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空自最強!飛行教導群(アグレッサー部隊)って知ってる?

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日本の空を守る槍の穂先である航空自衛隊の戦闘機パイロットたちは、厳しい任務に耐えるため、日々訓練に励んでいます。

航空自衛隊には、教官となって戦闘機パイロットに空戦技術を叩きこむための専門部隊が存在しています。

一般にはあまり知られていないかもしれませんが、訓練で敵役を務めるこうした部隊は、アグレッサー部隊という名で呼ばれています。

訓練を施すには、当然、訓練を受ける側よりも高い技術と知識をもっていなくてはいけません。

空自のアグレッサー部隊は「飛行教導群」と呼ばれ、空自でも屈指の精鋭パイロットたちが集う場所として知られています。

ここでは、戦闘機パイロットを育てる戦闘機パイロットたち、自衛隊最強の戦闘機部隊ある自衛隊のアグレッサー部隊「飛行教導群」について紹介していきます。

アグレッサー部隊とは

引用:www.sankei.com

アグレッサーとは、軍の訓練・演習において、実戦における敵部隊との戦闘をシミュレートする役割をもった、敵戦闘機役を演じる専門の部隊です。

その任務から、英語で侵略者を意味するアグレッサー(Aggressor)と呼ばれます。

通常の戦闘機部隊は、日々の任務をこなすために、新しい戦闘技術の開発をする余裕はなく、個別の部隊でそれぞれにこうした研究を行うのも非効率です。

そこで、アグレッサー部隊では、戦闘機による最新の戦闘技術の研究を日夜行い、訓練を通じて一般の戦闘機部隊にその成果を伝え、軍全体としてパイロットの技術レベルを向上させることを目的としています。

優れたパイロットを育成するために、アグレッサーにはその軍におけるトップクラスのパイロットが配属されます。

アグレッサー部隊のパイロットは訓練で敵役を演じるため、自軍とは違う他国軍の戦術やドクトリンを理解し、仮想敵機になりきることを求められます。

アグレッサー部隊では、より実戦に即した訓練を行うため、外国から購入した兵器や鹵獲した敵軍の兵器が使用されることもあります。

最近では、アメリカのように、こうしたアグレッサー部隊による訓練の一部を民間軍事会社に委託する例もあります。

アメリカ軍のアグレッサー部隊は世界最大の規模を誇り、空軍だけでなく海軍や海兵隊にも組織されています。

アメリカ海軍では、アグレッサー部隊はアドバーサリー(Adversary:敵)部隊と呼ばれます。

その他にも、イギリス、イスラエル、ドイツの空軍にも同様の部隊が存在しています。

そして、日本においても、航空自衛隊に「飛行教導群」と呼ばれるアグレッサー部隊があります。

自衛隊のアグレッサー部隊 飛行教導群

引用:news.livedoor.com

飛行教導群(Tactical Fighter Training)は、航空自衛隊において、訓練で仮想敵戦闘機部隊を演じる自衛隊のアグレッサー部隊です。

自衛隊の各戦闘基地は日夜たゆまぬ訓練によって錬成を行っていますが、同じ部隊のパイロット同士による訓練には限界があります。

そこで、より高度な戦術訓練を行い、パイロットをさらに成長させるため、専門的な訓練を行っているのがアグレッサーである飛行教導群です。

飛行教導隊は、自衛隊の戦闘機パイロットの能力向上を目的とし、全国の空自基地を回って教導(指導)訓練を行っています。

戦闘機パイロットに様々な状況における戦闘訓練を行い、どのような場合でも適切な判断を行い、勝てるパイロットにするために徹底的に鍛え上げます。

教官役を務める飛行教導群のパイロットたちは、航空自衛隊でも最高クラスの空中戦技量をもつベテランパイロットばかりが配属されます。

飛行教導隊は教官部隊であると同時に、航空自衛隊最強の戦闘機部隊でもあるのです。

飛行教導隊は公開されない情報も多く、その存在は秘密のベールに包まれた部隊です。

飛行教導群の編成

引用:www.clearing.mod.go.jp

飛行教導群は、航空総隊隷下の航空戦術教導団に属し、石川県の小松基地を根拠地としています。

航空戦術教導団は、飛行教導群のほかにも、高射教導群や基地警備教導群といった各種の技術や戦術の研究を行い、各部隊の技量向上のための教導訓練を行う部隊から構成されています。

