犯罪組織と聞くとどんなイメージを抱くでしょうか。
昨今の犯罪組織は表立ったテロリズムから薬物の密売、人身売買、果てにはサイバー犯罪とその手口は多様化、かつ巧妙化しています。
日本にいると自覚しにくいかもしれませんが世界には私たちの想像を絶するような犯罪組織がいくつも存在しているのです。
今回は世界にある最大規模の犯罪組織を紹介します。
Dカンパニー
引用元:https://www.dnaindia.com/
Dカンパニーはダウード・イブラヒムというインド系イスラム教徒が設立した犯罪シンジケートです。
1970年代にインドで設立されましたが現在はパキスタンを中心に活動し、タイ、アラブ首長国連邦、南アフリカ共和国、サウジアラビアにまで活動範囲を広げています。
構成員はおよそ5000人ほど、末端まで数えると10万人を超えると言われています。
もとは薬物密輸を中心としていましたが現在では武器密輸や恐喝、誘拐、殺人、人身売買など手口が多角化しており、1993年に発生したボンベイの爆弾テロを主導していたとも考えられています。
ボンベイの爆弾テロは257人が死亡、700人以上が負傷した一大テロ事件です。
主犯として逮捕された「タイガー・メモン」ことイブラヒム・ムシュタク・アブドゥル・ラザック・メモンとヤクブ・アブドゥル・ラザク・メモンがDカンパニーの構成員だったとされているのです。
Dカンパニーは同じくアジアで勢力を強めていたイスラム系テロ組織であるアルカイダやタリバンとも関係を結び、犯罪行為のほか不動産や銀行業などで数十億ドルもの活動資金を賄っていると言われています。
意外なところではインドの映画産業にも関わっており、著名な作品の制作に携わっています。
三合会
引用元:https://www.sbs.com.au/
三合会(トライアド)は香港を拠点とする特定の犯罪組織の総称を指す言葉です。
中国ではいわゆるマフィアやギャング、裏社会の総称として「黒社会(ヘイシャ-ホェイ)」という言葉がありますが「黒社会」が漠然とした意味合いであるのに対し、三合会はより明確な意味合いを持っています。
三合会のルーツは17世紀、清代にまで遡ります。
清代の支配に抵抗するために「漢民族の復権」、「満州族の排斥」、「反清復明」をスローガンとして掲げた「会党(秘密結社)」が元となっており、清代末期、孫文の革命運動にも協力しています。
同様に清代への抵抗から生まれた犯罪組織としては天地会(洪門)という組織もあり、両者はもともと同一の組織だったとも言われています。
三合会はゴールドラッシュの時期には北米大陸や世界各地の華人社会に拡散し、中国共産党政権が樹立されると迫害から逃れる形で香港へ定着しました。
1960年代、1970年代には香港警察と癒着する形で存在感を強めており、当時イギリスの作家であるマーティン・ブースは香港警察のおよそ3分の1が黒社会とつながりを持っていると証言しています。
ただ1980年代をピークに次第に三合会は勢力を弱め、現在では57ほどの組織が三合会を名乗っていると言われています。
近年三合会は中国本土とのつながりを強めていると言われ、香港反政府デモなどで暴力を振るっていると考えられています。
コロンビアの麻薬カルテル
引用元:https://www.mysanantonio.com/
コロンビアは非常に麻薬の密売が盛んな国で、1970年代から1980年代にかけて多くの麻薬カルテルが存在しました。
代表的なものとしては「麻薬王」と呼ばれたパブロ・エスコバルの組織した「メデジン・カルテル」やヒルベルトとミゲルのロドリゲス兄弟の組織した「カリ・カルテル」が挙げられます。
他にもカルロス・レーダーの組織した「ムエルタ・セクエストラドレス」や「コカインのゴッドマザー」と呼ばれたグリセルダ・ブランコの組織など、大小様々な麻薬カルテルがあります。
特にメデジン・カルテルはカリ・カルテルと共に対米麻薬密売のおよそ8割を占め、年間で数億ドルの収入を得ていたとしています。
メデジン・カルテルは傭兵組織を雇ったり、自動火器や戦闘機など揃えるなどを単なる犯罪組織を超えた武装集団となり、他のカルテルやコロンビア政府、アメリカ政府と争うようになります。
