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生きた宝石!世界一綺麗な昆虫20選

美しい昆虫の代表でもある蝶以外にも、コガネムシ、タマムシなど輝く体が名前の由来になるなど、宝石のような姿を持つ昆虫は数多く存在します。

なぜ美しい色彩を持っているのか、輝く体の秘密や理由を含めて美しい昆虫17種を紹介していきます。

 

コガネムシ

コガネムシの仲間にはカブトムシやクワガタといったトップクラスの人気を誇る種が含まれる一方、糞や動物の死骸にたかる糞虫も存在します。

糞にたかるような虫に美しいものなんていないだろうという印象がありますが、どういうわけか立体的で魅力的な外見を持つ糞虫もコガネムシの仲間には見られるのです。ハナムグリ、カブトムシ、クワガタ、コガネムシといった甲虫目コガネムシ科の昆虫の中から美しいものを見ていきましょう。

 

プラチナコガネ

金属質な光沢を持つ甲虫は数多く存在しますが、金や白金の体色を持つ昆虫というのは実はあまり存在しません。プラチナコガネは名前の通り白金、そして金、銀と貴金属の色を全て網羅する種がいる非常に珍しい昆虫です。

プラチナコガネ(平均体長26mm)の仲間はおよそ50種あり、どれも中南米の山岳地帯に生息し、日本のコガネムシ同様に灯りに集まる習性を持ちます。そのため捕獲する際には灯火を使うと効率的なのですが、どの種も個体数が少なく、重さで換算すれば金よりも高額になるといいます。

どうしてプラチナコガネがこのような独特な体色を持っているのかは、はっきりとは分かっていません。しかし生息地から考えて、薄暗い森の中でも周囲の環境に上手く溶け込み、身を隠すために進化した結果だと推測されています。

プラチナコガネの仲間は温度センサーにも使われる「コレステリック液晶」という構造によって光を反射しており、種類によって赤く輝くものや金色に輝くものが存在します。そして白金のものは可視領域全ての波長の光を反射しているため、鏡のような輝き方をすると考えられているのです。

 

マダガスカルハナムグリ

引用元:https://insect-islands.ocnk.net/

独特な進化を遂げた生物が数多く生息しているマダガスカル島ですが、マダガスカル固有のハナムグリも日本などで見られるものとは異なり、変わった模様や派手な水玉模様を持つものが多く見られます。

上の画像はマダガスカルハナムグリの仲間のサザナミマダガスカルハナムグリという種(平均体長30mm)で、独特の波のような特徴を持っており、このような変わった模様を持つことについてはマダガスカルハナムグリが有毒生物のふりをしているからなのではないかと考えられています。

両生類ではありますがヤドクガエルなどは派手な体色で目立ち、自分には毒があるという警告を発している、昆虫であれば有名なところでテントウムシがアルカイド系の毒を持っていて、小鳥などの天敵に警告するために派手な水玉模様の外見をしていますが、マダガスカルハナムグリはそれらの生物の真似をしていると推測されているのです。

 

ニジダイコクコガネ

美しい体色とカブトムシのような勇ましい外見が魅力的なニジダイコクコガネ(平均体長20mm~25mm程度)は、糞溜めやゴミ捨て場で見られる糞虫です。ブラジルやアルゼンチン、ニカラグアなどの南米に生息し、幼虫から成虫まで糞や動物の死骸を餌にします。

糞虫は固い前翅で後翅をしっかりと守っており、糞の山の中で天敵に襲われた際には汚物で粘ついていない後翅を颯爽と出して逃げていきます。汚物扱いされがちな糞虫ですが、実は洗練された生存戦略を持っているんです。

普段の生活ではあまり意識することもない存在ですが、生態系の中では非常に重要な意味を持っている糞虫。中でも美しいニジダイコクコガネは、南米では幸運のモチーフとしても愛されてきたそうです。

 

キンイロクワガタ

引用元:http://www.aristo-k.jp/

世界で最も美しいクワガタといえばニジイロクワガタと言われていますが、キンイロクワガタ属も豪華さなら負けてはいません。上の画像のパプアキンイロクワガタ(平均体長50mm・パプアニューギニアに生息)も、美しい金緑色の体色を持つ種です。

