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世界の変な鳥・奇妙な鳥20選

あまりに動かないことから一躍動物園の人気者となったハシビロコウなど、どうしてこんな風に進化したのだろう?それは生き残るうえで役に立っているのかと首を傾げたくなるような奇妙な特徴を持つ鳥というのは案外多いものです。

美しい、優雅といった本来鳥が持つイメージの対極にいるような、珍妙な姿や習性を持つ愛すべき鳥たちを20選紹介していきます。

 

①バリケン

引用元:http://freenatureimages.eu/

バリケンはカモ目カモ化に分類される鳥で、中央アメリカから南アメリカにかけて分布しています。もともとはノバリケンという南アメリカに棲む野生種だったのですが、それが家畜化されていき、バリケンという種が確立されました。

このバリケン、日本にも鴨肉の一種として輸入された時期があったのですが、美しいとは言い難いグロテスクな顔立ちが仇となって「食欲がわかない」「普通の鴨でいい」と敬遠されてしまい、食用として流通することはありませんでした。

輸入されてきたものの用途の無くなったバリケンは、日本の環境に適応して野性化。現在では東京都内でも多摩地区の水がある公園などに行くと、アメリカでノバリケンがバリケンになって日本でまたノバリケンに戻るという、数奇な運命を辿ったこの鳥の姿を見ることができます。

食用としての需要はなかったものの生命力は異様に強かったようで、今や日本全国の水辺で姿が目撃されているとも言われているバリケン。顔も変なのですが、実は脚もグロテスクなうえ鳴き声も豚にそっくりという珍妙さで、初めて野生種を見た人からは「変な鳥がいた」「鶏とアヒルと豚のキメラ」と驚きの声があがっています。

 

②アンデスイワドリ

引用元:https://www.bbc.co.uk/

ペルーの国鳥でもあるアンデスイワドリは、スズメ目カザリドリ科に分類される鳥で、ベネズエラやペルー、ボリビアなどに生息しています。

どこに嘴があるのか分からないような外見をしていますが、巨大なモヒカンのような冠羽は雌に対するアピールのために備わっているもので、求愛の時には上の写真のように完全に嘴が隠れる程、冠羽を膨張させます。そのため雌は羽毛の色もくすんでおり、冠羽も控えめです。

ちなみに異性へのアピールに重点を置いた目立つ容姿をしているものの、アンデスイワドリの雄には番という概念がなく、交尾をした後は他の雌のところに飛び立っていき、子育ても巣作りも手伝いません。

 

③ポウター

ポウターはハト目ハト科に分類される鳥で、ユーラシア大陸に広く分布しています。冗談のような見た目をしたこの鳥は、野生種ではなく品種改良によって誕生しました。

ドバトの中でもハト胸が目立つ個体を掛け合わせたと言われていますが、これといった目的があって作出されたわけではなく、あくまでも愛玩・観賞用に生み出されたと言います。

 

④ブラマ

人間が品種改良で生み出した鳥のなかで、ポウターと同じくらい珍妙なのがブラマという種類のニワトリです。上の画像の通りブラマはブロイラーよりも巨大で、体重が8kgを超えることも珍しくない巨鳥です。

20世紀の初頭に食用として大活躍をしており「ブラマを1羽買ってくれば、4人家族が1週間は食べていかれる」と言われた程、庶民の食生活に貢献したと言います。

しかし食用として大型種を作ったとところまでは理解できても、何故脚にまでびっしり羽毛が生えているのかは不明で、この脚のせいで化け物感が増していると評判の怪鳥です。

ちなみに現在ではブラマは食用にはされていないのですが、その理由は巨大すぎて成長するまでに2年もの時間を要するということ。育てるのにコストもかかることから、いつしか改良されたブロイラーにシェアを奪われ、現在ではポウター同様に愛玩用に飼育されているそうです。

 

⑤ドンタオ鶏

ドンタオ鶏もブラマ同様に品種改良で誕生したニワトリで、ベトナム固有の種です。成長すると4㎏~6kgになる大型種で、古くはベトナムのフンイエン省ドンタオ村で王室への献上品として育てられていたと言います。

ドンタオ鶏を見た時に、まず目が行くのが人間の手首くらいはあるのではないかと思われる極太の脚です。この鶏は生まれた時からブロイラーなどよりも脚が太めなのですが、生後3ヶ月後くらいから一気に脚が太くなり約1年をかけて成鳥になります。

