皆さんは子供の頃、どのような遊びをしましたか?
友達と近くの公園、また田舎の方なら雑木林、いずれにせよ自然の中で鬼ごっこやかくれんぼ、虫捕り等々、思いつくものがたくさんあるでしょう。
祖父から草笛を教えてもらったり、母にたまたま見つけた綺麗な野花を摘んでいった、なんて思い出のある人もいるでしょうか。
しかし、世界にはうっかり触ってしまう、もしくは口にしてしまうと最悪死亡してしまうこともありえる非常に危険な植物が存在します。
今回は、そんな思わずゾッとしてしまう世界一危険な植物をご紹介します。
10位 スイセン
外を歩いている時に、ふと白に黄色が映える花を見たことがありませんか?
ピンと背筋を伸ばして立っているようにも見え、とても愛らしい姿です。
しかし、その姿とは裏腹に、恐ろしい一面を併せ持っています。
その植物の名前は、スイセンです。
引用:https://topic.yaoyolog.com/
可愛らしい姿ですが、そのすべての部位に毒を含んでいます。
特に、鱗茎と呼ばれる球根の部分に毒が多く含まれています。
その毒が体に入ると、おう吐や下痢といった食中毒症状や頭痛を起こします。
ひどい場合は昏睡状態に陥ってしまうのです。
また、火を通しても毒が分解されることがないので注意が必要です。
特徴的な花なのだから、危険だと分かっていれば口にすることはない、と思った人もいるでしょう。
もちろん花が咲いていれば別かもしれませんが、咲いていなければどうでしょうか?
実は、スイセンの葉はニラに、球根はタマネギやノビルという食用植物に似ているのです。
かなり似ているため、見分けることは難しく、誤って食べてしまうことがあります。
過去にも、スイセンを誤って食べてしまったという事故が何件も報告されています。
家庭菜園でニラやタマネギを育てている人は、要注意の植物ですね。
9位 ヒマラヤン・ブラックベリー
子供の頃、やんちゃで野原を走り回っていた人は、ススキの野原にうっかり踏み入ってしまって、足に軽い切り傷がたくさんできたという経験はありませんか?
ススキの薄い葉でさえ、いとも簡単に人間の皮膚を切り裂きますが、世界には、もっと恐ろしい切り裂き魔が存在します。
それが、ヒマラヤン・ブラックベリーです。
引用:https://www.pinterest.jp/pin/52565520620349929/
ヒマラヤン・ブラックベリーは、その名の通り、黒い実をつける植物です。
その果実は多少酸味があり、ジャムにして食べられることが多いといいます。
しかし、その実を渡すのを拒むかのように、約2.5cmの長いトゲで茎が覆われています。
引用:https://matome.naver.jp/odai/2137204178153816301/2137206313660677103
同じ仲間のキイチゴ類にもトゲが生えていますが、ヒマラヤン・ブラックベリーのトゲでできる傷はそれらの比ではないでしょう。
この植物の被害者は主に登山者であり、害のなさそうな草木の中によろけて倒れた先に・・・、ということがあるそうです。
このトゲが目に入ったり、太い血管の通る場所に刺さったとしたら、ただ事では済まないことは確実ですね。
8位 エンジェル・トランペット
次に紹介する植物は、とても可愛らしい名前を持っています。
その名は、エンジェル・トランペットです。
引用:https://ameblo.jp/engaku-miyabi/entry-12393781990.html
天使、という名前を冠していて、その名に相応しい可愛らしい花を咲かせます。
ラッパのような形の花で、下向きに花を咲かせるのが特徴です。
一体この美しい花のどこが恐ろしいのか、と思った人もいるでしょう。
この花の葉には、アトロピン、ヒヨスチアミン、そして精神を操るといわれるスコポラミンという3つの強力な毒が含まれています。
誤って食べてしまうと、他の違法薬物の比にならないほどの幻覚作用を引き起こすと言われています。
経験者は、その時の状況を「悪夢」や「地獄」と口にしているそうです。
さらには、不安定な精神状態になり、突然2階から飛び降りたり、自分の体を痛めつけて重傷を負う人が多数いたそうです。
