宇宙・地球

【太陽系最大の惑星】木星の驚愕の真実と謎15

木星は太陽系の中では最も大きい星として知られていますが、逆に言えば大きい星という事以外はあまり知られていません。

しかし、実際には私たちの想像をはるかに超えた真実がいくつも発見されてきました。

今回はそんな木星の不思議と魅力に迫ります。

目次

木星の大きさ


木星のスケールはどれをとっても地球とは桁違いです。なんといってもまずは大きさです。

木星の赤道直径は142,984キロメートル。

地球と比較した場合、直径は11倍、倍質量は318倍、体積は1,321倍ほどになります。

また、太陽と比較すると半径は太陽の0.1倍に等しく、質量は太陽の0.001倍になります。

 

木星の成分


木星は地球とは違い、星の大部分は巨大なガスの塊で出来ています。

木星を構成している成分のうち9割は水素、1割がヘリウム、その他には微量な水やアンモニア、メタンガスが含まれていると考えられています。

ただし本当にガス状態であるのは木星の表面部分だけです。

木星を縦半分に切ってみたとすると、中心核に向かって表面に『ガス状の層』→『液状の水素の層』→『液状の金属水素の層』、というように内部は数種類もの層状になっているとされています。

このうち液状の水素の層(約20,000km)と液状の金属水素の層(約40,000km)で木星半径の78%を占めています。

また中心部はケイ素などの岩石でできていると言われていますが詳しいことは分かっておらず、重力測定から予想された中心核のサイズは地球との比較で10~45倍の大きさです。

こちらは木星全体の3~15%を占めると考えられています。

 

太陽からの距離


木星は太陽から約7.78×108 km 離れたところに位置しています。

これは地球と太陽の距離(約1.496×108 km)と比較して、地球よりも約5倍遠いところであり、仮に太陽の直径を1mとすると、木星は約560m離れたことを周回している10cmの球ということになります。

 

一年と一日の長さ


それだけ遠い所を公転しているため、木星は太陽の周りを一周するのに11年9ヶ月もかかります。

反対に木星の自転は非常に高速で、時速45,300kmで回転しており、1日はたった10時間で終わってしまいます。

これほどの速度で回転しているため、木星の形は完全な球形ではなく、横が約7%膨らんだ楕円形になっています。

 

木星の重力


木星は24.79 m/s2と地球の約2.5倍の重力を持っています。

木星の重力場は太陽系や多くの小惑星に影響を与えており、公転軌道上にトロヤ群と呼ばれる小惑星群を形成しています。

直径1kmを超える木星のトロヤ群の合計数は100万個程度と見積もられています。

また、木星はその重力によって数多くの彗星衝突を引き受け、木星の内側に存在する惑星を保護してきたという考えから『太陽系の掃除屋』の異名を持ち、木星がなければ、地球に衝突する小惑星の数は1000倍、数万年に1回衝突するそうです。

しかし、近年のコンピュータ・シミュレーションでは、木星という重力点によって軌道を変えられてしまう彗星があり、内側に入り込む彗星の数を減らさないという結果も発表されており、この問題は専門家の中でも議論が分かれているそうです。

 

木星の気温


木星の表面温度は-140℃程度と言われています。

私たちには想像もできない寒さですよね。

しかし、太陽から受ける熱を計算すると、理論上は木星の表面温度は-186℃になります。

計算よりも気温が高いというこの事実は、木星が実は内部から発熱しているのではないかということを表しています。

また、木星の赤道傾斜角は、3.08°- 3.12°と水星に次いで小さく、自転軸がほぼ垂直です。

その為、木星には地球のような季節変化はほとんど存在せず、木星の表面温度は極部分(北極・南極)と赤道部分でほとんど差がありません。

 

木星の雲


木星は常時雲に覆われている巨大ガス惑星です。

この雲はアンモニアの結晶や、アンモニア水硫化物から出来ているとされ、特に赤道域に相当する部分では緯度ごとに異なる流れを起こしていることが知られており、比較的明るい「帯、ゾーン (zones)」と暗い「縞、ベルト (belts)」に分かれています。

この流れは、赤道と平行に、東向きと西向きに交互に流れていて、複雑な大気循環を引き起こして嵐の渦や乱流などの現象を発生させています。

ゾーンやベルト部分のジェット気流は、風速 100 m/s (360 km/h) にも達するそうです。

 

木星の稲妻


木星の雲は2つの層に分かれており、アンモニアの雲の下に薄い水の層が存在すると考えられています。

これは木星の雲の中で稲妻の光(放電現象)が見つかったことによるものです。

木星の稲妻は、惑星内部で発熱したエネルギーを蓄えて放電するもので地球の稲妻の1,000倍ものエネルギーがあると言われており、直視すると失明してしまうほどの強さだそうです。

