毎日、多くの流星を見ることが出来ます。
昼間だと見ることは出来ませんが、1日あたり2兆個もあるとか。
多くの流れ星は、直径数ミリメートルから数センチメートルぐらいの宇宙の塵です。
しかし、時々、大きな流れ星があり、燃え尽きることなく地球に落ちてきます。
それが隕石です。
では、現在発見されている隕石で最大のものはどこにあるのでしょうか。
あと、隕石が地球に衝突するとクレーターが出来ます。
では、今発見されているクレーターで世界最大のものはどこにあるのでしょうか。
以上についてまとめてみました。
1.世界最大の隕石「ホバ隕石」
引用:https://www.hurra-nyaralunk.hu/
現在発見されている隕石で、最大のものは「ホバ隕石」です。
アフリカ南部にあるナミビア共和国の北部の街ツメブにその「ホバ隕石」はあります。
ツメブは鉱業で栄えた街です。
「ホバ隕石」は、そのツメブから南へ約55キロメートル。車で40分ほど行ったところにある農園の中にあるのです。
周りは、見渡す限りの畑で、クレーターもありません。
農園の真ん中に、突然石壁が現れ、その真中にホバ隕石はあります。
その大きさ、発見当時約66トン。
縦横約2.7メートル、高さ0.9メートルの大きさがあります。
あまりにも大きく、動かすことが出来ません。
1954年にアメリカの自然史博物館がホバ隕石を購入し、動かそうとしましたが、動かすことが出来ず、購入をあきらめたという逸話があるほどです。
2.「ホバ隕石」はいつ発見された?
引用:http://geulogy.com/
ホバ隕石には、クレーターがなく、偶然発見されました。
それは、1920年。
ホバ・ウエスト・ファームの農夫が畑を耕しているときに、偶然発見したのです。
農夫が畑を鋤で耕していると、その鋤になにか硬いものがあたったのです。
そこで、その石を掘り出してみると、周辺にある石と全く違ったのです。
そして、科学者ジェイコブス・ブリッツが調査し、ナミビア共和国のグルートフォンティンの研究所に報告され、隕石と断定されました。
発見当初は、動かすことが出来ず、畑の真ん中に放置されたままだったため、その隕石を破壊するものが出始めます。
そこで、ナミビア共和国は隕石を、1950年国定記念物に指定し、保護に乗り出します。
1987年には、ホバ・ウエスト・ファームの所有者が隕石とその周辺の土地を国に寄付をし、さらに保護に乗り出します。
3.「ホバ隕石」の成分
引用:http://chto-proishodit.ru
世界最大の隕石、「ホバ隕石」は何で出来ているのでしょうか。
発見後、ホバ隕石の成分が分析されました。
その主な成分は、鉄で約84%、そして、ニッケルが約16%です。
その他にもコバルト、炭素、クロムなどが含まれています。
一般に、「鉄隕石」と呼ばれる隕石の一種です。
その大きさから、世界で発見された天然の鉄の塊としての世界一の大きさです。
発見当初は、約66トンあった重さも、研究のためのサンプル採取やその鉄を盗もうとした破壊行為で今は、約60トンになっています。
鉄の塊なので、確かに盗んで売るといい値段になるのでしょう。
4.「ホバ隕石」の謎
引用:https://www.wheretostay.na/
約8万年前にホバ隕石は地球にやってきたと考えられています。
しかし、普通隕石が地球に衝突するとクレーターを残しますが、ホバ隕石にはクレーターがありません。
そこで、科学者たちは、そのホバ隕石の形に理由があると考えています。
平たい形をしているので、地球に落下するとき、大気との摩擦で、かなりスピードが落ちており、そのまま、ストンと地上に落ちたのだろうと考えています。
いくつかホバ隕石の破片が周辺で発見されており、その内の一つが首都ウィントフックにあるタウンスクエア前にオブジェとして、飾られています。
ただ、クレーターがない明確な原因は未だに謎のままです。
そして、クレーターがないため、農夫が偶然発見しなければ、未だに見つかっていなかったかもしれません。
5.世界最大のクレーターは?