この植物自体は危険ではありません。触らなければいいだけの話です。
しかし、過去にはこの植物の作用を悪用した人間がいるのです。
この植物から、スコポラミンを精製して、この粉を人の顔に投げつけ、投げつけられた人が自分の家の中にあるものをすべて強盗たちの車に詰め込んでしまった、という話です。
投げつけられた人は、意識は完全にあるけれど、自分がしている行動に対する自覚がない状態になってしまうという事を示しています。
この花の恐ろしさは、人間がこの花を手に入れることで現れてくるということですね。
美しいこの花には罪はありません。
7位 ジギタリス
次に紹介する植物は、花壇などによく植えられていて、もしかしたら見かけたことがある人もいるかもしれません。
その植物の名前は、ジギタリスです。
引用:http://100kajiten.net/
花の形が指サックに似ているため、ラテン語の「指」という単語が花の名前の由来になっています。
綺麗な花ですが、葉や根、種などすべての部位に毒を持っています。
これまでに、この花による死亡事故も数件報告されています。
ジギタリスが飾られた花瓶の水を誤って飲んでしまったりと、子供の事故が多いと報告されています。
このことは古くから知られていて、この花を「魔女の指ぬき」や「死者のベル」などと恐ろしい名前で呼ぶ地域もあります。
ジギタリスを過剰に摂取した場合、吐き気や嘔吐、めまい、記憶障害などの身体異常が引き起こされます。
ここまで聞くと恐ろしい植物ですが、実は古来から薬として用いられてきました。
適度の摂取であれば、脈拍を落ち着かせる効果があるのです。
その効果を期待して、てんかん等の疾患の治療に使われていました。
ジギタリスは人を生かしも、殺しもする植物と言えますね。
6位 キョウチクトウ
次に紹介する植物も、街路樹として目にする機会が多い植物です。
その名は、キョウチクトウです。
引用:https://hanatama.jp/nerium-oleander.html
キョウチクトウは、鮮やかなピンクや白の花を咲かせるため、町を華やかに彩っています。
しかし、先ほどと同じようにこの植物にも毒があります。
キョウチクトウの毒で最も強い成分がオレアンドリンです。
毒として有名な青酸カリの致死量が150~300mg/kgなのに対し、オレアンドリンの致死量は0.3mg/kgと、青酸カリを大きく上回るのです。
この毒を摂取すると、おう吐や、下痢、腹痛、めまい等を引き起こします。
また、この症状が摂取してから1時間以内に現れるなど、即効性も高いです。
キョウチクトウの毒は、枝、葉、花、実、根など全体に含まれます。
毒性が強いのは枝や葉であり、切り口から出る汁に素手で触れると皮膚炎になるなどの症状が見られます。
また、恐ろしいことにキョウチクトウが生えている周辺の土壌にまでその毒が広がるとされています。
生木を焼いた煙にさえ毒が含まれています。
キョウチクトウの枝を箸として使ったことで中毒を起こしたという事故や、バーベキューの串の代わりにこの枝を使ったことによる死亡事故が発生しています。
まさに、美しい花には毒がある、を表している植物と言えますね。
5位 ローレルジンチョウゲ
先ほどまでは目立つ美しい花を持つ植物でしたが、少し控えめな印象を抱く植物を紹介します。
その名は、ローレルジンチョウゲです。
引用:https://matome.naver.jp/
小さくて光沢のある葉を持つ、控えめな感じに見える植物です。
しかし、その控えめな姿からは想像もできない曲者なのです。
その理由は、ローレルジンチョウゲに含まれる毒にあります。
ローレルジンチョウゲには、強力な殺生物剤が含まれています。
殺「虫」剤なら聞き馴染はありますが、殺「生物」剤なんて聞いたことがありませんよね。
うっかり切ったり摘み取ったりすると、水ぶくれや炎症を引き起こします。
触るだけでも危険ですが、もしも食べてしまうと、腎臓や循環器系、中枢神経系に甚大な損傷を与えるとされ、死は免れないと言われています。
しかし、驚くべきことに、いくつかの部族は重度の感染病の患者への最後の手段として、ローレルジンチョウゲを処方していたと言われています。
果たして、この治療によって治る病気などあったのでしょうか?
