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史上最強の海中生物モササウルスの生態(大きさ・特徴・絶滅理由他)

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およそ4憶年前以降、恐竜たちが陸上で覇権を握っていた時代、海の中では『海のオオトカゲ』と呼ばれ当時最強の海棲爬虫類と謳われていた『モササウルス』がいました。

映画「ジュラシックワールド」でも登場し、その絶大な大きさと強さに圧巻した方も多いのではないでしょうか。

今回は彼らの絶滅してなお最強の座を渡さない強者たる所以とその終わりを紹介していきたいと思います。

 

史上最強のモササウルス・ホフマニイ

さて、モササウルスを語る上で一つ注意があります。

モササウルスはメガロドンやホオジロザメのように一種を指しているわけではありません。

モササウルスは広義の意味でモササウルス科(以下、モササウルス類)の爬虫類もしくはモササウルス属の爬虫類を指しているものが多いです。

つまりスイカやメロンを瓜と言っているようなものですね。

テレビやネットで最強と言われているモササウルスはおそらくモササウルス類最強で最後の種であるモササウルス・ホフマニイ(Mosasaurus hoffmannii)のことでしょう。

同じモササウルス類のティロサウルス(ティロサウルス属の一種)がモササウルスとして紹介されていたり、混ざっていたりすることもあるようです。

ここではモササウルス類の中で最強を誇ったモササウルス・ホフマニイをモササウルスとして紹介をしていきます。

引用;https://page.auctions.yahoo.co.jp/

 

モササウルスとは

モササウルス類は地質年代でいうところの中生代白亜紀(1憶4500万~6550万年前)の後期に現れた大型の海棲爬虫類で、その化石は西ヨーロッパや北アメリカ大陸、南極、ニュージーランド、そして日本でも見つかっています。

モササウルス・ホフマニイ(以下、モササウルス)が出現したのはおよそ7900万年~6600万年前です。

ポルトガル付近の大西洋に生息し、現代のオオトカゲ類あるいはヘビ類の近縁とされています。

引用;http://takatonbinosu.cocolog-nifty.com/

 

モササウルスの名前の由来

モササウルスの名前の由来はその化石が初めて見つかった場所にちなんでいます。

モササウルスの化石はオランダ南部の都市のマーストリヒト近郊の鉱山で発見されました。

当時はモササウルスという生き物自体が発見されていなかったため「マーストリヒトの大怪獣」と呼ばれていましたが、やがて種として証明されたときmosa’s(マーストリヒトの)saurus(トカゲ)の造語でMosasaurus(モササウルス)と名付けられました。

引用;https://twitter.com/rexk18_k/

 

モササウルスの大きさ

モササウルスの推定全長はおおよそ15m程度だったと考えられています。

現代の海洋生物最強を誇るホホジロザメですら大きくなっても6m程ですので、2倍以上の大きさがあったということになります。

また、モササウルスの頭骨は大きく、1.6m程もあります。

頭骨の大部分はワニのような長い吻になっているので、どれだけ大きい口なのかが分かると思います。

顎も頑丈で、その口の中は後方に湾曲した沢山の鋭い歯が並んでいます。

引用;https://www.artstation.com/

 

モササウルスは泳ぎが遅い?

モササウルスはその姿をわかりやすく言うと「四肢と尾が鰭になったオオトカゲ」で、体も大きいので鈍くさそうに感じる方もいるかもしれません。

実際、最近までモササウルスは悠然と泳ぎ、獲物を待ち伏せして捕らえるなどの方法で狩りを行っていたとされていました。

しかし最新の研究でモササウルスは「効率的に」「高速で」「長距離を」泳ぐことが出来たと言われています。

最大の理由はモササウルスの尾ひれの形です。

モササウルスの尾ひれはサメのような不等尾型の尾ひれをしていたことがわかりました。

サメと違い下に長い三日月のような形ですが(サメは上に長い三日月のような形)、この尾ひれはたった一回振っただけでより大きな推進力を得られたと考えられています。

また、モササウルスの胴体は流線型をしているため水の抵抗が少なかったと示唆されています。

このことから、モササウルスは遠洋性のサメと同等の高い遊泳能力があったと指摘されています。

遠洋のサメの最速はアオザメで時速55kmですので、これに近い速さだったということになるとぞっとしますね。

引用;http://www.shigakujuku.net/

 

モササウルスの眼は3つある!?

