3100を超える種類が世界中に存在しているクラゲ。
ユラユラと泳ぐ姿が幻想的なので、水族館でも人気の生き物のひとつで、クラゲが好きという方も多いでしょう。
クラゲと一言で言っても、さまざまな形や大きさのものがいて、世界中には信じられないくらい大きなクラゲも存在するのです。
世界最大級のクラゲを見ていきましょう。
第10位 ミズクラゲ
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ミズクラゲは日本近海でもよく見られるクラゲで、胃腔・生殖腺が4つあるのが傘から透けて見えるので、ヨツメクラゲとも呼ばれています。
傘の直径は15cmから30cm、稀にそれ以上のものもある大型のクラゲです。
地味なイメージのミズクラゲですが、水族館などでは美しい照明や趣向を凝らした水槽で、幻想的に展示されているのでたいへん人気があります。
ミズクラゲには刺胞はありますが毒性は弱いので、刺されてもあまり痛みは感じません。
飼育も比較的簡単なため、家でミズクラゲを飼育しているという人もいます。
ときにミズクラゲは大発生し、漁網に入ってしまったり、海岸の火力発電所の冷却水用取水口に多数のミズクラゲが吸い寄せられたりして、害を与えることもあります。
第9位 フライド・エッグ・ジェリーフィッシュ
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どう見ても半熟卵が海に浮かんでいるようにしか見えない、不思議な形のクラゲが、その名もフライド・エッグ・ジェリーフィッシュです。
正式名称はコティロリーザ・ツベルクラータ(Cotylorhiza Tuberculata)と言い、日本では目玉焼きクラゲと呼ばれています。
傘の部分には綺麗な黄色と青色の玉が散りばめられていて、まるで目玉焼きのトッピングのようです。
黄身にそっくりな部分は生殖腺です。
フライド・エッグ・ジェリーフィッシュは、大きいものは40cmを超える大型のクラゲです。
フライド・エッグ・ジェリーフィッシュの動きはたいへん鈍く、刺胞はかなり小さく刺激性がほとんどないので、人体には危険はないようです。
第8位 イルカンジクラゲ
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超猛毒を持つことで恐れられているクラゲがイルカンジクラゲです。
約3cm四方の小さな体に、最長で50cmほどの触手を持つという変わった体のつくりをしていることが特徴です。
イルカンジクラゲの持つ毒は、コブラの100倍、タランチュラの1000倍になると言われ、重篤な症状を引き起こします。
刺されると約30分ほどで全身が耐え難いほどの痛みと炎症に襲われ、血圧が300以上に上がります。
脳内出血を起こして死亡する例もあります。
イルカンジクラゲは体が小さく半透明なため、気づかないうちに刺されてしまうという危険性があります。
オーストラリアのアボリジニのイルカンジ部族の伝承では、「海には小さくて目に見えない”怪物”がいて、その怪物が人々は苦しめ、時には死に至らしめる」というものがありました。
その正体がイルカンジクラゲであり、部族にちなんで命名されました。
第7位 ディープスタリアクラゲ
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ディープスタリアクラゲは水深500m以上の深海にすんでいる、全長が1m以上にもなる巨大なクラゲです。
腕が小さくて傘の部分がとても大きいことが特徴で、巨大なビニール袋と形容されます。
ディープスタリアクラゲはしっかりと泳ぐというよりは、ふわふわと海の中を漂っているタイプのクラゲです。
餌を見つけると、大きな袋のような体を広げて中に入れ、傘の縁を巾着のようにすぼめていって、短い脚を使って口へと運んで食べています。
ディープスタリアクラゲの天敵はウミガメです。
ウミガメがビニール袋を食べてしまい死んでしまうということがありますが、これはウミガメがディープスタリアクラゲだと思ってビニール袋を食べてしまっているとのことです。
第6位 オビクラゲ
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大きいもので1mから1.5mほどになり、その姿のエレガントな美しさから「Venus's girdle(ヴィーナスの帯)」という呼び名がつけられているクラゲが、オビクラゲです。
扁平で細長い帯状の体をしているオビクラゲは、帯に沿って櫛板と呼ばれる繊毛があり、蛇のように体をくねらせながら泳ぎます。
櫛板に光が当たると綺麗な虹色に反射してたなびきます。
不思議な姿をしていることから、海で怪物を目撃したという話で、実は巨大なオビクラゲだったということもあると言います。
オビクラゲは、ミズクラゲなど刺胞動物の仲間ではなく、有櫛動物という仲間であり刺胞を持っていないので毒を持たず、触っても刺される心配はありません。
第5位 エチゼンクラゲ