脚が太く表皮が硬い個体程良い値段がつくとされており、出荷までにしっかりと鍛えて筋肉をつけます。ドンタオ鶏はホーチミンの一部高級レストランなどで提供されているのですが、卵も大きいことから1度の出産で産まれる数が少なく、希少性の高い食材です。

 

⑥ハシボソガラパゴスフィンチ

引用元:https://galapagosconservation.org.uk/

ハシボソガラパゴスフィンチはスズメ目フウキンチョウ科に属する鳥で、ガラパゴス諸島の固有種です。外見は地味で小さな鳥なのですが、地球上で唯一の「血液を餌にする鳥類」として知られています。

同じくガラパゴス諸島に生息するカツオドリの体を突いて流血させ、その血を啜るという奇妙な生態を持ちます。ハシボソガラパゴスフィンチが血液を餌にするようになったのは最近のことと見られており、元々は昆虫や花などを餌にしていました。

しかし1980年代に入りエルニーニョ現象がガラパゴス諸島を襲うようになると、食料が激減。なんとか栄養を取ろうと吸血を始めたらしいのですが、生態系が安定してきた現在でもカツオドリに近づいて血を啜る様子が目撃されています。

吸血すると言っても体が小さいために一度に飲む量も少ないせいか、カツオドリの方も全く気にしていない様子でハシボソガラパゴススフィンチの好きにさせおり、そのことが余計に鳥が血を吸うという光景を奇妙に見せています。

 

⑦オナガサイチョウ

引用元:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/

オナガサイチョウはサイチョウ目サイチョウ科に分類される鳥で、インドネシアに生息しています。嘴の上にある赤い突起が目立つ奇妙な面構えの鳥ですが、現在この角が目当てとする乱獲で数を減らし、絶滅寸前に瀕しています。

オナガサイチョウの子育ては独特なもので、繁殖期は年に1回、生まれる卵も1つだけです。雌は出産の時期になると木のうろの巣の中に閉じこもり、そして雄が卵を狙う天敵が来ないように、巣の入り口を外から泥などを使って塞いでしまいます。

この時に餌である昆虫の受け渡しができるだけの小さな穴だけを残しており、雄が雛と雌のために毎日何回も巣に餌を運ぶのです。この子育ての方法は危険の多い外界から雛を守るためのものなのですが、食料を調達する雄が密猟者に撃たれてしまい雌と雛も餓死。オナガサイチョウは著しく数を減らしまし続け、遂に絶滅危惧IA類に分類されていました

オナガサイチョウの角は象牙以上の高値がつくとされ、特に装飾品に使う目的で中国の富裕層に需要があると言います。このまま放置すれば絶滅の可能性も高いため、2018年からは30以上の保全団体が協力して保護と正確な生息数の調査に乗り出しており、密猟者のパトロールも強化されているそうです。

ちなみにオナガサイチョウは見た目は奇抜ですが情に厚い性格を持っているようで、命を落とした雄に変わって、他の独身の雄が雛と雌のために食事を運ぶ係を引き受ける姿も見られています。

 

⑧ヒョウモンシチメンチョウ

引用元:https://scienceblogs.com/

ヒョウモンシチメンチョウは、キジ目シチメンチョウ科に分類される鳥で、ユカタン半島に生息しています。頭部にあるつぶつぶの突起が奇妙な鳥ですが、繁殖期にはこの部分がさらに大きく腫れあがり、一層不気味な風貌になります。

しかし頭部が不気味な反面、羽毛の色が非常に美しく、そのことが原因でヒョウモンシチメンチョウは密猟者に狙われて現在は数が激減。飛ぶことがあまり得意ではなく、敵に狙われた際にも走って逃げることもあり乱獲されてしまい、現在メキシコでは絶滅した可能性が高いと見られています。

ちなみにヒョウモンシチメンチョウの近種である家畜の七面鳥も、病気を連想させるような奇妙な風貌をしていますが、成長を促進するために高カロリーな餌を与え続けていたことや、家畜として運動をさせてもらえずに代々飼育されてきたことが祟って、現在では血圧が人間の平均値の3倍以上にもなってしまったそうです。

