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1枚40億円!?超珍しい世界の希少硬貨・金貨10選

世界には数多くの硬貨がありますが、すべてが額面通りの価値を持つわけではありません。

硬貨によって様々な事情や発行枚数があり、その額面や使われている金属の価値以上の値段がつく場合もあります。

例えば身近な例だと縁に溝が彫られた10円玉、いわゆる「ギザ10」は最大で1枚6万円もの価値がつくこともあると言われています。

今回は世界の珍しく、希少価値の高い硬貨を紹介します。

 

フローイング・ヘア・ダラー1ドル銀貨

引用元:http://news.line.me/issue/oa-zuuonline/d9e03d53a3a0

フローイング・ヘア・ダラーはアメリカ合衆国が最初に発行した1ドル硬貨です。

アメリカで造幣局を作るよう決定したのは、1972年のことです。

1971年にアメリカの議会で造幣局設立が決議され、翌1972年に貨幣法を制定する形で設立します。

最初の1ドル貨幣は、当時のアメリカで流通していたスペインドルや8レアル銀貨と同等の価値を持つよう、重さを揃える形で作られました。

銀貨と金貨が造られ始めたのは1974年からのことで、フローイング・ヘア・ダラーは翌1975年10月にデザインを変更するまでの、およそ2年足らずの間のみ鋳造されました。

1794年、フローイング・ヘア・ダラーは1758枚発行され、多くは外貨と交換されています。

1795年には大量に鋳造するための装置が導入され、16万枚以上のフローイング・ヘア・ダラーが鋳造されました。

現在、フローイング・ヘア・ダラーは全部で120から130枚ほど流通しており、1795年に造られたものはおよそ50ドルほどの価値があると言われています。

ですが1794年に発行されたもので、特に状態のいいものはもうこの世に1枚しか現存していないと言われています。

2013年1月24日、エドワード・ハウランド・ロビンソン・グリーン大佐が所持していた1794年製のフローイング・ヘア・ダラーは、公開オークションで1001万6875ドル(約11億円)もの高額で落札されました。

この落札額は1枚の硬貨につけられたものとしては、過去最高額だと言われています。

 

英領西アフリカペニー白銅貨

引用元:https://aucfan.com/

英領西アフリカペニー白銅貨は、1945年に当時のイギリス領西アフリカ植民地がイギリスのバーミンガム私立造幣会社に依頼して作った硬貨です。

600万枚以上作られ、当時のイギリス領西アフリカで広く流通しました。

海外の硬貨には珍しく中心部に穴が空いているのが特徴的で、普通のものでもコレクターによって盛んに取引されています。

ただこの硬貨で特に珍しいのは、7枚から12枚ほど作られてしまったと言うエラーコインです。

英領西アフリカペニー白銅貨には、鋳造時のイギリス国王の名前が刻印されることになっていました。

1945年当時はジョージ6世が即位していたのですが、なぜかその前の国王であるエドワード8世の名前が刻まれたエラーコインが鋳造されてしまったのです。

エドワード8世はその8年も前に王位を譲っており、なぜそのようなエラーコインが作られてしまったのか、そしてなぜそれがごく少数ながら流通してしまったのかは、未だに明らかにされていません。

 

セント・ゴーデンズ・ダブルイーグル

引用元:https://www.unvcoin.com/

アメリカでは数多くの硬貨が作られていますが、このセント・ゴーデンズ・ダブルイーグルは「アメリカコインで最も美しいコイン」と称される20ドル金貨です。

アメリカの造幣局によって、1907年から1933年の間に発行されました。

1904年、当時のセオドア・ルーズベルト大統領は美しいデザインの硬貨を発行するために彫刻家のセント・ゴーデンズに硬貨のデザインを依頼しました。

ただセント・ゴーデンズはいくつか試案を作った後、デザインを本決定することなく1907年に亡くなってしまいます。

そこで造幣局に所属するチャールズ・エドワード・バーバーという彫刻家が鋳造しやすいようデザインに変更を加え、一般流通用に発行されました。

セント・ゴーデンズ・ダブルイーグルは主に海外への支払いに使用されましたが、1933年に国の金庫にある金貨をすべて没収する告知がなされ、セント・ゴーデンズ・ダブルイーグルもほとんどが溶かして再利用されてしまいました。

現在残っているものは支払いによって海外へ渡り、その国の金庫に収められたごくわずかなもののみです。

作られた年代によって価格は変化しますが、最も高い、1907年製のハイリリーフ(複数回の金属プレスで作られた、大量生産に無浮かないもの)はわずか22枚しか流通しておらず、2億円から3億円もの値段がつけられています。

 

