生物

意外と知らない植物の雑学・トリビア10選

動けないがゆえに置かれた環境でサバイバルをするために、多種多様な能力や、高度な子孫繫栄プログラムを持っている種が多く存在する植物。

その進化の過程には謎やドラマも多く、私達が食用にしているものや、子供の頃に遊んだことがあるような身近な植物にも、知られざる特徴が多くあります。そんな植物の不思議を実感できる雑学を11選集めました。

 

植物全体の雑学

植物はなぜ凍らない?火傷もしないのはなぜ?

夏の海岸では、裸足では砂浜や岩の上を歩くのが困難なほど地表の温度が高くなり、50℃や60℃といった熱した鉄板のような高温を記録することも珍しくありません。

にもかかわらず、灼熱の砂地を這うツルナやハマヒルガオなどは、枯れることもしおれることもありません。これは葉の表面の光沢や毛が光を反射して、気孔から水分を蒸発させて体温を下げているからです。

一方で気温が氷点下に下がった場合、暖かい場所へ這って移動することもできない植物たちは、どのようにして外気から身を守るのでしょうか?

生物は細胞の内部まで凍ってしまうと、解凍しても生き返るということはありません。液体窒素で凍らせた金魚を水に放つと、生き返ったかのように泳ぎ回ることがありますが、これは金魚の体表が凍っただけで、細胞までは凍っていないからです。

実は寒冷地に生息する植物も、これと同じ方法で外気から身を守ります。例えば真冬の北海道では、大木の幹の中心部の温度はマイナス2℃~3℃まで下がります。

しかし、植物の細胞は動物と異なって体の中にぎっしり詰まっているのではなく、呼吸や光合成をするために細胞と細胞の間に“細胞間隙”というスキマが存在します。

この細胞間隙の間に細胞内の水分が出てきて凍るので、窒素で凍らせた金魚のように樹木の細胞の外側だけが凍った状態になり、氷点下の環境でも凍結することがなく生き延びることができるのです。この凍結に耐えられる能力の限界は、温暖地帯の常緑広葉樹や草本でマイナス5℃~20℃、冷温帯の落葉広葉樹や針葉樹では、なんとマイナス30℃~50℃とされます。

上の画像は、シソ科の多年草である“シモバシラ”という植物のものです。この植物は、冬になって葉が落ちて、一見枯れたように見える状態になっても生きていて、茎は地面から水を吸い上げ続けます。

そして冬の寒い朝に茎が凍って破裂、そこから水をしみだして見事な霜柱を茎の根元に作ります。霜の華が咲いたような幻想的な様子は美しく、冬の野山で見ることができる人気の光景です。この不思議な霜の華も、冬の間も茎が冷気に負けずに生きているからこそ、見られる景色と言えるでしょう。

 

雑木林は全て人工

里山の雑木林は自然が生み出したもの、と思っている方も多いかもしれません。しかし、雑木林はもともと薪や炭として活用するために造られた林であり、薪炭林と呼ばれることもあります。

他にも萌芽林、農用林などと呼ばれることがありますが、雑木林はスギやヒノキといった材木用に使われる「真木」以外の雑多な木、「雑木」を人工的に植えた場所を雑木林と呼ぶのです。

一般的に雑木林は、薪や炭を作るために10年~20年ごとに伐採されます。そしてその後、残った切り株から芽が出て、それが新しい林をつくる。この繰り返しで雑木林は保たれてきました。

しかし、1960年代から薪や炭の需要はほとんどなくなり、雑木林が手入れされることもなくなりました。堆肥用に採取されていた落ち葉も放置されているため、林床を彩っていた草花も見られなくなってしまったのです。

つまり、人間が手を入れなくなったことによって雑木林の生態系は崩れ、かつて生息していた植物や生物が雑木林から姿を消していってしまったことになります。

近年「自然を大切に」という言葉が良く使われますが、雑木林の自然を守ることは、定期的な樹木の伐採や落ち葉の収取などを行うといった人間の管理が必要となります。人の手が入らないと守れない変わった自然が雑木林なのです。

 