1989年にはアビアンカ航空203便の爆破テロやコロンビアの首都ボゴタの警察本部前の爆破テロなどをきっかけにメデジン・カルテルとカリ・カルテル、アメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領の支援を受けたコロンビア政府軍との「麻薬戦争」が勃発し、メデジン・カルテルの本拠地であるメデジンが無政府状態に陥っています。
この麻薬戦争によってカルテルの指導者であるエスコバルが死亡し、配下も300人以上が失われ、メデジン・カルテルは大打撃を受けました。
アメリカ軍やコロンビア政府による掃討作戦は麻薬戦争後も続き、現在では主だったカルテルの大半は壊滅し、組織としての実態や影響力を失っています。
しかしメデジン・カルテルを始めとする旧来のカルテルは現在も勢力を維持していると言われており、根本的な解決のためにはコロンビアの貧困問題への対応が必要だと言われています。
マラ・サルバトルチャ
引用元:https://www.msn.com/
マラ・サルバトルチャは中央アメリカからアメリカ合衆国にかけて存在するギャンググループのひとつです。
通称「MS-13」、「MS」、「Mara」などと呼ばれています。
構成員の大部分は中米のエルサルバドルという国の出身だと言われていますが、周辺のグアテマラやホンジュラス、更にはアメリカ合衆国にも3万人ほどの構成員がいると言われています。
近年ではカナダやメキシコ、コロンビアといった南北アメリカに加えイギリスやドイツと言ったヨーロッパ諸国でも活動が確認されるなど、勢力を拡大しているようです。
この組織は麻薬密輸、武器の密売、不法入国、殺人など様々な非合法行為に手を染めており、2012年、オバマ政権下のアメリカではマラ・サルバトルチャを国際的犯罪組織に指定したほか2013年には構成員6名に対して制裁措置を発動、2013年から2014年にかけて構成員を「FBI10大最重要指名手配」に選びました。
FBI10大最重要指名手配は、過去にはウサマ・ビン・ラディンなどが登録された指名手配リストであり、選ばれると顔つきのポスターが公共機関などに張られ、高額の報奨金が設定されます。
現職のアメリカ大統領であるドナルド・トランプは自身のTwitterアカウントで「オバマ政権による弱腰の移民政策のおかげで、全米各都市で悪名高いMS-13が勢力を伸ばした。速やかに排除する!」と発言しており、強硬な移民政策と共に、マラ・サルバトルチャとの全面戦争も辞さない姿勢を露わにしています。
メキシコの麻薬カルテル
引用元:http://fun.jjang0u.com/
1982年にロナルド・レーガン大統領が南部フロリダとカリブ海地域の取締を強化し、コロンビアの麻薬カルテルはコロンビアからフロリダへの麻薬の密輸が難しくなりました。
そこでコロンビアの麻薬カルテルは南米とアメリカの橋渡しとなる位置にあるメキシコの密売人と協力することで、メキシコからフロリダへの新たな麻薬の密輸ルートを開拓することに成功します。
その結果、「麻薬王」ホアキン“エル・チャポ”グスマンの「シナロア・カルテル」や「ハリスコ・ニュージェネレーション」、「ベルトラン・レイブ・カルテル」を始めに、多くのカルテルが組織されました。
メキシコの麻薬カルテルは麻薬の密輸のほか武器の販売、更に裁判官を腐敗させるか脅迫することで司法の腐敗を招くほか、民間軍事企業を招いて重武装化を進めています。
2006年12月にメキシコ政府が組織犯罪との戦争を宣言した後、メキシコ政府とメキシコの麻薬カルテルの争いは激化し、20万人以上の人々が死亡・失踪していると言われています。
特に2017年には逮捕されたホアキン・グスマンがアメリカへ引き渡されたことでカルテル間の争いが激化し、この年だけで25000人もの人が死亡しました。
メキシコ政府と麻薬カルテルの争いはますます激化していくことが予想されています。
リズート・ファミリー
引用元:https://www.theglobeandmail.com/
