地底湖とは、その名の通り地下に存在している湖のことで、その多くは鍾乳洞に湧き出した海水などが流れ込んでできたものです。
地底湖には、澄んだ水質をもち、まるでこの世のものとは思えない幻想的な光景を生み出しているものもあります。
そのため、観光地として人気になっているところも多くあります。
ここでは、世界の美しい地底湖を紹介していきます。
オーウェイ島地底湖
引用:http://www.storytrender.com/
これは、アイルランドのドニゴール諸島西部にあるオーウェイ島の地下50メートルの場所にある地底湖の光景です。
オーウェイ島は自然の豊富な島で観光地などにより、夏季の間だけ人が住んでいます。
オーウェイ島には、いくつかの湖があり、北西の崖の上にある湖からは大西洋を見下ろすことができます。
この地底湖も、それらの1つで、長さ150メートル、高さ40メートルの洞窟の奥に進んでいくと、突然、幅2~8メートル、奥行き150メートルにもおよぶ巨大な湖が出現します。
オーウェイ島地底湖は壁一面が、発光生物によって覆われており、淡い光を放っていて、幻想的な光景を演出しています。
地下の気温は一年を通して変わらず、摂氏5℃前後となっており、冬は暖かく感じられますが、夏は凍えるほど寒くなっています。
湖の一番奥の部分は、幅が最も広い8メートルになっており、この場所には「静かなプール」という名前がついています。
このあたりには、自然光も入ってこず、全くの暗闇が広がっています。
湖の奥行きが長いため、ここでは懐中電灯の光も闇の中に吸収されてしまい、奥がどうなっているかを見ることはできません。
湖の中央部分は、少しくびれているのですが、じつはここは2017年3月に崩落事故が起きた場所で、湖が狭まっているのは天井から落下してきた瓦礫によるものです。
地底湖の真上には別の湖が位置しているため、この事故はその影響ともいわれています。
オーウェイ島地底湖は観光地にもなっていますが、また崩落事故が起きるのではないかという懸念もあり、訪れるには少し不安な場所になっています。
ロストシー
引用:blog.townmagic.com
ロストシー(失われた海)と名付けられたこの地底湖は、アメリカテネシー州のクレイグヘッド洞窟の奥深くに位置するアメリカ最大の地底湖です。
クレイグヘッド洞窟は、グレート・スモーキー山脈の麓にあり、かつてこの場所に住んでいたインディアン・チェロキー族の酋長からこの名がつけられました。
チェロキー族が集会所にしていたこの洞窟は、南北戦争の時には、南軍が火薬製造のために採掘を行っています。
ロストシーは、1905年に洞窟で遊んでいたベン・サンズという少年によって偶然に発見されたものです。
ロストシーは、地上から深さ42メートルにあり、長さ240メートル、面積16000平方メートルで、湖の底には水没した小さな洞窟がいくつも眠っています。
ロストシーの水際には、アンソダイト(鍾乳石)で埋め尽くされ、ケイブフラワー(石花)と呼ばれています。
セノーテ
引用:tabinaka.co.jp
セノーテは、中米のメキシコやグアテマラにまたがるユカタン半島にある低平な石灰岩地帯に存在する陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸、泉のことです。
セノーテとは、マヤ語で「聖なる泉」という意味があります。
セノーテは、氷河期に海水が低下して洞窟ができ、氷河期の終わりとともに、そこに海水が流れ込んで水位が上昇することで洞窟全体が水没してできたものだといわれます。
セノーテの下層には、大きな鍾乳洞が水没している場合が多く、なかでも、サック・アクツン洞窟は、総延長152.975キロメートルにおよぶ世界最大の水中鍾乳洞です。
ユカタン半島には、およそ3500か所ものセノーテが存在しています。
ユカタン半島北部の低地では、川や湖が少ないため、セノーテは貴重な真水の供給源となっていました。
そのため、セノーテは、半島に住む人々にとって信仰の対象になることも多く、供物を捧げる場となったり、マヤ神話の雨の神チャクを祀る場所となっていることもありました。
