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【殺人クラゲ】世界一の猛毒生物キロネックスの生態!

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みなさんが海水浴に行くときに気をつけていることは何ですか?

溺れないようにすること、日焼け止めを塗ることなど色々あるかと思います。

もちろん水着を持って行くことは絶対に忘れてはいけないことですよね。

ですが、もう一つ気をつけて欲しいことがあります。

これから紹介することが、もしかすると一番気をつけなければならないことかもしれません。

それは猛毒クラゲに刺されないように注意することです!

今回は世界の海に生息する生物の中で最強の毒を持つキロネックスの生態についてご紹介します。

 

キロネックスの生態

正式名称は「オーストラリアウンバチクラゲ」といい、立方クラゲ類に属するクラゲで、通称「キロネックス」と呼ばれています。

また、英名では「シーワスプ」、海のスズメバチと呼ばれています。

キロネックスは1955年1月、クイーンズランド州の医師(Hugo Flecker)によって発見されました。

5歳の男児がクラゲに刺されて死んだことを知り、網によって3種のクラゲを捕獲したところ、その中に未知のクラゲが含まれていたそうです。

このクラゲはアデレードの動物学者(Ronald Vernon Southcott)によって新種と同定されました。

属名はギリシア語でcheiro(手)、nex(殺人者)に由来していて、種小名は発見者への献名です。

生息地はオーストラリア北部の海岸部海域やインド洋、西太平洋全域です。

近年では日本近海にも出没するようになったそうですが、オーストラリアのように海水浴場にまで出没することはほとんどありません。

日本でも出没するようになった原因は、地球温暖化による海水の温度の上昇だと言われています。

引用:http://sekaino-bukimi.com/

 

キロネックスの特徴と天敵

立方クラゲ類の最大種で、傘高は30㎝から50㎝あり、傘の四隅にある葉状体から最多で15本ずつ伸びる触手は最長で約4.5mにも達します。

その葉状体とは、立方クラゲ類が持っている葉のような形状をした触手の基部のことをいいます。

キロネックスは1.5m/s以上の速度で進むことができる強い遊泳力と、傘の四方に6個ずつの合わせて24個の眼点を持っており、それらを生かして積極的に獲物を探し回ります。

普通のクラゲの眼点は、光の明るさを感じる程度のものしかないのに対し、キロネックスは虹彩、角膜、網膜を兼ね備えた高度な眼点を持っており、脳と呼べるような中枢神経系はないものの、物体の動きや色を認識することができるそうです。

これほどまでに発達した理由は未だに解明されていませんが、天敵であるウミガメをいち早く察知して逃れるためだという説があります。

獲物は主に小魚や甲殻類で、見つけると触手で触れて、持ち前の毒で瞬時に殺して捕食します。

世界で唯一、キロネックスの天敵として挙げられるのがウミガメです。

なぜならウミガメにはキロネックスの毒が効かず、バリバリと捕食されてしまうからです。

しかし、ウミガメは個体数が非常に少ない為、キロネックスにとって脅威とまでは言えないそうです。


 

キロネックスの脅威

キロネックスは地球上で最も強い毒性を持つクラゲで、現地では「殺人クラゲ」と呼ばれるほど恐れられています。

通常、刺胞は中に毒液と刺糸と呼ばれる毒針がコンパクトに折りたたまれた状態になっており、キロネックスは1本の触手になんと500億個もの毒針がついています。

キロネックスが持つ毒は人間に対しても極めて有害であり、刺されると堪え難い程の激痛を感じ刺傷箇所の壊死や視力低下、呼吸困難、心肺停止の症状が現れ、1分から10分程で死に至る程の猛毒なのです。

稀に刺傷箇所がごく小範囲であれば一命を取り留めることもありますが、数週間にわたって激痛が続き、ひどい傷跡が残る場合がほとんどです。

毒成分は数十種類の高分子タンパク質からなる複合毒で、これらのタンパク毒は溶血性や皮膚壊死性、心臓毒性などを示すことがわかっています。

その中でも、心臓毒性が他のハブクラゲやフクロウジュクラゲなどの立方クラゲと比べて極めて強く、本種の危険性の主な要因であると考えられています。

引用:http://takashi1016.com/

 

