せて作ったものと、実際に音が出せて笛として使えるものの2種類があります。

鉄製の笛には穴が7つで前漢の時代に発明された横笛と、5つ穴で後漢の時代に生まれた縦笛がありますが、鉄笛と呼ばれるものは主に横笛式のものです。

日本でも鉄横笛と呼ばれる同様の武器が使われていました。

 


女性の装飾品としてよく知られている簪(かんざし)も、かつては武器として使われることがありました。

簪の武器としての使い方は、敵に襲われたときに簪を相手に突き刺し、ひるんだところで逃げ出すというのが一般的ですが、身に着けていても怪しまれないことから暗殺にも使用されました。

江戸時代初期、大阪など上方では簪は真鍮で作られていましたが、江戸の武家階級ではさらに硬い金属が好まれたのも、簪に護身用の道具としての役割を期待していたからでした。

琉球古武術では簪のことをジーファーと呼び、琉球では男性も女性も簪をつけていて、簪は女性が使うことのできる唯一の武器でした。

江戸中期以降、長く平和な時代が訪れると、次第に簪の武器としての役割も廃れ、派手な装飾のデザイン性を重視したものが主流となっていきました。

 

隠しナイフ

引用:https://www.usconcealedcarry.com

第二次大戦中、敵地に潜入した特殊部隊の工作員にとって、様々な用途に使える使い勝手の良い道具であると同時に、体の各所に隠し持つことができ、緊急時に自分の身を守ってくれる最後の武器でもありました。

特に、イギリスの諜報機関であったSOEの隊員などを中心にして、いろいろな種類のナイフが使用されました。

フリスク・ナイフは全長18㎝ほどの刃と柄が一体化した、体に密着しやすいように全体的に平べったく作られたナイフで、上腕や脛にテープや紐で縛り付けて隠し持ち、非常時に敵を突くために用いられました。

ラペル・ナイフは親指ナイフともいわれる全長7㎝ほどの小型ナイフで、親指と人差し指で持って使用し、致命傷を与えるほどの威力はありませんが、斬りつけて相手が怯んだ隙に逃げ出すのに使われ、ジャケットの裏などにも隠すことができました。

サボタージュ・ナイフは折り畳むと12㎝ほどになるナイフで、通常の刃のほかに「鷹のくちばし」と呼ばれる爪のような刃があり、止まっている車のタイヤを切り裂いて走れなくするといった破壊活動に使われました。

そのほかにも、ペンや鉛筆などの日用品に偽装したナイフなど、様々なナイフが隠し武器としてスパイ達に使用されていました。

 

グローブ・ピストル


グロープ・ピストルとは、その名の通り革手袋に単発式のピストルを装着したもので、第二次大戦中にドイツ軍占領下のヨーロッパに潜入していたイギリスの特殊部隊によって使われた護身用の武器です。

グローブ・ガン、フィフス・ピストルとも呼ばれ、正式な名称はなかったようです。

使い方は、手袋をはめて手を握り、手の甲にピストルが乗った状態でプランジャーと呼ばれる銃口の下の突起を相手に押し付けるようにすると弾が発射する仕組みです。

プランジャーが銃のトリガーになっていて、相手を殴りつければ一緒に銃弾もお見舞いできるというわけです。

銃弾は38口径S&Wで、弾薬の再装填も可能でした。

相手に密着させて撃つために発砲音も少なく、本来は非常時の護身用ですが、暗殺にも使えて、特殊部隊員には頼もしい武器でした。

 

バックル・ピストル

引用:https://www.b-sideofciamovienews.com

バックル・ピストル(Koppelschloßpistole:コッペルシュラスピストーレ)は、ナチスドイツの高官や親衛隊の将校が護身用に身に着けていたベルト型の仕込み銃です。

一見すると、凝ったデザインのベルト・バックルにしか見えませんが、敵の捕虜になったりしたときに、武装解除でベルトを外すフリをして発射します。

銃身はバックルと一体化していて、バックルのふたを開き、中のバレルを起こすと発射可能になります。

左側面のトリガーで発砲し、右側のレバーで銃身を収納します。

4銃身口径5.65㎜のものと2銃身口径7.65㎜の2種類がありましたが、生産数はごくわずかにとどまりました。

バックル・ピストルの射程は短くて殺傷範囲は狭く、正確な狙いをつけて撃つことも難しいため、使うのは非常時に限られました。

バックル・ピストルはドイツの諜報員にも使われたほか、連合軍でも同様のものが開発されています。

 

