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海の超危険生物ランキングTOP20

危険な海洋生物と聞くと真っ先に思い浮かぶのはサメ、という方も多いでしょう。

もちろんサメも非常に危険な生物ですが、彼らの中には人間を獲物として見ていない種もあり、豊富に餌がある環境では、人間に対する危険性は比較的低いとも言われています。

本当に危険な海洋生物は一見無力で、小さく地味で目立たない姿をしており、こちらが危害を与えずとも強力な攻撃を仕掛けてくるものです。

世界の海洋生物の中から、危険なものを20位から1位まで、ランキング形式で紹介していきます。

 

20位 オニヒトデ

オニヒトデは直径20~60cmという大型のヒトデで、紀伊半島以南の西大西洋からインド洋に渡って生息。時折大発生し、サンゴ礁を食べつくしてしまうこともあります。

一般的なヒトデは5本の腕を持ちますが、オニヒトデは15本もの腕を持ち、その1本1本に多数の毒針を持ちます。

毒針は全長3cmほどあり、刺されると傷口が大きく腫れあがり、激しい痛みや嘔吐、麻痺などの全身症状が出ます。

しかし、1度刺されただけなら命までは取られません。危険なのは、2回目に刺された時です。オニヒトデの毒はアナフィラキシーショックを起こす危険性があり、2度目に刺されるとショック死をする恐れがあります。

2012年4月には、沖縄県でダイバーが海中でオニヒトデを見つけ、石で駆除しようとしたところ刺されてしまい死亡したという事件がありました。彼がオニヒトデに刺されたのは、この時が2度目であったと言います。

サンゴの裏側や岩の後ろに潜んでいることが多く、気づかずに手を入れると刺されてしまうことがあるので、美しいサンゴ礁を見ても気安く触れないほうが良いでしょう。

 

19位 ハナミノカサゴ

ミノカサゴは全長30~40cm程のフサカサゴ科の生物で、北海道~九州、朝鮮半島、西大西洋の沿岸の岩礁に生息しています。

ミノカサゴの仲間は背びれに10~18本、左右の腹びれに1本ずつ、尻びれに2~3本の棘を持ち、この棘に毒を含みます。

この毒棘に刺されるとすぐに激しい痛みを感じ、軽度であれば数時間、ひどい場合は数時間痛みが続きます。刺された場所は赤く腫れあがり、水膨れになることもあるため、重症の場合は病院を受診するようにしましょう。

ミノカサゴの中でもハナミノカサゴは繁殖力、食欲共にとても強く、現在世界中に分布を広げており、生態系への影響が懸念されています。

元はペットとして飼われていたものが海に捨てられたのが原因と考えられていますが、ハナミノカサゴを放すと、5週間で在来生物の80%が崩れてしまうというデータも出されているのです。

胃が30倍にも膨れ上がり、自分の半分ほどの獲物も食べられるという大食漢で、ウサギを凌ぐほどの繁殖力も持つとされます。

自分から攻撃を仕掛けてくることはなく、まず胸びれを広げて威嚇のポーズを取るため、ミノカサゴが威嚇態勢に入った時は近づかず、そっと離れるようにしましょう。

 

18位 ヤシガニ

甲殻類の一種であるヤシガニは、ヤドカリの仲間に分類されますが、巨大なものでは子犬程の大きさにまで育つことがあります。琉球以南、西大西洋からインド洋にかけて分布し、海岸近くの陸地に生息しています。

大人しい印象のあるヤシガニですが、そのハサミは強靭で人間に手足の指を切断することが可能です。ヤシガニの握力はライオンの雄が獲物を噛む力に匹敵するとされ、面白半分で手を出すのは非常に危険と言えるでしょう。

また、ヤシの実を食べる植物食の食性を持つと思われがちなヤシガニですが、実際は雑食で動物の屍肉を食べることもあります。過去には人間の墓を漁って死体を食べていたこともある生物で、25kg程度のものであれば引きずって移動ができるという怪力の持ち主です。

