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【太陽系の象徴】太陽の神秘と謎17

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太陽は、人間を含む地球上に住む全ての生物に多大な恩恵をもたらしている無くてはならない天体であり、太古の時代には「神」として世界の多くの神話や伝承に描かれ崇拝されていました。

しかし、銀河そして宇宙を見回すと、特に珍しくもないありふれた恒星の一つでもあります。

今回は太陽系の象徴であり、私たちにとって最も重要な天体である太陽の神秘と謎をご紹介します。

太陽の誕生


およそ48億年前、宇宙空間を漂うたくさんの星間ガスからなる分子雲が、自らの重力で収縮して一つの原始星が形成されました。そしてそれが更に収縮し続けた結果、星の内部で核融合反応が起こり、46億年前に現在の姿の太陽が形成されたと考えられています。

そして、太陽誕生から少し遅れて、太陽形成で余ったガスや塵などが太陽の周りに集まり、地球や他の惑星たちが誕生しました。

 

太陽までの距離


太陽と地球の距離は約1億4960万キロメートル離れています。

太陽系は天の川銀河に属しており、その中心から太陽までの距離は約2万5千光年です。

その為、太陽系は小説や映画などで度々「銀河の外れ」と表現されることがあります。

また、地球など太陽系の惑星が太陽の周りを周回しているのと同様に、太陽もまた銀河系の中心を周回しており、1周するのにかかる年月は約2.2億年と言われています。

 

太陽の大きさ


太陽は直径は地球の約109倍に相当する約140万キロメートルで、質量は地球の約33.3万倍にほぼ等しい約1.989×1030kgです。その質量は、太陽系の全質量のなんと99.86%を占めています。

これほどまでに大きな太陽ですが、とても不思議なことに地球から見て太陽と月はほぼ同じ大きさに見えます。

これは太陽と月の大きさが約400:1の比率なのに対して、地球から太陽と月までの距離も約400:1の比率になるからです。

宇宙の星の大きさは下記でご紹介しています。
【最新】宇宙で一番大きい星ランキング

 

太陽の重力


地球の表面重力を1Gとした場合の太陽の表面重力は27.9Gです。

例えば、地球上で60kgの人が、太陽に行くとその体重はなんと27.9倍の1674kgになってしまう計算です。

実際、太陽に行くことは出来ませんが太陽の重力はそれほど強いということです。

また、太陽系の惑星で、太陽の次に大きな重力を持っているのは木星で、その表面重力は2.34Gです。

太陽はその桁違いの重力により、太陽系を形成しています。

太陽系で最も強い重力を持つ惑星である木星については下記でご紹介しています。

【太陽系最大の惑星】木星の驚愕の真実と謎15

 

太陽の温度


太陽の温度は、直接観測することは出来ないため、1950年代 - 1960年代にかけて太陽の内部構造を理論的に構築する試みが行われ「標準太陽モデル」という試算結果が導きだされました。

その「標準太陽モデル」の計算によると太陽の温度は、中心温度で1570万℃、コロナが500万℃、表面温度が5500℃とされています。

 

太陽の構造


太陽は扁平率0.01%以下というほぼ完全な球体をしており、その構造は、中心核(太陽核)・放射層・対流層・光球・彩層・遷移層・コロナからなります。

 

太陽核(中心核)

太陽の中心には、太陽半径の約20%に相当する半径約10万kmの太陽核があります。
太陽核は密度が156g/cm3(水の約150倍)であり、太陽全体の約2%の体積の中に約50%の質量が詰まった状態という超高密度状態です。
その環境は2500億気圧、温度が1500万℃に達っし、物質は固体や液体ではなくプラズマ(電離気体)状態にあると考えられています。

 

放射層

放射層は太陽核を覆う厚さ40万kmの層です。
この領域では対流は起こらず、中心核で生じたエネルギーが外側へ運ばれています。
近年の研究では、放射層をエネルギーが通過するには約17万年もの長い時間が必要と言われています。

 

対流層

対流層は、放射層の外側に位置する厚さ20万kmの層です。
太陽内部では、温められたガスが表面まで出てくると、冷やされて再び恒星内部に戻るという熱対流が絶えず繰り返されています。

 