引用元:http://www.aristo-k.jp/

また、こちらのローゼンベルグオウゴンオニクワガタは最大体長が80mm以上にもなる大型種で、抜群の存在感からペットとしても人気があります。

キンイロクワガタはどの種もニューギニアからオーストラリアにかけて生息しており、他のクワガタの様に樹液に集まるのではなく、前脚にある刃物のような突起でベニバナなどの草を切り、あふれ出る汁を餌にするという変わった特徴も持ちます。

ヒラタクワガタやミタマクワガタのような一般的なクワガタと比べると前脚のつくりが全く違い、この武骨さもキンイロクワガタの魅力と言えるでしょう。

 

タマムシ

タマムシはその死骸が装飾品や装身具に使われることもある程、古くから美しい外観が愛されてきた昆虫です。奈良県の法隆寺に安置されてる玉虫厨子の細工には、約5000匹分ものタマムシの前肢が使われており、これは国宝の仏教工芸品でもあります。

またベルギーのブリュッセルにある王宮殿の天井にはタマムシの前翅140万匹分が貼り付けられており、独特な美しさを放つことから「HEAVEN OF DELIGHT」と呼ばれています。

 

ルリタマムシ

ルリタマムシは東南アジアで多様化したタマムシの一群で、日本で見られるヤマトタマムシもこの仲間です。上の画像のキベリルリタマムシ(平均体長56mm)はマレーシアのボルネオ島に生息する種で、側面の白いラインが特徴的です。

キベリルリタマムシの白い模様には輪郭をあいまいに見せる効果があり、天敵に見つかりにくいというメリットがあると考えられています。

またタマムシの多くは餌とする木の葉の種類が決まっていて、高い木の梢付近で活動することから、人間が普通の捕虫網で捕まえるのは困難なことでも知られます。そのような高いところで光っていると悪目立ちしそうな印象がありますが、意外と熱帯の太陽の下でツヤツヤの葉の上に輝くタマムシがとまっていても、目立たないのだそうです。

金属光沢を持つ昆虫は構造色と呼ばれる特定の波長の色だけを反射する構造を持つのですが、タマムシの場合は翅の表面に薄い層がたくさん重なっていて、それによってできる微妙な凹凸などの差から反射する色が変わり、そこに色素が加わることで種独自の色を生み出しています。

ご存知の通り、昆虫は体温調節ができません。そのため熱帯の強い日差しを浴び続けて熱を吸収してしまわないよう、うまく太陽光を反射して体温が上がり過ぎないようにする作用も、タマムシなどが持つ金属系の構造色にはあるのではないかと考えられているのです。

 

フトタマムシ

引用元:https://virtual-beetles.pagesperso-orange.fr/

フトタマムシは乾燥する林や半砂漠などの乾燥した土地に生息するタマムシの仲間で、分厚い外骨格によって強い日差しや乾燥にも耐えることができる丈夫な昆虫です。

カカオの実やアボカドの皮のような凹凸を持つものや体毛を生やしているものなど奇妙な種も多いのですが、上の画像のチャイロフトタマムシ(平均体長38mm・インドに生息)は一見渋い色合いながらも裏返すと腹部が美しい金属色という不思議な特徴を持ちます。

実はタマムシの仲間には前翅だけではなく腹部も綺麗な色をしているものが多く、背中とお腹で色合いが異なるものも珍しくありません。なぜ腹部の色が金属色だったり派手だったりするのかは分かっていないのですが、なかなか面白い特徴だと言えるでしょう。

 

ムカシタマムシ

引用元:https://www.atpress.ne.jp/

他の大陸から切り離されたオーストラリアやニューギニアなどでは、カンガルーやコアラといった原始的な固有種が根強く生息していますが、ムカシタマムシも同様にして生き残った原始的な種です。

他のタマムシ同様に派手な色調を持つのですが、金属光沢主体なのではなく原色を含む変わった体色を持ちます。上の画像のキオビオウサマムカシタマムシ(平均体長42mm)も、他の昆虫には見られないような独特の配色です。

 