民家に入り込んで食べ物を盗むことから、英語では“泥棒ガニ”とも呼ばれるヤシガニには、ある恐ろしい都市伝説があります。

女性初の大西洋横断飛行に成功した後、世界一周飛行中に行方不明になったアメリア・イアハートですが、遭難した彼女の遺体はヤシガニに全て食べられたため、発見できなかったとも言われているのです。

ヤシガニは死体にしか近づかないため、無理に捕まえようとしない限りは向こうから攻撃してくることはありません。しかし、寝ている人間を死体と間違えて食べようとすることがあるため、ヤシガニがいるビーチでは昼寝などはしない方が良いでしょう。

 

17位 ウツボ

ウツボは島根県及び岩手県以南、南シナ海から朝鮮半島南部の沿岸の岩場に生息する生物で、全長は80cm程です。

黄色味を帯びた体にぼんやりとした縦縞模様が浮かび、尻びれの淵が白いという特徴を持ちます。“海のギャング”と呼ばれるウツボは顎と喉に鋭い歯を持ち、噛まれた人が指を食いちぎられるといった事故も起きています。

ウツボの仲間には喉の骨に鋭い歯があり、これは“第2の顎”と呼ばれています。この第2の顎を口の奥に動かすことができるため、顎に噛まれた獲物は奥に引きずり込まれていきます。そのため、ウツボに噛みつかれると引きはがすのがとても困難なのです。

ウナギ目に分類されるウツボは、たたきや蒲焼と言った様々な調理方法で食べられる魚ですが、皮膚呼吸ができることから、海から釣り上げた際に暴れまわり、噛みついてくることが多くあります。

ドクウツボなどの限られた種以外は毒はないため、噛まれた場合は落ち着いて対処するようにしましょう。

 

16位 ゴンズイ

ナマズの仲間は世界中で約3000種が確認されていますが、その中で最も危険と考えられているのがゴンズイです。ゴンズイは全長約20cm、能登半島、千葉県から九州南部と西部、琉球列島の浅い岩礁や港湾に生息しています。

ゴンズイは第1背びれと胸びれに毒棘を持ち、体表を覆う粘液にも毒が含まれています。

ゴンズイに刺されると電気が走ったような痛みを感じ、痛みは数時間から数日に渡って続きます。刺された場所は腫れあがるだけではなく、壊死してしまう恐れもあるため、早急な対処が必要です。

夜行性であるため、ゴンスイによる被害は夜釣りで刺されたというものが多いとされます。釣り針にささったゴンズイを外そうとした時に刺されるケースが、ほとんどです。

ゴンズイに刺された場合は、患部を火傷をしない程度の熱いお湯(43℃程度)に30分から1時間つけて、温めると痛みが和らぐとされます。

 

15位 ウモレオウギガニ

ウモレオウギガニは、琉球列島、西大西洋からインド洋の潮間帯から水深10m程度のサンゴ礁に生息する生物で、甲幅9cm程度の毒ガニです。

毒を持つ蟹の中でもオウギガニの仲間はフグ毒のテトロドドキシンと、麻痺毒のサキシトキシンの2つの猛毒を持っており、非常に危険度が高いことで知られます。

サキシトキシンはサリンの1000倍もの毒性を持つとされ、ウモレオウギガニによる食中毒では死亡例も報告されているのです。

ウモレオウギガニは足や甲羅に毒を蓄えており、汁物に入れると毒が溶け出し、食べることで激しい吐き気と共に痺れや麻痺に襲われます。1960年には奄美大島で、ウモレオウギガニのすまし汁を食べた男の子が、2時間後に死亡するという事件もありました。

本種の仲間は英語では“デビル・クラブ”とも呼ばれており、かつてはCIAが生物兵器として使用するために備蓄していたこともあったそうです。(オウギガニを使った計画は1980年代に中止されています。)

触れただけで毒にやられるというわけではなく、食べなければ無害です。しかし、オウギガニに対する解毒剤が存在せず、毒を全て吐き出すことでしか対処ができないことから、非常に危険な生物と言えるでしょう。