2018年12月にNetflixで配信が始まった『バッド・ブラッド:悲しみのマフィア』はカナダ・モントリオールの裏社会に実際に存在する犯罪組織リズート・ファミリーを題材とした作品です。
リズート・ファミリーはヴィト・リズートという男によって作られました。
ヴィトはシチリア島に生まれ、幼い頃にモントリオールに移住します。
父親ニコロがモントリオールのギャングと結婚したことを期にヴィトは裏社会へ関わるようになり、1970年代に勃発したマフィアの争いを制することで一大ファミリーを築き上げました。
リズート・ファミリーはモントリオールで建設詐欺、麻薬密売、贈収賄、株価の操作、マネーロンダリングなどに関わり、他地域のマフィアや官僚と関係を持っていたと言われています。
ヴィト・リズートは他の犯罪組織とは違い、争いを嫌って、ごく限られた、家族同様の側近と共に他の犯罪組織同士を仲介し、モントリオールの裏社会を平和裏に支配しました。
しかし2013年にヴィトが死亡、2015年にはヴィトの息子で、ファミリーの後継者でもあったレオナルドとレオナルドの側近であるステファノ・ソレシートが逮捕されています。
セルビアマフィア
引用元:https://file.army/
セルビアマフィアは密輸や密売、違法賭博などに関わっています。
国内や旧ユーゴスラビア連邦圏内だけでなく、ヨーロッパ全土に影響力を持っておりヨーロッパ最大のコカイン輸入企業である「Groupa Amerika」、ニューヨークの犯罪組織「YACS」などの組織もセルビアマフィアのネットワークに組み込まれています。
また日本でも2004年に35億円相当の宝石を、2007年2億8400万円相当のティアラ・ネックレスを盗んだことで知られる国際犯罪組織「ピンクパンサー」もセルビアマフィアのひとつと言われています。
セルビアで犯罪組織が力を持つようになったのは、ユーゴスラビア戦争を期に1992年5月からセルビアに経済制裁が課せられたことがきっかけです。
セルビアが経済的に孤立することで、元兵士や若者が資金を求めて悪事に手を染めるようになったのです。
それ以前にも代表的なマフィアとして「ゴッドファーザー」リューバ・ゼムナのファミリーや銀行強盗ジェルコ“アルカン”ラズナトヴィクの組織した「デリゲ」などがありましたが、経済制裁を機に勢力を拡大させました。
2000年代初頭にはセルビアマフィアは最盛期を迎え、セルビア政府よりも資金があるなどと言われ、現在でも政府や他の犯罪組織との抗争が続いています。
アルバニアマフィア
引用元:https://www.ocnal.com/
アルバニアマフィアはアルバニアや隣接するコソヴォ、マケドニアに拠点を置くか、アルバニア人が主体となっている犯罪組織の総称を指します。
イスタンブールとベオグラードの間にある「バルカン・コネクション」という犯罪組織のつながりの要をアルバニアマフィアが担っていると言われています。
ただ一口に「マフィア」と言ってもアルバニアマフィアは他のマフィアとは成り立ちが少々違います。
アルバニアマフィアの起源は15世紀にまで遡ります。
当時アルバニアではレク・ドゥカジニ公という君主のもと、アルバニア人の氏族は「カヌン」、「ジャクマリャ」という掟に従って暮らしていました。
この掟が犯罪組織の形成を助長し、法による規制を妨げていました。
アルバニアマフィアは冷戦期、鎖国していた国内で発達し、1980年代に共産主義政権が崩壊すると一気に国際的に影響力を持つようになります。
アルバニアマフィアは麻薬や武器の密売、ほかにも偽札の製造などにも関わっていると言われています。
ほかにもアルバニア人戦闘組織である「コソボ解放軍」とも関わりがあるとも言われていますが、定かではありません。
イタリアンマフィア
引用元:https://yuuma7.com/
本来、「マフィア」というのはイタリアのシチリア島を起源とする組織的な犯罪集団のことを指します。
