地球にはたくさんの生物が住んでいて、わたしたち人間の常識ではおおよそ考えがつかないような生物がたくさんいます。
そんななかで、生態が奇妙な生物や、面白い特徴を持った生物、信じがたい見た目の生物を集めてみました。
奇妙な生物① カモノハシ
哺乳類の常識をことごとく覆すフシギ動物として、まず挙げるならカモノハシでしょう。
哺乳類なのに鳥のカモのようなくちばしを持っている、哺乳類なのに卵から産まれる点の他にも、奇妙な生態が数多くあります。
カモノハシのオスの後ろ足には毒が分泌される爪が付いています。
哺乳類が毒をもつことは非常に珍しいです。
この毒はとても強く、犬ほどのサイズの動物を殺すことができるほどの毒性を持っています。
もしも人間がこの毒を食らった場合、死ぬことはありませんが、3~6か月間のあいだ、激しい痛みで苦しむことになります。
カモノハシの赤ちゃんは母乳を飲んで育ちますが、カモノハシには乳首はありません。
腹部には乳腺のみがあり、汗のように染み出たミルクをペロペロとなめて飲むのです。
乳腺とはもともと、汗腺が発達してできたものとされていて、カモノハシのように母乳が染み出る特徴は、2億年以上前の非常に原始的な哺乳類が持っていた特徴といえます。
奇妙な生物② ヤツメウナギ
B級モンスター映画に出てきそうなグロテスクな姿をしている生き物がヤツメウナギです。
名前から、ウナギかと思われがちですがウナギではなく、魚でもありません。
ヤツメウナギには実際の目の他に、鰓孔が8つ空いており、これが8つの目があるように見えることから、ヤツメウナギという名前がついています。
ヤツメウナギの口は非常に変わっていて、トゲのような突起物が無数についている吸盤のような形状になっています。
吸盤状の口を使って大きな魚に吸い付いて寄生し、血液や体液を吸って生きているのです。
魚に寄生するヤツメウナギは川で誕生し、成体になると海や湖に出ていきます。
そして産卵が近づくと、サケのように川を遡上します。
ヤツメウナギが川を遡上する時には、ヤツメウナギの子どもが出すフェロモンを目印にして、川へ回帰しているそうです。
奇妙な生物③ ラブカ
ラブカは、原始的なサメの特徴を今に残しながら生き続けるサメです。
3億5000万年前から生きていたとされ、まさに生きている化石の称号にふさわしい生物と言えるでしょう。
ラブカの生息地域は、大西洋、太平洋と広いのですが、水深1000~1200mの深海で生息していることもあり、個体の発見数があまりなく、今のところ生態がほとんどわかっていません。
そんななか分かっていることとして特徴的なのが、歯のつくりです。
ラブカの歯は普通のサメと違っていて、25の歯列それぞれに鋭くて細かい歯がたくさん生えていて、歯の数は合計300本ほどにもなります。
歯は口に向かって生えているので、一度噛まれたら簡単には逃れられないようになっています。
奇妙な生物④ アベコベガエル
異彩を放つ生態のカエルと言えば、成長するとなぜか体が小さくなるというアベコベガエルが挙げられるでしょう。
アベコベガエルは南米のアマゾン川流域やトリニダード島に生息しています。
このカエルはオタマジャクシの時には全長25cmを超えるような、世界最大級のオタマジャクシなのですが、カエルに成長すると6~7cmくらいとなり、大人になると3分の1から4分の1程度のサイズになってしまうという、信じがたい特徴を持っています。
アベコベガエルが大人になるにつれて小さくなる理由は、残念ながら未だによくわかっていません。
解明されていない謎に包まれたこのカエルは、海外では「パラドックス・フロッグ」と名付けられています。
奇妙な生物⑤ ピンポンツリースポンジ
生きているものとは思えないようなルックスをしている深海生物が、ピンポンツリースポンジです。
