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【希少】めったに出会えない珍しい昆虫8選

昆虫は全世界で約95万種類が知られていて、まだ見つかっていない昆虫もたくさんいると言われています。

それだけたくさんの種類の昆虫がさまざまな場所で生息していると、私たちの常識ではおよそ考えられないような奇妙で珍しい形態をしている昆虫も多くいるのです。

そんな中から、8つの珍しい昆虫をご紹介しましょう。日本でも見ることができる昆虫もいます。

珍しい昆虫① マンマルコガネ

マンマルコガネ

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普段はコガネムシのような外見なのに、危険を感じた時にダンゴムシのように真ん丸に丸まることができるのが、マンマルコガネです。

マンマルコガネは世界中の熱帯地域に住んでいて、たくさんの種類がいます。

メタリックな色のマンマルコガネもいて、外骨格はツルツルとしているので、丸まっている姿はまるでパチンコ玉のようになります。

甲虫の体は硬い外骨格に覆われていて、外敵から身を守ることができますが、口や腹、触角、脚などは外骨格に覆われていないので、どうしても弱くなってしまいます。

ですが、マンマルコガネは丸くなることで弱い部分を隠し、全身を外骨格で覆うことができるのです。

自分より大きな敵だけではなく、アリなどの小さな虫が噛みつこうとしても歯が立ちません。

まるで、トランスフォーマーのように変形できる珍しい昆虫がマンマルコガネなのです。

珍しい昆虫② スカシマダラ

スカシマダラ

http://karapaia.com

スカシマダラというチョウは、多くの種の翅にほとんど鱗粉がないたために、翅が透明もしくは半透明に見えるチョウです。

まるで翅がガラスでできているように見えるので、グラス・ウイング・バタフライ(Greta oto)という名前が付いています。

スカシマダラは、アメリカのフロリダ州から、メキシコ、パナマ、コロンビアに生息している、タテハチョウ科のチョウです。

スカシマダラは、普段は薄暗くてジメジメした場所を好んで休んでいますが、花の蜜を吸ったり、長い距離を移動したりするので、明るい場所を飛ぶことも多くあります。

いろいろな場所を飛んで活動する場合、透明な翅であればどのような場所でも関係なく目立たなくなるため、捕食者に見つかる確率も減るため、透明な翅を持っているとされています。

珍しい昆虫③ ムラサキシャチホコ

ムラサキシャチホコ

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枯れ葉に擬態させたら右に出るものはいないと言っても過言ではないのが、ムラサキシャチホコという蛾です。

ムラサキシャチホコの翅の模様は茶褐色と淡褐色に塗り分けられていて、丸まった枯れ葉の模様が、葉脈から影まで立体的に描かれています。

枯れ葉に擬態する昆虫はムラサキシャチホコ以外にもたくさんいますが、ここまでのクオリティの擬態は滅多になく、まるでトリックアートのようです。

ムラサキシャチホコはシャチホコガ科の蛾で、生息地域は北海道・本州・九州・四国と、日本のほぼ全域に分布している昆虫なので、周りで探せば実際に見ることができるかもしれません。

オニグルミを食草としているため、オニグルミが生えている場所を探してみると良いです。

珍しい昆虫④ ミイロタテハ

ミイロタテハ

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ミイロタテハは、姿の美しさと珍しさから、高値で取り引きされるチョウです。

南米のアマゾン川を中心に生息しているタテハチョウで、翅が赤、青、黄、オレンジ、黒などのうち三色(ミイロ)で構成されていて、まるで宝石のように高貴で綺麗です。

ミイロタテハの幼虫は、麻薬で知られているコカ科の植物を食べて育つこともあり、飼育が困難なため、その生態もほとんど明らかになっていないといいます。

また、飛行する速度がとても速いので、捕獲するのが難しいのです。

日本でミイロタテハを知る人は、昆虫標本を集めている人がほとんどを占めていて、このような人々の間では正確性を期すため、一般に学名の通用がまかりとおっているので、学名のアグリアスの名で呼ばれています。

