都市伝説 オカルト

世界に存在する怖い都市伝説10選

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都市伝説は日本だけのものではありません。

英語でもそれを示すfolklore(フォークロア)という単語があることがそれを証明しています。

どの都市伝説を見ても、その国固有の特殊な文化や歴史的背景が時に明確に、時に薄っすらと見え隠れするのが『世界の都市伝説』の醍醐味です。

今回は様々な観点から、世界の怖い都市伝説を集めてみました。

 

伝説1 生き埋め イギリス


引用元:https://syukatsulabo.jp

日本人には馴染のない土葬という習慣。

まだ生きている人をウッカリ埋めてしまったらどうなるのだろうか。

そんなことを考えたことはありませんか?

1800年代の人々にとって、それはあながち杞憂でもなかったようです。

 

埋められた男の話

1896年、イギリスにて『ある墓暴きの日記』という『生きながら埋葬され生還した人々の声』を綴った非常にユニークな書籍が出版されました。

その一人であるジョン・マッキンタイアの体験談を要約すると――

***

ジョンは床に臥せり医者からも回復の見込みはないと告げられていた。

ある日の夕方、言いようのない奇妙な痙攣に襲われるジョン。

そこから先、彼は意識だけは明確に保っていながら一切の身動きが取れなくなった。

声を出すこと、瞼を自らの意思で開閉することすらできないまま、ジョンは看護師が自身の『死亡』を告げる声を聴く。

三日間たくさんの友人が彼に最後のお別れを告げに来るが、誰も彼に意識があることに気づいてくれない。

ついにジョンは棺桶に。

車で運ばれロープを掛けられ墓穴に降ろされる棺。

棺の上にドサドサと掛けられる土。

そして訪れる静寂。

やがて自分はここで死ぬ、蛆虫が己の身体を這い回る。

暗闇のなか孤独と絶望と恐怖のどん底に叩き落とされたジョンを救ったのは、家族でも友達でもなくまさかの墓泥棒だった。

ジョンは病院に運ばれ、裸にされて手術台に寝かされた。

医者や学生が集まり騒がしくなる部屋、まだ誰もジョンが生きていることに気づかない。

実演者がメスを手にしジョンの胸に突き立てたその時、ジョンの身体に激しい痙攣が起きた。

その一時間後、ジョンはすっかり生き返ったのだ。

***

嘘のような本当の話、まさに事実は小説よりも奇なり。

ジョンが体験談を盛っている可能性はなきにしもあらずですが、彼が生き埋めにされた上に解剖されかけたのは紛れもない事実です。

一見地味ですが、我が身に置き換えるとこれはとてつもなく恐ろしい話ではないでしょうか?

もし日本でこれが起きると、意識を保ったまま火炙りにされます。

ちなみに当時の棺には、地中を通して紐付きのベルがついていました。

もし生きていた場合、それを引っ張れば助け出してもらえるという逆即身仏システムです。

ただし、あくまでも引っ張る力が本人にないとどうにもなりません。

 

 

伝説2 スナッフ・フィルム 世界中?

引用元:http://rikimarudasu.thebase.in

スナッフ・フィルムとは、ストーリーも何もなくただ人が殺される様を克明に記録しただけの悪趣味な映像作品全般を指す単語です。

もちろん、『本物のスナッフ』など撮影・流通させれば即刻殺人・暴行・死体損壊で逮捕されてしまうので、上記画像も含めそれらはみなそれらしく作られたフィクションです。

今のところ、本物と噂されるスナッフはあっても、本当の本物は表向き出回ていないことになっています。

 

スナッフの可能性

表面的に出回っていない=絶対に、本当にない。

果たしてそんなことを誰が言い切れるでしょう?

実際、この世には今のご時世ですら戸籍の無い、法的に存在しない人間が沢山いるのです。

中国の一人っ子政策真っ只中に産まれた貧しい農村の子供が戸籍を持たぬまま成長し、同じ境遇の者同士で結婚して無戸籍児を再生産する。

そんなことが社会問題になっている世の中です。

もともと公には存在しない貧しい人間が、社会的地位と有り余る財力を持つ人間の道楽のために、今この瞬間世界のどこかで切り刻まれていても驚くには値しないでしょう。

時間と金を持て余した人間が性癖を拗らせると、たいていロクなことをしないものです。

 

