驚異の自然現象

日本一暑い街ランキングTOP10

日本には四季があり、季節によって気温が大きく変動します。

暑いのが苦手な人、寒いのが苦手な人といるかとは思いますが、特に近年では「記録的な猛暑」などという文言も珍しくなくなるなど、より暑いのが苦手な人にとっては酷な日々が夏場は続くようです。

今回は気象庁の観測記録から、日本一暑い街ランキングを紹介します。

もし暑いのは苦手だという意識があるのであれば、夏場に今回紹介する場所へ行く用事を作るのは避けたほうがいいかもしれません。

 

10位:寺泊観測所(40.6℃)

引用元:https://gurutabi.gnavi.co.jp/

寺泊観測地点は、新潟県長岡市内にあります。

寺泊というのはかつて新潟県中部の三島郡にあった町です。

佐渡島から最も近い港町で、江戸時代には西廻り航路の拠点や本土と佐渡を結ぶ拠点として栄えました。

2006年1月1日に現在の長岡市へ合併されています。

寺泊は現在も漁業が盛んで、全国から魚介類が集まります。

国道402号線沿いには海産物屋が並び、新鮮な魚介類を買うことができる「魚のアメ横」と言われる通りがあり、観光スポットや地元の買い物スポットとして親しまれています。

寺泊で最高気温を記録したのは、2019年8月15日のことです。

この日は台風10号の影響で温かく湿った空気が流れ込み、日本海側に発生したフェーン現象(山の斜面に当たった気流が凝縮熱によってより温度の上がった乾いた風になって吹き降ろす現象)によって更に気温が上がりました。

そのため日本海側を中心に78か所で猛暑日を記録しています。

 

9位:甲府地方気象台(40.7℃)

引用元:https://www.compathy.net/magazine/

甲府地方気象台は山梨県甲府市にある地方気象台です。

山梨県甲府市は山梨県の県庁所在地で、山梨県の中央、甲府盆地にあります。

戦国時代には武田氏の本拠地として栄え、武田神社や甲府城址など武田氏ゆかりの史跡や昇仙峡などの景勝地にも恵まれています。

甲府地方気象台で最高気温を記録したのは2013年8月10日のことでした。

一般的に盆地は寒暖の差が大きく、夏は暑く冬は寒くなります。

加えて2013年は日本上空に位置する太平洋高気圧とチベット高気圧が強く、空気圧内部の風が地表付近で圧縮されたことで気温を押し上げ、全国的に記録的な猛暑が観測されました。

甲府地方気象台での最高記録を更新したのも、この猛暑が影響しています。

 

6位:山形地方気象台(40.8℃)

引用元:https://www.jalan.net/

山形地方気象台は山形県山形市にある地方気象台です。

山形県山形市は山形市中部にある都市で、山形県の県庁所在地です。

東北地方は雪のイメージがあるかもしれませんが、山形市は山形盆地の中に位置しているために夏は気温が上がり、猛暑日を記録することも珍しくありません。

1933年7月25日に記録した40.8℃という最高気温は、2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市が更新するまで、日本における最高気温の記録を保持していました。

山形市は山形城の城下町として栄え、古くは出羽三山への参詣拠点や山形鋳物の生産地として商工業が発展しています。

現在でも高速道路や新幹線の敷設や東日本大震災で日本海側の重要性が再確認されたことで、発展を続けています。

 

6位:青梅観測所(40.8℃)

引用元:https://hellochigasaki.com/

東京都青梅市は東京都の西多摩地域にある市です。

島嶼部を除いて東京都で4番目に大きな市で、都心の業務核都市のひとつとして機能するほかハイテクノロジー分野の進出が進んでいます。

青梅市は東京都の中でも中央高地型気候が混ざっており、非常に寒暖の差が大きいです。

冬場には氷点下を記録するほか、2018年7月23日には東京都で初めて40℃を超える40.8℃を記録しました。

ただ熱帯夜の数自体は東京都の中でも少ないほうで、夜間は過ごしやすい気候となっています。

 

6位:中条観測所(40.8℃)

引用元:https://niigata-kankou.or.jp/

中条観測所は新潟県の北部、胎内市にある観測所です。

かつては新潟県北蒲原郡中条町だった地区にあり、2005年に中条町と黒川村が合併して胎内市が発足することで胎内市に組み込まれました。

中条は新発田、村上という2つの城下町の間にあったために宿場町として栄えており、現在も当時の歴史ある建物が観光名所として利用されています。

2010年には当時の街並みが新潟県の景観づくりモデル地区に指定されました。

元々胎内市は北陸地方の中でも平均気温が高く、2018年8月23日には台風20号の影響で吹き込んだ南風がフェーン現象を起こしたことで、北陸地方史上最高気温である40.8℃を記録しています。

 

5位:多治見観測所(40.9℃)

引用元:http://www.aran.or.jp/

多治見観測所のある岐阜県多治見市は美濃焼の産地として知られるほか、名古屋から電車で30分という距離を活かして名古屋市のベッドタウンとして住宅地の開発が行われています。

2007年8月16日14時20分に当時の日本最高気温である40.9℃を記録したほか、その前年の2006年には37℃以上を記録した日の数が日本で一番多かったことから多治見市は「日本一暑い街」として観光を促進しています。

