世界で多数目撃報告が続くものの捕獲にが至らない奇妙な生物・UMA(Unidentified Mysterious Animals)
人間の想像力が生み出した生物に過ぎない、という意見もあるUMAですが、地球上に人間が未だ捕えられない生物がいるのは当然のこと。
この記事では、そんなUMAの中から特に目撃情報の多いもの10選を紹介していきます。
モスマン
引用:http://www.cultofweird.com/cryptozoology/mothman-documentary-on-amazon/
モスマンはアメリカのウエストバージニア州のオハイオ渓谷周辺で目撃情報の多いUMA。名前の通り巨大な蛾のような姿を持ち、全長2m、翼開長は3m程度。
頭部が無く、灰色の長い体毛が生えた胴体の胸部に巨大な光る赤い目を持つとされ、胴から生えた2本の脚で直立することもできますが歩く姿は目撃されていません。
また夜行性で最高時速400kmで飛べるほど飛行能力に優れ、車の後を追いかける姿などが目撃されています。
モスマンを目撃した人は不幸に襲われる、モスマンが現れるのは不幸な事件が起きる前触れ、とも言われており、実際に1967年にモスマンの目撃報告があった時は、その日のうちにオハイオ川に掛かるシルバー・ブリッジが突然崩落し、結果46人もの死者が出たのです。
更にモスマンを題材にした映画『プロフェシー』(2002年/アメリカ映画)では、音楽監督や美術スタッフ、出演俳優や女優など撮影関係者計8名もが、2006年までの短い期間に異なる原因で死を迎えており、モスマンの呪いではないか?と噂になりました。
そんな不吉なイメージの強いモスマンですが、オハイオ渓谷の中でも特に目撃情報の多いポイント・プリザントにはモスマンの像も建立されているうえに、お土産としてモスマングッズの販売もあり、現在は町おこしに一役買っているようです。
モンゴリアン・デスワーム
引用:http://thinkingsidewayspodcast.com/mongolian-death-worm/
モンゴリアン・デスワームはモンゴル北部のゴビ砂漠で目撃情報の多いUMA。巨大なミミズのような外見で、全長は50cm~1.5m程度で、太さは人間の腕ほど。
赤褐色の体色に黒い斑点が浮かんでおり、目や鼻などは見当たらず、口の周りに3本の突起を持つとされています。
普段はコビ砂漠に巣穴を掘って地中で暮らしており、6月~7月の雨季の短い期間のみ地上に姿を現して狩りをします。
肉食で口から毒性の強い黄色い粘液を吐き、尾からは電流を放てるといった強力な攻撃手段を持ち、家畜や人間を襲って捕食すると考えられ、恐れられているのです。
生物が放電というとファンタジーめいて聞こえるかもしれませんが、実際に南米のアマゾン川に生息するデンキウナギのように放電ができる特殊な細胞を持つ生物は存在するため、人間や大型家畜を感電死させる生物がいてもふしぎではありません。
初めてモンゴリアン・デスワームの目撃情報があったのは、19世紀初頭。その後も目撃情報や毒殺されたものと思われる人間の死体の報告が続き、2016年には日本人の金成栄一氏が、このUMAのものと思われる謎の生物の撮影に成功したと主張しています。
ツチノコ
ツチノコは北海道と沖縄を除く日本全土で目撃情報の寄せられているUMAで、全長30cm~80cm。『古事記』にも野稚神として登場する程、古い歴史を持ちます。
三角形の頭部と細くくびれた首、直径7cm~15cmに及ぶ丸い胴を持ち、体色は黒、こげ茶、灰色のベースに縞や斑紋といった模様が浮かび、腹部は黄色がかっています。
昼行性で単独性、警戒心が強く神経質な性質を持ち、泳ぐことができるうえに尾を使って垂直に立つことができるなど高い身体能力と筋力を持つと考えられています。
日本ではカッパと並び有名なUMAであるツチノコが、一躍有名になったのは1959年。随筆家の山本素石氏が京都の鴨川の奥地でビール瓶のような胴を持つ蛇に似た生物に襲われ、逃げた先の山村に住む老人からツチノコの話を聞き、この時の体験を雑誌に発表したことが話題となってツチノコブームが起きたのです。
その後、1980年代をピークにツチノコブームは落ち着いていきましたが、岐阜県東白川村では懸賞金をかけてツチノコ捜索を行う“つちのこフェスタ”が毎年5月に開催されており、2018年にはなんと30周年を迎えました。
フラットウッズ・モンスター
引用:http://wvexplorer.com/2018/01/24/film-investigate-wv-flatwoods-monster/