スナッフを扱った美しい映画


引用元:https://blogs.yahoo.co.jp

ジョニ―・デップの初監督作品『ブレイブ』。

ドン底貧乏なネイティブアメリカンの青年ラファエルは、妻子のために大金と引き換えに本物のスナッフフィルムの『主役』に立候補します。

そのことを黙ったまま、約束された凄惨な死を迎えるまでの七日間を描いた作品。

もちろん映画はフィクションですが、世の中には100$のために人を殺す人間がいるのだから、家族のためにバラされる人間がいても可笑しくないかもしれない。

場合によっては親に売られることだって……。

そんなことをリアルに思わせる映画です。

 

伝説3 フックマン アメリカ


引用元:https://twitter.com

アメリカには怪人系の都市伝説が幾つかありますが、こちらのフックマンもその一人です。

 

主な活動内容・動機

公の場でイチャイチャしているカップルを、両手に付けた鉤爪で無差別殺害。

犯行動機は、過去にカップルの乗った車に轢かれて両腕を失くした怨恨からの復讐。

この都市伝説は、1950年代に交際中のカップルに節度ある行動をするよう戒めるために流布したという説があります。

かなり過激な風紀委員キャラです。

 

フックマンに遭遇すると

都市伝説らしく幾つかのバージョンがありますが、大きく分けてカップル生存エンドとデッドエンドがあります。

《生還エンド》

公園で車を止めてイチャイチャしていたカップルが、カーラジオで『精神病院から殺人鬼フックマンが逃げ出した』というニュースを耳にする。

怖くなったカップルはお楽しみを中断し車を発進させ家に帰る(男性が彼女を家に送る)。

車から降りた時、彼らは血塗れのフックが車のドアにぶら下がっていることに気づく。

 

《デッドエンド》

駐車中の車から女性を残し男性が用事を足しに出て行った。

中々戻ってこないボーイフレンドに不安を募らせる女性の耳に、車の屋根を何かが擦る音が聞こえてくる。

気味の悪い音に怯えながら車内で一夜を過ごしす女性。

彼女が翌朝目にしたものは、木から逆さ吊りにされたボーイフレンドの姿だった。

あの気味の悪い音は、彼の遺体の手の爪が車の屋根を引っ掻く音だったのだ。

 

いずれも車の中で淫らなことをするティーンエイジャーを戒める意味合いがあるようです

 

あの映画の元ネタ?


引用元:https://fridaythe13th.fandom.com

アメリカでは、フックマンの都市伝説がかの有名なホラー映画『13日の金曜日』の元ネタではないかとも言われています。

その理由は――

・フックマンの話がキャンプの夜の怪談話―アメリカ映画でありがちな、子供たちが焚火の周りで夜更かしを楽しみつつお喋りするシーンで語られる―の定番だから。

・フックマンが狙うのは駐車した車の中でイチャイチャしているカップル限定。

ジェイソンは最終的には無差別的ですが、真っ先に狙うのはやはりお楽しみ中のカップルや、違法薬物を使用している若者。

・一作目の殺人鬼であるジェイソン・ママの動機が、ハンディキャップのある息子ジェイソンを監督不行き届きで溺死させたバカップルへの復讐。

転じてキャンプ場でイチャイチャするふしだらなティーンエイジャー皆殺し。

 

ただし、個人的にはよりこちらの映画の方がフックマンに近いかと思われます。


引用元:https://www.amazon.co.jp

1981年の『バーニング』。

古い上にマイナーな映画ですが、恐怖の演出が非常に上手い。

ちょっとしたタイミングや音の使い方でドキっとさせられます。

こちらも舞台は子供や10代の若者たちが集まるキャンプ場。

子供たちのちょっとした悪戯が原因で全身に大やけどを負った底意地の悪い元・管理人の男が復讐という名目の無差別殺人を行います。

フックマンの犯行動機を考えると、ジェイソンよりもこちらの方が動機的に近いようにも思えます。

余談ですが『バーニング』の特殊メイク担当が、後に13金でも特殊メイクを担当しています。

 

 

伝説4 クマトーン(黄金の子) タイ


引用元:https://tocana.jp

微笑みとマイペンライと仏教の国タイ。

底抜けに明るく大らかな国には、一方で貧困・売春・人身売買など深い闇があります。

その闇の中にはオカルトも存在し、その一つが呪物(フェティッシュ)です。

基本的に国民の大半は敬虔な仏教徒でありながら、同時に仏教伝来以前からのアニミズム的民間信仰も色濃く残り、人々は『ピー』と呼ばれる幽霊・妖怪・精霊を信じています。

上座部仏教と土着信仰を足して混ぜて割らずにそのまま、それがタイの一般庶民の信仰する『仏教』と言えるでしょう。

極少数ではありますが、『サイヤサット』と呼ばれる黒魔術も伝えられており、ここでご紹介するクマトーンはサイヤサットの中でも最凶の禍々しさを誇る逸品です。

 

