砂漠とは、降雨量が極端に少なく、砂や岩石の多い土地のことをいいます。
砂ばかりの暑い場所で、オアシスがあったり、ラクダがいたりというのが砂漠のイメージではないでしょうか。
しかし、こうした砂ばかりの砂漠は、砂漠のなかでもほんの一部でしかありません。
ここでは、世界10大砂漠と呼ばれる大きさトップ10の砂漠をランキングにして紹介していきます。
砂漠とは
引用:ja.wikipedia.org
砂漠には、年間の降雨量が250㎜以下の地域、降雨量よりも蒸発量のほうが多い地域などいくつかの定義があります。
この定義に照らすと、私たちの想像する辺り一面が砂の場所だけでなく、砂漠にも様々な種類のものが存在します。
砂漠の多くは、岩石などが多く存在する不毛な大地で、こうした「岩石砂漠」が砂漠のほとんどの占めていて、一般的にイメージされる「砂砂漠」は全体の20%ほどでしかありませんし、地表上に砂や岩石が存在しない砂漠も存在します。
砂漠は、その出来方によっても、赤道近くの寒流の上を通る水蒸気を少量しか含まない風によってできる「熱帯砂漠」や「雨陰砂漠」、海から遠いことで水の供給量が少なくなってできる「内陸砂漠」などに分類されます。
第10位 グレートベースン砂漠 492000㎢
引用:www.nps.gov
グレートベースンは、北米大陸のアメリカ合衆国のロッキー山脈とシエラネバダ山脈のあいだにある広大な乾燥地域のことです。
北部をコロンビア高原、西部をシエラネバダ山脈、頭部をウォサッチ山脈とコロラド平原に囲まれた逆三角形の地形で、南部にはモハーヴェ砂漠が広がります。
ネバダ州の大部分とユタ州の半分以上、カリフォルニア州、アイダホ州、オレゴン州、ワイオミング州の一部がこのグレートベースンに含まれています。
グレートベースンとは、「大いなる盆地」という意味ですが、実際には1つの盆地ではなく、隣接した分水界の集まりです。
分水界とは、分水嶺とも呼ばれるもので、水は高いところから低い場所に流れるため、場所によってどの海に注ぐかということが変わってきます。
分水界とは、このように、川の水などがどの海に注いでいるかという分かれ目のことです。
山岳においては特に、稜線とこの分水嶺が一致していることが多くあります。
世界の水系は、太平洋分水界や太平洋分水界など、分水界によって分割することができます。
多くの分水界は、最終的に海洋へと行きつきますが、中にはカスピ海やアラル海のように海洋ではなく内陸湖に流入する分水界のように、海洋へ流入しない分水界も存在しています。
グレートベースンもその1つで、海へと注ぐ川はありません。
グレートベースンの北はコロンビア川・スネーク川の分水界、西はサクラメント川・サンワーキン川・クラマス川の分水界、南と東はコロラド川・グリーン川の分水界となっています。
グレートベースンには、ユタ州北部の塩水湖であるグレートソルト湖、カリフォルニア州シエラネバダ山脈のデスバレー、カリフォルニア州やユタ州にまたがる広大なモハーヴェ砂漠、ネバダ州の塩湖であるピラミッド湖、ネバダ州北部の乾燥地帯ブラックロック砂漠、ネバダ州カーソン砂漠のカーソンシンクなどたくさんの分水界が含まれています。
第9位 シリア砂漠 520000㎢
引用:yascovicci.exblog.jp
シリア砂漠は、シリア・アラビア砂漠とも呼ばれ、シリア・ヨルダン・イラク各国の内陸部にまたがる砂漠地帯です。
シリア砂漠は、西はシリアのオロンテス川峡谷に、東はシリアからイラクへと至るユーフラテス川峡谷へと及び、北には肥沃な草原・森林、南はネフド砂漠などアラビア半島内陸部の砂漠へとつながっています。
シリア砂漠は、砂の砂漠ではなく平坦な地形にたくさんの岩石や溶岩がある不毛の地で、砂漠とステップを混合した植生を持っているのが特徴です。
ステップとは、ロシア語で「平らな乾燥した土地」を意味する草原地帯の一種で、樹木はなく、背の低い草に覆われています。
シリア砂漠の多くが高原地帯で、標高500mまでの高原のほか、多くの谷や山脈があり、南部のエッドゥルーズ山地には古い火山の溶岩流から生まれた地形があります。