メキシコのキンタナ・ロー州にあるセノーテの1つ、システマ・サック・アウトゥンは、358もの淡水水中洞窟系が1400キロにわたって伸びる世界最大の水中洞窟です。
以前は、そのあまりの大きさから2つの洞窟系ではないかといわれていましたが、2018年に10か月におよぶ調査でようやく全体が把握されました。
チェダー洞窟
引用:peapix.com
チェダーは、イングランド南西部のサマセット州にある街で、有名なチェダーチーズ発祥の地です。
チェダー洞窟は、イングランド最大の峡谷であるチェダー峡谷にある洞窟で、今から約9000年前に形成されたと考えられています。
チェダー洞窟は2つの主要な洞窟から構成されていて、それぞれ、発見者の名前をとってコックス洞窟とゴフ洞窟と名付けられています。
この洞窟は、先史時代にチーズを熟成させるために使用されていたことがわかっています。
チェダー洞窟は石灰岩が地下水などにより浸食されてできる鍾乳洞で、内部には大きな地底湖が存在しています。
チェダー峡谷では、1903年にチェダーマンと呼ばれる12000年前の完全な人間の遺骨が見つかっています。
これは、もちろん、イギリスでもっとも古い時代の完全な人間の骨格となっています。
ドリーム・レイク
引用:aumo.jp
ドリーム・レイク(夢の湖)は、アメリカのバージニア州北部の街ルーレイのシェナンドア国立公園近くのルーレイ洞窟にある地底湖です。
ルーレイ洞窟は、アメリカ東海岸で最大級といわれる洞窟です。
観光用に整備されているため、巨大な地底湖、鍾乳石、石筍、フローストーンのカーテンなど洞窟内の光景を気軽に楽しむことができます。
ルーレイ洞窟では、20分ごとにガイド付きのツアーがあり、1時間で洞窟内を見て回ることができます。
ペットも小さいものなら連れて入ることができ、大きいものでもヒモでつないでおけば洞窟の入り口で待たせておくことができます。
ルーレイ洞窟は、1878年8月13日に、地元の写真家ベントン・ステビンズら5人によって発見されました。
冷たい空気が噴き出る陥没穴に気を留めた彼らは、ロープを使って中に降り、内部の探検を行いました。
彼らは、洞窟内で一番はじめに見つけた鍾乳石にアメリカ初代大統領の名前をとってワシントンと名付けました。
洞窟は、1905年に民間業者によって買い取られ、以後は観光地化されており、今では年間50万人が訪れるとされています。
洞窟内部は、年間を通して気温が12℃に保たれており、場所によってはビルの10階に相当する高さのある巨大な空間となっています。
ルーレイ洞窟には、夢の湖と名付けられた巨大な地底湖が存在しており、洞窟の奥のほうまでつながっています。
ドリーム・レイクの澄んだ水は、まるで鏡のように天井の鍾乳石を映し出しています。
あまりにも綺麗な反射のため、ドリーム・レイクの底を見ることは不可能といわれることもあります。
見た目はかなり深いように感じますが、実際の水深は、50センチほどしかありません。
サン・レオナール地底湖
引用:lemonjournal.wordpress.com
スイスのヴォレー州にあるサン・レオナール村は、ブドウ畑が広がり、奥にはアルプスの山々を望むことのできる美しい場所です。
この村の地下に広がっているのが、サン・レオナール地底湖です。
サン・レオナール地底湖は、地下洞窟にアルプスの氷河の水が流れ込んで形成された地底湖で長さ300メートル、面積600平方メートルを誇るヨーロッパで最大の地底湖です。
湖にはマスが泳ぐ姿を見ることができ、洞窟のなかには、光を放つことからツチボタルの異名をもつキノコバエも生息しています。
サン・レオナール地底湖は約200年前から存在していましたが、本格的な探索がはじまったのは、1946年のこと。
この年起きた地震によって亀裂が生まれ、探索が容易になり、1949年からは一般にも公開されるようになりました。
2000年代初頭にはローヌ河の氾濫によって天井が崩落が起き、約5000本のボルトを埋め込む工事が行われたため、3年間閉鎖されていましたが、現在は再び開放され、年間に8万人が訪れる人気スポットです。
ボートに乗って地底湖を渡ることができ、30分ほどのあいだ、小舟に揺られて幻想的な空間を楽しむことができます。
ハンソンドン
引用:www.viet-jo.com