胎児を使ったお守り

クマトーンとは最強レベルの霊力を宿すお守りです。


《クマトーンの作り方と変遷》

元祖

妊婦の腹を引き裂いて胎児を取り出す。

②干したり焼いたりしてミイラ化させてものに金箔を張り付ける。

③呪術師が霊を込めることで完成。

このお守りは宿したモノが人の子故に凄まじいまでの力を持つと信じられていました――否、今も信じられています。

 

中期

さすがに母親ごと胎児を殺すのは残酷過ぎるため、堕胎した胎児の遺体が使われるようになります。

製法は元祖と同じ。

貧しい女性が堕胎した赤子を金持に売っていたようです。

 

後期~現在?

幼児の遺灰を子供の人形に封じ、水子霊を込めて作成。

見た目の禍々しさは大分ソフトになりましたが、冷静に考えると充分不気味です。

ちなみに、こうしたものはたいへん高価なオーダーメイドであるため、まっとうな庶民はレプリカを購入します。

上の写真も勿論レプリカ……のはずです。

『入ってない』保証もありませんが。

引用元:https://tocana.jp

呪物を数多く扱うマニアックな市場タープラチャン。

基本的にはお土産価格の安価なレプリカですが、ひょっとするととんでもない本物が紛れているかも?

いろいろ大らかな国だけに、そうした夢が捨てきれません。

 

クマトーン事件

クマトーンを本気で欲しがる人間は、実は今の時代でもかなりいます。

しかも、タイ国内のみならず中国や台湾の金持・好事家の間でも大人気

こうした背景の中、2012年にとんでもない事件が起きました。

 

***

首都バンコクにある中華街のホテルで、胎児の遺体6体を販売目的で所有していた英国籍の台湾人チャウ(当時28歳)が逮捕された。

遺体は焼かれた上で金箔を施されたクマトーンであった。

チャウは1体20万バーツ(約68万)でクマトーンを買い取り、台湾で高く転売するつもりだったという。

***

ほんの7年前に起きた、クマトーンにかける本気度のわかる事件です。

日本人の感覚だと微妙な価格帯ですが、タイで20万バーツといえばかなりの大金です。

なお、この事件ではチャウが逮捕されるキッカケとなる奇妙なエピソードが囁かれています。

***

誰も居ないハズの部屋で赤ん坊の泣き声がする。

心配した付近住民が警察に通報、警官が確認するも赤ん坊などどこにもいない。

しかし、翌日にもやはり赤ん坊の泣き声が聞こえるため再通報。

警官がもう一度部屋を改めたところ、件の遺体6体の発見に至った。

***

遺体であるクマトーンが泣き声を上げてその存在を他者に訴えた。

にわかには信じがたい非科学的な話です。

しかし、クマトーンとは最強レベルの霊力を宿す呪物である故、6人揃ってその気になればそのくらいのことは余裕でしょう。

この後、クマトーンの性根を抜く儀式が僧侶によって警察署で行われたというのが実にタイらしい。

『非科学的でも良くわからなくても、現実にあるモノはある』、日本人にはない精神の柔軟さを感じます。

 

ちなみに、この事件以外にもタイでは胎児・嬰児の遺体の盗難事件が度々発生しています。

全てがクマントーン目的ではないにしろ、何らかの関与があるのかもしれません。

 

 

伝説5 人胎鬼仔(じんたいきし) タイ経由中国

引用元:http://akachann99.hatenablog.com

上でタイのクマトーンのお話をする中で、クマトーンが中国や台湾の好事家の間でも大人気と述べました。

それがこれからご紹介する人胎鬼仔です。

中国では児鬼仔、鬼王、小鬼王、路過(ルーグォ)碌葛観(ルーググァン)と呼ばれ、ルーグォ、ルーググァンはタイ語のLokgotに由来する呼び方です。

 

タイから来た人胎鬼仔

中国では、人胎鬼仔は800年前にアユタヤ朝タイの将軍・クンペーンが作り出したものとされています。

クンぺーンはハンドメイドの人胎鬼仔を古曼童(こまんどう)と名付け、常に戦場に携帯し常勝将軍となりました。

故にこそ、多くの人がクンペーンに学び、今もって人胎鬼仔を作るのです。

 