石炭爆弾


この石炭の形をした爆弾は、第二次大戦中にイギリスやアメリカのゲリラによって破壊工作に使用されていたものです。

表面を削って色を塗り、その地域で使用されている石炭に見えるように偽装されたケースに、ニトロセルロースが詰められていました。

ニトロセルロースは火器に触れただけで爆発する火薬で、ケースに雷管を詰め、穴を塞いで敵の石炭置き場に転がしておきます。

敵が知らずにこの石炭を機関車の火室にくべると、爆薬に詰めた雷管が熱によって起爆し、内部で爆発を起こす仕組みです。

ドイツの占領地域では、この石炭爆弾が使われた機関車の爆発事故や発電所のボイラー破壊による停電などが発生しました。

ドイツでは、この爆発事故について調査を行いましたが、とうとう、戦争中にその原因を突き止めることはできませんでした。

 

スティンガー

引用:https://history.army.mil

シガレット・ガンとも呼ばれるこの武器は、全長83㎜でタバコ1本と同じサイズの使い捨て単発ピストルです。

第二次大戦中、イギリスの諜報機関であるOSSによって開発されたもので、22口径ショート弾が装填されています。

大戦中には25000個以上が生産されました。

スティンガーは鉄パイプを加工して弾薬と撃発装置を組み込んだもので、中身は弾丸と撃発用のピン、止め金具、スピリングというシンプルなもので、敵の身体検査を受けた時など、タバコを出すフリをしてスティンガーを取り出します。

レバーを引き起こして後ろに押すと、止め金具とスプリングが後ろに押されてコッキングし、再度レバーを倒すと撃発して弾丸が発射される仕組みです。

スティンガーに命中を期待するのは難しく、相手に当てるのではなく至近距離で発砲して相手が怯んだすきに逃げるという護身と脱出用の武器でした。

ちなみに、現代では同名のスティンガーという護身用グッズが販売されています。

引用:https://www.body-guard.jp

ピストルのスティンガーとは関係ありませんが、こちらも隠し武器に近いもので、一見キーホルダーにしか見えませんが、先の尖った部分で相手を刺突するというものです。

使い方によっては何枚も重ねた板を割ってしまうほどの高い破壊力を発揮し、女性にも人気の高い護身グッズです。

 

毒入りニベアクリーム

引用:http://gerhard03.blog61.fc2.com

ニベアと言えば、青い缶に入った肌の保湿用クリームで、誰もが知っている超有名商品でしょう。

ニベアはもともと、ドイツのバイヤスドルフ社が1911年に発売したもので、ラテン語で「雪のように白い」を意味するniveusに由来します。

ニベアは肌の手入れ用として、ドイツ軍兵士にも広く使われました。

そこで、ドイツ軍に対して破壊活動を行っていたレジスタンスの間で考え出されたのが、毒入りニベアクリームです。

こうした日常的に使用するものに毒を混入させることができれば、それを使った相手にダメージを与えることができます。

とはいっても、実際にはこうした道具が使われた例はあまり多くはありません。

しかし、ポーランドで活動していたレジスタンスはマスタードガスを混入したニベアクリームを実際に使用したといわれています。

 

NRSナイフ型消音拳銃


NRSナイフ型消音拳銃は旧ソ連が開発した特殊部隊用の消音拳銃です。

ロシア語では「射撃機能付き偵察要員用ナイフ」という意味の名称がつけられており、スペツナズ(旧ソ連の特殊部隊)では「パラ・トルーパー射撃拳銃」とも呼ばれていました。

NRSナイフ型消音拳銃は1970年代に開発され、潜入任務中の特殊部隊員が非常時の護身用に使うためにファイティングナイフの柄に単発の拳銃を仕込んだものです。

弾丸はグリップ後部から装填し、ナイフの刃と反対側から発射されます。

装填時には自動で安全装置がかかるようになっていて、グリップ後端のセーフティレバーを親指で解除し、トリガーを押すと発砲します。

7.62mm×41.5 SP-3 消音弾という特殊な銃弾を使えば発砲時の音を消すこともできました。

 

タクティカルペン

引用:https://gigazine.net

タクティカルペンとは、ペンに護身用の機能をもたせたもので、一見すると普通のペンにしか見えませんが、アルミなどの軽量かつ丈夫な金属でできていて、先端が鋭くなっています。