ハンソンドン(ソンドン洞窟)はベトナムの中部のクアンビン省、ボーチャック県、ミンホア県にまたがるフォンニャ・ケバン国立公園の中にある世界最大の洞窟です。
ソンドンという名前は、地名を表す「ドン」に、山という意味の「ソン」を組み合わせたものです。
フォンニャ・ケバン国立公園は、ベトナムとラオスの国境付近にあり、4億年以上前にできたといわれるアジア最古のカルスト地帯を有する総面積約860㎢の公園で、2003年にはベトナムで5番目となる世界遺産にも登録されています。
園内の94%が原生林によって占められ、絶滅危惧種を含めた568種類の植物と876種類の動物が生息しています。
公園内には大小約300の洞窟が存在していて、ハンソンドンもその1つです。
1991年、地元の人がこの洞窟の入り口を発見しますが、中に入ることはしませんでした。
ハンソンドンは、40階建ての高層ビルもすっぽりおさまる奥深い洞窟なので、内部に入るには80メートルほど降下していく必要があります。
なんの準備もなしに入れるような洞窟ではないため、発見者の判断は懸命なものといえました。
ハンソンドンの高さは最大で約240mとなり、幅は約90mで、地底の奥まで続くかと思わせるような巨大な地下空間が広がっています。
洞窟の底まで辿り着くと巨大な鍾乳洞の空間が広がり、わずかに差し込む外の光が幻想的な光景を生み出しています。
この地上から光は、ハンソンドンに2つある天然の天窓から差してきているもので、これによって洞窟内に、植物の生えている「アダムの庭」と呼ばれる空間を生み出しています。
ソンドンができたのは今からおよそ300万年前といわれ、内部には長い年月をかけて作られた高さ70mにもなる鍾乳石の柱もあります。
洞窟内には、地下水路が通り、地底湖だけでなく滝や長さ2.5㎞の地下河川など1つの巨大な水系が存在しています。
2009年、それまで地元民に細々と知られているだけだったこの洞窟は、イギリスの調査隊によってはじめて本格的な調査がなされました。
2014年からは観光ツアーも始まっていますが、今のところ、ツアーを実施しているのは1社だけで、それも1年の半分ほどは実施できなくなっています。
そのため、この洞窟を訪れた人はエベレストの登頂成功者よりも少ないといわれています。
クリスナ・ヤーマ
引用:krizna-jama.si
クリスナ・ヤーマは、東欧スロベニアの首都リュブリャナから南へ約60キロの鍾乳洞「交差した洞窟」の中にある透き通ったエメラルドグリーンの水の美しい地底湖です。
交差した洞窟は、世界屈指の長さを誇る天然洞窟で、内部には45を超える地底湖が連なっています。
クリスナ・ヤーマは、美しさ、大きさなど、どれをとってもスロベニアトップクラスの地底湖です。
その長さは、現在わかっているだけでも、8.2キロメートルで深さは最大7mメートル、40種類以上の希少な生物が生息しています。
内部の見学は、1時間、4時間、7時間のコースに分かれていて、湖の上をゴムボートに乗って探索するツアーもあります。
クリスナ・ヤーマの透明度を間近で見ることのできるチャンスですが、ゴムボートによるツアーは安全性の面から、制限人数1日4人までになっています。
グリョウタギャウ洞窟温泉
引用:www.flickr.com
グリョウタギャウ洞窟温泉は、アイスランド北部レージャリッドのミーバトン湖の近くに位置する小さな洞窟の中にある地熱温泉が湧き出している地底湖です。
近年は火山活動の影響によって水温が上昇しているため、中に入ることはできなくなっています。
グリョウタギャウ洞窟は、18世紀初頭には、盗賊ジョン・マルクソンが隠れ家にしていたという伝説が残されている場所です。
彼の死後は、かつて盗賊が住処にしていた謎に包まれた洞窟として知られると同時に、1970年代ごろまでは地元の人々に人気の温泉として親しまれてきました。
しかし、1975年から84年にかけての9回にわたる火山の噴火により、水温は50℃にまで達してしまい、温泉としては使用できなくなりました。
1984年以降、温度は徐々に低下していますが、火山活動の影響を受けて急激に上昇することがあり、現在も温泉として入浴することは禁止されています。