クンペーンの古曼童

始まりのクマトーン=人胎鬼仔=古曼童を作ったクンペーンですが、その制作秘話が完全に恐怖系都市伝説です。

***

優れた軍人であると同時に魔術師と異名を取るほど呪術に精通していた異能の将軍クンペーン

彼はある時征服した土地の支配者の娘と結婚し、友好関係を結んだ。

しかし、後にクンペーンと土地の支配者の関係は悪化。

支配者は娘にクンペーンを毒殺するように命じた。

しかしクンペーンは妻の動きを察知し、殺られる前に身重の妻を刺殺。

***

ここまでは殺伐としてはいても戦国あるあるで珍しくはありません。

しかし、ここからのクンペーンの行動が常軌を逸しています。

***

クンペーンは殺害した妻の腹を裂いて我が子を取り出し、寺院に籠り厳重に戸締りをしてから秘密の儀式を行った。

儀式の詳細は伝わっていないが、胎児の身体に経文を記した布を巻きつけ、炎で炙って乾燥させたらしい。

古曼童には意思があり、父親であるクンペーンの願いを叶えたという。

***

肝心の儀式内容が曖昧なのが都市伝説らしいですね。

この地点ではまだ金箔を張ってはいなかったようですが、これがクマトーン=人体鬼仔の始まりと考えてまず間違いないでしょう。

それにしても、父親と夫との板挟みから動いたであろう身重の妻を躊躇いなく殺し、あまつさえ腹を裂いて血を分けた我が子を取り出し呪物として使い倒す父親こそが鬼です。

 

人胎鬼仔を欲しがる人々

中国や台湾では、仕事運・金運上昇の呪物として現世利益を求め人胎鬼仔を欲する者が多いと言われています。

とりわけ『運』が成功の秘訣を握る芸能関係者やギャンブラは人胎鬼仔を欲しがります。

とはいえ、人胎鬼仔を所有することは簡単ではありません。

彼らはある種の祟り神のようなもので、所有したからには丁重に、形式だけでなく家族の一員として真心こめて扱う必要があります。

彼らを粗末に扱えば、所有者に大きな災いが降りかかると言われているからです。

赤ん坊の霊だけに、彼らは所有者を親のように慕い懸命に願いを叶えようと働く一方で、親の裏切りを絶対に許しません。

子供と動物の霊が危険だと言われているのは、純粋さが裏返った時の真っ直ぐな恨みが強烈だからです。

もしもあなたが人胎鬼仔を購入しようと思うのならば、家族、それも結構わがままな幼児を一人養子にするくらいの覚悟が必要です。

 

クマトーン・人胎鬼仔・古曼童

すこしゴチャゴチャしてしまったので、最後にザックリと整理しておきます。

《クマトーン》

タイの将軍クンペーンが800年前に作成。

本来は人間の胎児を使うが、現在売られているのは基本的にレプリカ。

転売目的でのオカルティックな事件をちょいちょい起こす。

 

《人胎鬼仔》

中国でのクマトーンの呼び名。

いわゆる本物を指すことが多い。

 

《古曼童》

最初のクマトーンに付けられた名前。

転じて中国では赤ん坊を象った金運上昇人形の呼び名に。

ただのレプリカもあれば、乳幼児~12歳までに亡くなった子供の魂が封じられている本物もある。

制作者や封じる霊の種類により多くの分類があり、呪力も作り手の能力でピンキリ。

 

 

伝説6 ルクテープ人形 タイ

引用元:https://t-freak.info

クマトーンに人胎鬼仔に古曼童、そんな呪物なんてもう古い。

祟り怖いし本物持ってるとオマワリさんに捕まるし、そもそも可愛くないんだよね!

そんなわけで現在タイの一部で大流行しているのがこちら、幸運を呼ぶルクテープ人形です。

 

ルクテープ人形の使い方

①好みの人形を購入

『子供の天使』を意味するルクテープ人形は、実店舗もしくはネット販売にて日本円換算約4千円~8万円で販売されています。

 

②寺院にて高名な僧侶に祈祷を依頼

マストではありませんが、そうすることによって人形に高い霊力が宿ると考えられています。

由緒正しい仏教の僧侶が民間信仰、それもかつてのクマトーンを連想させるものに関わることを快く思わないタイ人もいますが、大半の国民はマイペンライ。

 