イタリアにはこの「マフィア」のほかにナポリを中心とする「カモッラ」、カラブリア州を拠点とする「ンドランゲタ」、プッリャ州を拠点とする「サクラ・コローナ・ウニータ」の四大犯罪組織のほか、ニューヨークとシチリアに影響力を持つ「コーサ・ノストラ」という組織も存在します。
コーサ・ノストラは19世紀末にイタリアからアメリカへ進出し、ラッキー・ルチアーノの下、ユダヤ系、アイルランド系ギャングと共に犯罪シンジケートを形成することで巨額の富を築きます。
1950年代から60年代にかけてコーサ・ノストラは賭博、組合、用心棒代、売春、麻薬密売など幅広い分野で収入を得ていましたが、70年代に入るとアメリカで制定されたRICO法(組織犯罪対策法)によってその勢力が衰え、現在ではアメリカのコーサ・ノストラは壊滅状態にあります。
ちなみにコーサ・ノストラはマフィアから派生した組織であり、厳密には両者は区別されます。
マフィアはシチリアからアメリカへ広まった組織、コーサ・ノストラはアメリカでラッキー・ルチアーノが結成し、第二次世界大戦中にルチアーノがイタリアへ強制送還される際に付いていった組織のことを指します。
ヘルズ・エンジェルス
引用元:https://curazy.com/
ヘルズ・エンジェルスは1948年にアメリカ・サンフランシスコ州で結成されたモーターサイクルギャング(バイクに乗ったギャング)です。
日本で言うところの「暴走族」に相当する組織ですがヘルズ・エンジェルスは世界22か国に10000人、下部組織も含めれば20000人もの会員がいる巨大組織であり、殺人や強盗、恐喝、売春、武器や麻薬の密売などを行っています。
アメリカのバイクレースを取り仕切るアメリカン・モーターサイクリスト・アソシエーションは「99%のバイク乗りは遵法的である」と発言していることから、ヘルズ・エンジェルスのようなアウトロー集団は「1%クラブ」と呼ばれます。
一方でヘルズ・エンジェルスも自身が「1%クラブ」であることは認めつつ、非合法な行為に及んでいるのはほんの一部であり、メンバーのほとんどは他と同様に遵法的であると主張しています。
ソルンツェフスカヤ・ブラトワ
引用元:https://www.pinterest.jp/
ロシアン・マフィア(ルースカヤ・マーフィア)の起源は、ソビエト連邦末期の混乱だと言われていますがロシア系からチェチェン系、グルジア系など様々で、普通ロシアン・マフィアというときは単にロシア国内で活動する犯罪組織を指します。
ロシア内務省によるとロシアン・マフィアの組織数は大小合わせて5600ほど、構成員は10万人を超えており、ロシアのGNPのおよそ40%をロシアン・マフィアが稼いでいると言われています。
ただロシアン・マフィアの定義は曖昧であり、現在では犯罪行為に及んでいないオリガルヒ(ソ連が崩壊し、資本主義経済へ移行する過程で興った、政治的な発言力を有する新興財閥)などが含まれることもあります。
現在のロシアン・マフィアの多くは1990年代に生まれました。
その多くは地域別に結成され、中でもモスクワ市ソンツェヴォ地区でセルゲイ“ミハス”ミハイロフが組織した「ソルンツェフスカヤ・ブラトワ」はモスクワ市、モスクワ郊外の120以上のホテルや企業をコントロールしていたと言われています。
ソルンツェフスカヤ・ブラトワは武装した私兵集団を組織し、売春、恐喝、賄賂、人身売買、マネーロンダリング、ハッキングなどおよそ考えられるすべての犯罪行為を行っていました。
ただ現在では90年代に多く組織されたロシアン・マフィアは大半が崩壊するか形骸化していると言われ、ロシア国内での脅威は不法入国者によって組織される民族主義的な組織犯罪集団だそうです。
ムンギキ
引用元:https://kenyainsights.com/
ムンギキはケニアにある犯罪集団です。
ケニアの最大民族であるキクユ族の若者によって1980年代に組織され、組織名はキクユ語で「群衆」、「多数派」を意味しています。
ケニア独立のために戦ったマウマウ団が元となったと考えられており、設立当初は「反西洋文化・キクユ至上主義」を主張する半宗教団体でした。
しかしマチェーテという伝統的な鉈を使って敵対者の皮をはがす、首や女性の性器を切り落とす、切った首を晒すなどの蛮行に及び始めたため2002年に非合法化しました。