名前の通り、木にピンポン玉が付いているような見た目の海綿動物(英語でスポンジ)で、アメリカのモントレー湾の深海で発見されました。
高さは50cmほど、球体の部分は3~5mm程度です。
ピンポンツリースポンジは可愛らしい見た目で、「ツリー」と呼ばれていることから植物のように見えますが、実は肉食の動物です。
太陽光の届かない深海では、植物は育たないのです。
ピンポンツリースポンジの、四方八方に伸びたピンポン玉のような球体が青白く光ることにより、プランクトンや小さな甲殻類をおびき寄せて、球体に付いている、かぎ状の繊維質でからめて捕食しているとのことです。
奇妙な生物⑥ ハチドリ
世界最小の鳥であるハチドリは、その体の小ささゆえに、不思議な生態をしています。
ハチドリは南米アメリカ大陸で生息している、体長10cmほどの鳥で、もっとも体重が軽いマメハチドリは2~3gという、鳥類とは思えないサイズの鳥です。
ハチドリが飛行している時には、毎秒50~80回もの羽ばたきをしていて、酸素消費量は人間のおよそ10倍にもなります。
代謝が激しいので、睡眠している間も体重がどんどん減っていて、一度の睡眠で体重は10%程度も減ってしまいます。
そのため、餌となる花の蜜は1日に体重の3分の2ほどを摂取しなければらな図、さらに数分ごとに接種する必要もあります。
英語では「ハミングバード」と呼ばれるハチドリは、羽ばたきが早すぎてハチのようにブンブンという音を立てることに由来しています。
また、鳥類の中で唯一、空中で静止するホバリングができることでも知られています。
奇妙な生物⑦ ミツクリザメ
英語で「ゴブリン・シャーク(Goblin Shark)」、悪魔のサメという物騒な名前で呼ばれているのがミツクリザメです。
ミツクリザメは深海に生息していて、水揚げされると顔が充血して真っ赤になり、アゴが前方に飛び出し、まるで地獄の悪鬼(ゴブリン)のように禍々しい顔になっていることから付いた名前です。
ミツクリザメは、頭部が角のように突き出ている奇妙な形をしているのが特徴です。
さらに特徴的なのがエサの食べ方です。
ミツクリザメはエサを見つけると、アゴを120度くらいまで大きく開けて、アゴ全体を前方に飛び出させて捕食するという方法を取っています。
アゴが飛び出す長さは体長の約9%にもなり、その速度も秒速3.14mという素早さです。
口をまるでパチンコ(ゴムの力で石を遠くに飛ばす道具)のように使うという面白い食事方法を取っているのです。
奇妙な生物⑧ ハダカデバネズミ
ハダカデバネズミは、哺乳類では珍しく、コロニーを形成して集団で生活する、真社会性動物です。
地中にトンネルを掘って生活していて、ハチやアリなどのように、女王ネズミに兵隊役ネズミ、働きネズミと、カーストに分かれています。
体表には毛が生えておらずしわくちゃで、おおよそ強そうに見えないハダカデバネズミですが、実は驚くべき進化の生態があります。
ハダカデバネズミは低酸素状態になっても数時間耐えることができるだけでなく、無酸素状態でも最長で18分生きていられるということがわかったのです。
他にも、普通の生物は年齢を重ねれば重ねるほど死亡率が上がるものですが、ハダカデバネズミは歳を取ってもほとんど老化せず、死亡率が上がらないという特徴もあります。
さらに、ガンにもかからないという驚異の性質も持っているので、ハダカデバネズミの研究によって、人間の医療に役立つのではないかと、期待されている動物です。
まとめ
どの生物も、本当にこんな生物がいるの?!と疑ってしまいそうな生物ばかりです。
地球上にはまだ人間に見つかっていない種もたくさん生息していると言います。
まだ知られていないだけで、もっと奇妙な生態をしている生物がどこかにいるのかもしれません。