③人形を我が子の如く溺愛すべし

連れ帰って人形を、家族の一員として大切に扱い可愛がります。

食事を供え、朝夕話し掛け、可愛らしい子供服を着せたりアクセサリーを身に付けさせるのです。

興味深いのは、わざわざ人形に刺青を入れる所有者が多いこと。

タイでは幸運を呼ぶ刺青があるとされ、日本のようにプール駄目!健康ランド来るな!などとうるさいことは言われません。

というか、お坊さんの中にも派手な刺青の入った方が少なからずおられ、スキンヘッド・鍛えられた肉体・鋭い眼光が合わさると迫力があります。

引用元:https://4travel.jp/travelogue

ムエタイ使えそうなお坊さん……目力強し。

 

ルクテープ効果

うだつの上がらなかった芸能人が、人形を購入し服を着せ可愛がり、奮発して金のアクセサリーを買い与えたら大きな仕事の話が来た。

さらに夢枕にた立った人形の要求に従い、より高価なプレゼントを送ったらより大きな仕事に恵まれた。

宝くじに当選して大金を得た。

これらが真実ルクテープの力かはわかりかねますが、実際に幸せになったと喜んでいる人がいることは確かです。

また、主人が人形を家に持ち帰ったところ、2匹の飼い犬が人形と距離を取ったままこぞって吼えまくる動画もありました。

訓練で『吼えろ』を教えることは可能ですが、ただの人形に対して2匹揃って警戒態勢を取らせる仕込みは素人には困難かと思われます。

 

ルクテープ珍騒動

ルクテープによって引き起こされた、これぞタイ!といった珍騒動をここで一つご紹介します。

ルクテープを溺愛する所有者は、旅行にだって人形を連れて行きます。

もちろん愛玩人形をつれてどこに出かけようと、著しく公序良俗に反しない限りは原則的に個人の自由でしょう。

しかし、それが飛行機となると些か事情が異なります。

『ルクテープは人間ではなくあくまで人形、よって手荷物である』と主張する航空局は、離着陸時にルクテープを荷物として収納するよう指示

これに対し人形の所有者が『ルクテープは物じゃない、荷物扱いなんかできるか!』と激怒。

笑い話にも聞こえますが当事者たちにとっては切実な問題であり、タイの航空会社の一部はルクテープ対策に真剣に取り組みました。

タイ・スマイルは新たにルクテープへのサービスとして、人形を座席に座らせ軽食をサーブし、人間の子供同様非常口付近の座席に座らせない方針を打ち出したとのことです。

2013年に性格に問題のある息子を持つ母親が作り始めたルクテ―プ人形と、人形が引き起こす様々な騒動。

数十年後には尾ひれのついた良い都市伝説に成熟しそうです。

 

 

伝説7 ウィンチェスター・ミステリーハウス アメリカ


引用元:http://xanadu.xyz

いかにも外国の金持ちの家といった趣のこちらの豪邸。

実は呪われているんです。

 

ひたすら増築もはや増殖

家が古くなったからリフォーム、ついでにちょっと増築。

別に珍しくもない話です。

しかし、その増改築が38年間盆暮れ正月クリスマス関係なし、一刻たりとも手を止めることなく続けられていたらどうでしょう?

いかにセレブのお屋敷とはいえ、サグラダ・ファミリアじゃあるまいし異常としか言いようがありません。

そんな異常な改増築を1884〜1922年まで続けて来たのが、ここでご紹介する通称ウィンチェスター・ミステリーハウスです。

当屋敷は、もともとはサラ・ウィンチェスターの個人的な邸宅であり、現在も観光地としてサンノゼ525サウス・ウィンチェスター通りに建っています。

当初の屋敷はセレブの住居らしく豪華ではあったものの、部屋数も8部屋と常識的な範疇の個人宅でした。

彼女の資産を考えれば、むしろ質素と言えたかもしれません。

しかし、彼女は自宅をひたすら38年間死ぬまで増改築し続けたのです。

最終的にサラの邸宅は部屋数160、敷地面積東京ドーム2つ分にまで増殖。

かかった総工費およそ550万ドル

もはや金持の道楽としても常軌を逸しています。

おまけに増築されたウィンチェスター屋敷には設計の基本計画といったものがまるでありませんでした。

行き止まりに意味のないドア、訳の分からない隠し部屋に隠し通路。

ガイドなしで入れば遭難必至の巨大忍者屋敷状態の自宅、危なくって客なんて呼べたもんじゃありません。

サラは一体何の目的があってこのような奇怪極まりない屋敷を作ったのでしょうか。

 