グリョウタギャウ洞窟は、地上から見ると、岩場に大きな溝があるだけに見え、中に入るには、ラペリングのように険しい岩を降りていかないといけないため、多少の運動能力が必要になります。
内部は年中を通して暖かな空間となっていて、ここに入れば、アイスランドの厳しい冬の寒さからも逃れることができます。
以前からハリウッド映画のロケ地として使用されることもあり、最近では、海外で人気のドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影に使われたことで観光地としても人気を高めています。
盧笛岩
引用:http://home.b03.itscom.net
盧笛岩は、中国桂林市の北西5キロのところにある光明山にある鍾乳洞です。
盧笛岩は、全長2キロにおよぶ天然の石灰岩で作られた巨大な鍾乳洞で、1959年に発見されました。
発見された当時は、入り口の周囲にうっそうと盧が生い茂っており、これを使って具絵を作るといい音がすることから、盧笛岩の名がついたといわれます。
桂林の周囲にはたくさんの鍾乳洞がありますが、そのうちで最も大きなものが盧笛岩です。
洞窟内には石笋、石乳、石柱、石幔、石花といった様々な鍾乳石がみられます。
1億8千年前の桂林付近は海で、そのころに海底に堆積していた石灰岩が地殻変動によって地上に出現し、その後、長い年月をかけて炭酸カルシウムを含んだ地下水によって浸食された結果、このような巨大な洞窟と地底湖が誕生したのです。
洞窟内は、年間の平均気温が20℃で、夏も涼しく桂林の天然エアコンと呼ばれています。
ただ、湿度は85%あるので、少しじめじめしています。
地表から240メートルの場所にあるため、かつては防空壕として使われていたこともあるといいます。
発見後、桂林市政府により2年にわたる観光開発が行われ、1962年から一般公開が行われるようになりました。
観光地化にあたっては、できるかぎり自然のままを残すようにして、最低限照明の取り付けと道の整備以外は行われませんでした。
盧笛岩は、中国の国家観光局が定める観光地の質の等級で、桂林で最も早くに上から2番目にあたるAAAA級の認定を受けました。
日本の首相や政府関係者をはじめ、各国からの賓客が桂林を訪れた際に必ず立ち寄るため、「国賓洞」と呼ばれています。
現在では、洞窟内がカラフルにライトアップされ、プロジェクトマッピングを使用して、鍾乳石に鳥や動物などが映し出されています。
盧笛岩の壁面には、紀元前792年の唐の時代に墨で書かれたといわれる碑文が残されています。
ハミルトンプール
引用:ja.wikipedia.org
ハミルトンプールは、アメリカ合衆国テキサス州中央部の街オースティン近郊ドリッピング・スプリングスの郡立公園にある、エメラルドグリーンの美しい半地下の湖です。
ハミルトンプールは、今から数千年前に地下水脈が通る洞窟がその浸食によって崩壊してできたとされています。
現在は、観光地であり、ピクニックやハイキングなどを楽しむことのできる市民の憩いの場所となっています。
ハミルトンプールには、カメや小魚といった生物が生息していて、生態系は厳格に保護されています。
ハミルトンプールは巨大な鍾乳石がいくつも垂れ下がる天然のドームに覆われており、ドームの上からはいくつもの滝が流れ落ちていて、中にある高さ14メートルの場所から流れ落ちる滝はハミルトンプール最大の見どころといわれています。
以前は、このドームの上から湖を見下ろしたり、ドームから歩いて湖まで降りることができたのですが、よく地元の大学生が滝の上から湖に飛び降りることがあったので、現在は立入禁止になっています。
夏の間は、期間限定で泳ぐこともできます。
レチュギア洞窟
引用:www.reddit.com
レチュギア洞窟は、アメリカ南西部にあるニューメキシコ州エディ郡にあるカールズバッド洞窟群国立公園内にある洞窟です。
カールズバッド洞窟群国立公園は、グアダルーペ山脈に位置し、今から約2億9900万年前のペルム紀の化石礁でできたカールズバッド洞窟と、その周囲にある総数83におよぶ洞窟群を保護するために設立されたもので、総面積は189平方キロメートルにもなります。
レチュギア洞窟は、1986年に発見された洞窟で、現在のガールズバッド洞窟群のなかで地質学者から最も注目されている場所です。