 

14位 シャチ

マイルカ科の生物であり世界中の海に生息するシャチは、クジラさえ捕食する海の生態系の頂点に君臨する生物です。

引用元:http://cityofoceanshores.com/

シャチと人間の関係は良好であるため、野生のシャチが人間を襲うといったことはありません。しかし、2010年にはアメリカのフロリダ州の水族館で、ショーの最中にシャチがトレーナーを襲って殺害するという事件が起きています。

この時、シャチは水の中に女性を引きずりこんでものすごい勢いでプール内を引き回したことから、食べることが目的ではなく、遊びに誘ったつもりで殺してしまったのではないかと考えられています。

しかし、力の強いシャチに引っ張られると遊び半分であっても人間に対抗する術はありません。いくら賢く可愛らしくても、強靭な野生動物であることは忘れない方が良いということでしょう。

 

13位 ヒョウアザラシ

ヒョウアザラシは体長3~3.6m程のアザラシの一種で、南極周辺の海の流氷域に生息します。アザラシの中では異質な獰猛さを持つことで知られます。

ヒョウアザラシの主食はオキアミですが、強力な歯と顎を使ってペンギンやタテゴトアザラシも襲って食べます。頭部が大きく、口が大きく開くという独特な骨格を持つヒョウアザラシは、力も強く、まれに人に襲い掛かることもあります。

2003年には南極でシュノーケリングをしていた海洋生物学者をヒョウアザラシが海中に引きずり込み、溺死させてしまったという事件が起こりました。

これについては遊んでいるつもりだったのではないか、という好意的な意見も見られますが、これまでも人間に噛みついてきた個体がいたり、執拗に追いかけまわしてきた個体がいたりと、積極的に人間に近づいてくることが多く見られます。

シャチ同様に人間に対して有効的な態度を見せることもありますが、やはり力の強い肉食動物であるので危険な生物と言えるでしょう。

 

12位  アカエイ

アカエイは北海道から九州、小笠原諸島、南シナ海からロシア南東部の、湾内や河口などの砂泥底に生息する生物です。全長は約120cmと大きいものの、砂に潜っているため存在に気付かないことも多くあります。

引用元:https://marine.fandom.com/

エイの仲間には尾びれに毒棘を持つものが多く、アカエイに刺されると激しい痛みや発熱、吐き気、けいれんといった症状が見られます。

アカエイの尾びれに中ほどにのこぎりのような細かい歯の付いた毒棘があり、いったん刺さると抜けにくい構造になっています。毒棘は固く、長靴の底を貫くことができるため、アカエイの生息地では砂に潜っているエイを踏まないようにすり足で歩くようにしましょう。

2006年にはオーストラリアで、TV番組を撮影していた男性が、アカエイに胸を刺されて亡くなるという事件が起きています。浅い海を泳ぎながらアカエイに後ろから近づいたところ刺されたそうですが、すぐに毒棘を抜いたものの間もなく意識を失ったということです。

さらに2016年にもシンガポールの水族館で、飼育員の男性がアカエイに刺された亡くなっており、不用意に近づかないように注意する必要があると言えます。

 

11位 イタチザメ

イタチザメは全長約7.4m、本州中部以南の太平洋側の沖合から沿岸に生息します。

引用元:https://calphotos.berkeley.edu/

巨大な口で何でも飲み込むことができるとされるイタチザメは、琉球列島では海水浴場に入ってきたこともありました。

イタチザメの歯は外側に傾いて生えており、これにより獲物を食いちぎることが容易になっています。また、金属製のものを好む傾向にあり、撮影中のカメラに突進してくることも多いそうです。

海中からはアザラシのように見えることから、サーフィンをしている人が狙われることが多く、これまでイタチザメによる事故例は111例報告されており、そのうち31人が死亡しています。

さらに第二次世界大戦中には日本の潜水艦の攻撃を受けて漂流していた、アメリカの軍艦・インディアナポリス号にイタチザメやヨゴレの大群が襲い掛かり、救助が来るまでの4日間のうちに200人近い人が、サメの犠牲になったとも言われています。