幽霊と戦った38年間

サラはコネチカットの名家に産まれ、長じては銃のビジネスで成功を収めた実業家ウィリアム・ワート・ウィンチェスターと結婚した生粋のセレブ女性です。

そう、サラの夫はあのウィンチェスター銃を製造してきた一族だったのです。

引用元:https://matome.naver.jp

娘にも恵まれ幸福に過ごしていてセレブ女性サラ。

しかし、そんな彼女の身に相次いで不幸が訪れます。

娘・義父・夫、愛する家族の相次ぐ死去。

未亡人となったサラの元には、孤独位と引き換えに莫大な財産・特許権・株式が残りました。

そんな時、金はあっても不幸なサラが日々悲しみに暮れて過ごすのを見かねた友人が、彼女に霊媒師に相談することを勧めたのです。

霊媒師の宣託を要約すると―

・家族が早逝なのは、代々銃を製造してきた呪い

・ウィンチェスター銃で死んだ幾千の魂が復讐の機会を窺っている

・西部に行って自分と死者の霊のために家を建てろ

・家の建築を止めてはいけない、やめたら死ぬぞ

孤独がサラの心を弱くしていたのか、あるいは何か思い当たることでもあったのか。

サラはこの霊媒師の言葉を素直に信じ、38年間傍目には意味不明な増築を幽霊と戦うためだけに続けたのでした。

引用元:https://twitter.com

『JOJOの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦の『変人偏屈列伝』でも取り上げられているウィンチェスター・ミステリーハウス。

漫画で読むとサラの異常な行動が必然に思えて来るから不思議です。

 

 

伝説8 ベッドの下の斧男 アメリカ


引用元:http://theurbanlegends.blog.fc2.com

アメリカ版口裂け女と言って良いほど有名な、殿堂的都市伝説。

概要

アパートで一人暮らしをしている女性の部屋に、女友達が遊びに来てそのまま泊まっていくことになった。

部屋にはベッドが一つしかないため、自分はベッドに寝て友人は床に寝具を敷いて寝てもらうことに。

夜も更けそろそろ寝ようとする女性に、何故か友人がいきなり外『外に出よう』と誘う。

女性はこんな夜中にと渋り『一人で行きなよ』と断るが、友人は『どうしても一緒に行きたい!』と執拗に誘う。

あまりのしつこさに辟易して部屋を出た女性に、友人は血相を変えて告げた。

『ベッドの下に包丁を持った男がいた』と。

***

ディティールに幾らかの違いはありますが、これが基本形となるお話です。

男の凶器が斧や鎌だったり、アパートの部屋がペンションやホテルであったり、男が隠れているのがクローゼットの中であったりしますが、いずれもメインテーマは殺意を持つ男が部屋に潜んでいたことです。

 

類似した都市伝説

《イギリス》

ホテルに宿泊中の男が、ベッドで寝煙草をしていて煙草を床に落としてしまった。

するとベッドの下で何者かの手が煙草をもみ消した

男は『トイレに行きたい』などと独り言を言いつつ部屋から脱出。

 

《日本》

旅人が通りがかりの空き家に泊まったところ、室内に鬼が磯んでいることに気づく

外に停めてある馬の様子を見に行くフリをして難を逃れた。

鎌倉時代の説話集『古今着聞集』より。

 

類似形がふるくからあるため、必ずしもアメリカ発祥の都市伝説ではないのではないかとする説もあります。

しかし、誰も居ないと思って寛いでいたら得体の知れない先客がいたというシチュエーション自体は、国を問わずありそうです。

特にセキュリティが緩く、野宿・素泊まりが当たり前の時代においては何ら不思議なことではありまえん。

何もない森の中、ガス欠で往生した若者たちが無人のボロ屋敷に勝手に上がり込み傍若無人に振る舞っていたら、一人また一人と殺される――ホラー映画にもありがちなパターンです。

特に人も死なず血も流れず呪いも登場しない大人しい伝説ですが、リアリティということでは最恐レベルかもしれません。

実際日本では、2001年東京都中野区で一人暮らしをしていた女子大生の部屋に忍び込んだストーカー男が、ベッドに隠れていたところを発見され逮捕に至る事件がありました。

事実は伝説より恐なりですね。

 