天正菱大判

引用元:https://www.swissinfo.ch/

確かに立派な硬貨ではあるのですが、いわゆる小判を硬貨というカテゴリーで語るのは意外に思えるかもしれません。

中でも最も貴重で価値が高いのが、天正菱大判です。

天正菱大判は豊臣秀吉が1588年から金細工師の後藤四郎兵衛家が鋳造させた天正大判のひとつです。

天正大判には天正長大判、大仏大判、天正菱大判の3種類があり、それぞれ4万から5万枚ほど鋳造されています。

現在、存在が確認されている天正菱大判はわずか6枚しかありません。

2015年、スイスのチューリッヒで状態のいい天正菱大判が出品されたのですが、1億4300万円という高額で落札されています。

日本の大判だと、他にも「慶長大判」や「慶長笹書大判」などがコレクターの間で高値で取引されています。

 

エドワード8世フローリン銀貨

引用元:https://page.auctions.yahoo.co.jp/

イギリスでは1846年から47年にかけて十進法通貨制度の導入を検討しており、1/10ポンド(2シリング)に相当する補助通貨単位として「フローリン」を採用しました。

フローリンという名称は、イタリアで発行され、後の貨幣のお手本となったフローリン金貨に由来しています。

オランダやドイツなどでも同様のものが発行され、ギルダーと呼ばれていました。

イギリスでは1344年に、当時の国王であるエドワード3世がイタリアを真似てフローリン金貨を発行しています。

十進法自体は1971年に導入されたのですが、フローリン銀貨は1949年から流通が始まり、様々なデザインのものが作られました。

主に当時の国王の肖像が刻印され、いくつかのバージョンが作られたほか、イギリス連邦やイギリスの海外植民地でもデザインを微妙に変えたものが流通しました。

ただフローリン銀貨が発行された当時の国王に、エドワード8世という人物がいました。

エドワード8世は離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンと結婚するために歴代でも最も短い、在位325日という短期間で王位を手放しています。

この騒動は「王冠を賭けた恋」と言われました。

当然、この短期間で退位した国王をモデルとしたフローリン銀貨はごくわずかしか発行されず、一般流通用としては発行されませんでした。

 

南アフリカの1ポンド金貨

引用元:https://www.darumacoins.co.jp/

現在の南アフリカ共和国はランドという通貨を採用していますが、かつて南アフリカ共和国が「トランスヴァール共和国」という名前で呼ばれていたころには、後に合併して同じ南アフリカ共和国となる南アメリカ連邦と同じく、ポンドを通貨として採用していました。

南アメリカ共和国(トランスヴァール共和国)のポンド硬貨は、1883年から1902年にかけて9種類も作られ、初代大統領を務めたポール・クリューガーの肖像画が刻まれています。

トランスヴァール共和国は1910年に「トランスヴァール州」として南アフリカ連邦に組み込まれ、1961年には現在の南アフリカ共和国となります。

その際に通貨も独自のものであるランドに切り替えましたが、現在のランドの金貨はかつてのトランスヴァール共和国の1ポンド金貨のデザインを模したもので「クルーガーランド金貨」と呼ばれています。

 

リバティヘッド・ニッケル

引用元:https://coin-world.info/

アメリカでは5セント硬貨のことを「ニッケル」と呼びます。

ニッケルは1866年から発行が開始され、何度かデザインを変更しながらも現在も作られています。

コレクターが注目するものだと1866年から1883年の間に発行された「シールド・ニッケル」が有名です。

盾(シールド)が意匠にあることからシールド・ニッケルと呼ばれるこの硬貨は、デザインの中に当時の冶金技術では困難な部分があり、ほとんどのものに何らかの打ち型のミスが生まれていました。

その結果、普通の硬貨だと打ち抜きのミスなどがあるものはエラーコインとしてプレミアがつくものですが、シールド・ニッケルの場合はミスのないものにプレミアがつくという逆転現象が起きています。

またニッケルの中でも特に高値で取引されることのあるものに「リバティヘッド・ニッケル」があります。

自由の女神の横顔がデザインされていることからリバティヘッド・ニッケルと、またギリシャ数字の5を表すVが書かれていることから「V・ニッケル」とも呼ばれることもあります。

またこのリバティヘッド・ニッケルには本来あって然るべき「cents」の文字がデザインされておらず、5ドル金貨と同じ大きさをしていました。

そのためジョシュ・タタムという聾唖者がこのニッケルに金メッキを施して、5ドル金貨と偽っていたという伝承がアメリカにあります。

タタムは5セント以下の買い物に偽の5ドル金貨を使い、4ドル95セント以上のおつりを不正に手に入れるという行為を繰り返したために逮捕されましたが、5ドルであると口に出しておつりをだまし取ったわけではないために無罪で釈放された、と言われています。

もっともこのタタムの行いは公的に記録されているわけではないので、創作である可能性が高いです。

リバティヘッド・ニッケルは公式には1883年から1912年にかけて発行されたということになっています。

しかし実はごく少数だけ、非公式に、1913年に作られたリバティヘッド・ニッケルが流通しており、高値で取引されています。

現在1913年製のリバティヘッド・ニッケルは5枚存在することが確認されています。

2005年6月2日にはコイン販売店であるレジェンド・ニュミスマティックス社がコイン収集家であるエド・リーから415万ドル(約4億円)で1913年製のリバティヘッド・ニッケルを購入しました。