もともと鳥は人間よりも血圧が高めなのですが、それにしても七面鳥の血圧の高さは異常と言える数値で、無理な飼育のためにいわば生活習慣病にかかってしまった状態であるため、突然死してしまう個体も少なくありません。

 

⑨アオアズマヤドリ

アオアズマヤドリはスズメ目ニワシドリ科に分類されるオーストラリアの固有種です。外見自体はどこにでもいそうな小鳥ですが、繁殖期に雄が見せる奇妙な風習が注目を集めています。

オオアズマヤドリの雄は繁殖期になると小枝を集めてあずまやを作り、これで雌にアピールをするのですが、この時にペットボトルの蓋やガラス、鳥の羽や果物など、青いものをそこら中から集めてきてあずまやの周囲を飾るのです。そして雌がやってくると自分の作ったあずまやを案内し、気に入ってもらえれば晴れて番になることができます。

アオアズマヤドリがどうして青いものを集めたがるのかは不明ですが、実用性以外のデザインを重視して巣作りをする鳥というのは極めて稀です。

さらにこの鳥は成鳥になるまでに時間が掛かり、若い雄は雌のような風貌をしているために、若い雄同士で結託をして立派なあずまやを作った雄の元を訪れてパートナーを探している雌のふりをして気を引き、家主が唆されている間に他の個体が青いものを盗むという姿も目撃されてます。

 

⑩ツメバケイ

ツメバケイはツメバケイ目ツメバケイ科に分類され、南アメリカの北部から中部に分布する鳥です。始祖鳥の子孫なのではないかと言われてきたこの鳥の特徴は、雛の時期に翼に立派な鉤爪を所持していることで、爪を使って樹の幹を登っていくという変わった姿を見せます。

成長すると翼にある鉤爪は抜け落ちてしまうのですが、雛の段階で川を泳ぐことができたりと他の鳥とは明らかに違う生命力の強さも持っています。このように雛が逞しいせいか、ツバメケイの親鳥は外敵が現れると自分の子供を放置して我先に逃げる姿が確認されており、命懸けで雛を守る鳥が多いなか、これも変わった習性と言えるでしょう。

ツメバケイにはもう1つ変わった特徴があり、それは体臭がとてつもなく臭いということです。食べ物を消化する際に牛糞のような悪臭を発するのですが、興奮すればするほど牛糞臭くなるそうで、飛翔能力も短距離の滑空くらいしかできない鈍くさい鳥ながら捕まえようとする人はあまりいないのだと言います。

 

⑪フキナガシフウチョウ

フキナガシフウチョウはスズメ目フウチョウ科に分類される鳥で、ニューギニア島に生息しています。体長は20cm程度の鳥なのですが、頭から生えた飾り羽の長さは体長の2倍以上の50cmはあり、この奇妙さがかつて物議を醸したこともありました。

フキナガシフウチョウが原産地のパプアニューギニアで発見されて初めてはく製がヨーロッパに持ち込まれた際、鳥類学者たちは「こんな鳥が自然界にいるわけがない。はく製職人が模造したものだ」と断言、その実在をはっきり否定したのだそうです。

この長い飾り羽は雄にしかなく、繁殖期には特殊な筋肉を使ってこれを揺らすことで雌にアプローチをします。また、縄張り意識が強い種であるため、自らのテリトリーを主張する際にもこの羽を揺らします。また原住民がこの飾り羽を採集して、儀式に使用することもあるようです。

 

⑫アオバト

引用元:https://www.discoverlife.org/

アオバトはハト目ハト科に分類される鳥で、中国、台湾、そして日本にも生息しています。美しいグラデーションのある羽が魅力的な鳥ですが、その優雅な風貌からは想像ができないような奇妙な習性を持ちます。

アオバトは普段、森林に生息しているのですが、水を飲むために海に姿を見せることがあり、この理由は木の実や果物といった植物の実を食べているために体内のミネラルが不足してしまい、それを補うために海水を摂取すると考えられていますが、詳しいことは不明です。

嵐の日や海が荒れている時でもアオバトは海を訪れて岩場に集結し、一丸となって荒れた海に頭から突っ込んで海水を飲みます。そして、荒波に飲まれて当然のように死にます。荒天の日は海水を飲むのを諦めれば良いだけの話なのですが、どういうわけか「この日」と決めた日に群れで海に突っ込んでいくのです。

