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世界一速い魚・バショウカジキの生態!その泳ぐ速度は何と…

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「世界一速い魚」がどのくらい速いのか想像できますか?

陸上動物では、皆さんが知っている「チーター」が一番速く、時速120㎞ものスピードで走ります。

ちなみに私たちが100mを10秒で走ったとすると時速36㎞になります。

今回ご紹介する「バショウカジキ」が一体どのくらいのスピードで泳ぐのかとても気になりますよね。

これを踏まえて、「バショウカジキ」がどのくらいの速度で泳ぐのか想像しながら記事を読んでみてください。

 

バショウカジキの生態

スズキ目マカジキ科に属し、全長約3.5m、重量約100Kgにもなる大型の魚で、漁獲される個体はほとんどが全長2m前後だそうです。

全体的に細長い紡錘形の体型をしていて、体は小さく細長い鱗に覆われています。

体色は生きているときは体背面が濃青色で、腹面が銀白色、体側中央には細長い水色の斑紋が縦に並んでいます。

背鰭も体背面の体色と同様に濃青色をしており、鱗膜には黒点があります。

しかし、死んでしまうと劇的に体色が変化し、全身が黒っぽい色へと変化します。

インド洋、太平洋の温帯海域と熱帯海域に広く分布しており、日本海では東北地方以南に分布していますが、北海道南部でも稀にみられることがあります。

日本近海産の産卵時期は4月から8月で、フィリピン東方海域で産卵します。

幼魚は第一背鰭と第二背鰭が連続していますが、成長するとともに第二背鰭が分離します。

 

バショウカジキの特徴


特徴的な尖った吻(上顎)は、下顎よりも伸長し、両顎には小さな歯があります。

もう一つの特徴である第一背鰭はほかの魚に比べるととても大きく、前半部分と後半部分が特に高く発達します。

一方、腹鰭は細長く、吻とほとんど同じ長さになります。

第一背鰭は普段折りたたまれていて目立ちませんが、背鰭を水面上に拡げて泳いだり、獲物を追って急旋回するときなどに大きく広げることがあります。

この特徴的な大きな背鰭が帆のように拡がることから、英名には「sail(帆)」が付けられており、まっすぐな葉脈のあるバショウの葉に似ていることから、標準和名には「芭蕉」とつけられています。

日本の各地方ではそれぞれ呼び名があり、富山県・石川県では「ビョウブサシ」、神奈川県では「ミノカジキ」、三重県・和歌山県では「スギヤマ」、高知県では「バショウ」「バンバ」、山口県・福岡県では「バレン」長崎県では「ハウオ」、鹿児島県では「アキタロウ」「ゲンバ」など様々です。

この二つの特徴的な吻と第一背鰭を器用に使い、主食である魚類や頭足類などの獲物を捕らえる行動がほかの魚とは変わっています。

魚群を発見すると得意な遊泳力で獲物に急接近し、追いつくと急旋回し、第一背鰭を最大に拡げて急ブレーキをかけると共に、魚群の前に立ちふさがり、混乱した魚を長い吻で叩きつけて捕食します。

 

バショウカジキの速度


本種が分類されるマカジキ科の魚類の中でも最も高速で泳ぐことができ、水中では最速の動物です。

バショウカジキの特徴である長く突き出した吻で水を切り裂きながら泳ぎ、長い腹鰭や大きい第一背鰭を拡げることでブレーキをかけることができるようになっています。

泳ぐスピードは時速110㎞にも及ぶと言われており、魚類最速としてギネスブックに登録されています。

このデータは針掛かりしたバショウカジキが100ヤードのラインを全て出すのに3秒かかったというデータ元に計算されたもので、わかりやすく換算すると1秒あたり30メートル以上泳げる計算になります。

実際にバショウカジキの遊泳スピードを海で計測した科学論文では平均で時速2㎞、発信機を取り付けて追跡した実験では最高で時速8㎞だったそうです。

その時にその時に最大のパフォーマンスをしているかは客観的には判断できないため、この結果が最高速度かどうかは不明です。

 

バショウカジキの速さの秘密


近年の研究で、マカジキの体に今まで知られていなかった線が発見され、これが高速で泳ぐことができる大きな理由になっている可能性があることがわかりました。

学術誌「Journal of Experimental Biology」に転載されている論文によると、細長く突き出したメカジキの吻の付け根には油を生成する線があり、泳ぐときにこの線から脂肪酸の混合液が分泌され、毛細管と小さな孔を通じて皮膚へと送り出されていることがわかったそうです。