フラットウッズ・モンスターはアメリカのウエストバージニア州フラットウッズやロシアのモスクワ、メキシコのメキシコシティなど、多数の国で目撃されているUMA。
身長は3m程度で、球状の赤い頭に黄色く発光する目を持ち、透明のヘルメットと緑色のスカートのようなものを身に纏っているとされます。
このUMAはUFOとセットで目撃されることが多く、異星人、もしくは異星人のペットなのではないかと考えられています。
フラットウッズ・モンスターが初めて目撃されたのは1952年の9月12日。フラットウッズの丘に謎の飛行物体が着陸する様子を見た地元の少年たちが確認に向かったところ、マスタードガスのような刺激臭のガスを放つ見たこともない生物と遭遇。
このことが全米に広まり、同年7月12日に起きたワシントンD.C.のUFO乱舞事件の影響もあって、フラットウッズには大勢の人が詰めかけました。
結局、このUMAの正体はメンフクロウであったのではないかという結論が出たことで、騒ぎは沈静化しましたが、2009年にはメキシコ国際空港上空で、2010年にはモスクワ空港上空での目撃情報が寄せられています。
なお名前の由来となったフラットウッズでは、毎年フラットウッズ・モンスターフェスティバルが行われており、現在はご当地キャラクターとしても人気を博しているようです。
シャドー・ピープル
シャドー・ピープルはアメリカ合衆国~南米にかけて目撃情報が寄せられるUMAで、身長1.7m~2m。
人型でありながら平面的で、影のような姿を持ち体色は黒色。帽子や靴を身に着けているものもおり、出没時間はランダムです。
出現前には焦げ臭いにおいが感じられ、ポルターガイスト現象が起きることも多い、といったような出現時の現象について知られていることはあるものの、このUMAの性格や出現理由は不明で、一説には幽体離脱した人間の影ではないかとも言われています。
また、複数回に渡って同じ場所や同じ人間の前に現れ、時にはお告げのようなメッセージを告げることもあることから、別次元に暮らす生物(死んだ人間を含む)などの姿が、この次元に投影されたものがシャドー・ピープルなのではないかとも考えられています。
チュパカブラ
引用:https://horrorfreaknews.com/chupacabra-gets-horror-movie/16378
チュパカブラはプエルトリコを始めとする南北のアメリカ大陸で目撃場が続くUMAで、全長90cm~120cm。
スペイン語で“ヤギの血を吸うもの”という名前を持つ通り、ヤギやヒツジ、鶏といった家畜の血を好み、獰猛で残虐な性格と考えられています。
暗い灰色の剛毛に覆われた体に楕円形の頭部、赤く発光するアーモンド形の眼と30cm程もある長い舌を持ち、背中には棘を持つものの他に羽を持つものもいるとされます。
カメレオンのように体色を変えられるほか、6mの高さの樹を一回のジャンプで超えられる程の跳躍力を持つとも言われ、出現時にはUFOを伴うことからフラットウッズ・モンスター同様に宇宙人と関係があると推測されることもあります。
このUMAの目撃情報は1990年代半ばから始まり、特に2010年にメキシコ南部で起きた事件では、プエプラ州の農家で36頭のヤギが首を掻き切られて死んでいるのが発見されたことを皮切りに、50日の間に300頭あまりのヤギが殺されました。
また、チュパカブラが最初に目撃されたプエルトリコのエル・ユンケ山には巣が存在するとも言われ、この山のジャングルではUFOの墜落事故の目撃も報告されています。
イエティ
イエティはヒマラヤ山脈に生息すると考えられるUMAで、体長4mを超す大型のもの、体長2.5m程度の中型のもの、体長1.5m程度の小型のものの3種類が目撃されています。
角ばった頭部と赤褐色または暗褐色の体毛が生えた体を持ち、直立歩行し、筋肉質で膝に達するほど長い前肢を持ちます。
雑食性で、大型と中型のものはヤクなどの肉を好む肉食傾向が強いものの、目撃情報を寄せる多くの登山家の中に彼らに襲われたという人は皆無なため、温厚な性質を持つと考えられているのです。
昔からヒマラヤ山脈には獣のような姿を持つ人型の生物がいると語り継がれていましたが、イエティが初めて発見されたのは1889年。
イギリス人登山家が人間のものにしては大き過ぎる足跡を発見したことがきっかけで騒ぎとなり、1986年には初めてその姿が写真に収められました。