 

10位 ヒョウモンダコ

マダコ科に属するヒョウモンダコは、全長12cm。相模湾以南、西大西洋からインド洋の沿岸の岩の間やサンゴ礁に生息しています。

引用元:http://www.daveharasti.com/

興奮すると青い直線の模様が頭部に、足や胴体には青い斑紋が現れるヒョウモンダコは、唾液にふぐ毒のテトロドトキシンが含まれる非常に危険なタコです。

そのため、ヒョウモンダコに噛まれると全身麻痺や呼吸困難を引き起こし、オーストラリアでは死亡例も報告されています。

ヒョウモンダコに噛まれた場合は、傷口から毒を絞り出して、心臓に近い場所を縛って毒が全身に回らないように処置をしましょう。そして、一刻も早く病院に向かう必要があります。経口摂取で毒の回りが早くなる恐れがあるため、口から毒を吸い出そうとするのは危険です。

ヒョウモンダコは数年前までは九州以南の温かい水域にしかいなかったのですが、温暖化の影響で北に生息域を広げていると言います。小型ですが非常に危険な生物ですので、見つけても決して近寄らないようにしましょう。

 

9位 ベルチャーウミヘビ

ベルチャーウミヘビはインド洋から東南アジア、オーストラリア東部、ソロモン諸島のサンゴ礁域の浅い海に生息するウミヘビです。

コブラ科に含まれるウミヘビの中には、強い神経毒を持つものが多く存在します。そして、その中で最も強い毒を持つのが、ベルチャーウミヘビです。

タイパンの100倍以上の強力な毒を持つという本種は、海陸両方の蛇の中で最強とされています。しかし、性格は大人しいので、こちらから近づかない限りは噛まれることはないとされます。

ウミヘビの毒には神経毒以外に筋肉毒も含まれており、噛まれた後、だいたい8時間以内に物が二重に見える、口や舌が痺れる、全身が筋肉痛になると言った症状が現れます。

即効性の毒ではありませんが、毒の影響で溺れてしまうことがあるため、噛まれたらすぐに陸に上がり、傷口を流水で洗って毒を絞り出し、早めに病院へ行くようにしましょう。

日本の海にはベルチャーウミヘビはいませんが、琉球列島には攻撃的な性格を持つマダラウミヘビが生息しており、死亡例も報告されています。

 

8位 カツオノエボシ

カツオノエボシは別名デンキクラゲとも呼ばれ、熱帯水域の外洋の海面に広く分布しています。

引用元:https://www.dailymail.co.uk/

浮袋の大きさは10cm程度ですが、触手の長さは10mを越えるものも存在するというカツオノエボシは、春から夏にかけて太平洋沿岸に風に乗って押し寄せてきます。

強い毒を持ち、刺されると電気ショックを受けたような激しい痛みを感じ、刺された跡がみみずばれになります。また、呼吸困難や痙攣、吐き気と言った症状が起こることもあり、アメリカでは死亡例も報告されているのです。

日本では3月から8月にかけて姿が見られるようになるため、この時期は特に注意が必要です。近くに見えていなくても、何mも先から触手を伸ばして刺してくることもあります。

また、アナフィラキシーショックを起こして死亡することもあるとされます。海岸に打ち上げられている死体に触った場合でも、毒の入った刺胞が発射されるため、死体にも触れないようにしましょう。

 

7位 オニダルマオコゼ

オニダルマオコゼは、西大西洋からインド洋、紅海のサンゴ礁や岩礁の海底に生息している生物で、体長は約40cm程度です。

“ストーンフィッシュ”とも呼ばれるオニダルマオコゼは、一見すると海底に転がる石のように見える生物です。石に擬態しながら獲物を待ち伏せし、近づく小魚や甲殻類を食べるという生態を持ちます。

背びれ、胸びれ、尻びれに毒刺を持ち、刺されると大人でも泣き叫ぶほどの痛みを感じると言います。刺された部分は焼けるような激しい痛みや痺れを感じ、やがて水ぶくれができて皮膚が壊死してしまうこともあります。