飛行教導群は、教導隊(飛行隊)と整備隊の2個隊からなり、飛行隊は総括班と飛行班、整備隊は総括班と整備小隊に分かれています。

本拠地である小松基地の他に、埼玉県の入間基地には要撃管制班が駐在しており、こちらはレーダーからの情報をもとにパイロットに飛行コースや目標のスピード、武器の使用等に関して指示を行う地上要員の部隊で、パイロット同様に重要な役割をもっています。

要撃管制班は、航空自衛隊の各基地等の要撃管制官の教導を行っています。

飛行教導群の部隊マーク

引用:item.rakuten.co.jp

飛行教導群のパイロットは、フライトスーツの右胸にドクロのパッチを、右肩にはコブラの部隊章をつけています。

引用:picdeer.com

ドクロはその昔、海賊旗にも使われたもので、「然らずんば、汝の運命かくの如し(殺されて骨と化す)」という意味があります。

「空中戦に降伏の2文字はなく、撃墜されればこうなる運命にある」という強い思いが込められ、パイロットに決して負けてはならないという覚悟をもたせるためにシンボルとして採用されました。

そしてキングコブラは、戦闘機パイロットに必須の「知・身・心」の象徴とされます。

高い知能と一撃必殺の毒をもち、背中に眼のように見える模様があることから、常に背後への警戒も怠らないという意味をもち、「CHECK SIX:6時方向(死角)を常に意識せよ」という戦闘機パイロットに重要な心得に通じることからデザインされました。

飛行教導群の歴史

引用:www.asahi.com

飛行教導群は、1981年(昭和56年)12月17日に、福岡県の築城基地で編成され、当時は「飛行教導隊」という名で呼ばれていました。

当初は練習機であるT-2を使用しており、すでに最新鋭のF-15戦闘機を配備されていた空自のパイロットたちは、最初アグレッサー部隊を甘く見ていました。

しかし、飛行教導隊のT-2は、練習機でありながらも訓練で次々と撃墜判定を奪っていき、空自最強のパイロットが集うアグレッサー部隊の力を見せつけます。

1983年(昭和58年)に、飛行教導隊は訓練空域に近く天候も安定している宮崎県の新田原基地へと移動します。

そして発足から9年後の1990年(平成2年)12月17日に、機体をF-15DJを更新したアグレッサー部隊は、名実ともに航空自衛隊最強の戦闘機部隊になります。

2014年(平成26年)には空自の戦技能力向上を目的として、教導部隊を一括指揮する「航空戦術教導団」が新編されることになり、教導飛行隊もその隷下になることが決まります。

これまでの空対空戦闘だけでなく、高射教導隊や電子作戦群と協力し、電子戦や対空ミサイルの脅威下での、より実戦的な訓練が可能となりました。

これに伴い、隊編成から群編成となり、名称も「飛行教導群」へと改称されました。

2016年(平成28年)6月10日には、35年の長きにわたりホームベースとしていた新田原基地を離れ、日本海を臨み、冷戦時から緊張度の高い基地として知られる小松基地へと移動しました。