 

巨大な渦巻きの謎


木星の大きな特徴の一つに、表面にあらわれている渦上の奇妙な模様の存在が挙げられます。

これは「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれている巨大なガスの嵐です。

この大赤斑は長径2.4 - 4万キロメートル、短径1.2 - 1.4万キロメートルもあり、その大きさは地球が2-3個すっぽり入るほどの大きさを持っており、なんと350年以上前にはじめて観測されて以来、その状態を保ち続けています。

なぜこれほどまでに強力なエネルギーが維持され続けているのかは未だ解明されていません。

現在では巨大な台風と考える説が最も有力です。

もっとも、大赤班の大きさは近年少しずつ縮小していることが明らかになっていますが、このまま消滅するか、維持されるのかは未知数です。

研究者の中には、たとえ今確認されている大赤班が消えても、また別の大赤班ができるだろうとする意見もあります。

 

木星の磁場


木星は非常に強い磁場を持つ惑星です。

その強さは地球の約2万倍に相当し、太陽の黒点を除けば太陽系最大・最強です。

その為、木星とその衛星たちは太陽風の直撃から守られており、火星や金星のように大気が宇宙空間に吹き流されてしまう事はありません。

 

木星のオーロラ


木星でもオーロラが観測されることが近年の研究で明らかになりました。

しかもその大きさは地球の3倍、消えることなく常時発生しているそうです。

オーロラは太陽から放出される電子が惑星内の磁場に入り、大気とぶつかることで起こる現象です。

木星の場合、磁場は地球の約2万倍もの強さになるため、このように巨大なオーロラが発生しているのではないかといわれています。

また、非常に速い木星の自転速度が、オーロラを常時発生させている原因ともいわれています。

 

木星電波


木星は太陽系の中で最も強い電波を放射している惑星です。

1955年にアメリカの天文学者ケネス・フランクリンとバーナード・バーグは、木星から発せられた断続的な22.2メガヘルツの電波信号(電波バースト)を検出しました。

そして、その後の研究から電波は強い磁場の影響によるものであり、木星は3種類の電波を発していることが判明しました。

 

木星の衛星


現時点で木星の衛星は79個発見されています。

その中で特に大きいものはイオ、ガニメデ、カリスト、エウロパの4つです。

天動説で有名なガリレオ・ガリレイが発見したことから、ガリレオ衛星と呼ばれています。

 

マグマの海を持つ衛星【イオ】


イオは、木星の第1衛星です。

1610年にガリレオ・ガリレイによって発見され、ギリシア神話に登場する人物「イーオー」から名付けられました。

イオは、月と同じくらいの大きさで、地球以外で火山活動を行っていることが確認された最初の天体です。

数多くの火山が確認されており、25km以上のサイズを持つカルデラ地形は100個以上も見つかっています。

更に解析の結果、イオの内部には地殻下に50km以上のマグマの海が広がっていることが判明しています。

ボイジャー1号が撮影した写真には噴煙を秒速1 kmの速さで上空200 - 300 kmの高さまで吹き上げている様子が写っていました。

火山から噴出している噴煙は硫黄やナトリウムを含み、宇宙空間まで到達していると考えられています。

活発な火山活動から非常に凸凹した地形を形成しており、イオで一番高い山である『ボオサウレ山脈』はなんと標高18.2km(18,200m)もあるそうです。

 

地球外生命の可能性!衛星【エウロパ】


今、木星で最も注目されている衛星が『エウロパ』です。

エウロパは木星の第2衛星で、ギリシア神話の、ゼウスが恋に落ちたテュロスの王女エウローペーにちなんで名づけられました。

エウロパが注目されている最大の理由は、地球外生命体が存在する可能性があるからです。

エウロパの表面は厚さ3kmに及ぶ厚い氷の層でおおわれていますが、一部が溶けた跡が観測されており、氷の下には海が広がっていると考えられています。

溶けた跡があるということは、海底には熱水が噴出する穴があるのではないかと言われています。

地球でもこの環境に似たところでジャイアントチューブワーム等の多細胞生物が確認されているので、エウロパは地球外生命体の存在が一番期待されている星と言えるでしょう。

実際、NASAや欧州宇宙機関 (ESA) の惑星探査計画における調査対象天体の最有力候補のひとつとされています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

まだ未知の部分が圧倒的に多い木星。

今後も調査団によってさまざまな謎が解明されていくでしょう。

今後の研究結果に期待が高まりますね。



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