光球

光球とは、太陽の表面を形成する厚さ300km~600km程度の層のことです。
光球の表面温度は約5500℃で、太陽大気ガスの対流運動がもたらす湧き上がる渦(粒状斑・超粒状斑)や黒点と呼ばれる暗い斑点状や白斑という明るい模様が観察できます。
黒点の温度は約3,700℃、中心部分は約3,000℃と相対的に低いために黒く見えます。

 

彩層(さいそう)

光球表面の上には厚さ約2,000kmの密度が薄く温度が約7000 - 10000℃のプラズマ大気層があり、これを彩層といいます。
また彩層は、皆既日食の始まりと終わりに紅色に見えることでも知られています。

 

コロナ

コロナは彩層の更に外側にある約200万℃のプラズマ大気層で、その大きさは太陽半径の10倍以上の距離まで広がっています。
また、彩層とコロナの間には遷移層と呼ばれる薄い層があり、これを境界に温度や密度が急激に変化しています。
コロナからは太陽の引力を逃れたプラズマが太陽風となって放出されており、皆既日食の際には白いリング状に輝くコロナを観察することができます。

 

太陽の表面


太陽表面では、数時間から数ヶ月にかけて現れては消える黒点や爆発現象である太陽フレアや紅炎などの様々な現象が生じています。

黒点


黒点は、太陽表面を観測した時に黒い点(シミ)のように見える部分のことです。

実際には、黒点は黒ではなく、光を放っているのですが、周囲の温度(約6000℃)よりも温度が低く(約4,000℃)光が弱いために黒く見えています。

黒点は太陽の磁場によって発生していると考えられており、約9.5年から12年ほどの周期で増減を繰り返しています。

 

紅炎(こうえん)


紅炎(prominence)とは、太陽の下層大気である彩層の一部が、上層に向かって吹き上げるように見える現象のことです。

紅炎には、数ヶ月に渡って長く存在する静穏型紅炎と、激しく形を変え主に黒点に伴って一時的に発生する活動型紅炎の2種類があります。

 

太陽フレア


太陽フレアとは、太陽における爆発現象の総称です。

太陽系で最大の爆発現象で、小規模なものはほぼ毎日のように発生しています。

小規模なものと言っても、フレアの大きさは通常1~10万km程度であり、威力は水素爆弾10万~1億個と同等とされています。

爆発と同時に衝撃波やプラズマ噴出が発生し、時おりそれらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こします。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、2012年7月には巨大な太陽フレアが地球をかすめているということです。

 

太陽のエネルギー源


地球誕生の前から何十億年も絶えず輝いている太陽のエネルギー源は何なのか?

この問題は、19世紀頃までに発見されてきた化学反応では解明できず、長年にわたり大きな謎とされていました。

当初は重力ポテンシャルエネルギーという仮説が立てられていましたが、19世紀末に放射能が発見されると原子核反応がその候補となりました。

そして現在では、1938年に発見された核融合反応が太陽活動のエネルギー源と考えられています。

太陽の磁場


太陽は固有磁場を持っており、その様相は地球磁場と大きく異なります。

磁力線は太陽風によって放射状に広がり、しかも自転の影響を受けてらせん状に展開しています。

磁場の強さもまちまちで、一般磁場は1ガウスにも満たないにもかかわらず、黒点部分では数千ガウスの強さの磁力が生じています。

 

太陽風


太陽風は、太陽から吹き出す極めてプラズマのことで、コロナ内部でプラズマのガス圧力が高まり、太陽の引力を超える状態になると宇宙空間に噴出されます。

太陽風は、通常で秒速300km~500kmほど、太陽フレアから生じる場合には秒速1000kmを超える場合もあり、その温度は地球付近でも10万℃にも達する超高速・高密度のプラズマです。

この太陽風が地球磁場の南北極域に達するとオーロラが発生します。

 

【太陽の謎①】太陽の内部構成の謎


太陽だけでなく、他の恒星にも言えることですが、太陽には地球などの惑星と異なり、はっきりした表面が存在しません。

かつては、太陽などの赤色巨星は気体で構成されていると考えられていました。

しかし、内部の重力の影響で「表面は気体だが、内部は液体ならびに固体で構成されている」とする説を唱える学者もおり、現在では、太陽内部はプラズマや超臨海流体といった、固体・液体・気体のいずれでもない第四の状態となっているという説が有力です。

太陽内部は気体なのか、液体や固体なのか、はたまた全く別の状態なのかは未だ解明されていません。

 