モササウルスには第三の眼がありました。

眼と言っても「松果眼」と呼ばれる主に光感知用の器官で、頭頂眼や顱頂眼(ろちょうがん)とも呼ばれます。

現存種のトカゲ類などでは頭頂部付近にあり、角膜・水晶体・網膜まで揃っています。

人間には松果体として脳に存在し、体内時計に関わる役割を果たしています。

モササウルスは前述した通りオオトカゲ類の近縁ですので、やはり松果眼を持っていて明暗に敏感だったとされています。

つまり、自分と海面の間を泳ぐ獲物や海上と飛ぶ獲物が作る一瞬の明暗の変化さえも見逃さない、という感知能力が備わっていたということになります。

ジュラシックワールドでもモササウルスの松果眼の特性は出ています。

ショーの際はプールの上にサメをかざしただけで出てきましたし、その後にプテラノドンがプールの上に飛んできた時も出てきましたね。

あれはモササウルスが餌を待って上を見ていたというわけではなく、松果眼で水上の獲物の陰りを察知し、飛び出してきたということでしょう。

引用;https://ameblo.jp/w1106alex/

 

モササウルスの食性

モササウルスは主にイカ類やサメを含む魚類、アンモナイト、ウミガメや他の海棲爬虫類など大型の海洋生物を食べていたとされています。

モササウルスのいた時代は主に爬虫類の体の超大型化がピークで、海では全長が10m程になるクビナガリュウ類とホホジロザメのようなサメ類の祖先などが生態系上部に位置していました。

その中でモササウルスは生態系上部に位置していた大型の海洋生物に手を出し生態系の頂点に君臨しました。

もちろん、大型の海洋生物の方もただ食われることはなく反撃に出ていました。

特にサメ類とは熾烈な直接対決を度々していたようで、モササウルスの化石にはサメ類による「噛み跡」が確認されています。

また、化石には治癒した痕跡を持つものが少なく、モササウルスが絶えず闘争していたことがわかっています。

引用;https://matome.naver.jp/odai/

 

モササウルスの出産方法

モササウルスは最近の研究で哺乳類と同じような胎生だったことが明らかにされました。

卵を産まずにある程度胎の中で子供を育ててから海中に産み落としたとされています。

敵の多い白亜紀時代の海では確実に種を残していける有効な手段だったのかもしれないですね。

引用;https://imgur.com/gallery/PzGDH

 

モササウルスの絶滅理由

モササウルスはその大きな巨体にも関わらず高速遊泳が出来、第三の眼をもって探知能力が高く、大きな口と強靭な顎で大型海洋生物を仕留めて着実に繁栄した、正に史上最強の海棲爬虫類と言えるでしょう。

生態系の頂点にまで上り詰めほぼ敵なしだったモササウルスはなぜ絶滅してしまったのでしょうか。

一番有力で有名な説は恐竜を滅ぼした絶滅事件として名高い「K/Pg境界大量絶滅事件」の小惑星衝突説といわれています。

その詳細は以下の通りです。

約6600万年前直径10kmに及ぶ小惑星がユカタン半島に衝突しました。

衝突地周辺は瞬時に燃え上がって消滅し、衝突によって吹き飛ばされた近く表層は粉塵となって大気に滞留、長期間にわたって日光を遮って「衝突の冬」と呼ばれる寒冷期をもたらしました。

衝突の冬は植物を枯らし、植物を食べる草食動物を、そしてそれらを食べていた肉食動物を滅ぼしました。

さて、この事件によって全海洋生物種の66~68%が死滅したとされています。

さらにこういった絶滅事件では生態系の頂点に近い種ほど滅びやすい傾向にあることからも、この事件でモササウルス類は絶滅してしまったと考えられています。

※「K/Pg境界大量絶滅事件」とは白亜紀を表すドイツ語のKreideと、古第三紀を表す英語のPaleogeneにちなんで呼ばれています。

余談ですが、白亜紀のドイツ語をKreideにしたのは英語での白亜紀がCretaceousで「C」始まりだからです。

「C」始まりの地質時代名は多くあるので混ざらないようにドイツ語にしたのです。

PaleogeneがPgで示されるのも同じような理由で、「P」始まりの時代名が他にもあるので区別するためこの表記が採用されました。

引用;http://legendaryfigures.hatenablog.com/

 

まとめ

現在発見されている最古のモササウルス類の化石は約1憶年前の地層から見つかった「ハアシアサウルス」で、最新のモササウルス類の化石は約6600万年前のもので本記事でもモササウルス類として紹介してきた「モササウルス・ホフマニイ」です。

このたった3000万年と少しの間でモササウルス類は現れ、繁栄し、そして最後は他の恐竜と同じく小惑星の衝突によって絶滅へ追いやられてしまいました。

短い時間の中で濃い進化をした彼らは現代においても生き残っていれば今でも海洋の覇者となっていたでしょう。

ですがモササウルス類の歴史はまだまだ解明されていないことが沢山あるので、また新たな伝説を古代から教えてくれるかもしれませんね。

今後の新しい発見に期待です。




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