オオルリオサムシ

オサムシは漫画家の手塚治虫氏がペンネームの由来にした虫で、後翅が退化してなくなり、飛べない種も多く存在します。

夜行性の傾向が強く、夜な夜な餌を探して落ち葉の下を這いまわり、石の下に潜り込んで休むことから人目に触れる機会が少ない昆虫ですが、中にはオオルリオサムシ(日本の北海道に生息・平均体長35mm)のように美しい種も存在します。

オオルリオサムシは北海道の中でも札幌市内にいるもの、洞爺湖町にいるものと生息地の違いで色や大きさ、体表の凹凸に差異が見られ、どれも地味なものが多い日本のオサムシの中では目を惹きます。

このように北海道のオオルリオサムシだけが日本の中でやや特殊な見た目を持っているのは、北海道がかつて中国大陸と地続きであった名残だと考えられており、実際に本種の近縁種は極東ロシアから朝鮮半島、中国でも見られるそうです。

 

オオアオコメツキムシ

コメツキムシは日本の街中でも普通に見られる、ありふれた昆虫です。しかしオオアオコメツキムシの仲間には美しいものも多く存在し、中でも国内の昆虫愛好家の中で人気が高いのが、八重山諸島与那国島にのみ生息しているノブオオオアオコメツキムシ(平均体長30mm)です。

しかしこの美しさが仇となって高値で取引されることから乱獲されてしまい、現在では準絶滅危惧種に指定されています。生態そのものは他のコメツキムシと変わらず、コメツキという名前の由来通りに、ひっくり返るとパチン!という音を立てて飛び跳ねて元に戻ります。

 

ゾウムシ

ゾウのように長い鼻を持つことが、その名前の由来となったゾウムシ。実際に伸びているのは鼻ではなく口吻なのですが、中には体長の倍以上の口吻を持つものまで存在し、ゾウムシの仲間は実に6万もの種が現存しているといいます。

ゾウムシの最大の特徴である長めの口吻ですが、この部分にこそゾウムシが多様化し、また甲虫の中で最大の分類群にまで反映した秘密が隠されています。

ゾウムシの大半の種は植物食で、幼虫は植物の茎や実の内部を食べて成長します。そのため卵が孵化したらすぐに食事ができるように、ゾウムシの雌は産卵の際に口吻の先にある顎をドリルのように使って木の実などに穴を開け、空洞になった部分に産卵管を伸ばして卵を植え付けるのです。

こうすることで幼虫が餌に困らないばかりか、卵や幼虫を天敵から隠すことができるため、ここまでゾウムシが多様に増えることができたのだと考えられています。

人間から見ると「何のためについてるんだろう?」と疑問に感じられる奇妙なゾウの鼻もどきですが、この器官にゾウムシの生存戦略が妻っているんです。

 

カタゾウムシ

カタゾウムシは名前の通りとにかく硬さ外殻を持つ一群で、台湾南部の離島に住むタオ族の間では、かつてカタゾウムシを指で潰せるかどうかで大人同士が力比べをしていたこともあったそうです。

大の大人が潰すのに苦労するというエピソードだけでその硬さが並々ならないことが想像できますが、これによって外敵に食べられにくいというメリットを得た一方で、カタゾウムシの仲間は飛行能力を無くしています。

飛んで逃げるということができなくなったためか、カタゾウムシの仲間には自分は危険だと警告を発するような派手な模様のものが多く、上の画像のホウセキカタゾウムシ(平均体長17mm・フィリピンのルソン島に生息)のような蛇の目模様のものや、水玉模様、水玉の周りに縁取りがあって中心と縁で色が異なる菊の花のような模様を持つものなど、様々なものが存在します。

さらにはこちらの画像のような、まるで上から絵具で柄を書き足したような格子模様を持つカガヤキカタゾウムシ(平均体長14mm・フィリピンのルソン島に生息)も存在します。

このように目立つカタゾウムシですが、硬くて鳥や爬虫類に狙われないために他の昆虫から姿を真似られることも少なくありません。

特にうまく真似をしているのがカタゾウカミキリムシというカミキリムシの1種で、実際はカタゾウムシのような硬い外殻は持っていないのですがぱっと見区別がつかない程、上手に擬態しているのです。

こちらがカタゾウムシを真似たカタゾウカミキリムシです。カミキリムシ特有の長い触角、そして飛行できるため肩がしっかりしているという2点で見分けることができますが、模様に関しては完全にカタゾウムシをコピーをしています。