シリア砂漠は、古来より地中海方面とメソポタミア方面の間に立つ障壁となってきました。
一方で、オアシスがたくさんあるため、砂漠を横断する隊商の中継地になってきました。
現在のシリアの首都であるダマスクスも、砂漠のオアシス都市ですし、シリア中央部のパルミラのようなローマ時代のオアシス都市の遺跡も残されています。
パルミラ遺跡には、ローマ時代の円形劇場や浴場、四面門などが残されており、1980年に世界遺産にも登録されていますが、現在はシリア内戦のために大規模な破壊を受けており、危機遺産のリストに入れられています。
シリア砂漠には古くからベドウィンといわれる遊牧民の諸部族が暮らしており、現在でも、オアシス周辺の定住地などにたくさん住んでいます。
引用:ethnic-world.net
シリア砂漠の各地では、ベドウィンによって書かれた初期のアラビア語による碑文が見つかっています。
アラビア半島に住むラクダや羊の放牧・売買や輸送の仕事などを営む遊牧民というのが広い範囲でのベドウィンの定義です。
ベドウィンは、アラブの遊牧民族のことを指し、「バーディヤ(町ではない所)に住む人々」という意味で、街や文明を知らない人間という軽蔑の意味と、伝統に従い独立した誇り高い生き方をする者という2つの意味合いが含まれています。
現在では一般的な市民と変わらない生活を送っているベドウィンも多いですが、一部のベドウィンは遊牧民としての伝統的な生活様式を守って暮らしています。
現代のシリア砂漠には、幹線道路や石油のパイプラインなども通っていますが、イラク戦争後、シリア砂漠は、イラクから逃亡する難民やイラクに出入りする民兵、イラクへの武器・物資の密輸ルートとなりました。
シリア内戦の影響もあって、周辺は現在、治安的に非常に緊張した地域となっています。
第8位 パタゴニア砂漠 620000㎢
引用:www.wikiwand.com
パタゴニア砂漠は、南アメリカ多陸にある、アルゼンチンからチリにかけて広がる砂漠です。
パタゴニア砂漠は、雨陰(ういん)砂漠と呼ばれる種類の砂漠です。
雨陰とは、雨雲を含んだ風が山脈などを超える際に起きる現象で、風上側だけで雨を降らせ、風下側では雨量が少なく「陰」となって乾燥してしまうというもので、パタゴニア砂漠ではアンデス山脈によってこうした現象が引き起こされています。
パタゴニア砂漠の西にはアンデス山脈が、東には大西洋があり、この地域ではアンデス山脈から強い偏西風が吹きつけるため気温が12℃を超えることはめったになく、平均気温はたったの3℃。
そのため、パタゴニア砂漠の中核部は、寒地荒原(低温砂漠)気候の岩石砂漠になっていて、その周辺部にステップが広がっています。
周縁部のステップだけでなく、海洋性気候のフエゴ諸島や森林地帯なども含めてパタゴニア全体を指してパタゴニア砂漠と呼ぶ場合もあります。
パタゴニア砂漠では夏が5か月に対して冬が7か月あり、夏でもしばしば降雪することがあります。
パタゴニア砂漠は、世界でも最大規模の冬季乾燥型の低温砂漠になっています。
パタゴニア砂漠には、台地と山塊が交互になった地形が続き、それらの間を縫うようにして川や渓谷が走っています。
ところどころに涸れ川や涸れ湖、アンデスから流れてくる伏流水(地下水)が春になると湧き出てくる泉も存在しています。
パタゴニア地域一帯には、氷河や河川、火山によって作られた堆積物があり、これらは砂漠の気候にも影響を及ぼしています。
パタゴニア砂漠の大部分を覆っている砂利上の堆積物も、こうして生まれてきたもので、南大西洋上を飛んでいる微粒子のほとんどは、強い偏西風によってパタゴニア砂漠から飛ばされてきた塵です。
周辺のステップ地域でも、植物は低木と草本植物が主ですが、西のほうへ行くとわずかに降水量が増え、イネ科の植物などもみられるようになります。
パタゴニア砂漠の西には、氷河湖が点在する地域があり、それを超えてさらに西に行くと、植生の乏しい山々と川沿いに広がる寒地森林がみられる渓谷のある地域になります。
パタゴニア砂漠の北にはクージョやパンパが広がっています。