多治見市は岐阜県南部の多くの山地に囲まれた盆地に位置しており、元々寒暖の差が大きい街でした。

しかし多治見市の記録した40.9℃は当時の記録を73年ぶりに更新したものであり、その原因について研究チームが発足されています。

現時点では、盆地に位置していたことやベッドタウンとして住宅が密集していたこと、更にフェーン現象や内陸にあるため海からの冷たい風が吹かないことなどが複合したことで発生したと考えられています。

ただ多治見観測所は駐車場の一角にあり、排気熱や照り返しによる影響を受けやすいので正確な記録ではない可能性も否定はできません。

 

2位:江川崎観測所(41.0℃)

引用元:https://travel.rakuten.co.jp/

2013年8月12日、高知県四万十市にある江川崎観測所で当時の日本最高気温の記録である多治見観測所の40.9℃を更新した41.0℃を記録しています。

更にこのとき、10日から13日まで連続して40.0℃を記録しており、四万十市は「日本一暑い街」を自称しました。

江川崎観測所は四万十市立西土佐中学校に隣接する好立地にあり、駐車場などがあって訪れやすいために多くの観光客が訪れました。

最高気温に因んで41円でかき氷が販売されるなど、地域振興に役立っています。

江川崎観測所のある高知県四万十市は「日本最後の清流」として知られる四万十川が流れ、沈下橋と周辺の景観は国の重要文化的景観に認定されています。

美しい景観を活かしたサイクリングなどで多くの観光客が訪れる街ですが、四万十市は内陸部にあるため海からの風が来ず、北西からの風がフェーン現象によって暖められるため、昔から気温の上がりやすい地域として有名でした。

 

2位:金山観測所(41.0℃)

引用元:http://date.kuro.st/

金山観測所は岐阜県下呂市金山町にある観測所です。

下呂市で有名な観光地といえば日本三名泉のひとつである下呂温泉ですが、金山町はやや温泉郷から外れています。

ただ江戸時代には飛騨の玄関口として宿場町が栄えました。

ほかにも古代の人々が暦を読むために使ったと言われる「金山巨石群」や景勝地、ダム、鉱山跡などの観光スポットが数多くあります。

2018年8月6日、金山観測所はそれまでの最高気温である39.7℃を更新する41.0℃を記録しました。

この日は金山観測所のほか多治見観測所でも40.4℃、美濃観測所でも39.9℃を記録するなど、気温のトップ3を岐阜県内の観測所が占めたほか、トップ10のうち岐阜県内が6地点でランクインしています。

この記録は東海地方の観測史上最高気温となっています。

 

2位:美濃観測所(41.0℃)

引用元:https://www.sotoday.fun/

岐阜県美濃市にある美濃観測所で東海地方の観測史上最高気温タイとなる41.0℃を記録したのは、金山観測所で同じ41.0℃を記録したわずか2日後の2013年8月8日のことです。

2018年、美濃市は8月8日も含めて4度も40度を計測した、記録的な猛暑に見舞われていました。

美濃市は「美濃和紙」の産地であり、江戸時代に作られた住宅群である「うだつの上がる住宅群」は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

「うだつが上がらない」などの慣用句で知られる「うだつ」とは、火災の延焼を防ぐために住宅の屋根の両端を一段高くした作りを指します。

うだつは裕福な家しか造ることができなかったため、金銭的に恵まれない状態であることを「うだつが上がらない」と言うようになりました。

現在も、国の重要文化財に指定された小坂家住宅や市の指定文化財である旧今井家住宅などに、当時の美濃の繁栄の名残が残されています。

美濃市は東海北陸自動車道と東海環状自動車道の美濃関ジャンクションが置かれており、自動車での交通の便が非常にいいために現在では観光地として高い人気を誇ります。

 

1位:熊谷地方気象台(41.1℃)

引用元:https://kinken-5w1h.com/

2020年現在、日本で最も高い気温を記録したのは埼玉県熊谷市にある熊谷地方気象台です。

つまり日本で最も暑い場所は埼玉県熊谷市ということになります。

この記録は2018年7月23日に観測されており、国内では初の41℃超えとなっています。

2018年は熊谷市以外でも全国各地で記録的な猛暑に見舞われており、気象庁もこの7月23日夕方に「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している」とコメントするなどの異例の事態となりました。

熊谷市はこの他にも気温に関する記録が数多くあり、2018年以前にもたびたび国内最高気温を観測していたほか9月の国内最高気温である39.7℃を観測しています。

この熊谷市の気温の高さは、東京都心と秩父山地に挟まれている熊谷市のロケーションに由来しています。

南からは都心部のヒートアイランド現象によって暖められた空気が、北からは秩父山地から吹き降ろし、フェーン現象で暖められた空気が熊谷市に吹くため、いわば熱風の挟み撃ちになる形になってしまうのです。

そのため熊谷市は「熱風の交差点」と言われることもあります。

 

まとめ

今回は日本で一番暑い街・場所を紹介しました。

汗っかきの人などは、夏に暑いのは勘弁願いたいと思うかもしれません。

熱中症などもあるので、出かけるのは敬遠したくなってしまいます。

ただ今回紹介した地域にはいずれも特色があるほか、この暑さを逆手に取って観光客を集めようという動きもあるところもあるようです。

夏はどうしてもクーラーの効いた部屋の中にいたくなりますが、一度暑い街に行ってみてもいいかもしれません。

ただくれぐれも水分などの準備は忘れないようにしましょう。



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