飛行教導群の教導訓練

引用:www.sankei.com

飛行教導群の訓練は教導訓練と呼ばれ、戦闘機同士による近距離での格闘戦(ドックファイト)から中距離での模擬戦など常に実戦を想定した訓練が行われます。

訓練は対抗形式で行われ、訓練を受けるパイロットのレベルに合わせてどのような内容の模擬戦を行うのかを決定します。

訓練を受けるパイロットの要望を聞いて行うわけでなく、どういった内容にするか、敵のレベルはどれくらいにするかはアグレッサー側で決定されます。

空自の戦闘機パイロットに求められるのは、必ずしも戦闘機同士の戦闘において勝つことではなく、状況に応じて任務を達成することのできる能力です。

そのため、訓練では用意された状況に対して、パイロットがどのような判断を下し、どう行動したかが評価され、訓練後にはそれをもとにした助言が行われます。

訓練効果をさらに高めるため、訓練後にパイロットから訓練内容に対する意見や要望を聞くこともあります。

飛行教導群で行われる訓練はいくつかのカテゴリーに分けられています。

カテゴリー1

1つ目はカテゴリー1と呼ばれるもので、各戦闘飛行隊のパイロットが飛行教導群へ派遣されて行われる訓練で、主に若手パイロットの技量向上を目的としています。

この訓練を受けたパイロットには飛行教導群でしっかりと技術を吸収してもらい、元の部隊に戻った時にその自分が学んだことを広めてもらう役割も期待されています。

カテゴリー2

カテゴリー2は、パイロット個人ではなく各基地の戦闘機部隊ごと小松基地に派遣されて行われる教導訓練です。

部隊全体の戦闘技術向上や戦術研究などを目的としており、F-15だけでなくF-4を運用している部隊でも行われています。

カテゴリー3

カテゴリー3は、飛行教導群が各基地に乗り込んで行われる訓練で、巡回教導とも呼ばれます。

各基地へは、整備部隊も含めた飛行教導群のほとんどの人員が展開することになります。

航空自衛隊の戦闘機部隊は全部で12個あり、全国7か所の基地に配備されています。

教導訓練は1回あたり2週間ほどの期間で行われ、飛行教導群では年間100日ほどの巡回教導を行っていますが、各飛行隊から見ると教導訓練は年に1、2度しか受けられない貴重な機会といえます。

機体ごと行くことはできなくても、教官のみが出張して戦闘における考え方の指導も行っています。

その他

ほかに、戦技競技会での対抗役も飛行教導隊の重要な役目となっています。

戦技競技会は、年に1度、小松基地で行われる戦闘機パイロットの技術競技会で、各戦闘機隊のパイロットたちが空自最強の部隊の称号を得るためにその腕前を競います。

戦技競技会は1960年(昭和35年)から毎年開催されていて、その時々の世界情勢や日本を取り巻く周辺諸国の情勢をもとにして模擬戦闘の課題が決められます。

その内容は、2対2の純粋な格闘戦を行う年もあれば、冷戦時代の大型爆撃機とそれを護衛する戦闘機への対処、管制隊と協力しての対領空侵犯対処や数で勝る敵戦闘機隊との戦闘など毎年様々に変化します。

戦技競技会はやり直しのきかない1本勝負で、非常に緊張感に満ち、それぞれの部隊の威信をかけて行われ、機体にはノーズアートなど様々な特別塗装が施され、航空ファンからも大きな注目を集める大会です。

ここで敵役を務めるのもアグレッサー部隊の役割で、そのために、飛行教導群では仮想敵国の戦闘機や戦術を研究・分析することが求められています。

アグレッサー部隊が育成するパイロット

引用:www.sankei.com

教導飛行群の目的はもちろんパイロットの技術向上ですが、具体的にどのようなパイロットの育成を目指しているかというと、一言でいえば、「任務を達成し帰還することのできるパイロット」です。

任務を達成できるのはもちろん、必ず生きて戻ってくるというのも重要な点です。

航空自衛隊は、実際の戦闘機戦闘を行ったことはありませんが、これまでにも訓練中の事故などでパイロットに死者を出しています。

航空自衛隊が映画やアニメなどフィクションの作品に協力するときには作品内での空自機の墜落を認めないというのは有名な話です。

それだけ、航空自衛隊にとってパイロットを失うというのは大きなことであり、仲間を失わないために高い技術を叩きこむことがアグレッサー部隊の使命なのです。

戦闘機パイロット1人を育成するには、膨大な時間とコストがかかるものです。

戦闘機は最悪、新しいものを調達すれば済みますが、パイロットを失えば、そう簡単には替えのきくものではなく、部隊として大きな痛手を被ります。

旧日本軍は太平洋戦争において、優秀な熟練パイロットを戦闘で失うとともに劣勢に陥り、最期には特攻攻撃に頼るしかなくなったことはよく知られている話です。

パイロットが帰還することで、任務や戦闘によって得られた敵の情報や戦訓といったものを部隊にもちかえることもでき、それが次の勝利へとつながっていくのです。

航空自衛隊が強くあるためには、任務を達成するとともに必ず生きて戻ってくるパイロットが必要不可欠であり、そのためには、どのような状況にも対応できる判断力・思考力をもったパイロットを育成することが求められるのです。

アグレッサー部隊パイロットへの道

引用:news.livedoor.com

教導飛行群のアグレッサーパイロットは、多くの空自パイロットの憧れの的です。

アグレッサー部隊のパイロットになるためには、戦闘機パイロットとしての技術に優れていることが第一の条件ですが、本人の希望によって配属されるということは原則としてありません。