被害にあう場合のほとんどが、踏みつけてしまった際に毒刺が刺さったというケースで、ビーチサンダルやウェットスーツすら貫通するため、浅瀬を歩く時も注意が必要です。

日本では2010年に沖縄県名護市で死亡事故も出ており、刺された場合は海から上がって毒を絞り出し、心臓に近い場所を縛ってから、火傷しない程度のお湯に30~90分患部をつけるという応急手当てをした後、必ず病院に行くようにしましょう。

 

6位 ダツ

ダツは北海道から九州、南シナ海からロシア南東部の沿岸の表層に生息する魚で、全長が1mを超すものも存在します。

細長い体と上下の顎が鋭く前に突き出した独特の形状から、英語では“ニードル・フィッシュ”とも呼ばれるダツ。尾びれを素早く振りながら、時速70km近い速度で突進してくることから、沖縄県の漁師の中ではサメよりも恐れられている生物です。

人間を獲物として認識しているわけではないのですが、突進してくるダツは方向転換ができないため、向かっている先に人間が立っていた場合、目や首に顎の先端が深々と突き刺さってしまうという事故が報告されています。

ダツは明かりに向かって突進してくる性質があることから、夜間にライトを使っていた漁師やダイバーが犠牲になることが多くあります。そのため、夜釣りの際には注意が必要です。

また、体に刺さったダツをその場で引き抜いてしまったことで、失血死をしたというケースもあります。ダツに刺突された場合は、まず病院に連絡するようにしましょう。

 

5位 ホホジロザメ

ホホジロザメは体長6~8mのネズミザメ科の生物で、世界中の暖海の沿岸域に生息しています。

引用元:https://www.unilad.co.uk/

ノコギリ状の歯を持ち、一瞬で獲物を噛みちぎることができるホホジロザメは、主にアザラシやイルカを餌にしますが、時に人間に襲い掛かることもあります。

上顎にはナイフ状の切る歯が、下顎には釘のようにとがった刺す歯が生えているホホジロザメは、サメの中では最も危険な存在です。これまでに314例の事故報告があり、被害にあったうちの80名が死亡したことが分かっています。

ホホジロザメによる事故は日本でも起きており、1992年には愛媛県で胴体部分を食いちぎられた男性の遺体が、1996年には沖縄県宮古島では腹を食いちぎられた男性の遺体が発見されています。

獲物が豊富な場所であれば、食べにくく栄養価の低い人間よりも、アザラシなどを襲うことが多いというホホジロザメですが、海水浴場に迷い込んでくることもあるため、注意が必要です。

 

4位 マウイイワスナギンチャク

マウイイワスナギンチャクは、ハワイのマウイ島周辺の海域のサンゴ礁の浅瀬に生息する、イワスナギンチャクの一種です。直径3~4cm程で、生物界最強の毒性を持つことで知られます。

フグ毒であるテトロドトキシンよりも強力なパリトキシンを持つマウイイワスナギンチャクは、刺胞に触れてしまうと3時間~8時間で、体の痺れや麻痺といった神経系の症状が現れます。

そしてその後、赤血球を破壊していくことにより呼吸困難や腎不全といった重篤な症状を引き起こし、最後には死に至ることも少なくありません。

また直に触れなくても、ハワイ大学の学生がマウイイワスナギンチャクが群生している付近を泳いだだけで、全身に筋肉痛などの違和感が出たというケースも報告されています。

マウイイワスナギンチャクを食べた魚を調理することでも、テトロドトキシンを摂取することはあるため、こちらにも注意が必要です。

 

3位 イリエワニ

イリエワニはインドの東海岸からオーストラリア北岸までの川や湖だけではなく、汽水域や沿岸の海水域にも生息します。体長5~7m、体重は1tとワニの中では最大の種です。

