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世界に存在する奇妙で変わった風習8選

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日本国内にも不思議なお祭りや風習はありますが、世界には国際的に問題視される風習や、どうして始まったのか疑問に感じられるような奇妙な風習が多数存在します。

なんでこんなことを現在進行形で行っているのか不思議に感じてしまうような、世界の変わった風習を8選、その歴史や背景にある民族性とともに紹介していきます。

キルギスの誘拐婚「アラ・カチュー」

アラ・カチュー(キルギス語で奪い去るという意味)はキルギス共和国に伝わる風習で、17歳~25歳程度の若い女性を誘拐して、強制的に見ず知らずの男と結婚させるという誘拐婚です。

あまりに人権を無視した風習であるうえに、近年もアラ・カチューの習慣自体は無くなるどころか増加傾向にあり、国際社会からは厳しい批判が寄せられています。特に農村部では、既婚女性の60%~80%がアラ・カチューで婚姻したものだとも言われているのです。

引用元:https://kyrtag.kg/

アラ・カチューの起源については、12世紀頃に中央アジアで蛮族が跋扈していた時代、女性や金品、馬などを略奪していたことがルーツという説と、イスラム教の教義によるものという説などが存在しますが、詳しくは分かっていません。

しかしどのような起源なのかはさておいても、アラ・カチューが根付いた理由は金銭面の事情が大きいと考えられています。キルギスでは恋愛やお見合いなどの普通のプロセスを経て結婚をする場合、男性は女性側の家族に現金およそ10万円と牛1頭を納めなければなりません。

ところがキルギス人の平均月収は約3~5万であり、貧しい農村部ではこの結納金が用意できない、もしくは用意したくないという男性が一定数存在するのです。

アラ・カチューは2009年をピークに増加傾向にあり、この理由としてはキルギスという国自体が旧ソ連の崩壊や独立運動、戦争などの不安定な情勢にさらされ続けたことで、経済状態が安定しないことが挙げられます。

 

男性の家で一晩過ごしたら結婚するしかなくなる

アラ・カチューは綿密に計画が練られた末のものではなく、中には恋人とデートしている途中の女性を誘拐することや、目当ての女性が通りかからない場合にはその時たまたま居合わせた別の女性を誘拐することさえあると言います。

引用元:https://http://kbcity.kg/

連れ去られた女性は見ず知らずの男性の家で一晩を過ごすことになるのですが、暴力を振るわれたり脅迫をされるケースは少なく、男性の両親などが結婚を勧めて被害者の女性の説得にあたることが普通です。

そして、女性が嫌がるようであれば“ジュールク”と呼ばれる白いショールを頭に被せることで、強制的に花嫁にしてしまうのです。キルギスには敬虔なイスラム教徒が多いことから、事情が何であれ男性の家で一晩を過ごした女性は穢れているとみなされ、通常の結婚が難しくなります。

また、女性の家族も娘は誘拐されたものと分かっていても、戻ってきたら家族の恥になるからと婚姻関係を続けるように諭すのだと言います。

 

誘拐婚はキルギスでも違法行為に該当する

国際的に問題視されているアラ・カチューですが、実は旧ソ連時代から誘拐婚は法律で禁じられています。実際にキルギスでは、婚姻を目的として誘拐行為を働いた場合、懲役3年の禁固刑に処すという法律もあるのです。

引用元:https://www.super.kg/

しかし実際に逮捕される例というのは極めて稀です。この背景には、アラ・カチューで婚姻したカップルが役所に届け出をしないために実態がつかめないことなどがあります。

また、正式に婚姻をしていないことから女性側も離婚をしても慰謝料の請求ができず、法的に保護されていないことから離婚に踏み出さないという事情もあるのです。

2012年にはアラ・カチューの厳罰化を盛り込んだ“イスラム婚姻法案”が国会に提出されましたが、これは否決されています。その理由としてキルギスでは富裕層の中に一夫多妻の習慣が残っており、これも違法行為であるものの黙認されており、法改正をすると富裕層にも取り調べの手が伸びることなどが挙げられます。

 

南米で最も危険な祭り・メキシコ「メガボンバー」

メガボンバーは、メキシコのサン・ファン・デ・ラ・ベガという田舎町で行われる奇祭で、その名の通り祭りの参加者が爆薬を用いて次々自爆していくという、南米の祭りの中でも最高クラスの危険さを誇ります。しかしながら参加者の数が多く、毎年1万人以上が詰めかけると言います。