クージョは、アルゼンチンのワイン造りで有名な山岳地帯で、ここで生産されるワインはアルゼンチン国内全体の80%を占め、自然公園などもあって観光地としても人気があります。
一方のパンパは、ラプラタ川流域に広がる草原地帯で、アルゼンチンの農地の80%、牧草地の60%を占める豊かな農業地帯で、アルゼンチンで生産される小麦の95%がこのパンパで作られています。
パタゴニア砂漠には、先史時代から狩猟採集民族が住んでいましたが、19世紀になるとチリ人やアルゼンチン人、ウェールズ人などの入植がはじまり、彼らは「荒野の征服者」と呼ばれるようになります。
入植者たちは、先住民を追い出す一歩、ヒツジや馬の飼育を行うようになり、20世紀にはこの地域でウールをとるためのヒツジの飼育が一大ブームとなったこともありましたが、現在では人口も希薄で、羊やヤギの飼育で生計を立てる人々が細々と暮らしています。
第7位 グレートビクトリア砂漠 647000㎢
引用:www.thinglink.com
グレートビクトリア砂漠は、オーストラリア南部のウエスタンオーストラリア州とサウスオーストラリア州にまたがる、オーストラリア最大の砂漠です。
北はギブソン砂漠、南はナラボー平原に接していて、西オーストラリアのゴールドフィールズ・エスペランス地域の一部である東ゴールドフィールズまで広がっています。
18世紀に、エアーズロックの探索も行っている探検家のアーネスト・ジャイルズによって初めて横断・発見され、イギリスのヴィクトリア女王の名にちなんでこの名前がつけられました。
グレートビクトリア砂漠は、東西約700㎞にもおよび、砂丘や草原が広がっているほか、塩湖などもみられます。
平均標高が150~300mで、南のナラボー平原に向かってなだらかに傾斜していて、ナラボー平原によって海岸と隔てられています。
降雨量では不規則ですが、一般的には少なくなっています。
それでも、ほかの砂漠と異なり、年間200~250ミリ程度はあり、雷鳴を伴った嵐がよく起こるのも特徴です。
平均して、年間約15~20回の雷があるといわれています。
夏の昼間の気温は、32~40℃、冬場は18~23℃で、冬でもそれなりに温度が高く寒冷となることがないので、雪が降ることはありません。
グレートビクトリア砂漠には大型の鳥や哺乳類はいませんが、小さな有袋動物やトカゲなどは多くの種類が生息しています。
一部にユーカリやスピニフェックスなどのイネ科の植物、灌木が生えている程度で、牧畜には不向きのため、アボリジニが住んでいるほかは広大な無住地域となっています。
そのため、生態系が外部の影響をほとんど受けておらず、グレートビクトリア砂漠には、オーストラリアに14個ある生物圏保護区の1つである、マムンガリ保護公園があります。
1950年代から60年代初頭にかけて、マラリンガやエミューフィールドにおいて、イギリスによる核実験が行われていたため、今でも一部には放射性物質に汚染された地域が残されています。
引用:www.asahi.com
第6位 カラハリ砂漠 900000㎢
引用:ja.wikipedia.org
カラハリ砂漠は、アフリカ大陸南西部に位置する広大な砂漠で、標高850~1000mの浅い盆地状の地形をしています。
カラハリ砂漠は、ボツワナの国土のじつに70%を占めるほか、北はオカバンゴ川、南は南アフリカ共和国、西はナミビア東部にまで広がっています。
さらに、ナミビア南部も、カラハリ砂漠の一部とも考えられている面積140000㎢のナミブ砂漠に覆われています。
カラハリ砂漠の周辺も含めたサバンナ(半乾燥地帯)をカラハリ砂漠とする見方もあり、この場合、カラハリ砂漠の大きさは2500000㎢にまでなります。
カラハリとは、アフリカ南部の言葉であるツワナ語で「大きな渇き」または「水のない場所」といった意味があります。
カラハリ砂漠は、その大部分が赤黒い砂に覆われており、湖などの表層水が一切ないのが特徴です。
雨が降ると、窪地につながる水無川と呼ばれる涸れ谷(ワジ)など季節河川が氾濫することがあり、さらに、ボツワナ中央州北西部にある潮に覆われた広大な塩類平原(マカディカディ・パン)やナミビアのエトシャ塩湖にも水が溜まります。