引用:https://commons.wikimedia.org/
「ホバ隕石」は、世界最大の隕石にもかかわらずクレーターが存在しないということでしたが、世界最大のクレーターは一体どこにあるのでしょう?
世界最大のクレーターは、南アフリカ共和国にある「フレデフォート・クレーター」と言われています。
その直径は約190キロメートルもあり、中央には50キロメートルのドームとその周りを囲む外輪山から出来ています。
衝突当時の大きさは、約300キロメートルと言われています。
これは、今から約20億2300万年前に直径10から12キロメートルの小惑星が衝突してできたと考えられています。
そのとき、隕石は、地下約25キロメートルまで達し、地下のマントルが解け、大量のマグマが吹き出て、多くの岩石が蒸発した証拠も見つかっています。
長年の間に侵食され、現在は、中央の直径約50キロメートルのドームとその周りの外輪山のみが残っています。
2005年に世界自然遺産に登録されており、周辺の草原では、固有の蝶や鳥、哺乳類がおり、観光地となっています。
6.世界第2位の大きさのクレーターは?
引用:https://commons.wikimedia.org/
今現在発見されているクレーターで世界第2位の大きさのものは、カナダオンタリオ州グレーターサドベリー市にあるサドベリー隕石孔です。
今は、クレーターは侵食されて残されておらず、衝突当時の大きさは、直径200~250キロメートルあったと言われます。
衝突した隕石の大きさは、直径10kmほどだと考えられています。
今から約18億年前に地球に衝突し、そのとき、サドベリー盆地が出来たと言われます。
そして、その衝突によって出来たのが、世界最大のニッケル鉱床です。
隕石の衝突により、マグマが大量に発生し、ニッケル鉱床が出来たと考えられています。
研究者によっては、隕石自体にニッケルが含まれていたと考えています。
地球外から来た鉱物とかんがえると、面白いですね。
7.世界第3位のクレーターは恐竜を絶滅させた隕石のもの
引用:https://commons.wikimedia.org/
現在発見されているクレーターで3番目の大きさのものが、メキシコのユカタン半島にある「チクシュルーブ・クレーター」です。
今から約6550万年前に衝突し、衝突時のクレーターの直径は、170キロメートル~300キロメートルと考えられています。
衝突したのは、直径12キロメートルほどの小惑星と考えられています。
その衝突により、小惑星は地下数kmに達し、大量の岩を蒸発させ、その塵が地球全体を多い、生物を絶滅させたと考えられています。
その最大の犠牲者が恐竜。
当時、世界中に繁栄したいた恐竜は、この衝突の衝撃とその後の地球の環境変化により絶滅したと考えられています。
今は、ジャングルに覆われ、クレーターは見ることが出来ませんが、衛星写真を見ると、僅かにクレーターの輪郭が確認できます。
8.なぜ、巨大クレーターで巨大隕石が発見されない?
引用:https://commons.wikimedia.org
では、それほど大きな隕石(小惑星)が衝突したので、隕石が見つからないのか。
多くが、衝突の衝撃で崩れたと考えられますし、また、衝突のエネルギーの大きさで溶けたとも考えられます、。
地下数キロメートルまで、潜り込んでいる間に大量の熱が発生し、周辺の岩石だけでなく、隕石自身も溶けてしまったのでしょう。
チクシュルーブ・クレーターが形成されたとき、大量の岩石が蒸発し、世界中に塵を飛ばしました。
その証拠が、約6550万年前の地層で発見される大量のイリジウムです。
隕石の衝突の際に、多量のイリジウムが空気中をさまよい、地球全体に降り注いだようです。
今発見されている巨大隕石の多くは、鉄隕石です。
鉄を主成分とするため、溶けて蒸発することなく、残っているのでしょう。
まとめ
毎日、大量の隕石が地球には落ちてきています。
しかし、その多くは、地球の空気との摩擦で燃え尽きてしまいます。
たまに、燃え尽きることなく地上に落ちてくるものがあり、最近では、日本の岐阜県で家の屋根を突き破ったということがニュースになりました。
隕石は、宇宙からの贈り物です。
博物館などにも展示されていますので、隕石に出会いに行かれてみてはいかがでしょうか。