夏の午前、太陽が照り始めた頃に畦道などを歩いていると、そばの石の上に気持ちよさそうに日向ぼっこをしているトカゲの姿を見ることがあります。
最近ではトカゲをペットとして飼育する人も多くなり、ペットショップなどで色んな種類のトカゲを見る機会も増えています。
日本の自然の中で見ることができるニホントカゲや二ホンカナヘビは、頭の先から尻尾の先まで20~25cmほどです。
しかし、世界には信じられないくらい巨大なトカゲが生息しています。
今回はそんな世界最大の巨大トカゲTOP6をご紹介していきます。
6位 キシノウエトカゲ
引用:https://www.wwf.or.jp
キシノウエトカゲは、宮古列島と八重山列島に生息する日本固有種であり、天然記念物である、トカゲの仲間です。
現地では、バカギザあるいはパリイズゥ(畑の魚)とも呼ばれ、かつては貴重なタンパク源の1つとされていました。
体長は最大で40cmにもなる、日本最大のトカゲと考えられています。
ニホントカゲをそのまま大きくしたようなsmartな体つきをしていて、体長の半分ほどを尻尾が占めています。
体色には個体差がありますが、やや黄色い淡褐色の肌に、帯状の黒いラインが縦に入っています。
このラインは成長するに従って薄れていきますが、子供の頃はくっきりしていて、全身が黒っぽく見えます。
オスはメスより頭部が大きく、繁殖期になると顎が赤みを帯びる特徴があります。
キシノウエトカゲは、草原や海岸などの開けた場所に生息しています。
ある程度隠れる場所があれば住処を選ばず、農耕地や民家の庭先に姿を現すこともあると言われています。
日中性で、昆虫、ミミズ、甲殻類、カエルや小型のヘビ、自分より小さなトカゲまで、様々な生き物を捕食します。
春先になると繁殖期を迎え、オスたちは互いの頭部を狙って噛みつき合う、コンバットダンスをして、メスを取り合って争います。
その後、卵が孵化するまで、メスは一匹で巣を守るとされています。
体が大きいキシノウエトカゲですが、同じ地域に棲む大型のヘビや人間が島に持ち込んだイタチを天敵としています。
そのため、個体数が激減しており、絶滅が危惧される生き物になっています。
5位 アメリカドクトカゲ
引用:https://natgeo.nikkeibp.co.jp
アメリカドクトカゲは、主にアリゾナやメキシコの砂漠や乾燥した荒れ地に生息するトカゲの仲間です。
英名は「Gila Monster(ヒラ・モンスター)」と言われており、アメリカドクトカゲが多く生息していた南アリゾナ川(Gila River)の名前に由来しているとされています。
トカゲは世界中に3400種ほどが存在しますが、ドクトカゲと呼ばれる有毒種は、アメリカドクトカゲとメキシコドクトカゲ、コモドオオトカゲの3種のみです。
全長は45cm前後で、最大で60cm程の個体が記録されています。
胴は円筒形でずんぐりとしていますが、太さは栄養状態によって変化するとされています。
尾は太く短く、四肢も短めで頑丈な爪がついています。
体背面を覆っているウロコは粒状で細かく、体の色はピンクで、黒の横帯があり非常に派手に見えますが、砂や小石が多い砂漠では保護色になると考えられています。
主に日没の頃に動き回ることが多く、昼間はほとんど岩の隙間や地中で寝ているため、なかなかお目にかかることはできません。
動物食性で、主な食物は鳥の卵やヒナなどで、他にもトカゲやカエル、死んだ動物の肉なども食べるとされています。
大好物の鳥の卵を食べるために、高い木に登ることもあります。
重たそうに見えますが、手足を器用に使って木や岩をよじ登ります。
新陳代謝が非常に低いため、トカゲの中でも走る速さが1番遅いと言われており、実にゆっくりと歩き回るとされています。
アメリカドクトカゲが持つ毒は神経毒であり、咬まれると激しい痛みを伴って、めまいや吐き気などの症状が出ることがあります。
