もし、あなたが「地球を支配している動物は?」と聞かれたら何と答えますか?
おそらく多くの人は「地球は人間が支配している星」と思っているでしょう。
しかし、そんな考えを大きく覆す事実があります。
全世界の人口は約70億人。
それに対して地球上には10,000,000,000,000,000,000(1000京)匹の昆虫がいると見積もられているそうです。
虫多すぎですよね・・・・
そんな昆虫の中には、カブトムシやホタルのように人に好かれている昆虫も多くいますが、一部にはとんでもなく獰猛だったり、危険を感じると猛毒で攻撃してきたりと、人間に害をもたらす超危険な昆虫もいます。
そんな危険な昆虫に不用意に近づくと、最悪の場合命に関わる可能性もゼロではありません。
本日はその中でも特に危険な昆虫を8種類ご紹介しましょう。
①オオスズメバチ
世界最大にして世界最強のハチであり、殺人蜂と呼ばれることもあります。
日本人なら誰もが知っている危険な昆虫No.1です。
オオスズメバチは、たった30匹で3万匹のミツバチを全滅させてしまうほどの強力な攻撃性を持っています。
その武器は、自分よりも大きな昆虫でも簡単に喰いちぎってしまう大アゴと猛毒を持つ毒針です。
オオスズメバチに刺されると神経毒「マンダラトキシン」によって激しい痛みに襲われますが、その毒は通常人間を死に至らしめる程のものではありません。
本当に怖いのは二度目に刺されたときに起こる「アナフィラキシー・ショック」です。
毎年オオスズメバチに刺されて20人~40人程の方が命を落としていますが、そのほとんどがこの「アナフィラキシー・ショック」によるものです。
「アナフィラキシー・ショック」とはオオスズメバチに刺された時に体内に出来る抗体が、二度目に刺されたときに過剰反応してしまうアレルギー反応のことです。
じんましん、呼吸困難、血圧低下などの症状が短時間で急激に現れ、最悪の場合命を落としてしまうこともあります。
一度オオスズメバチに刺されたことがある人は特に注意して下さいね。
②アフリカナイズドミツバチ
ミツバチと聞くと一見たいした事がなさそうな気がするかもしれませんが、アフリカナイズドミツバチは日本のミツバチとは全く別物です。
元々はアフリカのミツバチをブラジルに持ち込んだことが原因で、アメリカ大陸全域に広まってしまったこの蜂は、アフリカミツバチとセイヨウミツバチの交雑種であり、別名「キラービー」とも呼ばれています。
この蜂は、他の蜂に比べて縄張りに対する防御本能が非常に強く、巣に近づいた動物に対して大群で一斉に襲い掛かり、巣から1キロ以上離れても執拗に追いかけてきます。
一匹一匹の毒は強くはありませんが、一斉に数百匹のアフリカナイズドミツバチに襲われた場合の攻撃力は、何と家畜の豚も瞬殺されてしまうほどです。
実際にブラジルでは1970年代までに 200人以上が襲われて亡くなっているという記録があります。
蜂の専門家によると、
「蜂に刺されてフェロモンが付着すると、そのエリア全体にいる蜂のターゲットとなり一斉攻撃をされる」
ということです。
③クロゴケグモ
アメリカ大陸を中心に世界に分布しており、2000年には日本でも確認されています。
人家周辺に巣を作ることから北アメリカではクモに咬まれる被害の約半数がクロゴケグモによるものとされています。
極めて強力な毒を持ち、咬まれると呼吸困難に陥ります。
かつて治療法がなかった頃には、その死亡率は5%以上とも言われ、アメリカでは1950年から1959年にかけて、63人の死者を出したことが報告されています。
しかしながら現在では健康な人が危機に陥ることは滅多になく、咬まれることでの死亡率は1%未満です。
④シドニージョウゴグモ
主にオーストラリアのシドニー周辺に生息する超猛毒「ロブストキシン」を持つクモです。
その毒性の強さから全てのクモの中でも最強の毒蜘蛛と呼ばれるほか、人の爪を貫通するほど強力な牙も持っています。
オーストラリアでは毎年のようにその毒で命を落とす人が後を絶ちません。
⑤クロドクシボグモ
ギネスブックにも登録された正真正銘世界で最も強い毒を持つクモです。
主に南米に生息しており「ブラジリアンワンダリングスパイダー」の異名を持ちます。
咬まれた人は25分以内に死亡すると言われており、さらにたった一匹で人間80人を殺せる程の量の毒を有しています。
しかし、そのあまりにも強い毒性から現在では血清が作られているため、適切な治療を受けることができれば死亡率はそれほど高くはないそうです。
⑥ベネズエラ・ヤママユガ
主に中南米の熱帯雨林に生息する「殺人毛虫」の異名を持つ毛虫です。
節足動物の中で最強とも言われるその毒はガラガラヘビ等と同じ抗凝血性の出血毒で、刺されると傷口からの出血が止まらなくなり、内臓出血や脳内出血によって死亡することもあります。
南米では近年ようやく血清が作られ、死亡することは少なくなったようですが、それでも大量発生した年には多くの命が奪われているようです。
⑦アカヒアリ
南米大陸原産ですが、今では世界中に広く分布する凶暴なアリです。
世界の侵略的外来種ワースト100選定種であり、特定外来生物にも指定されています。
2017年には兵庫県で日本初上陸が確認され、大きなニュースになりました。
その恐ろしさは強力な毒針を持つことは元より、都市部や農村など人間の生活圏に巣を作るため、家畜のみならず人間への被害も非常に多く報告されています。
アメリカでは毎年1400万人以上の人々が刺されており、その内数%の人がアナフィラキシーを起こしているそうです。
繁殖能力を持つ女王蟻が日本で見つからないことを祈るばかりですね。
⑧パラポネラ
最後にご紹介するパラポネラは南米に生息しており、「最強のアリ」どころか「最強の昆虫」とまで呼ばれる殺人アリです。
その危険性から現地では「サソリより危険」と言われており、刺されるとまるで銃で撃たれたような激痛が来ることから、Bullet Ants(弾丸アリ)の異名で恐れられています。
その巨大な身体にはスズメバチ並の毒を持ち、毒針に刺されると焼けるような激痛が全身に走ります。さらにアゴが強く噛む力も桁外れ。
その威力は、どんなハチに刺されてもこれ以上の痛みはないとされるほど恐ろしい激痛らしく、焼けるような痛み、震えるような痛み、全ての痛みが同時にやってきて一晩中眠れないほどだそうです。
まとめ
今回ご紹介した昆虫達のほかにも世界には危険な生物が数多く存在します。
その中でも特に恐れられている危険な昆虫は、南米やアフリカなど日本からは遠く離れた場所に生息しているものが多いようですね。
しかし、現在では物流が発達している為、海外に生息する超危険な昆虫達がヒアリのようにいつ日本に上陸してもおかしくはありません。
私達が普段の生活の中でどれだけ気をつけていても個人レベルでは限界があります。
国民の安全の為にもこれら危険な生物が日本に入り込まないように、国にしっかりと管理してほしいものですよね。