想像するのも恐ろしいですね。
4位 ギンピ・ギンピ
先ほど紹介した植物は、摘み取ったりすると水ぶくれを引き起こすという事でしたが、世界には触れただけで絶望の痛みが訪れる植物が存在するのです。
その名は、ギンピ・ギンピです。
引用:https://jungle-time.com/gympiegympie-1359/
ギンピ・ギンピはイラクサ科の植物で、主に熱帯雨林に分布しています。
イラクサの学名は「urtica」で、これは「焼く」という語源からきています。
これはイラクサを触った時のヒスタミンの毒による「焼けるような痛み」からついた名前だと言われています。
そのイラクサ科の植物の中でも最恐と名高いのがギンピ・ギンピです。
この植物は、全体が神経毒を有する微小なトゲに覆われていて、触れると「酸をスプレーされたような痛み」を伴うと言われています。
この痛みが一瞬であればいいのですが、ギンピ・ギンピの毒の恐ろしいところは、その地獄のような痛みが2年ほど続くことです。
これは触れた部分に送り込まれた毒針に毒が残り続けるためだと言われています。
この植物によって起こった事故として、低木の茂みの中で誤ってギンピ・ギンピの葉をトイレットペーパーの代わりに使った後、耐えがたい痛みに苛まれ、銃で自殺してしまったという事例があります。
耐えがたい痛みを有することから、軍事利用できないか検討されたこともあったなどという噂もあります。
もしも戦闘に用いられたら、銃よりも恐れられる存在になりそうですね。
3位 ジャイアント・ホグウィード
地獄のような痛みを伴う植物は、先ほど紹介したものだけではありません。
エイリアンが地球に送り込んだかのような外見を持つ植物が存在します。
その名は、ジャイアント・ホグウィードです。
引用:https://furamu4568.com/2476.html
2m以上の高さに成長する植物ですが、可憐で小さな白い花を咲かせます。
生息域では公園や草むら等に普通に生えている植物です。
しかし、うっかり少しでも触れようものなら、地獄が待っています。
ジャイアント・ホグウィードの樹液には、光線過敏を引き起こす化合物が含まれています。これが人間の皮膚に接触すると、皮膚が極端に敏感になってしまいます。
その結果、紫外線の近くでは強力な光感作用を引き起こし、48時間以内に水ぶくれができてしまうのです。
その症状の恐ろしさが分かる画像を1つお見せしたいと思います。
皮膚疾患の画像ですので、苦手な方はご注意ください。
引用:https://news.biglobe.ne.jp/trend/0613/7045928149/kpa_tab.html
この水ぶくれは耐え難い痛みを伴い、その傷跡は数カ月から6年も消えることがないとされています。
その痛みはひどい火傷と変わりないほどだと言われています。
また、その樹液が目に入ると失明の恐れもあります。
太陽と手を組んで人間に強烈なダメージを与えるということです。
「俺に触れると火傷するぜ」という言葉がシャレにならない植物ですね。
2位 トリカブト
毒を有する植物を色々と紹介してきましたが、誤って食べてしまうと大変なことになってしまう植物の中でも最恐クラスとされる植物を紹介します。
その名を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
その名は、トリカブトです。
引用:https://inakasensei.com/torikabuto
トリカブトは「ドクゼリ」「ドクウツギ」と共に三大有毒植物の1つとされています。
トリカブトは観賞用として園芸店で売られていることも多く、見つけるのはさほど難しくありません。
トリカブトは根が特に毒性が強いことで知られていますが、その葉や花にも毒が含まれています。
その葉は食べられる植物であるヨモギととてもよく似ていて、見分けるのが難しいため、誤って食べてしまうという事故も報告されています。
誤って食べてしまった場合、唇や舌のしびれに始まり、次第に手足のしびれ、おう吐、腹痛、下痢などを引き起こし、けいれん、呼吸不全に至って死亡することもあるのです。
トリカブトはある程度の量を食べなければ致死量にまでは至らないとされていますが、トリカブトの葉1gで重篤な中毒症状を引き起こした例も報告されているので、少量でもとても危険であることに変わりはありません。
その症状は食後10~20分以内に出ると言われており、最短数秒で死に至るとされています。
恐ろしいことに、トリカブトの毒の解毒剤は存在しません。
トリカブトと似ている植物は、ヨモギ以外にも食べられる野草に多いため、毎年山菜取りの際に誤って取ってきて食べてしまったという事故が多数報告されます。
山歩きが趣味の人にはぜひとも気を付けていただきたい植物ですね。
あ、これこの前食べられるって本に載ってたなぁ、と摘んできたその植物・・・、本当に食べてもいいものですか?
