宇宙・地球

宇宙の果てには何があるのか?

航空網やインターネットが整備されているとはいえ、私たちは日々生活する中で世界の広大さについて知る機会があるでしょう。

しかしこれは、所詮地球の話でしかありません。

地球の外には世界よりも更に広大な宇宙空間があり、私たちの想像を絶する光景が広がっています。

宇宙空間が広大だということは私たちにとっては常識ですが、その果てにはいったい何があるのでしょうか。

今回は宇宙の果てについて紹介をしていきます。

 

地球から観測できる宇宙の果ては、本当の意味での宇宙の果てではない?

今日では宇宙観測の技術もずいぶん向上し、私たちの肉眼よりも遥かに遠くを見ることができるようになりました。

ですがまず前提として知っておきたいこととして、地球から観測できる宇宙の果ては本当の意味での宇宙の果てとは異なるということがあげられます。

これには宇宙空間の誕生が関係しています。

現在の研究では宇宙空間は高温・高密度の状態からおよそ138億年前に膨張し、現在の姿になったという「ビッグバン仮説」が主流です。

私たちが宇宙を観測するとき、星の光はリアルタイムのものではありません。

光は1秒で30万㎞という、とても動いている様子を見ることができないほどの速さで動いています。

月から地球まではわずか2秒、太陽から地球まではおよそ4分で光が到達します。

しかし宇宙空間における距離の尺度は私たちが考えるものよりもずっと大きいもので、もっぱら「光年」という単位を用います。

光年は光が1年かけて進む距離のことです。

例えば4光年先の星を見るときには、その星が4年前が放った光を観測していることになります。

宇宙は138億年前に誕生しているので、私たちが宇宙誕生の瞬間放たれた光を観測したとしても、宇宙の中でも138億年分までの距離しか観測することはできません。

138億年前の光を拾ってしまえばそこが宇宙の果てだと思うかもしれませんが、地球が宇宙のどの地点にあるか分からない以上そこが宇宙の果てかどうかは議論を呼ぶところです。

またビッグバンが起きて以来宇宙はずっと膨張しているとも言われており、138億光年より先にも宇宙空間が広がっている可能性もあります。

カリフォルニア工科大学の理論物理学者であるシーン・キャロル氏はこの事実から「宇宙に果てはなく、果てがあるとすれば観測の限界である」という発言をしています。

ある意味当然ではありますが、少しロマンのない話であるとも言えるかもしれません。

 

宇宙は果てがない構造をしている

また宇宙の構造上、宇宙にはそもそも「果て」と呼ぶべきものがないという考えがあります。

宇宙の構造についてはまだまだ分からない点もあり、様々な仮説がありますが、ビッグバン仮説が正しいとするならば宇宙はおおむね球形に膨張していると考えることができます。

イメージとしては、空気を入れられることで膨らみ続ける風船と考えれば分かるでしょう。

球形のものは平面軸に加えて「高さ」という三次元で構成されています。

例えば海岸から太平洋を見ると、一見、私たちの視界の彼方にある水平線が海の果てとして存在するように思えます。

実際かつてはこの水平線が世界の果て、地球の果てであるという「地球平面説」が古代インドや古代ヨーロッパ、古代日本で広く信じられていました。

今日の私たちが水平線を「世界の果て」ではないと認識しているのは、知識として地球が球体であることを知っているためです。

言いかえれば「高さ」という考え方がない時代の人、二次元の世界に生きている人に三次元の世界を想像することはできないということです。

宇宙は風船のように膨らみ続ける三次元的な構造をしています。

また空間と時間は相互に関連性を有していることが明らかになっており、宇宙空間においては光速を遥かに超える速度で宇宙が膨張することによって、時間にも影響を与えています。

つまり宇宙空間は平面、高さに加えて時間という要素が加わる四次元空間であるということです。

先に述べたように、二次元の世界に生きる人に三次元の世界を想像することはできません。

同時に三次元に生きる私たちに四次元の世界である宇宙空間を想像することはできず、当然その果てについても理解をすることはできないのです。

果てを理解できない空間とは、すなわち果てがないということです。

仮に宇宙の広がりが有限だとしても私たちにイメージができない以上、それは無限だと言わざるを得ません。

 