引用元:tps://www.amusingplanet.com/

軽快な名称と爆薬を用いることから、メガボンバーは近年開始されたものという印象が強いですが、実際にはおよそ400年前から存在する歴史のある祭りです。

かつてメキシコではアステカ帝国が栄え、独自の神事が行われていました。しかし大航海時代の16世紀前半、スペイン軍の侵攻によってアステカ文明は滅ぼされ、代わりにキリスト教が広まっていきました。

その結果、現在ではメキシコ国民の9割がカトリック教徒となったのですが、メキシコ人にとってキリスト教の行事の1つである“聖金曜日の断食”は、非常にストレスのたまるものでした。

そのため好きなものを食べられないストレスを発散する目的で、若者層が中心となって爆薬に火をつけて暴れるようになり、これがメガボンバーの起源だと考えられています。

 

メガボンバーでは当然のように怪我人が続出する

メガボンバーの参加者たちは、塩化カリウムと硫黄をブレンドして少量の爆薬を作り、それをハンマーの先に括りつけて地面に設置した鉄板めがけて振り下ろすことで爆発を起こします。

他の人や動物に危害を加えたり、建造物に損害を及ぼすことは禁じられていますが、祭りの参加者たちは上の写真のように非常にラフな格好で爆破を繰り返すことから、メガボンバーでは毎年数十人の怪我人が出ているのです。

メキシコ人にとってはメガボンバーは一種の度胸試しでもあるため、ヘルメットなどの防具を着用してくる人は少なく、祭りの主催者も怪我人が出ることを気にする様子もないと言います。

 

猛毒蟻の入った手袋をはめて成人式・南米「サテレ・マウェ族の成人式」

サテレ・マウェ族は南米のアマゾン流域に暮らす部族で、猛毒を持つ蟻を数百匹入れた袋を用意して、成人を迎える若者に手を入れさせるという非常に危険な成人の儀を行う部族として知られます。

この成人の儀で使われる蟻は“パラポネラ”という種で、体調が3cm近くもあるうえにスズメバチに劣らない程の猛毒を持ちます。そのうえ好戦的な性格をしているために、巣の近くを通ったものは相手が人間だろうと獲物とみなして飛び掛かってくるという恐ろしい一面を持つのです。

刺されたことで死に至る恐れさえあるというパラポネラですが、この恐ろしい蟻を使った成人の儀は、一定の年齢に達した若者であればいつでも志願して受けることができます。

つまり、心の準備ができたら受けることになるのです。志願者が現われると部族の大人達はジャングルに入っていき、数日間かけて大量のぱパラポネラを集めます。志願者も儀式を執り行う大人達も、命懸けというわけです。

集められたパラポネラは草や竹を編んで作った手袋に閉じ込め、成人の儀当日には志願者は最低でも10分の間、この手袋の中に手を入れておくことを求められます。

流石に刺され過ぎないようにパラポネラを事前に薬品で弱らせておくといった配慮はあるようですが、この手袋をしている間は族長たちと歌ったり踊ったりすることを強いられ、志願者は激痛に耐えて汗だくになりながら、タイムアップまで踊り続ける必要があるのです。

しかもこの儀式なのですが、恐ろしいことに20回以上繰り返さないと成人を迎えることはできません。

パラポネラに刺された場合は痛みが長く続くことも多く、大半の若者は前回の毒の影響がなくなってから成人の儀に再挑戦するため、だいたい数ヶ月から数年をかけて試練を突破すると言います。

1度試練を受けると刺された痛みがトラウマになり、2度目の試練に挑むのに恐怖心が生まれます。この恐怖を乗り越えた者だけが、成人に相応しいと考えられているのです。

 

キリストの受難劇を再現・フィリピン「聖週間」

16世紀にスペインの侵攻を受けて以降、急速にキリスト教が広がり、今や9割以上の国民がキリスト教徒であるというフィリピン。そんなフィリピンで行われる数々の宗教行事の中で、ひときわ異彩を放っているのが“聖週間”です。

聖週間とはイエス・キリストがエルサレムに入ってから磔の刑に処され、その後に復活を遂げるまでの1週間を指す言葉であり、フィリピンを含めて世界の各国でイエスの受難劇を再現する催しが行われます。

フィリピンの聖週間の中では、イエスが磔にされた日である“聖金曜日”が最高潮の盛り上がりを見せます。この日にはフィリピン各地で宗教行事が行われるのですが、特にイエスの処刑を再現した演劇は、その再現度の高さから世界的に注目を集めているのです。

この劇ではキリストを演じる者は十字架を担がされ、茨の冠を乗せて町中を練り歩きます。さらにその後ろからは何十人もの苦行者がついて行くのですが、主が味わった苦しみを知るためという名目で自らの背中を鞭で打ち続けながら歩くため、あまりの痛さと苦しさに発狂したり、気を失ってしまう演者も多いそうです。