キロネックスによる被害

現地の海水浴場周辺ではスティンガー・ネットと呼ばれる防護ネットや金網などを張ってキロネックスの侵入を防ぐようにしているそうです。

このように対策はしているものの、未だに刺傷被害は後を絶たず、現地ではその対応に苦慮しており、1954年からの統計では既に5567人が犠牲になっています。

キロネックスの傘が半透明のため、水中での視認が困難なことと、触手がアンドンクラゲやハブクラゲよりも多く長いために、気付かず接触してしまうという事故が起こりやすいのです。

また、昼行性のため海水浴に来るお客さんにとっては非常に危険な生物で注意が必要です。

もし、キロネックスに刺された場合は、速やかに陸に上がり、刺傷箇所にお酢をかけて刺胞を失活させてから張り付いた触手を取り除き、医療機関へと搬送して解毒剤を投与します。

しかし、キロネックスが持つ毒性はとても強いため、解毒剤を投与する前に手遅れになることも多いそうです。

キロネックスに刺されないための対策として、皮膚などの生体表面への化学的接触がなければ刺胞は発射されないので、ラッシュガードやウェットスーツ、ストッキングなどの衣服を着用することで刺される可能性を軽減することができるそうです。

現地ではキロネックスの他にも死亡例のある、同じ立方クラゲ類に属するイルカンジクラゲと呼ばれるいくつかの種が危険なクラゲとして恐れられています。

 

引用:http://sappoko.com/

 

日本でのクラゲの被害

日本で最も刺傷被害が多い刺胞動物は、アンドンクラゲとカツオノエボシです。

アンドンクラゲは東京周辺だとお盆のあたりから秋口にかけて大量発生します。

カツオノエボシは外洋性ですが、潮や風の関係で一箇所に集まって大量に出現することがあります。

2001年も房総半島に大量に現れ、サーファーが刺されるなどニュースにもなりました。

刺された時に電気が走ったような痛みを感じるクラゲを俗に「電気クラゲ」と呼びますが、アンドンクラゲとカツオノエボシともにこの部類に入ります。

沖縄ではハブクラゲと呼ばれる刺傷被害を引き起こすクラゲが生息しており、現在まで3名の死者が報告されています。

このハブクラゲはキロネックスの近縁種とされています。

引用:https://jimbee.jp/

 

キロネックスの研究

ケアンズにあるジェームズ・クック大学のジェイミー・シーモアは、猛毒クラゲの犠牲者を出さないようにするために、発信機を使ってクラゲの行動を追跡しています。

強力接着剤を用いて、長さ40㎜、直径12㎜の小型超音波発信機をクラゲの傘しかしこの方法も完璧には程遠く、1999年以来、成功したのはたった7回だけで、発信機は2日ももたないうちに外れてしまいます。

ジェイミー・シーモアは、それでも諦めずにクラゲの傘に発信機を装着をしようと試みています。

ジェイミー・シーモアの同僚のテレサ・キャレットは、キロネックスが成長するにつれて毒性が強くなることを突き止めました。

幼いクラゲは刺胞の5%にしか毒がなく、小エビを捕らえるほどですが、成長すると刺胞の50%に毒を持つようになり、より大きな獲物を襲うようになります。

キロネックスは通常、11月から6月にかけて発生しますが、ジェイミー・シーモアはコンピューター・モデルを作製し、毎年どの時期にクラゲがいなくなるか予想しています。

このモデルを使って、市はスティンガー・ネットを外す時期を決めているそうでです。

引用:https://fusigiseibutu.pipi01.com/

 

まとめ

この殺人クラゲ「キロネックス」が日本近海でも出没すると聞くと、海水浴に行くことがなんだか怖くなってしまいますね。

正直、泳いでいてクラゲがいたとしてもそのクラゲが殺人クラゲだとは誰も思わないでしょう。

でももしものことがあるので、海に行く際は、今回紹介した応急処置を覚えておくといいと思います。

ただし、全てのクラゲにお酢が有効だとは限らないので必ずそのクラゲが何なのかを見極めてから処置を行ってください。

クラゲは水族館での観賞用にして、できれば一生出会いたくないクラゲですね。




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