教導飛行群のパイロットには決められたテストなどはなく、アグレッサーパイロットが新人をヘッドハンティングするケースが多いといいます。

航空自衛隊の若手戦闘機パイロットは、飛行教導群の教導訓練を受けるときに、同時に指導の方法も学びます。

戦技を身に着けるだけでなく、もしかしたら将来、自分がアグレッサー部隊の一員になるかもしれないと考え、技術を学ぶことも必要なのです。

飛行教導群に配属されるのは各飛行隊でもトップクラスのパイロットばかりですが、アグレッサー部隊に来れば、これまでの技術がまったく通じないことを思い知らされます。

航空自衛隊最強部隊の名は伊達ではなく、アグレッサーパイロットになるにはさらなる技術の向上を求められ、多くのパイロットはまず挫折感からスタートするといいます。

最初の訓練はアグレッサー役ではなく、訓練を受ける側と同じパイロット役からはじめられ、複座(2人乗り)の機体で模擬戦を行い、後席の教官から操縦についてマンツーマンでの指導を受けます。

飛行教導群に配属されたパイロットは指導者としての資格をとるためにTR訓練を行い、教導資格を取得した後は、初級から中級、上級へとランクアップを目指して錬成訓練を行います。

初級教導資格では、模擬戦闘において2機編隊の僚機(ウイングマン)を務め、中級では2機編隊のリーダー機を、上級になると多数機編隊のリーダーを務め、すべての教導訓練においての指導が可能となります。

上級の教導資格をとるためには、最低でも数年かかるといわれています。

アグレッサーパイロットに必要な能力

引用:news.livedoor.com

アグレッサー部隊で使われるF-15は最大速度マッハ2.5を発揮する機体で、操縦者にかかる重力加速度は9Gにもおよびます。

これは自分の体重の9倍の重みになり、体は座席に押し付けられ、少し体を動かすだけでも相当な負担になり、普通の人なら3Gほどで失神してしまうとされます。

もちろん、耐Gスーツは着用していますが、戦闘機のパイロットにはまず、Gに耐えることのできる強靭な肉体が欠かせません。

アグレッサー部隊のパイロットとしては、高い空戦技術をもち、制空戦闘に熟知しているのはもちろんのこと、教える側としての指導能力も併せ持っていないといけません。

教導訓練においては、常に相手より強い敵を演じる必要がありますが、あまりに強すぎても訓練効果は薄いと考えられているため、ちょうど良いさじ加減が求められます。

訓練に当たっては、訓練パイロットが適切な動きをすれば、撃たせるところは撃たせてやられることも必要で、逆に訓練パイロットが一瞬でもミスをすれば、確実にそこを突いて撃墜判定をとり、相手にどこが悪かったかということをはっきりと分からせなければなりません。

飛行教導群のパイロットにはこうした高度な戦闘機技術が必要とされるのです。

さらに、アグレッサー部隊のパイロットには、技術だけなく戦い方に対する考えも必須です。仮想敵を演じるにあたっては、日本周辺の国の軍隊で使われている戦闘機や戦術を理解し、それをもとに、空自のパイロットはどうあるべきか、そのような戦い方をすればいいのかを考え、そのためにはどのように敵役を演じればいいのかというように、指導する方法を理路整然と組み立てていかなければならないのです。

パイロットから最大限の能力をいかにして引き出すか、それこそがアグレッサーパイロットにとって一番の任務なのです。

そのための高度な知識と技術を併せ持ったアグレッサー部隊のパイロットは、やはり空自でも最精鋭といえるでしょう。

アグレッサー部隊の装備

引用:www.sankei.com

教導飛行群は、発足当初はT-2練習機を、現在はF-15J戦闘機を使用しており、ほかに、少数ですがT-33AやT-4練習機といった機体も導入しています。

T-2練習機

引用:nabe3saviation.web.fc2.com

T-2は三菱重工業が開発した高等練習機で、1971年に初飛行した、国産初の超音速航空機です。

たいていは単に「ティーツー」と呼ばれ、決まった愛称などはありません。

アグレッサー部隊では1981年からF-15Jが導入される1990年までの9年間使用され、ほかに航空自衛隊の曲技飛行隊であるブルーインパルスでも使われていました。

2006年に最後のT-2が退役し、現在は航空自衛隊から姿を消しています。

T-2練習機は、全長17.85m、最大速度マッハ1.6、戦闘行動半径300海里以上、固定武装は20㎜機関砲で、練習機のため乗員は2名となっています。

アグレッサー部隊で当初T-2が使われたのは、冷戦時の東側諸国の主要戦闘機であったMiG-21に飛行特性が似ていたことと、シルエットが比較的小さかったことが上げられます。

アグレッサーパイロットは高い技術をもっていますが、F-15相手の高度な空中戦は、もともと練習機であるT-2にとって負担が大きく、空中分解などの重大な事故も起こっています。