種子の不思議

多くの植物は動けないというデメリットをカバーするために、自分の子孫の分布を広げるべく、種子をより遠くに運ぶ仕組みを持っています。

例えば、オナモミやセンダングサのような“ヒッツキムシ”と呼ばれる種子は、動物の体に付着して散布されます。また、カンアオイやスミレなどの花は、種子にアリを惹きつける“エライオソーム”と呼ばれる付属体を持ち、アリに種子を散布させるという面白い性質を持ちます。

引用元:http://idtools.org/

上の画像は、ノウセンカズリ科のソリザヤノキという植物の種子です。種子の周りを囲むように大きな翼が付いており、種子を滑空させることで散布距離を広げるという特徴を持ちます。

熱帯雨林の植物は果実のなる高さが高くなるため、このような翼は種子の散布に大きく貢献しているのです。

ニューギニアやフィリピン、インドネシアの熱帯雨林に生息する、ウリ科の大型つる植物であるハネフクベの種子は、境最大の翼を持つ種子として知られています。

ハネフクベの種子を入れる果実は、直径20cmを超える楕円形で、中に翼をもつ種子が整然と並んでいます。この種子の本体には直径30mm、短径20mm程度の平べったい楕円形で、その周囲に湾曲した薄い膜状の翼が付いていおり、この翼がなんと幅15cmにも及ぶのです。

この種子は人が手に持った状態からでも、十数mを滑空することができます。その滑空する姿は実に優雅で、航空力学の研究対象になったこともあると言います。

引用元:http://www.takikawaskypark.jp/

グライダーを開発したドイツのエルリッヒとウエルズは、ハネフクベのハネフクベの種子の飛行原理を研究して、グライダー設計の参考にしたそうです。ハネフクベの種子は、わずかに上下しながらゆっくりと落下することから、まさに天然のグライダーと言えるのです。

日本にもハネフクベ程の飛行距離ではないものの、これに似た性質を持つ植物は存在します。シナノキやハルニレ、カエデ類、ウバユリやヤマイモなどの種子に小さな翼が付いており、子孫の拡散に役立っています。

 

陸上植物はどうして緑色?

私達は草木の茂った場所のことを“緑地”と呼び、植物は当然のように緑色であると思い込んでいます。しかし、海の中に生息する海藻の色は、緑だけではなく赤やオレンジ、茶色、こげ茶色と実に多彩です。つまり、海の植物は緑色だけではありません。

引用元:https://phys.org/

藻類の中で大型に成長するものを海藻と呼んでいますが、海藻は色によって大きく3つのグループに分けられます。アサオやヒトエグサなどは緑藻、コンブやワカメ、ヒジキなどは渇藻、アサクサノリやテングサは紅藻と呼ばれます。

どの海藻も細胞の中には光合成を担う葉緑素と呼ばれる色素があり、これが1種類であれば全て同じ緑色となります。色の要素としては葉緑素の他にも褐藻素、紅藻素と呼ばれる色素があり、海藻はこれらが組み合わさることで多彩な色を生み出しているのです。

海岸に打ち上げられた海藻をお湯につけると、褐色の海藻が瞬時に緑色に変化します。また、紅い海藻をメチルアルコールに漬けると、やがてそのアルコールは緑色になります。つまり、褐藻では葉緑素が熱で分解されずに残り、紅藻では葉緑素がアルコールに抽出されたことが分かります。

引用元:https://killerlabz.com/

褐藻素とも呼ばれる“フコキサンチン”は、細胞内ではタンパク質と結合して赤色となります。これと葉緑素が共存することで褐色の海藻を誕生させるのです。そして、熱を加えるとフコキサンチンがタンパク質と分離し、フコキサンチンそのものが橙黄色になり、褐藻は褐色から緑色に変化します。

一方の紅藻素の“フィコエリトリン”は、フィコビリン類がタンパク質と結合したものです。これはメチルアルコールでは分離しないため、紅藻をアルコールに入れると葉緑素だけが溶け出してアルコールが緑色に変化します。

昆布やワカメといった海藻は、海で見る野生の状態よりも海藻サラダに入っているものの方が、鮮やかな緑色をしていますよね。これは、熱を通して塩漬けしたためです。

現在陸上に生息している植物は、全て海藻にルーツを持っています。もしも数億年前に海から陸上に上がってきた海藻が褐藻や紅藻であったとしたら、陸上の植物も褐色や赤といった暖色になっていたかもしれません。

 

野菜や果物の雑学

何が果実でどこが種子?