伝説9 桃娘(トゥニャン) 中国

引用元:http://devips.com

儚く残酷で美しい薄幸の人造仙女

桃娘とは

秦代から存在していたと噂される桃娘とは、読んで字のごとく幼少期より桃と水だけを与えて育てた少女を指します。

実際にそんな食生活で人が生きられるものか医学的に疑問は残りますが、ここでは一先ずそれは置いておきましょう。

桃娘はその特殊な食生活のために、全身から仄かに甘い桃の香りがしていたそうです。

ベジタリアンは体臭が薄いの更なる進化形とでも言うべきでしょうか。

ただしベジタリアンがそれなりに健康であるのに対し、桃娘は極度の計画的偏食で育てられるため一様に酷い虚弱体質であり、その寿命は10代で尽きてしまうと言われています。

 

桃娘育成目的

かつては大変な高級品であった桃を惜しげもなく食べさせて、すぐに死んでしまう虚弱体質の少女を作る。

一体誰が何のためにそのようなことをしたのでしょう?

これには、桃という果物の神秘性が大きく関わっています。

桃は古代より神聖な霊力を宿す特別な果物として認識されていました、

西王母の蟠桃宴では3千年に一度だけ実を結ぶ不老長寿の桃を神仙たちが食し、桃源郷には美しい桃がたわわに実り、人々はその桃を食べ無病息災で楽しく暮らしているとされています。

そのような神秘の果実だけを赤ん坊の頃から贅沢に食べさせ育てた穢れなき少女を、中国の金持・権力者たちは自分だけの仙女としたのです。

彼女たちの体液、すなわち汗・尿・唾液はほんのりと桃の味がする美味とされ、不老長寿の霊薬として金持たちの舌と心を悦ばせました。

 

桃娘の一生

10代で死んでしまう儚い桃娘の一生は悲しいものです。

幼少期から金持専用の生きる霊薬として身体を造られ、少女期を買われた先の金持に良質の体液を差し出すためだけに過ごし、やがて寿命が近づけば犯されたショックで死ぬか、殺されて二足羊として肉を食べられます。

桃娘との性交渉や、その肉を食う行為もまた不老長寿に繋がるとされていました。

 

桃娘は実在したか?

かなり古くから囁かれている中国の都市伝説桃娘。

果たして桃娘は実際にいたのでしょうか?

ここではその是非を軽く検証してみます。

 

《実在説根拠》

・尿が甘い(ピーチフレーバー)なのは糖尿病に罹っていたからと、医学的に妙なリアリティがある。

・果物だけで生きられる特異体質の男性が日本に実在。

・近年まで中国では人身売買が極普通に行われていた。

・カニバリズムへの敷居が低い。

・纏足に宦官に四肢切断と、人体改造が得意なお国柄。

・性と食に対し芸術的なまでに貪欲な国民性。

・水銀飲むほど不老長寿への憧れが強い。

 

《非実在説根拠》

・秦の時代、桃は夏場しか収穫できなかった。

・冷蔵庫もハウス栽培もない時代に、傷みやすい桃を一年中主食として用意するのは難しい。

・特異体質がいたとしても、大半は桃と水だけで10代まで生きられない。

・販売目的で造るにはコスパが悪すぎる。

・調べても正史の中に桃娘の記述が出てこない。

 

どちらも半々にありえるように思えます。

未だに本物のクマトーンを欲しがるくらいですから、桃娘を欲しがってもそう不思議ではないような……?

 

 

伝説10 達磨女 日本発中国着

引用元:http://bbs50.meiwasuisan.com

日本から出発して中国の僻地で見つかる国境を越えたグロテスクな都市伝『達磨女』。

派生の物語も多く、元の話からどんどん展開していくパターンは『口裂け女』にも似ていますが、こちらはかなりアダルトです。

 

達磨女は2パターン

達磨女は都市伝説の中でも珍しいことに、明らかに系統の異なるパターンが存在します。

細部が異なったり、最終的に生還エンドかデッドエンドかという単純な分岐ではなく、舞台も達磨女の位置づけも全て異なるのです。

 

《①海外旅行パターン》

1980年代に流布。

新婚旅行や友人との旅行に出かけた女性が更衣室から忽然と消え、数年後に中国の見世物小屋で四肢切断された姿で発見される。

 

《②村の慣習パターン》

ネットが定着してから流布。

人為的に四肢切断した女性を性奴隷にしながら祀る特殊な村が出て来る。

 