イエティは数あるUMAの中でも実在する可能性が最も高いとされ、その正体は更新生の後期に絶滅した史上最大の霊長類・ギガントピテクスの生き残り、もしくは亜種ではないかとも考えられており、科学的調査も進んでいます。
ネッシー
ネッシーはイギリス、スコットランド地方のネス湖で目撃されている水棲UMAで、全長10m~20m。
フタバスズキリュウやプレシオサウルスといった首長竜のような姿を持ち、体色は灰色、赤褐色、茶褐色と報告例が多く、首にあるとされるコブも1個~12個と報告される数に幅があることが特徴です。
夜行性で魚を好み、泳ぐ速度は時速30km~60km。目撃証言は非常に多いものの襲われたという人はいないため、比較的穏やかな性格であると考えられています。
恐竜の生き残りである可能性があることからも、ネッシーの捜索には数十億円にものぼる調査費用が投入されており、1968年には水中ソナーを使った調査で複数の個体がネス湖に生息すること、雌雄が存在し交尾で繁殖することが判明。
また、1972年には水中自動カメラで上半身の撮影に成功し、2000年からはネス湖に湖畔と湖底が24時間監視できるカメラも設置されました。
ネッシーの正体はチョウザメであるとも言われていますが、2003年にはネス湖で首長竜の脊椎の化石が発見されたことから、過去に近辺に首長竜が存在したことが確定し、生き残りが現生していても不思議ではないという期待も寄せられています。
スカイフィッシュ
スカイフィッシュはアメリカ、メキシコを中心とした世界各地で目撃が報告されているUMAで、全長30cm~数m。日本でも目撃情報があがっています。
棒のような細長い胴の側面にヒレや飛膜のようなものを持ち、体色は白や透明、虹色、黒と様々なものが確認されています。
肉眼では捉えられないような高速で空中を飛んで移動し、障害物にぶつかった場合は消滅、もしくは落下し、性格や出現目的は不明です。
このUMAの発見はまったくの偶然で、1994年にUFOや異星人の目撃が多いアメリカのニューメキシコ州ロズウェルで、UFOの撮影に来ていた取材カメラに写り込んでいたことから、大きな話題になりました。
その後、1969年にNASAによるアポロ11号の月面着陸を収めた映像にも、スカイフィッシュとよく似た謎の物体が飛翔する姿が写り込んでいることが判明し、同UMAは地球外生命体なのではないかとも言われています。
グロブスター
引用:https://elmercurio.com.mx/viral/filipinos-temen-apocalipsis-tras-encontrar-criatura-en-una-playa
グロブスターは世界各地の海岸で目撃情報があるUMAで、確認されているものの体長は6m~24m。
グロブスターとはblob(塊) grotesque(怪奇な) monster(怪物)を合わせて作った造語で、海岸に打ち上げられる現生の生物には当て嵌まらない不可思議な死骸を総称する言葉です。
この名称を提唱したのはアメリカの生物学者であり、オカルト学者でもあるアイヴァン・サンダーソンで、遺跡から発掘される場違いな人工物を“オーパーツ”と名付けた人物でもあります。
正体不明の死骸の総称のため、腐乱したもの、長い毛に覆われたもの、長い鼻をもつものなど様々なものがあり、2018年現在までに発見されたもののうちで一番有名なのが、1977年に引き揚げられた“ニューネッシー”と呼ばれるものです。
ニューネッシーは日本の遠洋漁業船、瑞洋丸がニュージーランドのクライストチャーチ沖で引き揚げた物体で、死後1ヶ月は経っていると思われる10mにも及ぶ腐乱死体でしたが、長い首とヒレのような突起を持っており、まるで首長竜のような姿をしていたのです。
その巨大さと腐敗臭の酷さから瑞洋丸に積み込まれることは無く、数枚の写真だけを捕って海に打ち捨てられたのですが、後日マスコミに持ち込まれた写真が報道されると、ネス湖のネッシーに似ていることからニューネッシーと呼ばれるに至りました。
当時、写真を鑑定した東京都博物館によるとこのグロブスターの正体は首長竜ではなくウバザメではないかという結論に達しましたが、体組織などのサンプルがないために、首長竜の死骸であるという説も完全には否定できません。
まとめ
UMAというとオカルト色が強く感じられるかもしれませんが、現在は動物園でも見ることができるマウンテンゴリラやコビトカバ、オカピもかつてはUMAとされていた生物です。
そのため、特にネッシーやビッグフットといったようにかつて存在した生物の生き残りと考えられるUMAは、巨額を投じた科学研究が進められており、その存在が確定されることが待たれています。