そして所定の場所までやって来ると、イエス役の人物の掌に釘を打って十字架に固定し、そのまま数分間磔にします。聖週間には世界各地でキリストの受難劇を再現しますが、ここまで完成度が高いものは他になく、毎年この日には国内外から大勢のクリスチャンがフィリピンへ押し寄せると言います。

 

日本人AV男優がイエス役に選ばれて騒動に

通常磔にされるイエスの役は地元の若者の志願者の中から選ばれるのですが、以前は外国人教徒の中から選ぶこともありました。しかし、現在では外国人の志願者を採用することはなくなったと言います。

その理由を作ったのが、金子真一郎という日本人男性です。彼は癌で苦しむ弟のために演劇に出て願掛けをしたいとして、1996年にフィリピンの聖週間の劇にイエス役で参加しました。

引用元:https://www.tagaloglang.com/

金子氏は見事に痛みを耐えてキリストを演じ切り、フィリピンの人達は麗しい兄弟愛、日本人の鏡と彼を褒めたたえました。

しかしその後、彼の正体がAV男優(観念絵夢という芸名)で癌の弟がいるというのも嘘、SMをテーマにしたAVで使用するために聖週間に参加していたことが分かったのです。

これにはフィリピン国民も大激怒し、以降外国人に対する規制が検討されるようになり、2010年には演劇への外国人の参加が禁止されることとなりました。

 

遺体をハゲワシに食べさせる・チベット「鳥葬」

チベット仏教への信仰が厚いチベット自治区では、土葬や火葬、水葬といった比較的知られているものの他に、塔葬と鳥葬という珍しい葬礼が行われています。

塔葬とは、大量の塩や香辛料を揉みこんだ遺体を霊塔と呼ばれる特別な場所に安置するという葬礼で、主に高名な人々がこの方法で葬儀をあげられると言います。

逆に貧困層に多いのが土葬であり、チベットで一番メジャーな葬儀が、鳥に遺体を食べさせるという鳥葬なのです。

鳥葬の由来については諸説ありますが、チベット民族がハゲワシを神の使いと見ており、遺体をハゲワシに食べさせることで魂を成仏させるという説も存在します。しかし、この説はチベット仏教の教義にはなじまず、鳥葬は魂が抜けた後の体を天に還す行為と言われているのです。

チベットでは普通の家庭の人が亡くなると、遺族は僧侶を招いて読経によって成仏を祈るのですが、このお経はなんと3日から1週間にも渡って続くと言います。それが終わると出棺となるのですが、遺体が設置された鳥葬台にまで運ばれると、鳥葬師と呼ばれる職人が遺体に包丁を入れて肉を切り開き、胴体や手足を切断して鳥が食べやすい大きさに加工していくのです。

鳥葬師はハゲワシが遺体をついばんでいる最中も横につき、食べ残しが出ないように丁寧に遺体を細かく分けていきます。こうすることでハゲワシが去った後にはごくわずかな骨だけが残り、最後に僧侶が祈祷を済ませて、鳥葬は終了となるのです。

引用元:https://sunsara.exblog.jp/

死体を切断するという過程を挟むこともあり、先進国からは鳥葬は野蛮な風習として非難されたこともありました。しかし、この風習はチベット民族の間では信仰と自然賛歌に基づいた立派な伝統の1つであり、誇るべき文化と考えられています。

その意思表示として、2006年にはチベット自治政府が観光客による鳥葬の撮影や報道を禁ずる規定を公布し、鳥葬師を特別な職業として保全することを決定しました。このことから今後も、チベットでは独自の文化として鳥葬が続けられるものと考えられます。

 

人間と野生馬の格闘・スペイン「ラパ・ダス・ベスタス」

ラパ・ダス・ハリスはスペイン北西部のガリシア州で行われる祭りで、日本語にすると家畜の毛刈りという意味です。この祭りでは実際に毛を刈られる家畜が存在するのですが、それがガリシア州の山間部に暮らす野生馬なのです。

もともとラパ・ダス・ベスタスは、野生馬を清潔に保って疫病を抑えることや、生まれた仔馬の数を把握するための習慣であったと言います。

まずは野生馬を“タロ”と呼ばれる円形状のスペースに数百頭単位で押し込み、そこに村の人が飛び込んで行って、上から押さえつけてタテガミと尻尾を刈り、焼き印を押していくのがラパ・ダス・ベスタスの習わしです。

この様子がまさに人間と馬のレスリングと称されるほどに激しく、馬も人間もすし詰めの状態で行われます。しかも参加するのは村の男性だけではなく女性や子供、老人までもが暴れ馬の上に飛び乗って、ハサミや焼きゴテを振りかざすのです。

 

何故ラパ・ダス・ベスタスは生まれた?