普段はペンとして使用でき、非常時には護身用の武器として使用することができます。

タクティカルペンは自動車に閉じ込められたときの脱出時にガラスを割るほどの破壊力をもっていて、先端部にタングステン鋼を使用して硬度を上げているものもあります。

犯罪の証拠としてDNA鑑定に使えるよう、相手の皮膚の一部をはぎ取るDNAキャッチ機能がついているものまで存在します。

アメリカの有名な銃器メーカーであるスミス&ウェッソンやコルト社をはじめ、銃器・兵器メーカーを中心に様々な会社から発売されています。

 

アタッシュケースマシンガン

引用:https://twitter.com

MP5は、ドイツの有力兵器メーカーH&K社が開発した現代を代表する短機関銃で、その命中精度の高さから、対テロ部隊などで多くの国で使われています。

MP5の派生形であるMP5Kコッファーはそのままアタッシュケースに入れて発砲できるようになっている偽装モデルです。

一般にコッファーと呼ばれることの多く、これはドイツ語で「スーツケース」や「運搬用ハードケース」という意味です。

このマシンガンは、要人警護などに用いられ、見た目はただのアタッシュケースにしか見えないため、露骨に銃を携行できない場所でも使用することができます。

把手の左側にトリガーがあり、銃口はカバンの左側面にありますが、偽装のため銃弾を発射するまでは塞がれています。

そのままで使用すると銃口炎でカバンを焼いてしまうため、マズルフラッシュを抑制するフラッシュハイダーが装備され、銃口部は金属板で保護されています。

カバンに入れた状態で発砲して照準をつけることができないため、銃弾には曳光弾が使用されます。

なお、同様の銃が東ドイツの秘密警察であったシュタージでも作られていました。

チェコ製のVz61スコーピオンをスーツケースに仕込んだもので、こちらは消音器が取り付けられていたことから、暗殺を目的にしていたと考えられます。

 

暗殺用傘型銃

引用:https://netasite.net

1978年9月7日、テムズ川に架かるウォータールー・ブリッジを渡っていた男性が突然倒れるという事件が起きました。

彼の名はゲオルギー・イヴァノフ・マルコフといい、ブルガリア出身の作家で9年前に祖国の共産党政権に反発しイギリスに亡命しており、イギリスではアナウンサーとしてブルガリア政権批判を行っていました。

マルコフの太ももには弾丸が撃ち込まれており、傷口の周りは炎症を起こし、心拍数と血中の白血球の数が増大し、敗血症と診断されました。

病院に運び込まれたマルコフでしたが、4日後には衰弱死してしまいます。

イギリス当局に捜査により、マルコフは毒殺されたものと断定され、毒は太ももの弾丸に仕込まれていました。

当初、犯人がどうやってマルコフに毒の弾丸を撃ち込んだのか、その方法は分かっていませんでしたが、このニュースを聞いたパリ在住でマルコフとおなじブルガリアからの亡命者だったウラジミール・コストフが、数日前に自分の何者かに傘で突かれた経験を病院で検査を受けたところ、マルコフの体から見つかったのと同じ弾丸が発見されました。

コストフは厚着をしていたため、弾丸が体の奥まで達しておらず、命を落とすまでにはなりませんでした。

この弾丸は約1㎜の大きさで、白金とイリジウムの合金でできていて、中には猛毒のリシンが封入されていました。

これを傘に偽装した空気銃により発射し、被害者たちの暗殺を図ったものと見られています。

この事件の犯人は不明ですが、被害者2人がどちらも亡命者だったことから、この殺人傘は旧ソ連のKGBかブルガリア秘密警察(STB)の発明したものと考えられています。

 

まとめ

以上、世界の暗器・隠し武器を紹介しました。

武器を持っていることを隠して相手を攻撃することは、一見すると卑怯にも見えます。

実際、武士や士族階級はこうした隠し武器を好まなかったといいます。

しかし、戦いにおいて最も大切なことは相手の不意を突くことと言われるように、確実に敵を仕留めるには油断させて一気に攻撃するこうした武器が有益であるのも事実です。

暗殺者や命を狙う敵から身を守りたい人間にとってもこうした武器は手放せないものでしょう。

科学や技術は日々進歩しており、これからも今までには考えられなかったようなさらに優れた隠し武器が生まれてくるかもしれません。



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