賢く学習能力が高い種が多い鳥の仲間でありながら、全く海の怖さを学ぼうとしない姿にはペーソスが漂っており、野鳥愛好家たちの涙を誘っています。

 

⑬アメリカヤマシギ

アメリカヤマシギはチドリ目シギ科に分類される鳥で、アメリカ合衆国の固有種です。酔っぱらいのおぼつかない足取りを「千鳥足」と呼びますが、これは実際にチドリ目に分類される鳥の歩き方がふらふらして不安定なことに由来しています。

さらにアメリカヤマシギは歩くのだけでなく飛ぶのも下手で、世界で一番と飛行速度が遅い鳥として知られているのです。アメリカヤマシギの飛行速度は時速8km。これは人間が少し早く歩いたのと同じ程度の速度で、鳥の中では「激遅」と言われても仕方の無い速度です。

しかし紙飛行機よりも遅い速度で滑空しているのにもかかわらず、何故かアメリカヤマシギは墜落するということがなく、むしろバランス感覚は相当良いのではないか?との説もある程。歩く姿も決してスマートでは無いものの、リズミカルで愛らしくアメリカでは通称「リトル・ダンサー」と呼ばれて親しまれています。

 

⑭インカアジサシ

インカアジサシはチドリ目カモメ科に分類される鳥で、ペルー及びチリに分布しています。サルバドール・ダリを思わせるような口髭が目を惹きますが、この飾り羽が何のために生えているのかは不明です。

なんとも胡散臭さを感じさせる面構えのこの鳥は、その生態もペテン師そのもの。自分たちで巣をつくるのが面倒だからとフンボルトペンギンの巣穴でしれっと子育てをしたり、狩りをする時もシャチやイルカに襲われてパニックになっている魚を横からひょいっと失敬していくという要領の良さを見せます。

ダリも自己演出のために口髭を蓄えていたと言いますが、インカアジサシもダリに勝るとも劣らない策士のようです。

 

⑮シャカイハタオリ

シャカイハタオリはスズメ目スズメ科に分類される鳥で、南アフリカ北西部からボツワナ南西部に生息しています。外見はスズメと変わらない地味な小鳥ですが、シャカイハタオリには数百羽で協力をして巣を作り、そこを共有するという変わった習性があります。

シャカイハタオリは大木に枯れ草を巻き付けて巣を作り、その総重量1トンほど。巣の大きさは普通乗用車よりも大きく、下には穴が無数に開いており、そこから出入りが可能になっています。

建材として利用した枯草は断熱材の役目を果たし、昼間は涼しく夜は温かく、1つの巣には数百羽のシャカイハタオリが集まって暮らしているのです。

しかし、この魅力的な巣には侵入者も多く、インコやフィンチと言った大きさの近い小鳥が不法占拠を行っており、部屋の家主のシャカイハタオリが帰ってくると他の鳥に巣を乗っ取られていることもしばしば。出ていってくれと警告をするのですが、力の弱いシャカイハタオリの言うことを聞く占拠者は少ないのが現実です。

巣を乗っ取られたシャカイハタオリは寝き寝入りして空き部屋に引っ越すのですが、彼らが作った巨大コロニーは一世代で役目を終えるわけではなく、増改築を繰り返しながら何代にも渡って使用されていきます。

 

⑯ヒクイドリ

引用元:https://blog.nature.org/

ヒクイドリはヒクイドリ目ヒクイドリ科に分類される鳥で、インドネシア、ニューギニア、オーストラリアの北部に分布します。太い脚にジャックナイフのような鉤爪を備えたこの鳥は、ギネスブックに「世界で最も危険な鳥」として登録されており、古くは真っ赤に焼かれた石炭を食べるという伝説も囁かれていました。

決して攻撃的な性格はしていないのですが、自らに危険が及ぶと果敢に立ち向かい、一蹴りで人間の内臓を破裂させることができるとも言われています。しかも飛べないものの脚が非常に速く最高で時速50kmは出るとされ、まず人間の脚で逃げ切るのは不可能です。

まるで現代に生きる恐竜のような印象のヒクイドリですが、通常は果実などを好む穏やかな性格をしており、熱帯雨林では糞を通して種子を移動させるという大切な役割を担っています。