果実と種子の区別はなかなか厄介で、特にバラ科の植物などは、1つの科の中で多様な果実を持っています。バラ科の果実にはウメ、サクランボ、リンゴ、梨、ビワ、イチゴと様々なものがあり、中でももっとも単純なものがサクラや梅の果実です。

サクランボやウメ、モモでは、雌しべの花柱が取れた後に子房が成長して外側が多肉質に、内側が硬化して核となっていき、硬化した内側の果皮を割ると中から1個の種子が出てきます。私達が食べているサクランボやモモは、子房に由来する果皮なのです。

ではイチゴはどのように果実が作られるのでしょうか?イチゴには、野草で知られるキイチゴ類やヘビイチゴ類、そしてスーパーなどに並ぶ食用のイチゴがあり、いずれの種類も華には雌しべが多数あり、果実の作りは複雑になっています。

キイチゴ類は、多肉質の粒々の中にそれぞれ1個ずつの種子が入っています。言ってみれば、たくさんのサクランボが1つの塊になったようなものです。

引用元:https://mog-lab.com/

一方でヘビイチゴや食用のイチゴは、身の外側についたゴマのような粒々の1つ1つが、それぞれ雌しべとなっています。雌しべの子房は薄い皮だけになっており、代わりにガクや花びらを生んだ“花の台座”とも呼べる花托が多肉質となり、その部分を私達は果実として食べているのです。

このように、私達が果実として食べているものは植物の様々な器官が発達したものとなっています。花ではどこの器官だったのかを考えて果実を食べるのも面白いですよ。

 

穀物と野生種の違いとは?

イネや麦といった穀物には、他の野生植物にはないような様々な特徴が備わっています。栽培されている穀物は成熟した時に、種子が親株から落ちないのです。本来、成熟した時に種子が親株から離れないとなると、遠くに種子が運ばれることができません。

しかし人間の都合を考えると、穀物が成熟した種子から順に落下していってしまうと収穫時の非常に効率が悪くなります。そのため、成熟をしても種子が落ちないように穀物を改良をして、人間の手によって収穫をして次の種まき時まで保管されるようになったのです。

穀物畑には、イネ科の雑草も多く生息しています。通常は雑草は成熟したら種子を落としますが、なんとこれらの畑に生息する雑草は、あえて種子を落とさずに穀物と共に収穫され、人間の手によって遠くに運ばれることを選ぶのです。

史前帰化植物と呼ばれるナズナやヤムエグラといった一連の田畑の雑草は、このように日本に侵入したのではないか?とも考察されています。

さて、穀物の不思議な特徴としてもう1つ、一斉に発芽して一斉に実るという性質が見られます。野生植物は乾燥や病気といった理由で芽生えが全滅する時に子孫が絶えることが無いように、全ての植物が一斉に発芽するというようなことはありません。

ところが、人の保護下にある穀物では、全ての種子が発芽して成長のスピードを合わせた方が、結果的に多くの子孫を残せます。畑にある全ての穀物が同じ時期に種子を実らせると、あっという間に数万の子孫を残すことができるのです。そのため、これを何世代か重ねることによって、自然と穀物は同じ時期に発芽するようになります。その方が、有効に子孫を残せるからです。

いっせいに実るという性質についても、人間の収穫によって獲得した性質です。いっせいに刈り入れを行われる時期に花が咲いていなかったら、自分だけ子孫を残せなくなってしまいます。このことから、穀物は同じ時期に、遅れることなく実を結ぶのです。

そして、刈り入れの時期に同調できなかったものは淘汰されていくために、残った種は同じ時期に毎年実るようになっていきます。ちなみに、弥生時代のものと思われる石器の中からは、穂摘みのものと思われる道具が出土しています。このことから、当時の穀物はまだ一斉に実を結んでいなく、刈り入れも一回では行えていなかったのではないか?と考察されています。

 

茎にはトマト、地下にはジャガイモの夢の作物・ポマトとは?