気温は、夏季が20~40℃、冬季の平均最低気温は0℃を下回り、乾燥して寒く、夜間には霜が降りることもあります。
カラハリ砂漠には、オカヴァンゴ川と呼ばれる唯一の恒久的な川が存在していますが、この川の水はすべて、砂漠上でオカヴァンゴ・デルタといわれる広大な湿地帯を形成して砂漠の砂の中に染みこんで蒸発してしまい、決して海にたどり着くことはない内陸河川となっています。
このオカヴァンゴ・デルタができる7月から9月にかけてはカラハリ砂漠の乾季にあたり、砂漠に生きる生物たちにとってはこの川の水が貴重な水源となっています。
カラハリ砂漠に生息する植物のほとんどはサボテンや低木といった砂漠植物ですが、一部では不規則ですが年間250㎜以上の降水量を記録し、植物に覆われている場所もあります。
カラハリ砂漠には、古くから狩猟採集民族であるサン人たちが暮らしていました。
カラハリ砂漠には、石炭や胴、ニッケルといった鉱物の埋蔵量が多く、特に、北東部には世界最大級のダイヤモンド鉱山が存在します。
第5位 ゴビ砂漠 1295000㎢
引用:www.steppestravel.com
ゴビ砂漠は、モンゴルから中国の内モンゴル自治区にかけて広がる砂漠で、東西約1600㎞、南北約970㎞の大きさを誇ります。
ゴビとはモンゴル語で、「沙漠、乾燥した土地、礫が広がる草原」といった意味があり、ゴビ砂漠を日本語に訳すと「砂漠砂漠」という重複表現になってしまうのですか、日本では一般にゴビ砂漠として定着してしまっています。
ゴビ砂漠は、別名・瀚海(かんかい)と呼ばれることもあり、中国では瀚海沙漠とも表記されます。
ゴビ砂漠は古くからシルクロードの重要拠点として幾つかの都市が栄え、匈奴や突厥、世界最大の帝国を築いたモンゴルなど多くの遊牧民族が活躍するフィールドでした。
春先、日本にも飛来する黄砂はこのゴビ砂漠から巻き上げられた砂が気流に乗って運ばれてきたものです。
ゴビ砂漠は、ヒマラヤ山脈によって雨雲が遮られるため、非常に乾燥した風が吹きつけます。
ゴビ砂漠は内陸にあるため、降水量が少なく夏と冬の温度差が大きいという大陸性気候の特徴をもっていて、他の砂漠より高緯度で、日本の札幌市と同じくらいの緯度にあるにも関わらず、5月~9月ごろの夏季には、気温が45℃を越えることもあります。
反対に、冬には夏の灼熱砂漠から一変し、寒風が吹きつけ1月~2月にかけての冬季には最低気温が-40℃を割り込むことも少なくありません。
ゴビ砂漠は、現在では砂漠になってしまっていますが、古代には自然の豊かな場所でした。
そのため、大型恐竜が多数生息しており、世界的な恐竜化石の発掘地としても有名です。
ゴビ砂漠からは、卵を抱いたオビラプトルの化石や、プロトケラトプスとヴェロキラプトルの格闘の化石など珍しい化石も見つかっています。
引用:www.museum.or.jp
第4位 アラビア砂漠 2330000㎢
引用:matome.naver.jp
アラビア砂漠は、西アジアにあり、イエメンからペルシア湾、オマーン、ヨルダン、イラクにかけて広がり、アラビア半島のほとんどの部分を占めている巨大な砂漠です。
アラビア砂漠の気候は非常に乾燥しており、気温差が激しく、日中はかなりの高温になりますが、夜間になると急激に冷え込み、季節によっては凍結することもあります。
年間の平均降雨量は100㎜ほどですが、30㎜から40㎜ほどの雨しか降らない地域もあります。
アラビア砂漠の過酷な環境では、生きていける生物は限られているため、ここでは生物多様性はほとんど見ることができません。
ガゼル、オリックス、スナネコ、トゲオアガマ、ジャッカル、ラーテルのように厳しい環境に適応することのできた少数の生物がアラビア砂漠に暮らしています。
アラビア砂漠はいくつかの地域に分けられ、中央部分には、世界最大の砂で覆われた地域の1つである、ルブアルハリ砂漠が存在しています。
ルブアルハリとは、アラビア語で「何もないところ」という意味で、英語では「空虚な4分の1」と呼ばれます。