しかし、住処としていた熱帯雨林が面積を狭めたこと、そして危険な鳥という印象が先行して大量に駆除されたことが原因となって現在は絶滅が懸念されています。

 

⑰アオアシカツオドリ

アオアシカツオドリはカツオドリ科カツオドリ目に分類される鳥で、メキシコからペルーおよびガラパゴス諸島に生息しています。パッと見て気になるのが鮮やかな青い足ですが、実はアオアシカツオドリにはもう1つ、鼻の穴が無いという変わった特徴があります。

カツオドリの仲間は魚を捕る際に空から垂直に海面に向けて突っ込んでいくのですが、あまりの勢いに首の骨が折れて死んでしまう個体もいる程。そんなスピードで海に突進するとなると、当然鼻の穴から大量な水が入ってくることになりますが、カツオドリ達は鼻の穴を退化させて完全に失くすことでこの問題に対処したのです。

そのためアオアシカツオドリにも鼻の穴がないのですが、足が青いのはこのように苦労をして捕まえている魚を食べているためだと言われており、魚に含まれるカロテノイド色素が足に溜まることで青くなると考えられています。つまり足が真っ青な個体程魚を捕るのが上手ということになるため、足が青ければ青いほど、アオアシカツオドリの雄は雌にモテるのだそうです。

 

⑱ジャノメドリ・⑲ピトフーイ

引用元:https://focusingonwildlife.com/

ジャノメドリはツル目ジャノメドリ科に分類される鳥で、メキシコ南部からブラジル、ボリビアに分布しています。名前の通り大きな目のような模様を翼に持ち、危険を感じると翼を左右に広げることで相手を脅かし、自分の体を大きな生物の頭部のように偽装するのです。

蝶や蛾の中にはこのような特徴を持つ種も存在しますが、鳥類で天敵から身を守るためにこのような進化をした種類は稀です。

引用元:https://www.bbc.co.uk/

外敵から身を守るために変わった進化を遂げた鳥として、ジャノメドリの他にニューギニアの固有種のピトフーイが挙げられます。

ピトフーイとは、かつて同じ種に分類されていズグロモリモズやカワリモリモズといったニューギニア島固有のスズメ目カラス科の鳥・6種の総称です。

この鳥は鳥類としては珍しく羽毛や筋肉に猛毒を隠し持っており、これは外敵から身を守る術として身につけた特性とされます。ピトフーイの中でもカワリモリモズとズグロモリモズは羽毛に強力な神経毒・バトラコトキシンを持っており、この毒はモウドクフキヤガエルのものと同種であり、最強の自然毒といわれるパリトキシンに次ぐ危険度を持ちます。

 

⑳オオグンカンドリ

オオグンカンドリはカツオドリ目グンカンドリ科に分類される鳥で、世界中の熱帯や亜熱帯域に分布しています。

求愛の際に、赤いのど袋を大きく膨らませてアピールをする様子が有名なオオグンカンドリ。鳥類最速と謳われる程、飛翔能力が高く、休むことなく数ヶ月間飛び続けることができるうえに急降下する時の速度は時速400kmに達すると言います。

この飛翔能力を活かしてオオグンカンドリは魚を咥えて飛んでいるカツオドリなどを急襲して、獲物を取り上げて食べるという盗賊行為を行うのですが、これは実は海鳥のくせに泳ぐことが全くできないという悲しい性質からきているものだと考えられています。

泳げないのに主食が魚であるため、オオグンカンドリは他の鳥の獲物を盗むしかないのです。浮袋の代わりになりそうな立派なのど袋も持っているのですが、どうやらオオグンカンドリは異性へのアピール以外にはのど袋を使うつもりはない模様です。

 

まとめ

爬虫類や両生類、魚類、昆虫よりは親近感を感じさせる鳥類ですが、その姿や生態が奇妙である程、鳥は恐竜の進化した種族という説が説得力を持つように感じます。

恐竜の中にもこのような非実用的な習慣から絶滅したものがいたのかもしれない、変わった姿を持ったものがいたのかもしれないと、洗練された姿や生態を持つ鳥とは違うロマンを奇妙な鳥は与えてくれます。

妙な鳥の筆頭格であったドードーやモア、ディアトリマといった種は絶滅していますが、現存する変な鳥の中にも絶滅に瀕しているものがあり、彼らの唯一無二の奇妙さが失われることがないよう願わずにはいられません。



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