“ポマト”とは、1978年にドイツで開発された、ジャガイモとトマトの細胞を融合させて誕生させた作物です。ポテトの“ポ”とトマトの“マト”をとって名付けられました。

ポマトが開発された当時、植物工学の画期的な手法の1つとして注目を浴びていたのが、遺伝子の組み換えと細胞融合でした。前者は、初期の頃は組み込んだ遺伝子が正常に機能しないケースが非常に多く、発光素の遺伝子を細胞に組み込んだ“闇に光るタバコ”のような限られたものをのぞいて、うまくいきませんでした。

しかし、遺伝子組み換えについては今でも研究が盛んにおこなわれており、害虫にとって毒にとってなるタンパク質を組み込んだトウモロコシ“スターリンク”は、アメリカで飼料用に実用化されており話題となっています。

一方で“細胞融合”は、一時期大きな話題となっていましたが、現在では全くと言ってよいほど成果が上がっていません。ポマトも、開発当時は注目されたものの、実用には至っていないのが現状です。

細胞融合は実際に行うとなると難しく、植物の組織から細胞をバラバラにした後に、細胞壁を溶かして裸の細胞を取り出し、それを異なる種との間で交配するという手順が必要となります。さらに、そこから融合した細胞を選び出して増殖させ、そのうえで細胞の塊から不定胚を作り出すか、不定芽を出させなければいけないのです。

そのため、従来の育種が効率が良く、ポマトもあまり定着しなかったとされます。

 

テングサの産地は海、寒天の産地は山

テングサと寒天の関係は、イカとするめのようなもので、原料と製品の関係です。ではなぜ海で採れたテングサを山でわざわざ加工して寒天にするのでしょうか?

例えばアサクサノリは海岸で栽培・採取されて、浜で干されて乾海苔になります。ひじきも海岸でゆでて乾かされ、乾燥ひじきとなります。つまり、食用の海藻は、そのほとんどが産地である海の付近で加工されて出荷されていくのです。

テングサは海岸で採取された後に、浜で水をかけて脱色し、乾燥します。その後長野県や岐阜県に運ばれて、そこでまず茹でてトコロテンが作られるのです。

そして、その後は水を落とした冬の水田にトコロテンの棚が並べられ、よく乾燥させて寒天が作られます。この時の日中の気温は3℃~10℃が適温とされ、これを1週間~2週間繰り返すことで凍結乾燥が行われるのです。

引用元:https://www.kankou-ena.jp/

寒天は江戸時代から日本が世界に輸出していた特産品の1つで、戦前までは世界の寒天生産量の90%を日本が占めていたと言います。

寒天ができたのは江戸時代初期の1650年代と考えられており、京都の宿屋で偶然野外に放置していたトコロテンが凍結乾燥され、これに水を加えて戻したところ、さらに美味しくなることが分かったことから誕生しました。

寒天ははじめ“トコロテンの干物”と呼ばれていたそうで、寒い時期に作られることから“寒天”と呼ばれるようになったそうです。

京都で誕生したことから、当初は関西地方で製造されていた寒天ですが、19世紀の半ばに、より気候が適した信州地方へ加工場所が移されます。鉄道の発達に伴って海の無い信州方面に各地からテングサが集まるようになり、長野県や岐阜県が寒天の生産地として有名になっていったのです。

 

植物の種固有の雑学

光るキノコはなぜ光る?