珍しい昆虫⑤ キイロテントウ

キイロテンロウ

https://www.insects.jp

テントウムシといえば真っ赤な体を思い浮かべることが多いですが、鮮やかな黄色のテントウムシも存在します。

それが、キイロテントウです。

キイロテントウは、胸部が白く、一対の黒紋を持ち、前ばねは黄色一色のテントウムシです。

キイロテントウは、その色の珍しさの他に、食性が変わっていることでも知られています。

テントウムシ類の多くは、植物に付いているカイガラムシやアブラムシを食べますが、キイロテントウはうどんこ病菌(白渋病菌)などの菌類を食べて生きています。

うどんこ病は多くの植物に発生する病気で、放っておくと植物が枯れる原因になるために、農家にとっては死活問題となるやっかいな病気です。

そんな病菌を駆除してくれるキイロテントウは、農家にとっての正義の味方と呼べるのです。

珍しい昆虫⑥ ロクロクビオトシブミ

ロクロクビオトシブミ

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オトシブミは、葉を切り取って巻いて、卵を入れるゆりかごを作る昆虫です。

日本では江戸時代に、他の人にばれないように手紙を取り交わす方法として、手紙を道端に落としておくという方法を取っていました。

この手紙を「落とし文」と呼んでおり、昆虫が地面に落とした、筒状に巻かれた葉を落とし文に見立てて、オトシブミの名が付きました。

そんなオトシブミは、見た目がたいへん珍しい種類が多くいます。

ロクロクビオトシブミは、まるでキリンのように首がとても長い体つきをしているオトシブミです。

キリンは高いところにある葉を食べるために首が長くなったとされていますが、ロクロクビオトシブミの首が長い理由については、よく分かっていないようです。

これだけ首が長いと、逆に生きづらくなるのでは?と心配になってしまうデザインの昆虫です。

珍しい昆虫⑦ クジャクハゴロモ

クジャクハゴロモ

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クジャクハゴロモという名前の昆虫がいます。

孔雀と羽衣という、なんとも風情のある名前が付いている昆虫ですが、実際の姿は、まるで寄生虫に侵食されているような姿、もしくは冬虫夏草のような姿のグロテスクな体をしている昆虫です。

クジャクハゴロモの尻尾からはロウ状(ワックス)の物質が、触手のように伸びているのが特徴です。

英語では「Wax-tail Hopper」または「Wax-tailed Planthopper」、つまり「ロウの尻尾を持った跳ぶ虫」という意味の名前が付いています。

体内から分泌しているロウは、体長の2倍以上に伸びることもあると言います。

クジャクハゴロモのロウの目的は、外敵が現れた時に自分の身を守るためにあります。

外敵から襲われると、まるでトカゲのようにロウの部分を切り離して逃げるのです。

または、体を大きく見せて、外敵が襲いにくくなるようにするためではないかと言われています。

珍しい昆虫⑧ アタマアブ

アタマアブ

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頭部のほとんどが目という、すごいデザインの珍しい昆虫がアタマアブです。

アタマアブは、ハエ目アタマアブ科の種の昆虫で、世界各地に約1300種が見つかっていて、日本でも108種が記録されています。

その珍しい体のつくり以外にも、アタマアブは注目されています。

稲に被害を与えてしまうウンカ類やツマグロヨコバイなどの農業害虫に寄生するアタマアブの種類がおり、アタマアブを利用して害虫駆除ができないかという研究が進んでいるためです。

アブというと人間にとっては、刺されるので嫌いという印象を持つ場合は多いかと思いますが、人間を刺すアブは、動物の血をエサとする吸血性のアブです。

全てのアブが人間を刺すわけではなく、アタマアブのように人間にとって益虫となりうるアブもいるのです。

まとめ

どの昆虫も、「どうしてこうなった?!」とツッコみたくなるような、想像を超える形態の面白い昆虫ばかりです。

まだまだ人間に発見されていない昆虫もたくさんいるので、もっと信じられないような姿や生態の昆虫が、今後見つかるかもしれません。

新種の昆虫を見つけようと研究を続けている人も多くいますが、このような未知の昆虫がいるとなれば、新種探しにもロマンを感じます。



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