 

ホウセキゾウムシ

引用元:https://dot.asahi.com/

ホウセキゾウムシ(平均体長22mm~30mm)の仲間も、岩絵の具を塗ったような独特の模様を持つゾウムシです。ニューギニアに分布しており、生息地ごとに同じ種であっても異なる模様や色彩を持ちます。

こちらもカタゾウムシ同様に硬く、また中にははっきりと毛が生えているものが分かる種も存在します。

実はゾウムシの美しい模様は体表にある丸い鱗状に変化した毛(鱗毛)がタイルの様に配列されたことで浮かび上がっているもので、鱗毛の断面を拡大して見ると「フォトジェニック結晶」と呼ばれる網目のような構造になっていることが分かります。この結晶のおかげで特定の波長の光を反射して、美しい色彩と模様を作り出しているのです。

 

現存する蝶の種類は1万8000種ほどと考えられており、開長1cm程度のシジミチョウから20cmを超える大型のものまで、柄や色彩だけではなく蝶の仲間は大きさも様々です。ミイロタテハやモルフォといった有名なものを中心に、蝶の中でも屈指の美しさを誇る種を紹介していきます。

 

モルフォチョウ

引用元:https://www.discoverychannel.jp/

モルフォチョウは世界一美しいと呼び声の高い蝶で、中央アメリカから南アメリカの熱帯域に様々な種が生息しています。雌雄の差がハッキリしており、雄が上の画像のような美しい青色の金属光沢を放つのに対して、雌は茶色く地味です。

これは雄は縄張り意識が強く、同性間で縄張り争いを激しく繰り広げることからターゲットを間違えないように雄は目立ちやすく、雌は目立たないように進化したものと考えられています。

また薄暗い森の中を雄のモルフォチョウが飛んでいると、まるで青い光が点滅しているように見えて鳥などの目には本体が捉えにくく、色のおかげで目くらましができているとも言われています。

モルフォチョウの1種であるエガモルフォは、その美しい翅で作った皿がブラジル土産として人気を博したことがありました。しかしその際にあまりに数多く採取してしまったことから、現在では飼育目的以外での捕獲は禁じられているのだそうです。

 

ミイロタテハ

引用元:http://butterflynonno.net/

ミイロタテハの仲間は中央アメリカから南アメリカの森林に生息しており、学名から「アグリアス」と呼ばれることもあります。翅の色のバリエーションが多く個体変異も多いことから何種に分類すべきなのか学者の間でも議論が続いており(4種に分類する派閥と9種に分類する派閥が大勢)、この変異種の多さ故に19世紀から既にコレクターが多かったそうです。

上の画像はミイロタテハの中でも最も美しいと言われるクラウディーナミイロタテハ(平均開帳80mm)で、腐りかけのバナナなどを使って比較的簡単に採取することができるといいます。

美しい外見を持つミイロタテハですが、意外なことに好物は人糞なのだそうで、特に臭いのきついものに群がる習性があるのだとか。そのため、かつては腐敗した果物ではなく人糞を使ってミイロタテハを採集していた時代もあったのだそうです。

 

トリバネアゲハ

トリバネアゲハは名前の通り、鳥のような大きな翅を持つ蝶の一群です。その多くがニューギニア島など辺境に分布することから、19世紀にはヨーロッパのコレクターたちが血眼になって探し求めたという歴史を持ちます。

トリバネアゲハの中で最も翅の面積が大きいのが、上の画像のゴライアストリバネアゲハ(開帳は雄で平均160mm、雌で平均210mm)で、本種は大きさと豪華さ、そして希少性から最も豪華絢爛な蝶としても知られていました。

ゴライアストリバネアゲハは幼虫の時点で100mm程の大きさがあるのですが、その体躯にたがわない食欲を持つことから、もともと産卵数も少ないうえに餌を確保して育つ幼虫も少なかったのです。

現在では産地であるニューギニアで食草を植えて飼育し、商品として出荷していることから、本種は比較的容易に入手できるトリバネアゲハです。

 