発行する生物と言えばホタルやホタルイカが挙げられますが、動物以外で発光する種はキノコだけです。日本にもツキヨタケやアミヒカリタケ、グリーンペペの俗称を持つヤコウタケなど、複数の発光キノコが確認されています。

動物では雄と雌の交信や、外敵から身を護るために発光していると考えられていますが、キノコがどうして光るのかは、実はまだ分かっていません。

毒キノコとしても有名なツキヨタケは、上の画像のように群生していることも多く見られ、ツキヨタケの発光部分の総面積が100㎠もあれば、暗闇の中でも2mm~3mm程度の文字が読めることが可能と言われています。

さて、発光キノコがなぜ光るようになったのかは不明ですが、どうやって光るのかは判明しつつあります。キノコには動物のように光を発する器官があるわけではなく、全体あるいは菌糸束が光っているのです。つまり、全ての細胞が発光するので、細胞内に発光物質が存在するとしか考えられません。

2015年に名古屋大学大学とロシア科学アカデミーの共同研究チームが、光るキノコの中には“ヒスピジン”というキノコが持つ物質に反応する固有の酵素が含まれており、この酵素の働きで発光していることが解明されました。

現在、この酵素の正体と光るキノコのメカニズムを解き明かすべく、ゲノム解読などの研究が進められています。

 

クルミの木の下ではなぜ植物が育たない?

昔から、クルミの木の下では他の植物の育ちが悪いということが知れらていました。どうやらその理由が水分や光の奪い合いではない、ということは分かっていましたが、原因が判明したのは比較的最近のことです。

クルミからはユグロンと呼ばれる化学物質が分泌されており、他の生物の育成を妨げていることが判明したのです。

このように他の植物の発育を妨げたり、逆に他の植物の成長を促進するような作用を及ぼす現象を“他感作用”と呼び、これはクルミ以外の植物にも多く見られます。

一時期は日本のススキを駆逐するのではないかと危険視された外来種のセイタカアワダチソウも、クルミと同じくユグロンを放出していました。

そのため、セイタカアワダチソウは瞬く間に空き地や草原で繁殖を開始し、本種の近くにあった他の植物は駆逐されてしまったのです。しかし、結果的にセイタカアワダチソウがススキを死滅させることはありませんでした。

セイタカアワダチソウにはユグロンへの耐性が無く、自分が放った毒が原因で自らの成長も阻害してしまったのです。そのためいっぺんに発芽して圧倒的な繁殖を見せるのかと思いきや、その繁栄は一代で終わってしまい、その土地に定着するということができませんでした。

自らの毒に耐性が無いというのは奇妙な話ですが、このおかげで日本の固有種が駆逐されることなく、セイタカアワダチソウはジプシーのように漂って、次に根を張る場所を探すようになったのです。

 

地球最長の植物は全長200m

陸上で最長の植物としては、ユーカリやセコイアメスギの100mを超す記録がありますが、地球上最長の植物には長さ200mにも成長する海藻・ジャイアントケルプが挙げられます。

ジャイアントケルプはカリフォルニアからアルゼンチンにかけて分布するコンブの仲間で、葉の付け根に嚢と呼ばれるウキがあることから、海底から海面まで直立して生息しています。

本種が群生している海中林はラッコや魚類の住処となっています。また、昆布類の海藻の寿命は長くても3年であるにもかかわらず、ジャイアントケルプは30年もの寿命を持ち、海藻としては異例の長寿です。

これほどまでに成長するジャイアントケルプですが、受精卵は10分の1mm以下で、それが僅か1年の間に20mもの胞子体になるという驚異の成長スピードを持ちます。この胞子体から遊走子が出て、糸状の雌雄の配偶体ができてそれぞれに卵と精子ができます。

ジャイアントケルプの卵は受精するとすぐに発芽し、また胞子体に成長していくのです。この巨大な海藻は肥料や飼料として活用されています。

 

まとめ

植物の進化や生態は非常に強かで、動物の食害から身を護るために毒を蓄えているものも数多く存在します。

代表的な有毒な植物としてはトリカブトが知られますが、昆虫や野生動物にとっては、パセリやセロリなどの体内で解毒できない精油が含まれているものも毒となるため、口にすることができません。

しかし、面白いことに昆虫の中には、ライバルが少ないこのような有毒な植物を食べられるようにと独自に進化したものも存在し、こういったところにも生物の共進化を見ることができます。

動けないからこそ巧みに周囲を利用し、それに合わせて器用に進化していく植物。何気なく感じられる雑草の1本1本の裏にも、計算されつくした生存戦略が隠れているのでしょう。



-生物

Copyright© 雑学ミステリー , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.