この研究から、この油分がメカジキの頭部前面に撥水層を作り出し、水の抵抗を抑えて楽に泳ぐことができるのではないかと考えられています。

しかし実際に泳いでいるところを確認することは難しいため、メカジキのMRI画像を精査したところ、油を輸送する毛細管と小孔の周りに並ぶとても小さなうろこ状の突起を発見しました。

この突起が水とメカジキの皮膚との間にごく小さなエアポケットを生み出し、水の滑りをよくしていることが考えられ、簡単に言うと体が撥水加工されているということになります。

 

バショウカジキの飼育

高速で遊泳するため捕まえづらく、体が傷つきやすいので輸送が難しいことなどから飼育は非常に難しいとされています。

日本国内では2008年と2009年にアクアマリンふくしまで飼育・展示されていました。

同館では2008年に予備水槽で約2週間の飼育に成功し、2009年に展示水槽で約2ヶ月の飼育に成功したそうです。

東京都の葛西臨海水族館でも、鹿児島の定置網へ出向き、幼魚採集と餌付けを行うなどして飼育に挑戦しています。

 

バショウカジキの幼魚

幼魚のときから成魚のバショウカジキと全く同じ姿をしており、特徴的な鋭く細長い吻や第一背鰭は小さいながらに立派に主張しています。

成魚がそのまんまミニチュアになった姿を見た人たちは、「フィギュアみたい」「キーホルダーみたい」「ルアーみたい」など可愛いといった声が多く挙げられています。

カジキ類の幼魚が稚魚網により採集される大きさは全長10㎜程度以下がほとんどで、15㎜を超えるものは非常に少なく、20㎜を超えるものはほとんどいないようです。

バショウカジキの初期成長は産卵後約3週間から4週間で体長10㎜から20㎜に達する程度のものではないかと考えられています。

 

バショウカジキの釣り

バショウカジキは外洋回遊魚ですが、カジキの仲間に比べると比較的沿岸に出現しやすいことから、トローリング(釣り)の対象として人気があり、磯からのルアーでも狙うことができます。

沿岸に接近してくる時期はだいたい初夏から秋の間で、バショウカジキの大きさは30㎏から40kgの個体がほとんどで、餌はイワシなどの小魚なので、トローリングの際にはイワシや小魚に似せたルアーを用います。

最も多く用いられる釣法は、ほかのカジキの仲間と同様にボートでのトローリングが代表的です。

主に南シナ海を中心に台湾、フィリピン、マレーシアなどで釣ることができます。

トローリングのポイントは、バショウカジキに食い気が立っていると、海面に餌となるイワシやキビナゴなどが沸き立ち、海上には海鳥が群がっていること。

もう一つは、獲物を襲うときにバショウカジキの特徴である第一背鰭を拡げ、海面に突き出していることがあるので、海面に第一背鰭が見えるとそこにバショウカジキがいることがわかること。

この2点を踏まえて、上手く狙うことができると成功する確率は高くなると思います。

 

バショウカジキの刺身

また、日本の漁業ではマグロ延縄や突きん棒、定置網などで漁獲され、食用としても市場に流通します。

水揚げ後の処理によって大きく鮮度が変わるため、漁師は吻をつかんで頭部を一撃して速やかに締めの作業を行います。

海外では遊漁での重要種であるため、キャッチ&リリースが定着している海域もあるそうです。

食用としては夏と秋が旬とされており、繊維質が強く脂肪の少ない淡い色をした赤身です。

脂の乗っていないバショウカジキの身は赤に近い朱色ですが、水温が下がってくると脂が乗り、バショウカジキの身の色はオレンジ色に近いピンク色に変化します。

このように身の色が変化することによって食べ頃の目安が分かるそうです。

味はほかのカジキの仲間に比べるとやや劣りますが、定番の刺身やシンプルな塩焼きが多く食べられています。

ほかにも、小骨が少なく油なじみが良いのでフライや唐揚げ、また身を食べた後のあら煮でも食べられています。

 

まとめ

最速の魚バショウカジキが時速110㎞を超える速さで泳ぐことができるのには、想像を超える速さで私も驚きました。

このユニークなフォルムも見てみたいですが、高速で泳いでいるとこをを実際に見てみたくなりました。

カジキの仲間のカジキマグロなんかはお寿司屋さんやスーパーに並んでいるので手軽に食べることができますが、バショウカジキは普段見かけることはないので、これからスーパーなどに行く際にはバショウカジキを探してみてはいかがでしょうか?




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