レチュギア洞窟は、200キロを越えるといわれる石灰岩と石膏、レモンイエローの硫黄堆積物でできた洞窟です。
洞窟内には、巨大な地底湖や、6mもの大きさの石膏のシャンデリア、ハイドロバルーン、5メートル以上のソーダストローなど世界でも希少な鍾乳石がいくつもみられます。
レチュギア洞窟という名前は、リュウゼツランの1種であるアガベレチュギアにちなんでつけられました。
かつては、海鳥の糞の堆積物が化石化したもので肥料として使われる「グアノ」の採掘が行われていたのですが、その頃は大した洞窟とは思われていませんでした。
やがて、採掘も行われなくなり、洞窟は長いあいだ放置されていましたが、そのうち、洞窟内から流れてくる風の奥で、洞窟が奥深くまで続いている可能性が出てきました。
調査の結果、採掘の瓦礫の下に、大規模な洞窟通路が存在することが明らかになりました。
レチュギア洞窟は、深さ489mの洞窟で、アメリカ最大の石灰岩の洞窟とみられています。
カールズバッド洞窟のなかは、誰でも自分で歩いて探検できるようになっていますが、レチュギア洞窟は一般の人は立ち入り禁止になっています。
洞窟内には珍しい地質や地層があるので、環境を保全するために、洞窟の正確な場所も秘密になっています。
メッサリーニ地底湖
引用:ja.wikipedia.org
ギリシアはバルカン半島の南に位置する国ですが、じつは、国内に3300もの島をもつ島国でもあるのです。
メッサリーニ地底湖もそうした島の1つにあります。
メッサリーニ地底湖は、ギリシア西部のイオニア諸島最大の島、ケファロニア島にあるメッサリーニ洞窟内にある地底湖です。
メッサリーニ洞窟は、島の東にあるイタキ海峡に面したアギアディナティ山のふもとの森の中にあります。
メッサリーニ地底湖は、南米のユカタン半島に多くみられるセノーテの1種で、地底湖の水は海へと流出しています。
メッサリーニ洞窟は、全体が岩石によって囲まれており、地底湖の底も岩石で覆われています。
洞窟の入り口の岩がハチミツ色をしているため、ギリシア神話では妖精ニンフの住む洞窟といわれていました。
長いあいだ放置されていましたが、1951年に再発見され、以後は観光地化されています。
独特の青さをたたえた透明度の高い水の上をボートで探索することもできます。
ボストーク湖
引用:www.thoughtco.com
ボストーク湖は、ヴォストーク湖と表記されることもあり、南極大陸にある氷底湖です。
氷底湖とは、氷床の下にある湖のことでボストーク湖は、世界最大の氷床湖です。
長さ250キロ、幅50キロで、14000平方キロという面積は、カナダのオンタリオ湖にも匹敵し、琵琶湖の約20倍の大きさです。
ボストーク湖は、ロシアの南極観測基地であるボストーク基地の近い南緯77度、東経105度の地点の氷床の約4メートル下に位置します。
ボストーク湖には、水盆といわれる水深の深くなっている箇所が2つあり、総貯水量は5400立方キロ、中央には島があることがわかっています。
水の中では日光の届かない場所でも生息できる微生物が独自の生態系を築いています。
ボストーク湖の水は淡水で、平均水温は-3℃のため、本来なら凍り付くはずなのですが、湖の上を覆っている氷の重さによる高圧のために、圧力によって凝固点が下がる効果のため、液体を保っています。
他にも、地熱によって湖が温められているからだという説や分厚い氷床が毛布のように断熱材の役目を果たしているという説もあり、地球で最も寒い場所に凍らない水が存在している理由については、はっきりとわかっていない部分もあります。
これには、ボストーク湖の調査が難しいという理由もあり、調査のための掘削孔を1か所掘るだけでも、じつに20年が必要です。
まとめ
以上、世界の地底湖を紹介してきました。
地下世界にこれほど美しい光景が存在するとは驚きですね。
観光地になっているところも多いので、興味のある人は実際に訪れてみてはいかがでしょうか。
意外と、広く知られるようになったのは最近という地底湖も多くて、もしかすると、この先新たにこうした場所が見つかることもあるかもしれないと思わせます。
地球にはまだまだ私たちの知らない神秘の世界が隠されているのかもしれません。