ムンギキはケニアで2番目に大きなスラムであるマサレを拠点とし、勢力を拡大するにつれてその数を活かして政治や経済の分野に深く関わるようになります。
2009年には自警団とムンギキが衝突し、29人もの死者が発生しています。
エイティーンス・ストリート・ギャング
引用元:https://www.dailymail.co.uk/
エイティーンス・ストリート・ギャング、またはM-18、Barrio 18は、1985年にアメリカ・ロサンゼルスで結成されたギャングです。
主にメキシコ系によって構成されておりそのメンバー数はロサンゼルス市内だけで2万人を超える、全米最大のギャングです。
ロサンゼルス市内では1日に必ず1人はエイティーンス・ストリート・ギャングのメンバーに襲われるとも言われています。
メンバーの多くは身体のどこかにアラビア数字の「18」かローマ数字の「XV3」のタトゥーを彫っているのが特徴的です。
アメリカ国内には「クリップス」や「ブラッズ」、先に挙げたマラ・サルバトルチャなど多くのギャングがありますが、メンバーの数だけで言えば、エイティーンス・ストリート・ギャングが他を圧倒しています。
台湾の暴力団
引用元:http://labaq.com/
日本では暴力団が政治に関わったことは表向きありませんが、台湾では1980年代、国民党が現地の暴力団を使って恐怖政治を敷いていた歴史があります。
また国民党を結成した孫文は、広東省の暴力団に資金援助を受けていました。
現在では台湾も恐怖政治から民主主義へ転換し、暴力団の政治への関与を絶ち切っています。
しかし暴力団と懇意にしていた歴史があるために、台湾では「竹聯幇」、「天道盟」、「四海幇」、「松聯幇」という4つの暴力団が非常に大きな勢力を持ち、日本の暴力団のように売春、麻薬密売、マネーロンダリングなどの犯罪行為を行っています。
そのうえ暴力団のトップが亡くなった際には大勢の構成員が葬列に並び、白昼堂々公道や会館を占拠して盛大な葬儀を行うという、日本では見られないような光景を見られます。
また台湾の4大暴力団は1996年に台湾政府の規制に反発して独自に「正義党」という政党を作ろうとしたこともあります。
「山口組」にような日本の主要な暴力団や、沖縄を拠点とする「旭琉会」などとつながりがあるなど、私たちの生活とも完全に無縁な存在であるとも言えないようです。
ヤクザ(日本)
引用元:https://courrier.jp/
ヤクザは日本国内に存在する暴力団の通称です。
「親分子分」という独自の関係をベースとした複雑かつ強固な階層によって組織され、他の犯罪集団と違いヤクザに入ろうとする人は、他のつながりを一切捨てなければなりません。
そのためヤクザは世界で最も中央集権的な犯罪集団だと言われています。
現在警視庁は暴力団対策法に基づき、国内24の団体を指定暴力団と定め、そのうち「六代目山口組」、「住吉会」、「神戸山口組」、「稲川会」の4団体を更に主要暴力団と定めています。
主要暴力団は非常に構成員が多く、4つを合わせるだけで日本の暴力団員のおよそ70%を占めます。
この中でも特に「六代目山口組」は正規の構成員と、階層から外れた準構成員を合わせるとおよそ1万人にもなる大規模の暴力団であり、薬物密売や賭博、ゆすりなどで大きな利益を挙げています。
その規模はイタリアンマフィアやロシアン・マフィアを凌ぐものであり、世界でも1、2を争うと言われています。
まとめ
今回は世界最大規模の犯罪組織の数々を紹介しました。
世界中で犯罪組織を撲滅する動きがありますが、順調にことが運んでいないのが現状です。
犯罪組織の多くが単純な暴力に訴えかけるだけでなく、資金や人員を使って社会の裏側や権力に入りこみ、定着してしまっているのがその原因でしょう。
私たちにできることは、決して犯罪組織の利益にならないことです。
特に海外へ旅行に出かける際は日本で生活するよりも注意して過ごすようにしてください。
犯罪組織は私たちの思うよりもずっと身近に潜んでいるかもしれないのです。