どちらのパターンでも、四肢切断された女性が出て来ることが共通であり、この都市伝説に生々しい怖さを与えています。

①海外旅行パターン

《新婚旅行編》

ある夫婦が新婚旅行で中国に行った。

夫婦は洋服店に入ったが、妻が試着室からいつまでたっても出てこない。

有り得ない失踪を遂げた妻のことを訴えても、店員や警察はまともにとりあわず妻は見つからなかった。

数年後。

会社の出張で中国を訪れた夫は、誘われて嫌々ながら見世物小屋に入る。

そこには四肢切断され虚ろな目をした女がいた。

夫と目が合った女は突如正気を取り戻し、舌を切られてまともに喋れない口で何かをしきりに訴えてくる。

なんとその女は、数年前行方不明になったきりの妻であった。

しかし夫は何も言わずその場を立ち去る。

夫に見捨てられた妻がその後どうなったかはわからない。

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新婚旅行パターンには、一人帰国した夫が精神を病んでしまう類型もあります。

 

《女友達との旅行編》

二人組の女性が中国に旅行に行き、一人が更衣室から消える。

一年後に中国出張に来たある日本人が酔った勢いで知人の中国人に連れられ見世物小屋へ。

そこには達磨のような姿の四肢切断された妊婦がいた。

彼女は精神に異常をきたしているようで目の焦点もあっていない。

知人曰く、『達磨女が逃げられないように妊娠させて薬漬けにしてある。達磨女を好む物好きな客もいる。お前も試すか?』

すっかり酔いの醒めた日本人は、達磨女が日本語を喋っていることにも気づいた。

後に達磨女の両親はこの話を聞き中国に渡航、娘を買い戻して帰国。

達磨女は今も日本のとある病院で静かに生きているという。

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四肢切断された女性に妊娠という要素が加わることで、女性のフォルムがより達磨に近づきました。

最終的に両親によって救出されるものの、壊れたままの達磨女にしてみれば見世物小屋も精神病院も大差ないという物悲しさがつきまとうラストです。

ちなみに、海外旅行編には主人公が女性ではなく男性の『達磨男』もあります。

こちらの話で特徴的なのは、『達者』と書かれた看板の店に入ると手足のない人形が数体並んでいて、よくよく見ると人形の目や口が動き四肢切断された人間だと知れる展開です。

 

②達磨村パターン

8月8日に達磨女を村の神社に納め、村の権力者たちが次々に達磨女と性交…というか輪姦する。

性交後達磨女は飲食を断たれ餓死。

達磨女がミイラになると達磨女神として祀る。

村でもこの風習を知るのは権力者たちだけ。

達磨女村の神社の一室には、現在まで納められてきた達磨女のミイラが何十体もある。

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村の因習、独自の宗教、狭い世界での権力者の特権、ミイラ。

オカルトや都市伝説として好まれる要素がこれでもかと盛り込まれた出来の良い話です。

 

達磨女と性

達磨女の都市伝説には、いずれも性的ニュアンスが付き纏います。

四肢切断してコンパクトにまとめ、逆らったり逃げたりできなくした女性を漁船に乗せ死ぬまで性欲処理に使い、死んだら海に捨てる。

日本のとある地方にある売春島には、売春目的で造られた達磨女がいる。

このような都市伝説からもわかるように、自分では何も出来ない手足のない女性を女性器そのものとするフェチズムが存在します。

amputee(アンプティ)はアングラな性的趣向故に表出しにくいものの、達磨女の性的ニュアンスに少なからず関わっているのではないでしょうか?

 

実在の可能性

そんな馬鹿な…と言い切れないのが中国の怖い所です。

中国には『丐幇』(かいほう)と呼ばれる物乞いの統括組織が古くからあり、組織は貧しい家の子供を買ったり浚ったりして幼児期に手足を切り落として物乞いをさせます。

理由は五体満足な子供よりもハンディキャップのある子どもの方がより『可哀想』に見え、たくさんの喜捨を得られるからです。

そうした子供の中に容姿の良い女児がいて幸か不幸か生き延びられた場合、達磨女は都市伝説ではなく現実の社会問題になるでしょう。

引用元:https://www.sankei.com

 

まとめ

こうして並べてみると、都市伝説にはお国柄が良く出ているように思えます。

アメリカの都市伝説は背景だのデティールだのにはこだわらず、わりと大味。

その分ビジュアル的に見栄えがして、ハリウッド映画的な印象。

アジアの都市伝説は歴史的事実+適度なうさん臭さの呪術系。

中国の都市伝説は、人体改造の歴史があるだけに眉唾と言い切れない底知れぬ不気味さ…

つくづく我が国日本の都市伝説はきめ細かく細部に至るまで作りこまれていると再認識しました。

皆違って皆良い、そんな言葉が自然に浮かんできますね。

あなたはどの国の都市伝説がお好きですか?




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