このような荒々しい方法で馬の管理をするのにはきちんと理由があり、野生種を維持するためと言われています。山岳部で生活している馬に人間への恐怖心や服従心を植え付けることで、山から下りて村を襲うことを抑止するのです。

引用元:https://www.turismo.gal/

ガリシア地方には野生馬を神聖視する習慣があり、それにはこの地方に伝わる逸話が大きく関わっています。その逸話が、以下のものです。

16世紀の中頃、ガリシア地方のサブセード村でペストが流行した時に2人の初老の姉妹が、村の守護聖人である聖ローレンツォに救いを求めて祈願をしました。その結果、村は救われて姉妹は聖ローレンツォへのお礼として2頭の馬を山に放ちました。この2頭の馬の子孫が現在の野生馬だと伝えられています。

この逸話により、ガリシア地方の人達は野生馬を村に入れない、必要以上に家畜化せずに種を維持することが大切だと考えるようになったと言います。

 

ラパ・ダス・ベスタスは動物虐待か?

引用元:https://www.turismo.gal/

しかし、そんなラパ・ダス・ベスタスの存続を脅かすような新法を2012年に州政府が発表しました。この新法は全ての野生馬にマイクロチップを埋め込んで頭数を管理することを義務付けるもので、ガリシアの人々はこれに激しく反発しています。

馬にマイクロチップを入れるには1頭につき約3500円ほどかかり、それを2万頭以上いる野生馬に埋め込むためには莫大な費用が必要となります。そのため、ガリシアではラパ・ダス・ベスタスによる伝統的な管理方法を続ける姿勢を崩していません。

何故このような新法が施行されたのかと言うと、馬を押さえつけて焼き印を入れる様子が動物虐待にあたるとして、政府に動物保護団体からの抗議が入ったためと言われています。

 

血まみれのクリスマス・ペルー「タカナクイ」

ペルーのチュンビビルカ郡のサントトマスと呼ばれる村では、12月24日から26日までの3日間、対立する村人同士が勝負をつけるために殴り合う、タカナクイという奇祭が開かれます。

2000年には打ちどころの悪かった参加者が死亡するという事故まで起き、観客のテンションも下がるかと思いきや、全く意に介する様子もなく翌年以降も参加者と観客が一緒になって大興奮でヤジを飛ばして煽るという、なんとも血生臭い風習です。

引用元:http://chumbivilcas.org/

タカナクイでは、まず音楽が流れる中“カルグーヨ”と呼ばれる祭りの責任者が、“マヘーニョ”と呼ばれる祭りの参加者たちを並ばせます。参加者たちはマスクの装着が義務付けられており、目と口の部分が開いた色とりどりの毛糸のマスクを被っています。またマスクの上にはタカやフクロウなどの動物の剥製をつけるなど、野蛮さをアピールする装飾を施している参加者も多く登場します。

参加者が祭りの舞台となる広場の中心に到着すると、そこには直径5m程度の円が描かれており、これがリングの役割を果たすのです。その後、マスクをつけた男性の1人が立候補して円の中に入り、審判に喧嘩をしたい相手を小声で教えます。

すると審判が相手の名前を高らかに呼び、相手がこれに応えてリングの中に入ると2人ともマスクを取って構え、喧嘩開始となるのです。タカナクイには厳しいルールが設けられており、どんな場合でも1対1で素手でのみ勝負が行われ、殴る・蹴る以外の行為は禁止されています。

 

なぜタカナクイは誕生した?

タカナクイが行われているサントトマスに暮らす村人は、元々血の気が多く、日常の些細な小競り合いは珍しくないうえにそこからいさかいが長期化することも珍しくなかったと言います。

このような揉め事をいったん収めるために、年に1度好きなだけ喧嘩ができるガス抜きの日として、タカナクイは誕生したとされます。

引用元:http://chumbivilcas.org/

タカナクイに参加するのは男性ばかりではなく、女性や子供同士での喧嘩も行われます。また厳重な警備の元、サントトマス刑務所に服役中の受刑者が、村の一般住民を相手に指名して喧嘩をすることも許されると言います。

タカナクイは1987年と1988年の2回、テロ活動のために中止になったことがあるのですが、この時はストレスをためた村人によるトラブルが問題となりました。タカナクイが村の風紀の維持に役立っていることが証明されたことから、以降警察などの公権力が介入できない喧嘩として、毎年欠かさず行われるようになったのです。