T-2時代には、視認性を低く抑える塗装やソ連戦闘機を意識した塗装が採用され、機番の表記などのもソ連軍機を模したものになっていました。

F-15DJ

引用:news.livedoor.com

F-15戦闘機(愛称:イーグル)は、現在のボーイング社の前身となったマグダネル・ダグラス社が開発し、冷戦下のアメリカ空軍が主力戦闘機として採用していた機体です。

F-15Jは、これを航空自衛隊向けに三菱重工業がライセンス生産した戦闘機で、1980年から導入が開始され、35年以上がたった現在でも自衛隊の主力戦闘機を務めています。

もとになったF-15はベトナム戦争の戦訓などに基づいて造られた機体で、速度性能だけでなく旋回性能も高く格闘戦能力にも優れています。

F-15Jには単座型と複座型があり、飛行教導群では複座型のF-15DJを使用しています。

F-15DJは全長19.4m、最大速度マッハ2.5、航続距離2800kmで、固定武装の20㎜バルカン砲に加え、短射程・中射程の空対空ミサイルを4発ずつ搭載することができます。

飛行教導群では複座型を使用しているため、1機につきコクピットにはパイロットが2人ずつ乗り込みます。

複座型は一般の飛行隊でも訓練の安全監視などに使用される機体で、2人のパイロットが搭乗することで、より多くの目で訓練を見ることができ、指導の質を高めることが目的です。

アグレッサー戦闘機の迷彩塗装

引用:minkara.carview.co.jp

アグレッサー部隊の使うF-15Jの特徴として、気体に施されたバリエーション豊かな迷彩があります。

空自の戦闘機にはロービジ塗装と呼ばれる、ステルス性を考慮して彩度を落とした暗色の迷彩を施していることが多いですが、アグレッサー部隊の場合は、実に様々な種類が存在します。

黒の迷彩から、ロシア機に似た青色、洋上迷彩のような濃青、さらには明るい緑や茶色といった戦闘機にはあまり見られない色の迷彩もあり、同じものは1つとしてないといわれるほどです。

引用:blog.hisway306.jp

引用:blog.hisway306.jp

引用:blog.hisway306.jp

通称「ガメラ」と呼ばれる緑と黒の迷彩など、ファンから独自の愛称をつけられている機体もあります。

引用:ganref.jp

これらの迷彩は、仮想敵国はもとより、世界の空軍の戦闘機が使用している迷彩塗装を参考にしているといわれ、アグレッサーとして敵機の迷彩がどのような幻惑効果や視認性をもっているのかを研究する意図もあるといわれ、パイロットにとっては訓練でこうした塗装の見え方を実地で学ぶチャンスになります。

教導飛行群の迷彩塗装は定期的に変更されていて、以前は青や緑の直線的な幾何学模様の塗装が多く採用されていましたが、現在は色を3色ほど使用した塗装が多く、迷彩のパターンも多様化しています。

なかには緑や茶色といった目立つ色の塗装もあり、これは、あえて訓練パイロットに見えるようにしているものです。

視認し辛い迷彩塗装を使用すれば、パイロットが機体を識別する能力を養うことができますが、もし機体を見つけることができずにやられてしまえば、それは空中戦の訓練としては不十分なものに終わってしまいます。

そこで、あえて目立つ色を使って訓練中にしっかりとパイロットに視認させることにより、敵機に遭遇したときにどのように判断し、どのような行動をとるかという訓練を行うことができるのです。

このように、アグレッサー部隊では迷彩1つとっても戦闘技術向上のため様々な意図や目的をもったものが使われており、日々、迷彩の配色やデザインといった研究が行われています。

まとめ

以上、訓練で敵役を務めるアグレッサー部隊にして、航空自衛隊最強の精鋭戦闘機部隊・飛行教導群を紹介してきました。

アグレッサー部隊といわれると、ちょっと馴染みがないものですが、訓練を施す立場にあるということは、普通のパイロットよりも強くなければならず、パイロットを指導する教官たちこそが空自最強の戦闘機乗りなのです。

近年、空自では、最新のステルス戦闘機F-35が導入されました。

アメリカ空軍ではF-35を使用したアグレッサー部隊が誕生するという話もあり、最強の敵を演じる飛行教導群にも、もしかすると将来、F-35が加わる日が来るかもしれません。

アグレッサー部隊が強くなることは、空自の戦闘機部隊そのものが強くなることにつながります。

日本の空を守る槍の穂先を育むため、飛行教導群はこれからも進化を続けていくのです。



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