キシタアゲハ

トリバネアゲハがオセアニアを代表する豪華な蝶であるならば、アジアを代表するのはキシタアゲハだと言えます。この一群は雄雌共に基本的に前翅が黒色で後翅が黄色であることから、キシタアゲハという名前が付けられました。

キシタアゲハはおよそ20種類に分類され、上の画像の種はフィリピンや台湾南部の島に分布するコウトウキシタアゲハ(開帳は雄で120mm、雌で150mm)です。

コウトウキシタアゲハの雄の後翅の黄色い部分は斜めから見るとまるで真珠のような幻光を放つのですが、これは翅の黄色い部分の鱗粉の並び方が特殊なためだとされます。鱗粉の配置でまるで薄い膜でコーティングしたような構造になっているため、翅の光が乱反射して真珠のような輝きを見せるのです。

 

カラスアゲハ

日本にも分布していることから馴染み深いカラスアゲハ。亜種が多く存在し、日本に現生するものは八重山諸島のヤエヤマカラスアゲハ、沖縄や奄美諸島のオキナワカラスアゲハ、北海道からトカラ列島まで分布するカラスアゲハの3種に大きく分けられ、その他のものはそれぞれの亜種とする説さえあります。

日本で見られるカラスアゲハの種と亜種の中で、最も美しいと言われているのが上の画像のミヤマカラスアゲハ(開帳110mm)です。山林に生息することから深山(ミヤマ)と名付けられていますが、地域によっては沿岸部や市街地にも姿を見せ、春型と夏型で色彩や大きさが異なります。

個体変異が多い種ですが、長野県や北海道などの寒い地域に生息するものほど鱗粉の輝きが強い個体が多く、光にあたり方で色が変化するという特徴も持ちます。

引用元:https://www.jiji.com/

またカラスアゲハの中で最も希少性が高く、ワシントン条約で商取引が禁じられているのが上の画像のルソンカラスアゲハ(開帳は雄で95mm、雌で105mm)です。

この蝶が初めて学会に発表されたのは1965年と最近のことで、フィリピンのルソン島とミンドロ島の標高2000m近い山地にのみ生息している珍種です。

この土地にカラスアゲハが集まった理由は、標高1000m程の場所に階段水田があるために水の確保が必要で、それより高い山の上部には保水力の高い森林を残しておく必要があったからだと考えられています。水田を保持するために残しておいた森林をめがけて上昇気流に乗って高山域に集まり、独自の進化を遂げたのがルソンカラスアゲハなのです。

現在は分布地は限られるものの、決して絶滅に瀕しているわけではないとされるルソンカラスアゲハですが、彼らのライフラインとなっている水田の後継者がいないことから現地では水田の廃止及び森林の伐採の話が持ちあがっています。そのため捕獲を禁止しても、生息地を維持できなければ絶滅するのではないかという指摘されています。

 

ニシキオオツバメガ

美しい昆虫の代表として蝶が持て囃される一方で、蛾は似て非なるもの、地味で汚らしい昆虫という印象があります。しかし、そんな蛾の中で蝶を超えた美しさと称されているのが、マダガスカルに生息するニシキオオツバメガ(開帳80mm)です。

蝶は雌雄で体色に差異があるものが多いですが、ニシキオオツバメガは雌雄ほぼ同じ見た目をしており、何のためにこのような派手な外見になったのか分かっていません。

マダガスカルの山地の森林地帯を昼間に飛び回るほか、灯火の近くに寄ってくることもあり、アフリカ大陸とニューギニア、中南米にも近縁種が存在します。

 

まとめ

美しい昆虫は私たち人間にとって目を楽しませてくれるだけではなく、最近ではモルフォチョウの構造色のメカニズムを模倣した「モルフォテックス」という技術が研究されており、産業への貢献が期待されています。

モルフォテックスは一見ただの白い繊維にしか見えないのですが、光を当てると青い光沢が現れるという昆虫の構造色と同じ特性を持ち、化学染料などを使わない環境負荷の少ない繊維製品や樹脂製品をつくるために、この技術が応用される見込みです。

モルフォテックスの開発が進んで化学繊維の使用が減れば昆虫を含む様々な生物や環境の保全にも繋がることから、昆虫から得た知識で間接的に昆虫の保護ができるとも言われているのです。



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