1位 マンチニール
さて、いよいよ最後に紹介するのは、「世界で最も危険な樹」としてギネス記録を保持しているほどの脅威を持つ恐ろしい樹木です。
その名は、マンチニールです。
マンチニールは、フロリダやバハマ、カリブ海に面した熱帯地域に生息するトウダイグサ科の樹木です。
その生息域には必ずと言っていいほど大きく誇張された真っ赤な警告のサインが立てられています。
その危険さゆえに、この樹木を発見した場合にはすぐに数メートルは離れることが推奨されているのです。
では、この樹木の何が恐ろしいのかという話ですが、まずはその木の実です。
マンチニールは成長すると高さ15mにもなる樹木で、楕円形のツヤのある緑色の葉を持っています。
その木の実は、リンゴに似た小振りの木の実です。
引用:https://ailovei.com/?p=66413
この木の実は猛毒で、誤ってマンチニールの木の実を食べてしまった人は、「その果実を一口かじると、たちまち甘い、心地よい味わいが口の中に広がったが、数分後、口の中全体が違和感に包まれ、徐々に燃えるような痛みと共に喉が締め上げられる感覚を覚えた」と語っています。
この症状は食後2時間でピークに達し、何も口にできないほどの痛みが口や喉を支配し、痛みが完全に消え去るまでに8時間もかかったといいます。
ある探検家は、マンチニールの木の実を「死のリンゴ」と表現したといいます。
危険なのは、その果実だけではありません。
マンチニールの樹液や葉液は、常に樹木や葉の表面に滲み出ており、この液体が一滴でも皮膚に触れると、触れた部分はたちまち燃えるような感覚に襲われ、水ぶくれのように腫れあがると言われています。
この症状はマンチニールの下で雨宿りをしようとした観光客によく見られるそうで、葉を伝った雨水が皮膚に降り注ぐことで、その水滴に混ざった微量の樹液の成分が体を痛めつけるということです。
また、その樹皮も猛毒を含んでおり、マンチニールを燃やすことで生じる煙が少しでも目に入ってしまうと、最悪失明に至ると言われています。
最近では、注意書きの効果もあり、被害は最小限にとどまっているそうです。
しかし、一見何の変哲もない樹木であるだけに、もしも警告がなかったら・・・、と考えると恐ろしいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この世界は人間の天下だ、なんて思っていた人は、案外地球上で最も強かで恐ろしいのは植物かも知れないな、と感じていただけたでしょうか。
もちろん、その植物の特徴を分かった上で扱うことができれば、街並みや生活を華やかにしてくれる植物も多数紹介しました。
危険性も分かった上で、お互いにとってよいお付き合いができればそれ以上のことはありませんよね。
もしも興味を持ってくださった方がいれば、他の植物についてもぜひ調べてみてください。