 

死者との結婚・中国「冥婚」

婚約関係にある男女のどちらかが結婚前に命を落としてしまった場合や、婚約もしないまま亡くなった子供のために、形だけでも配偶者を作るという風習が冥婚です。

冥婚の歴史は長く、中国では曹操の息子の曹沖が208年に13歳で死亡した際、冥婚を行ったという記録が残っています。また、中国以外にフランスでも冥婚が合法とされており、財産の相続は認められていないものの子供を認知してもらえる、亡くなった相手の姓を名乗るということが認められます。

引用元:http://maryarrchie.com/

中国では冥婚の種類もいくつかあり、婚約した後に女性が亡くなった場合、男性が結婚式を挙げて死亡した女性を娶るという“娶鬼妻(チェイクイチー)”という風習では、夫はその後生きている女性と再婚することが可能ですが、正妻はあくまでも亡くなった女性という扱いになると言います。

逆に婚約していた男性に先立たれた女性が、男性の遺体と結婚をする“抱主成親(パオチウーチョンチヌ)”という風習もあり、この場合は生涯再婚をせず未亡人として生きることが求められるそうです。

さらには亡くなった未婚の男女同士を親や親族の一存で結婚させるという“結陰親(チェイヌチヌ)”という風習もあり、亡くなった2人の墓を掘り起こして遺体を取り出し、同じ墓に入れることで結婚が成立すると言います。

 

なぜ中国では冥婚が盛んなのか?

日本にも冥婚の風習があり、東北地方を中心に根強く残っているとされます。特に山形県の“ムサカリ絵馬”という風習は有名で、専門の絵師が絵馬に婚礼の装束を身につけた男女を描くことで、結婚をしていたという事実を作るのです。

日本の冥婚の目的は、結婚をすることなく他界してしまった人があの世で良い伴侶に恵まれるように、という死者に対する弔いの意味を込めて行われているもので、ムサカリ絵馬には死者の伴侶として生きている人間の姿を描くことは混じられています。

しかし中国における冥婚の目的は死者への弔いという意味とは少し異なり、女性が死んだ場合、生家で弔うことが一般的ではないという考えに基づいて冥婚が行われます。中国では女性は婚家で葬式をあげてもらうという考え方が強く、未婚であっても生家で葬式をあげるのはおかしいとされるのです。

そのため婚約相手もいない女性が亡くなった場合は、同じく他界している男性と結婚させて同じ墓に入れ、嫁ぎ先で位牌を作ってもらうことで、婚家に弔ってもらったという体裁を作るのです。

また中国には冥婚をすることで一家が栄えるという言い伝えがあり、現在もそれが信じられていると言われています。

 

中国で起きている冥婚によるトラブル

現在の中国では、冥婚を巡って遺体が商品として高値で取引されているという問題も起きています。

かつての中国では土葬がメジャーでしたが、中国共産党による遺体崇拝の反対や人口急増による墓地の確保の問題により、火葬が推奨されるように変わっていきました。

しかし、冥婚を行うには土葬された人間の形を保っている遺体が必要なため、火葬が一般的になると冥婚に用いる遺体が減ってしまうのです。

引用元:https://www.ancient-origins.net/

結果、亡くなった男性の遺族らが一方的に女性の遺体を求めるようなケースが増え、冥婚用の死体を調達する業者が登場し、土葬された直後の女性の墓を掘り起こして遺体を盗むという行為が横行するようになってしまったのです。

さらに現在中国では人口増を抑えるために1人っ子政策が採られていますが、農村部では未だに男児以外に価値はないという考えが根強いため、男児が生まれるまで秘密出産を続け、先に生まれた女児は戸籍にも載せず存在しない人間として扱われることさえあります。

このような女児を殺害して冥婚用の遺体として売るケースもあると言い、2008年には中国ギャングが障碍者や高齢者100人以上を冥婚用の遺体にするために殺害したという事件も起きています。

他にも遺体の窃盗などの被害も増えており、中国警察は露見していないだけでこのような窃盗は数多く行われているはずと話しているのです。

 

まとめ

キルギスのアラ・カチューや中国の冥婚のように、全く関係のない人を巻き込むような風習は考えものですが、メガボンバーやタカナクイといった奇祭は、日本人とは違った南米人ならではの民族性が感じられて面白いですよね。

ちなみにタカナクイで殴り合った後の人達は、祭りの終了後には堅く抱き合って1年のいざこざは水に流すのだと言います。このような後を引かない、さっぱりした国民性というのは少し羨ましくもあります。

世界には他にも変な成人の儀式などの変わった風習もあるので、調べてみると面白いですよ。



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