宇宙はそもそも果てがない形をしている

イメージができないから果てがないというと抽象的な話になってしまいますが、宇宙の構造については諸説あり、そもそも果てがない形をしているという説もあります。

数学の世界のに存在する、100万ドルもの懸賞が存在する「ミレニアム問題」という7つの問題のひとつに「ポアンカレ予想」というものがあります。

これはフランスの数学者であるアンリ・ポアンカレが提唱した、宇宙の構造に関する問題です。

ポアンカレ予想は1904年に提出され、以後150年以上も解決されませんでしたが、2003年にロシアのグリゴリー・ぺテルマンによって解決されました。

正確な説明は困難ですが、ポアンカレ予想を分かりやすく説明しましょう。

あるときこれからロケットを打ち上げます。

ロケットには途方もないほどの長さのロープが持たされており、ロープの片方は地球にくくりつけられています。

このときロケットが宇宙を一周し、戻ってくるとロープの両端が手元にあります。

ロープの両端を引き寄せたとき、無事に手元にすべてが戻ってきたら宇宙の形はおおむね球形をしていると言えるか、というものです。

さてこの問題が解決された結果、宇宙は球形、ドーナツ形、「クラインの壺」と言われる図形のいずれかをしており、ドーナツ状にもいくつかパターンがある結果、合計で8つのパターンのいずれかであるということが示されました。

このパターンのうち、更に絞り込むには宇宙の内外に関する様々なデータが必要となるので、ポアンカレ予想だけでは分かりません。

ドーナツ形というのは名前の通り球形で中央に大穴のようなものが開いている形で、私たちの実生活でもドーナツやクッションなどに見られます。

考えてみれば分かるかと思いますが、ドーナツに「端」や「果て」を見いだすのは不可能です。

余談ですが、幾何学においてこうしたドーナツ形をした図形を「トーラス(円環面)」と呼びます。

また「クラインの壺」とは境界や平面を持たない図形で、3次元のチューブを捻ることで表面を伝うといつの間にか裏面にたどり着いている、あるいはその逆というような特徴を有しています。

宇宙が仮にクラインの壺のような形をしていた場合も、果てを見つけることはできません。

ポアンカレ予想は、宇宙の果てについてかなり厳しい考えを示しています。

 

果てを考えるときには外側を考えなければならない

ここまでは宇宙の果てについて、宇宙の広さや構造という観点から紹介してきました。

少し観点を変えてみましょう。

私たちが「地球の果て」を考えるとき、成層圏(正確には外気圏)をイメージする人も多いのではないでしょうか。

これは私たちが「地球の外側には宇宙空間があり、宇宙空間と接する境界部分こそが地球の果てである」と考えるためです。

すなわち何かの果てを考えるときには、その何かの外側について知っていなくてはなりません。

宇宙の果てについても、宇宙の外側に何があるのかを理解する必要があります。

 

宇宙の外側には別の宇宙が広がっている?

宇宙の外側に何があるのかという問題は宇宙の構造そのものと深く関わっています。

中でも広く提唱されるのが「多元宇宙(マルチバース)」という考え方です。

これはどういった形であれ、私たちの暮らす宇宙空間の外とは別の宇宙が複数存在しているというものです。

広大な空間の中に泡のような宇宙空間が点在しているとイメージしてください。

宇宙空間については観測不可能な事象が多くあるため、計算や理論によって予想した結果、宇宙空間が複数あるという仮説が提唱されています。

もしこの仮説が正しいとしたら宇宙の果てとは、宇宙と別の宇宙の境界を意味することとなります。

もちろん宇宙空間、ひいては複数の宇宙空間が存在する別の空間についてもまだ観測されていないため、実際のところはまったく分かりません。

 

まとめ

今回は永遠の疑問である、宇宙の果てについて紹介しました。

宇宙についてはまだまだ分からない点が多すぎるため、その果てについてもまったく定かではありません。

現時点では、私たちの観測できる限界が宇宙の果てだと言わざるを得ないでしょう。

今後宇宙の観測技術がより向上すれば、宇宙の果てについても新たな発見があるでしょう。



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