しかし、その毒性は死に至るような強いものではないようで、これまで死亡事例は報告されていません。
性格は非常におとなしく臆病であるため、好んで人間に襲い掛かることはありません。
さらに、アメリカドクトカゲは一生の95%近くを地下で過ごすために、人の目に触れることも極めて少ないトカゲなのです。
そのため、愛好家たちの間では、有毒種でありながらも、ぜひ見たいと思われている珍しいトカゲなのです。
4位 メキシコドクトカゲ
引用:https://www.hatyu.info
メキシコドクトカゲは、メキシコやグアテマラに生息するトカゲの仲間です。
先ほど紹介したアメリカドクトカゲとは親戚関係にあり、姿形もよく似ていますが、メキシコドクトカゲの方が大きく、スリムな体形をしており、模様も暗い色をしています。
全長は50~70cm程で、最大で100cm以上の個体も記録されています。
体色は黄褐色や淡赤褐色で、頭部や四肢の先端はより暗色になります。
胴体や尾には、網目状に暗褐色の斑紋が見られます。
メキシコドクトカゲは、乾燥した熱帯落葉樹林やアカシアからなる藪地などに生息しています。
昼間は地面にあいた穴や木の根元、樹洞、樹上などで休み、日没頃に活動を始めるとされています。
しかし、夏季および雨期には夜間に、冬季には昼間に活動することもあると考えられています。
動物食性で、爬虫類やその卵、鳥類の卵やヒナ、小型哺乳類、昆虫などを食べるとされています。
メキシコドクトカゲが持つ毒は、血液中の赤血球を破壊する作用があり、最悪の場合、内臓が機能しなくなることもあると考えられています。
しかし、メキシコドクトカゲの毒は比較的弱く、死亡事例は報告されていません。
人間の居住地や農地開発による生息地の破壊、道路建設による生息地の分断などにより、生息数は減少しており、保護が必要な生き物だと言えます。
3位 ミズオオトカゲ
引用:http://marandr.com
ミズオオトカゲはインドから東南アジアに分布するトカゲの仲間です。
アジア全域で、最も一般的に見られるオオトカゲの仲間として知られています。
体形は細く、首も長いですが、全体的にがっしりとした体に見えます。
四肢は力強くて指が長く、丈夫で鋭い爪があり、太くて長い尾を持っています。
全身は細かな鱗で覆われ、普通は黒色や黒褐色のような黒っぽい体に黄色い点状や輪状の斑紋が並んでいるのが見られます。
また、眼から後方に伸びる黒っぽい帯が見られるが、体色や斑紋などは地域によって多少の差が見られるとされています。
舌はかなり長く、フォーク状でヘビのようです。
大きなものは全長が2.5mを超え、スリランカで最大のものは全長3.21mであったと報告されています。
日中に活動し、主に原生林やマングローブが茂る湿地に生息しており、植物や水のないところでは見られません。
ミズオオトカゲは名前のように、河川や海岸などの水辺近くに生息しており、半水生の生活をしています。
好んで水の中に入り、泳ぎは巧みで、長い尾は水の中で推進力を得るために役立っていると考えられています。
潜水能力にも優れており、30分間程度は水中に留まることができると言われています。
陸上でも体の大きさの割には俊敏であり、丈夫で頑丈な四肢と爪を使って木に登ることも出来るとされています。
動物食性で、魚やカエル、ヘビやカニなどの甲殻類の他、鳥やその卵、小型のげっ歯類などを食べています。
また、カメを食べることもあり、ワニの子供や卵を襲うこともあるとされています。
嗅覚も優れており、腐肉を探し出して食べることもあるとされています。
獲物に食らいつく時は、哺乳類の肉食動物のように、前肢で押さえつけて、鋭い歯で肉を引き裂くようにして食べます。
ミズオオトカゲは食用や薬用とされたり、川は皮革製品として利用されますが、現在のところ絶滅の恐れはないとされています。
しかし、森林開発や水田の造成などによる、生息地の減少などもあり、国や地域によっては保護動物に指定されています。
