古くから、絵画は私たちの心を魅了してきました。
もちろん単純に美しいというのもあるとは思いますが、絵画を通じて画家の訴えたいものを感じ取っているのかもしれません。
しかし中には見るだけで呪われると言われる絵画もあります。
今回はそんな呪われた絵画を紹介します。
『無題』
引用元:https://renote.jp/articles/2121
この見るからに不気味な絵は、「3回見たら死ぬ絵」だと言われています。
確かに相当不気味で、なんとなく説得力がありそうですが、筆者も含めて亡くなった例はないので恐らくデマではないかと思われます。
この絵を描いたのはズジスワフ・ベクシンスキーというポーランドの画家です。
ベクシンスキーは別名を「終焉の画家」と言われています。
死や絶望、破損、終焉と言った退廃的なテーマの作品を描いており、この絵の他にも独特な世界観の絵を数多く残しています。
ベクシンスキーは作品に理論づけや詮索をされることを嫌っていたため、作品に一切題名をつけませんでした。
そのためこの作品も無題です。
ベクシンスキーの作品は直接日本で見ることはできませんが、画集であれば日本でも購入できます。
またポーランドのチェンストホヴァという街にはベクシンスキー美術館があり、ベクシンスキーの作品を直接見ることができるようです。
『死せる母と子』
引用元:http://d.hatena.ne.jp/kingfish/20091019
この『死せる母と子』という作品はノルウェーのエドヴァルド・ムンクの作品です。
ムンクと言えば日本では『叫び』という作品で知られていますが、この『叫び』のほかにも多くの作品を残しています。
ムンクの作品は世紀末芸術という枠組みの中に含まれ、死と生、愛と裏切りなど内面的なテーマをどこか不安に満ちたタッチで描いています。
『死せる母と子』も例外ではなく、5歳のときに母親を結核で亡くしたことからインスピレーションを得て描いた作品であると言われています。
この作品を眺めていると少女の目が動いたり、母親のシーツの衣擦れの音が聞こえるなどの怪奇現象に見舞われると伝えられています。
描かれている少女も、母親の死を目前に何かから耳を閉ざすように耳をふさいでいます。
一体、何を聞きたくないのでしょうか。
『計画は人にあり、決裁は神にあり』
引用元:http://blog.livedoor.jp/searchofvermeer/archives/47821455.html
この作品はイギリスの画家エドウィン・ランドシーアによって描かれました。
エドウィンは馬や犬などの動物画を得意とする画家です。
この作品も、そんなエドウィンらしくホッキョクグマが非常に精巧に描かれています。
しかしよく見ればこの作品は何かの残骸があり、しかも人の肋骨のようなものも片隅にあり、非常に不吉なものを感じさせます。
実はこの作品は1845年に行われた、ジョン・フランクリン海軍大佐が率いる部隊による北極海探検航海を題材にして描かれたものです。
フランクリン遠征と呼ばれたこの探検航海は、遠征後間もなく隊員全員が行方不明となり、この作品が描かれた1864年当時には既にフランクリン大佐率いる部隊が全滅していると伝えられていました。
この作品は探検隊の遺体からインスピレーションを得て描かれたとも言われており、毎年試験の時期を迎えるとこの絵を見て恐怖のあまり発狂してしまう学生が表れると言われています。
そのため試験の時期には、この絵はイギリスの国旗を被せられ、見られないようにしているのだそうです。
『苦痛に満ちた男』
引用元:http://toshidensetsu-ikki.com/horror/the-anguished-man
この作品は、長くこの作品を描いた画家の祖母の家に保管されていました。
画家の祖母は、この作品は画家が自分の血を絵の具に混ぜて描かれ、完成した直後に画家は自殺したと語りました。
そして故にこの作品は画家の苦しみや呪いが込められており、飾った者に不幸をもたらすと、画家の祖母は言っていました。
しかしこの祖母が亡くなった後、ショーン・ロビンソンという男性がこの絵画を引き取りました。
するとショーンの息子が階段から落ちて大怪我をする、家族全員が横切る男の影を見る、夜ごとにすすり泣く声、苦しむ声を聞くなどの怪奇現象が相次ぎます。
そのためショーンはこの作品の調査を超常現象研究グループに依頼しましたが、その調査すら作品の呪いにより妨害されました。
YouTubeにはこの作品が本当に怪奇現象を起こしているのか確かめるために、一晩中この作品を録画した映像が公開されています。
興味のある方は閲覧してみてはいかがでしょうか。
『泣く少年』
引用元:https://believeitornot666.com/the-crying-boy/
この『泣く少年』という作品は、スペインの芸術家ブルーノ・アマディオ(イタリアの芸術家ジョバンニ・ブラゴリンとも名乗っていた)によって描かれました。
ブルーノは第二次大戦後のヴェネツィアで旅行者向けにこの『泣く少年』の絵シリーズを描きました。
ブルーノ自身は生前に27枚の絵を残しますが、『泣く少年』シリーズは1960年ごろから複製画が出回りました。
この作品が話題に上ったのは1985年のことです。
イギリス・南ヨークシャー地方で奇妙な火災が発生しました。
建物は全焼したにも関わらず飾られたこの『泣く少年』のみが無傷で残っていたのです。
しかも同様の奇妙な火災はイギリス中で相次ぎ、報告件数は数十にも及びました。
そのため「この『泣く少年』が火災を引き起こしているのではないか」と囁かれるようになりました。
後に新聞沙汰にもなったこの騒動によって、この奇妙な火災を報道したタブロイド紙『ザ・サン』のもとへ2000枚もの『泣く少年』が送られ、消防隊の監視のもと、焼却処分をするという事態にまで発展しました。
この『泣く少年』にはドン・ボニロ少年というモデルがおり、少年に発火能力があったため、描かれた今でもその能力を発揮しているのだ、という噂もあります。
しかしイギリスにはこの『泣く少年』が5万枚以上も流通しており、火災が起きた家にたまたま『泣く少年』があっただけという考え方もできます。
また『泣く少年』自体に燃えにくい加工が施されていることも相まって、このような噂に発展したのではないかと考えられています。
もっとも他の絵にもこの燃えにくい加工は施されており、他の絵が燃える中で『泣く少年』だけが燃えない可能性もまた、考え辛いものではあります。
『魂の器』
引用元:https://www.strangerdimensions.com/2018/01/16/haunted-painting-new-zealand/
この絵はニュージーランドの「トレードミー」というオークションサイトに出品されました。
アクリル絵の具を用い、赤い背景に褐色の器がぽつんと描かれる、やや不気味な絵です。
タイトルは『魂の器』と言い、作品の脇には「わたしの魂は器を形作っている」と記されています。
出品者が言うには、この作品はニュージーランドの北島にあるパウアヌイという町のアンティークショップで購入したもので、幽霊が取りついているとのことです。
出品者は購入後に家で「影のような人物」を見るようになり、この作品が呪われているか、そうでなくともこの絵と共に何者かが家に入りこんだ、と考えるようになりました。
そのため作品を破壊するか手放すことも考えたそうですが、怪奇現象に興味のある人のもとへ行けばいいと出品したそうです。
この『魂の器』は150ニュージーランドドルで落札されたようです。
新たな持ち主の下でも怪奇現象を引き起こしているのでしょうか。
おわりに
この記事では呪われた絵画を紹介しました。
呪われた絵画には、どれもどこか妖しい魅力のようなものがあります。
もちろんこの他にも呪われた絵画というのは存在します。
もし出会ったときに引き込まれないよう、気をつける必要があるかもしれませんね。