引用元:://www.zoochat.com/

ワニの中でも泳ぎが得意とされるイリエワニは、海の沖合にまで出て行くことがあり、シュノーケリングをしていた人が襲われたこともあります。

非常に獰猛で攻撃的な性質を持ち、人間のことも獲物と考えているため、カヌーなどを襲うこともあると言います。噛む力はティラノサウルスに匹敵するとされ、噛んだ獲物を振り回してから食べる様子が見られますが、これには食べやすくするためと、獲物の意識を消失させるためという2つの目的があるそうです。

毎年多くの人が水浴びや釣りなどをしている時にイリエワニに襲われていますが、一命をとりとめた場合でも、ワニの口内に存在するバクテリアが体内に入り込み、噛まれた箇所の痛みや麻痺に悩まされ続けることもあると言います。

第二次世界大戦中にミャンマーのラムリー島で、およそ1000人の日本兵がイリエワニによって命を落としたという事件があったとされ、これはギネスブックに『動物がもたらした最悪の災害』として記録されています。

これについては病気や飢えなど、様々な要因で命を落としたのが、全てイリエワニが原因と誤って伝わっているという疑惑もありますが、海外ではイリエワニならそのくらいやりかねない、と危険視されている証拠とも言えるでしょう。

 

2位 アンボイナガイ

アンボイナガイは奄美大島以南、西大西洋からインド洋の、潮間帯下部から水深25m程度のサンゴ礁の砂地に生息する、イモガイの一種です。

イモガイの仲間は口から出す吻の中に、歯舌歯という特殊な毒針を持っており、獲物が近づいてくるとこれを発射させて、毒で弱らせて捕食するという習性があります。

イモガイの毒は非常に強く、人間が刺された場合でも重篤な被害が出ますが、中でも最も危険なのがアンボイナガイです。

その毒の強さから沖縄では“ハブガイ”とも呼ばれるアンボイナガイは、刺された時にはあまり痛みを感じないものの、20分もすると眩暈や呼吸困難、血圧の低下といった症状が見られ、数時間で死に至ることもあります。

アンボイナガイの歯舌歯はウェットスーツを引き裂くことができ、刺された場合の致死率は70%とも言われているのです。

1944年には沖縄県の海で13歳の少年がアンボイナガイを拾ってしまい指を刺され、その数時間後に亡くなったという事件も起こりました。イモガイは綺麗な巻貝の姿をしていますが、非常に危険な生物ですので、見慣れない貝には触れないように注意が必要です。

 

1位 キロネックス(オーストラリアンウンバチクラゲ)

オーストラリア沿岸に生息するキロネックスは、傘の部分が25~60cm、触手が3m程度のネッタイアンドンクラゲ科の生物です。

キロネックスは“殺人者の手”という意味で、正式名称はオーストラリアンウンバチクラゲです。外見は、バスケットボール程の大きさの傘から60本近くの触手が伸び、この触手の1本1本に無数の微細な毒針が付いています。

毒針に含まれる毒は非常に強力で、人間が刺された場合、酷い時は2~3分で心臓麻痺を起こして死んでしまうことさえあります。また、刺された時の痛みも激しく、岸に着く前に溺死してしまうこともあるとされます。

命までは落とさなかった場合でも、キロネックスに刺された場所は鞭で打たれたように赤く腫れあがり、数週間は激痛が続くそうです。

さらにキロネックスは透明で目視しづらいうえに、秒速2mというクラゲとは思えないスピードで近づいてくることから、オーストラリアではサメよりも警戒されています。

特にグレートバリアリーフには1月から3月の間に大量のキロネックスが押し寄せてくるため、クラゲへの注意を促す看板も立てられます。現在では血清が開発されていますが、病院に着く前に命を落とすことも多く、依然として非常に危険な生物です。

 

まとめ

強力な毒を持つ海洋生物の中には、擬態をしたり身を隠したりすることが上手いものも多く存在します。そのため、生息地に近づかないようにする以外に、身を守ることが難しいこともあります。

海に行く場合は、そこにどんな生物が棲んでいるのか、危険な生物に襲われた場合はどのように応急処置をしたら良いのかを、確認してから向かうようにしましょう。



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