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エチゼンクラゲは、傘の直径が2mを超え、体重は150kgにも達する大型クラゲの一種です。
エチゼンと名が付いているのは、初めて採取されたのが福井県だったことに由来しています。
日本沿岸でエチゼンクラゲが大量発生することがしばしばあり、漁業の網にかかってしまって網が破れるなど、漁業を妨害するという被害があります。
エチゼンクラゲの毒はさして強くはないのですが、刺されるとピリピリとした刺激感があったり、痒みが出たりします。
厄介者で利用価値がないとされてきたエチゼンクラゲですが、近年では体から「クラゲ由来ムチン」というたんぱく質を抽出して、関節症の治療方法を開発する研究が進められていて、クラゲによる社会貢献につながる可能性があります。
第4位 キロネックス
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キロネックスは、正式名称をオーストラリアウンバチクラゲというクラゲで、猛毒を持つことでよく知られています。
触手は4.5mにもなる巨大クラゲです。
普通のクラゲの眼は光の明るさを感じることができる程度ですが、キロネックスには、虹彩、網膜、角膜を兼ね備えた眼があり、物体の色や動きを認識できます。
また、強い遊泳力もあり、毎秒1.5m以上の早さで進むことができます。
キロネックスの触手には、1本につき500億個もの毒針がついていて、毒もたいへん強く、人間が刺されると耐えがたいほどの激痛に襲われます。
刺された箇所は壊死し、心肺停止、呼吸困難、視力低下といった症状が現れ、1分から10分で死亡に至るほどの猛毒なのです。
一命を取り留めたとしても、激痛は数週間にわたって体を襲い、傷跡がくっきりと残ることになります。
第3位 スティギオメデューサ・ギガンティア
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スティギオメデューサ・ギガンティアは、深海にすむ生物の中でも上位の大きさを誇るクラゲで、ダイオウイカに並ぶほどのサイズです。
体長は約6mになり、日本ではダイオウクラゲと呼ばれることもあります。
スティギオメデューサ・ギガンティアは北極海以外の世界中に生息しているのですが、1910年に発見されてから目撃例はたったの100回強というレアなクラゲです。
クラゲはたくさんの触手を持っているのが普通ですが、スティギオメデューサ・ギガンティアはたった4本の幅広い触手を持ち、ゆらゆらとくねらせて泳ぎます。
その奇妙な形に、まるでエイリアンのように不気味な姿だとネットでも話題になりました。
スティギオメデューサ・ギガンティアには毒は無く、獲物を長い触手で包み込んで捕まえています。
第2位 カツオノエボシ
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カツオノエボシは、電気クラゲの別名を持つクダクラゲ目の刺胞動物です。
浮き袋から下の方に伸びている触手は10m程度、長いと50m程にも達します。
カツオノエボシは猛毒を持っていて、人間の死亡例もある危険生物です。
カツオノエボシのトゲに触れると、皮膚がムチで打たれたようなみみず腫れになり、強烈な痛みが1時間から数日続きます。
さらに、発熱やショック症状、心肺機能の衰弱が起こるため、たいへん恐れられているのです。
カツオノエボシはヒドロ虫の仲間に属していて、正確な意味ではクラゲではなく、多くのヒドロ虫が集まって1個体となっている、互いに共生関係にある有機体組織のコロニーなのです。
カツオノエボシはしばしば浜辺に打ち上げられていることもあり、その鮮やかなブルーの見た目に惹かれて触れてしまうこともありますが、刺されると重篤な症状を引き起こすため、絶対に触らないように注意が必要です。
第1位 キタユウレイクラゲ
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キタユウレイクラゲ(サイアネア・カピラタ)は、現在確認されている中で最大のクラゲです。
キタユウレイクラゲの傘の部分は2.5mで、触手は30mもの長さになり、体重はなんと250kgにも達します。
もし目の前にキタユウレイクラゲが突然出現したら、あまりの大きさに身動きがとれずに固まってしまうかもしれません。
触手はふさふさとしていて赤胴色をしているので、ライオンのたてがみに例えられ、ライオンタテガミクラゲという別名を持っています。
キタユウレイクラゲはかなり強い毒を持っていて、刺されるとたいへん痛い上に、死に至るケースもあるといいます。
大量発生することも多く、大量のキタユウレイクラゲに阻まれて、海に入れなくなるということもあるようです。
まとめ
巨大なクラゲをランキングでご紹介してきました。
一言で大きいと言っても、さまざまな形や特徴をしていて、面白いクラゲばかりであることがわかります。