2位 ハナブトオオトカゲ
引用:https://hachurui-pet.com
ハナブトオオトカゲは、ニューギニア島のみに生息するトカゲの仲間です。
全長は2.5~3m程で、最大全長は4.75mにも達するとされており、世界最長のトカゲとも言われています。
ハナブトオオトカゲは、体の3分の2以上を占めるほど長い尾を持っていることが特徴です。
胴体は短くスリムな体形をしており、口先は太く丸みを帯びていて、口先がとがっている他のオオトカゲの仲間とは違っています。
体の色は黒色で、胴体や尾に大小様々な大きさの黄色い斑点が散在しています。
子供の頃は黄色い斑点が大人より多く、より美しい模様をしています。
これらの斑点は、熱帯雨林の木々に紛れて外敵から身を守る役割を果たしているとされています。
ハナブトオオトカゲは、マングローブ林や熱帯雨林に生息していて、普段は木の上で生活しています。
足の爪は鋭く曲がった形をしていて、木にしっかりと掴まることができるようになっています。
また、長い尾を枝に巻き付けて体を支えたり、水中を泳いだりすることも出来ます。
昼行性で動物食性で、昆虫や鳥、小型の哺乳類から死んだ動物の肉まで、様々なものを食べます。
真っ直ぐ鋭い歯を持っていて、肉をそぎ取ったり、引き裂いたりするのに適しています。
素早い身のこなしで獲物に歯を突き立てて仕留め、引き裂いて食べてしまいます。
ハナブトオオトカゲは非常に攻撃的な性格であり、長い尾を鞭のようにしならせ、たたきつけて攻撃してくることもあるとされています。
また、鋭い歯を持っているため、危険なオオトカゲの仲間として知られています。
ハナブトオオトカゲに、人間が噛まれて死亡した事例も報告されています。
1位 コモドオオトカゲ
引用:https://www.hatyu.info
コモドオオトカゲは、インドネシアのコモド島、フロレス島、リンチャ島に生息するトカゲの仲間です。
体長約3m、体重140kg以上にまで達し、地球上で最も重いトカゲだと考えられています。
コモドオオトカゲは、何百万年もの間、インドネシアの島々の過酷な自然環境の中で繁殖を続けていましたが、その存在が知られるようになったのは100年前のことなのです。
あまりの大きさから、初めて発見した人は「この島には恐竜が生きている」とパニックになったという噂もあります。
長くて平らな頭部に、丸い鼻、ウロコに覆われた皮膚、弓のように曲がった足とたくましい巨大な尾を持ちます。
少数の島にしか生息しないコモドオオトカゲは、その島では支配者として君臨しています。
コモドオオトカゲは、死肉やシカ、ブタ、自分より小さな同種の個体だけでなく、大型の水牛や人間さえも捕食してしまうのです。
体を周囲の風景に溶け込ませてひたすら待ち、強力な脚力と鋭い鉤爪とサメのようなギザギザな歯で、近づいてくる獲物に飛びかかり、内臓を抜き出してしまうのです。
コモドオオトカゲは歯の間に複数の毒管を持っており、噛みついてから引っ張るなどの動作をする間に、毒を獲物の傷口に流し込むとされています。
毒液は、血液の凝固、血圧の低下、筋肉の麻痺、そして意識の喪失を引き起こすとされています。
噛まれて毒を注入された獲物は、その場では逃げられたとしてもやがて絶命し、鋭い嗅覚で発見されてしまうのです。
生息地が限られているため、この雄大な姿を後世に残すためにも保護をしていく必要があると考えられます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
世界には、日本のトカゲからは想像もできないような体の大きなトカゲが多数生息しています。
しかし、もし実際にその姿を見ても、近づきすぎることはオススメしません。
体が大きいということは、それだけで脅威となるからです。
今回紹介した種の中には、動物園で見ることができる種もいますので、見たいという人はぜひ調べてみてください。