【太陽の謎②】太陽コロナの謎


コロナは太陽の最も外側に広がる超高温のプラズマ大気層です。

太陽の表面温度は約6000℃であるにも関わらず、約200万℃という超高温のコロナが太陽の周りに何故生じるのかはわかっておらず、太陽最大の謎とも言われています。

1960年代までは太陽から生じた衝撃波が、コロナを加熱するという「音波加熱説」が主流でしたが、1970年代に太陽磁場の影響による加熱が提唱された他、アルベーン波説や、フレアによる加熱説などもあり、どれも決定的な根拠を示すことが出来ておらず、現時点で結論には至っておりません。

 

【太陽の謎③】太陽に環はあるのか?


1966年の日食の際、アメリカの科学者が赤外線観測によって、太陽から約300万キロメートル離れた地点で微細な塵がリング状に広がっていることを発見しました。

しかし、1993年のインドネシアでの日食観測時に環を確認して以来、環は見えなくなっており、太陽に環が存在するのかは未だわかっておりません。

環を持つ天体として最も知られている土星の記事は下記になります。

【輪を持つ惑星】土星の真実と謎20

 

【太陽の謎④】太陽と謎の物体


太陽の周辺では観測衛星によって度々謎の物体が発見されています。
今回はその中の一つである太陽の裏側を通過する謎の物体の映像をご紹介します。

この物体の大きさは、映像では伝わりにくいかもしれませんが、木星と同じくらいというとても巨大なものです。

宇宙の星の大きさは下記のページでご紹介しています。
【最新】宇宙で一番大きい星ランキング

 

太陽の歴史と寿命


太陽は超新星爆発で散らばった星間物質がふたたび集まって形成されたと言われています。

46億年前に太陽が誕生してから、現在までに30%ほど明るさを増していると考えられており、今後も太陽は高度を増し続け、終末期には現在の2倍ほどの明るさになると予想されています。

そして21世紀初頭の研究では、太陽は63億年後には中心核で燃料となる水素が使い果たされ、その周囲で核融合が始まって膨張を開始し、現在の11倍から170倍程度にまで膨張し赤色巨星になって、金星と水星を飲み込みます。

76億年後には中心核の温度は約3億℃に達し、ヘリウムの燃焼が始まると今度は現在の11倍から19倍程度まで一旦収縮します。

やがて、中心核がヘリウムの燃えかすである炭素や酸素で満たされると再び膨張し始め、太陽は現在の200倍から800倍まで巨大化し、火星と地球を飲み込みます。

その後はガスを放出しながら収縮していき、123億年後に寿命を迎えると考えられています。

 

太陽信仰


太陽を神格化した太陽神伝説は、ギリシア神話やエジプト神話に始まり、日本神話はインカ神話にも登場するなど世界各地に存在します。

主な太陽神は、インカ神話のインティ、エジプト神話のアテン、ギリシア神話のアポロン、日本神話の天照大神、ヴェーダ神話のインドラ、フェニキア神話のバアルなどが存在します。

かつて世界に存在した古代文明については下記で詳しくご紹介しています。

失われた世界の古代文明と超古代文明10選

 

太陽探査


太陽の天文学的観測は、紀元前500年頃の古代ギリシアで既に行われていました。

中世ヨーロッパではコペルニクスが地動説を唱え、ガリレオが望遠鏡を用いた天文観測により黒点の観察を記録しました。

そして、1970年代からは太陽探査衛星が数多く打ち上げられ、X線による太陽観測が行われており、2001年に打ち上げられたNASA探査機「ジェネシス」は、2年間にわたり太陽風に含まれる粒子を採取し、2004年に地球に持ち帰ることに成功しました。

 

まとめ

普段気にしていても、気にしていなくても、いつも変わらず空から地球を照らしてくれている太陽ですが、こうして見ると意外と知らないことが沢山あったのではないでしょうか?

太陽は地球上の全生物にとってまさに神と言っていいほど、多大な恩恵をもたらしてくれている天体です。

しかし、数十億年後には太陽の膨張が始まり、水星と金星が消滅してしまい、地球にも存亡の危機が訪れるかもしれません。

それまでに遠い惑星に移住できるよう、今後も研究が進むことを願ってます。

まぁ、それまで人類が生存していればですけどね…www




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