この金額はアメリカの硬貨に支払われた金額としては当時史上2番目の高額となりました。

 

ウマイヤド・ディナール

引用元:https://withnews.jp/

アラブ圏では、693年にウマイヤ朝が発行して以来、色々な王朝で「ディナール」と呼ばれる打刻硬貨が発行されました。

現代でもイラクやクウェート、アルジェリアと言ったアラビア語圏でディナールが発行されています。

ISILが建国を宣言したイスラム国でも、ディナールが発行されたことが話題となったこともあります。

ドルなどとは違い、同じディナールでも共通するものを持たず独自に発行しているために、それぞれで価値がまったく異なります。

2011年、イギリスのオークションで、1729年に鋳造されたウマイヤド・ディナールが出品されました。

このディナールはサウジアラビア王国の国王が出品したもので、表面には「bi'l-Hijaz」(ヒジャーズにて)と書かれています。

ヒジャーズとはアラビア半島の紅海側の地域で、イスラム教の聖地であるメッカとメディナもヒジャーズにあります。

この硬貨はアラビア半島におけるサウード王家(現在のサウジアラビア王国の王家)の権力を示す最初のものであるという言い伝えがあるそうで、歴史的な価値が非常に高く、なんと370万ポンド(約600万ドル)もの価格で落札されました。

この価格は落札されたMorton&Edenというオークション史上2番目に高額なものとなりました。

 

ブラッシャー・ダブルーン

引用元:https://aucfree.com/

海外小説に明るい人なら「ブラッシャー・ダブルーン」と聞くと、フィリップ・マーロウの『高い窓』を思い出すかもしれません。

『高い窓』は探偵フィリップ・マーロウシリーズの3作目にあたる長編小説で、日本では村上春樹が翻訳したものが有名です。

作中ではマーロウが、裕福で傲岸な性格をした老女エリザベス・マードックから出奔した義理の娘リンダを探すよう依頼されます。

エリザベスはリンダが亡き夫の遺したブラッシャー・ダブルーンを持ち去ったと信じて疑わないが、関係者も裏があるようで、調べ始めたマーロウの前に陰謀が立ちはだかる、という物語です。

さて実在のブラッシャー・ダブルーンは、世にも珍しい個人名のつけられた硬貨で知られています。

アメリカが独立して間もない1787年、金細工師のエフライム・ブラッシャーはアメリカ独自の銅貨を発行するようニューヨーク州に請願書を提出しました。

当時のアメリカでは貿易によって入ってきたスペインドルと、イギリス政府によって禁止されていた紙幣が実質的な貨幣として流通していました。

残念ながら嘆願書は却下されてしまいましたが、エフライムは自身の技術を活かして硬貨をデザインし、少数ながら鋳造しました。

これがブラッシャー・ダブルーンです。

ダブルーン(Doubloon)とはスペインやメキシコなどで作られた、ダブロン金貨のことを指します。

個人的に鋳造されたため、ごく少数しか残っておらず2011年には740万ドル(約7億5000万円)もの価格で落札されました。

 

カンガルー金貨

引用元:http://ohmiya.original-otakaraya.net/

カンガルー金貨は西オーストラリア州政府公営のパース造幣局が発行する金貨で、世界中で広く流通しています。

日本でも有名で、ウィーン金貨、メイプルリーフ金貨と並んで「世界3大金貨」のひとつとして数えられることもあります。

パース造幣局はオーストラリアでゴールドラッシュが発生していた1899年に、当時のイギリス王立造幣局の分室として誕生した由緒ある造幣局であり、オーストラリアでも最も古い歴史と、最も高い造幣技術を誇っています。

ただ今回紹介したいのは、ただのカンガルー金貨ではありません。

2012年1月、パース造幣局は直径80㎝、厚さ12㎝、重さなんと1000㎏という巨大なカンガルー金貨を鋳造したことを発表しました。

額面は100万オーストラリアドルですが金の分だけで、その価値はおよそ40億円以上になるそうです。

この巨大な、金貨と呼んでいいかも分からない金貨は当然「世界最大の金貨」としてギネス記録になりました。

実はパース造幣局は昔も10㎏の金貨を作り、ギネスブックに載っていたことがありました。

ですが2007年にカナダの造幣局が100㎏の金貨を作ったことで記録を塗り替えられてしまいました。

そのため更に巨大な金貨を作ることで、ギネス記録を奪い返そうとしたのです。

 

まとめ

今回は世界の珍しい硬貨について紹介しました。

様々な事情が背景にある珍しい硬貨は、コレクターズアイテムとしてその価値が非常に高くなっているものばかりです。

もちろんこれほどのものでなくとも、珍しい硬貨や今では見られない硬貨は専門のお店で探せばいくらでも見つかります。

硬貨と、それにまつわる事情はその土地の歴史や生きてきた人の生活を映す鏡のようなものです。

普段何気なく使ってしまうものですが、たまには手を止めてその存在に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。



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