堆積盆地であるルブアルハリ砂漠は、標高1000mでアラビア砂漠の砂地の大部分を占めていて、礫や石膏の平原を砂が覆っていて、エッフェル塔(324m)よりも高い砂丘が存在しています。
ルブアルハリ砂漠の気温は、夏は夜には氷点下、昼間には55℃にも達します。
ルブアルハリ砂漠の砂は80~90%が石英で砂粒にはオレンジや紫、赤などの色がついています。
ほかにもアラビア砂漠には、サウジアラビア北部のネフド砂漠とルブアルハリ砂漠を結ぶダハナ砂漠や、800㎞にもおよぶ石灰岩の峡谷であるトゥワイク断崖などの場所があります。
アラビア砂漠には、石油や天然ガス、リン酸塩、硫黄などの資源が埋蔵されています。
第3位 サハラ砂漠 9000000㎢
引用:ja.wikipedia.org
サハラ砂漠は、アフリカ大陸北部にある砂漠で、世界最大の砂漠といわれることもあります。
実際には、このあとのランキングで紹介するように、地球上にはサハラ砂漠以上に広大な砂漠もあるのですが、 私たちのイメージするような砂の大地としての砂漠ではトップクラスです。
サハラ砂漠は、アフリカ大陸の3分の1に近い面積をもち、なんとアメリカ合衆国とほぼ同じ広さをもっています。
サハラとは、アラビア語で「砂漠」「荒野」を意味する一般名詞なのですが、北アフリカでは日常的にサハラ砂漠のことを指す言葉として使われるため、いつしかヨーロッパでこの砂漠を現す固有名詞として使用されるようになりました。
アラビア語では、特にサハラ砂漠を指すときには、「アッ・サハラーゥ・ル・クブラー(最大なる砂漠)」という言い方もあります。
英語圏では、サハラ砂漠を大海原に例えて、「Great Sand Sea(グレート・サンド・シー)」とも呼ばれます。
サハラ砂漠は、東はエジプトに面し、南はスーダンとニジェール川まで、北西アフリカのマグレブ、そして大西洋や地中海に接する海岸地域などに広がり、中央部にはホガール産地、アイル産地、ティベスティ山地などがあります。
サハラ砂漠の最高点はティベスティ山地のエミクーシ山で、最低地はエジプト北西部の盆地であるカッターラ低地です。
カッターラ低地はアフリカで2番目に低い内陸地となっています。
サハラ砂漠によって、アフリカ大陸は北アフリカとサブサハラ(サハラ以南)に分けられます。
広大な砂の大地をイメージするサハラ砂漠ですが、その70%は岩の多い不毛の土地である岩石砂漠となっています。
サハラ砂漠より北は地中海性気候、砂漠の中央部は砂漠気候で、南に行くとステップ気候帯となります。
砂漠の中央部は、超乾燥地帯で日中の気温が50℃を越えることも珍しくなく、自生する植物はほぼゼロともいわれます。
それ以外の場所では、草や灌木、高木などが生えているところもあります。
サハラ砂漠には、世界最大級の河川であるナイル川が中央アフリカから地中海へと流れていますが、それ以外では、ほとんどの河川は季節的か間欠的に見られるのみです。
砂漠の各地には、地下水が地表に湧き出てオアシスを形成しています。
今では不毛な大地であるサハラ砂漠も、地球全体の気象変動の影響を受けて湿潤気候であった時期もあり、その名残としてニジェール中部のテネレ砂漠には「テネレの木」と呼ばれるアカシアが生えていて、世界で最も孤立したところにある木といわれていましたが、現在は切り倒されてしまっています。
引用:ja.wikipedia.org
サハラ砂漠からは、季節によって周辺地域に風が吹いており、大西洋へ向けて吹く乾燥した涼しい風はハルマッタン、夏にリビアに向けて吹く乾いた暑い風はギブリ(これがイタリアに達するとシロッコと呼ばれる)、春にリビアやエジプトに向けて吹く熱く乾燥した風はハムシンと呼ばれます。
サハラ砂漠にはオアシスで農業や遊牧を営む先住民が暮らし、フォガラと呼ばれる地下水路によって水をオアシスまで引き込み、ナツメヤシの栽培なども行われます。
第2位 北極砂漠 13985000㎢
引用:tabizine.jp
北極とは、地球などの惑星の地軸と地表が交わる点のうちの北側のものを指す北極点の周辺地域を指す名称です。
地球上においては、カナダやロシア、ノルウェーの領土に囲まれた北極海を含む地域のことです。
通常、砂漠といったときに北極が砂漠に含まれることはありませんが、年間降雨量250㎜以下といった砂漠の定義に当てはめた場合、この地域も砂漠に含まれます。
北極は、北極点を中心とする北極海やその周辺の島嶼、ユーラシア・アメリカ大陸沿岸などの地域のことで北極地域とも呼ばれ、年間を通して凍結しています。
夏でも気温が10℃を越えることはほとんどなく、冬には-40℃を下回ることもしばしばで、年間の平均気温も-25℃前後とされます。
風が非常に強いのも北極砂漠の特徴で、風は雪を巻き上げ、まるで吹雪のような光景を作り出しています。
近年では、地球温暖化の影響によって北極の氷の面積が徐々に小さくなり、これまで氷に閉ざされて通れなかった海が通れるようになる可能性が出てきて、北極海航路開通が期待されるようになっています。
北極には非常に豊かな天然資源が眠っているといわれており、石油や天然ガスなどその埋蔵量は地球上の4分の1にもなるといわれ、世界中の未発見で採掘可能な資源のうち22%が北極に存在するという試算もあります。
ちなみに、北極点と方位磁石が指す北極である北磁局は別物で、1000㎞ほど離れているため、磁石が指す方向に進んでも真北に向けて進んでいるとは限りません。
南北の磁極は移動し続けているため、注意が必要です。
第1位 南極大陸 14000000㎢
引用:natgeo.nikkeibp.co.jp
地球上で最も寒冷な地域である南極大陸は、3000万年の間に降り積もった雪が現在まで解けずに、1000~2000mにもおよぶ厚い氷の層である氷床になり、陸地の約98%が氷床によって覆われています。
地面が露出している部分はほとんどなく、植物も生えていません。
この不毛な氷の大地である南極大陸こそ、このランキングの最後を飾る、世界最大の砂漠なのです。
氷床は、山などの斜面を徐々にずり落ちて海に流れ落ち、棚氷を形成し、それが沖に流されると自らの重みによってひび割れして氷山となって海を漂います。
南極大陸は極度に寒冷であるばかりでなく風も非常に強く、年間降雨量は200㎜以下となっています。
過去には、気温が観測されたものでは史上最低となる-97.8℃まで下がったという記録もあります。
これは、2018年7月に南極で太陽が昇らない時期に衛星から測定されたもので、人間だと数回呼吸しただけで肺から出血し即死してしまうほどの気温で、南極がいかに過酷な環境であるかがわかります。
南極大陸は西半球の西南極と東半球の東南極に分けられ、東南極のほうが面積が大きくなっています。
南極大陸は、1961年に結ばれた南極条約によってどの国の領土でもないと定められ、軍事利用や核実験も禁止されています。
南極にはもちろん永住者はいませんが、日本を含む、各国の観測基地が設けられています。
西南極にある南極半島の北端は、南極圏の外にあるためツンドラ気候地帯になっていて、南極の中では比較的温暖なため、各国の観測基地はこのあたりに集中しています。
引用:hukuhukudokohuku.com
これらの観測基地には、年間1000~5000人ほどの科学調査のための研究者やその支援や観光などが目的の一般人等が滞在しています。
南極大陸の滞在者は、地表を覆っている氷のため、太陽光の照り返しによる日焼けや視覚障害などに注意する必要があります。
近年の南極大陸は、地球温暖化の影響によって、氷床の大規模な融解が観測されています。
まとめ
以上、世界最大の砂漠ランキングを紹介してきました。
砂漠といえば、暑くてどこまで続く砂ばかりの大地とイメージがあるので、1位と2位が砂漠であることすら以外だったのではないでしょうか。
砂漠といっても岩石に覆われたものなどいろいろな種類があり、砂漠といえば砂ばかりというわけでもありません。
一般的にはサハラ砂漠が世界最大といわれています。
しかし、このように正確にみていくと意外なものがランキングトップにきている、ということもあるのです。