夜、空を見上げるとほとんど毎日のように見える月。
地球から一番近い天体であり、唯一人類が行ったことのある天体でもあります。
人間は、太古の昔から月に対していろいろな思いを持って夜空に輝く月を見上げてきました。
月には、うさぎがいて餅をついているとか、かぐや姫の故郷だとか。
今回は、そんな月の10の謎と不思議をご紹介しましょう。
1.なぜ、月の裏側は見えないのか
https://goo.gl/images/
皆さん、月の裏側を見た事がありますか?
今現在でも、肉眼で月の裏側を見ることは出来ません。
人類は、1959年にソビエトの月探査機ルナ3号が、月に行くまで月の裏側を見たことはありませんでした。
なぜ、月の裏側を見ることできないのか?
その理由は、月の公転周期と自転周期がほぼ同じため、月は絶えず地球に同じ面を向けているからです。
絶えず同じ面が見えるため、世界の人々は、月の模様について、日本ではうさぎが餅をついているとか、ヨーロッパでは美女の横顔とか、カニだとかという想像をすることが出来たのですね。
では月の裏側はどうなっているのでしょうか?
2.月の裏側はどうなっているのか
月の表面(地球に向けている面)は、海と呼ばれる平らな部分とクレーターがあります。
しかし、月の裏側はクレーターだらけ。
表と裏ではかなり表情が違います。
表面の海は、大昔隕石が衝突し、岩石が解け、冷え固まったものと言われています。
しかし、月の裏側は、クレーターだらけです。
裏側のクレーターは、隕石が衝突を繰り返した証拠です。
月が地球に落ちる隕石の数を減らしているとも言われています。
2018年12月に中国が世界で初めて月の裏側に月面探査機を着陸させることに成功しました。
月の裏側でどんな新発見があるのか、今後の発表が楽しみですね。
さらに中国は、2022年までに有人宇宙ステーションを保有することや、最終的に有人月面着陸を実現することを目指しているそうです。
3.月はどうやって出来たのか?複数衝突説
月の出来方には、以前考えられていた説が4つあります。
- 親子説
地球が出来て間もない頃、地球の自転の遠心力で一部が剥がれて月ができたと考える説。 - 捕獲説
地球から離れたところで出来た月が、地球の引力に捕まって衛星となったと考える説。 - 双子説
太陽系が出来たとき、地球と同じ時期に、同じガスの塊から生まれたという説。 - ジャイアント・インパクト説
原始の地球が出来たときに、火星ほどの星が地球にぶつかり、飛び散った地球の一部が固まって月ができたという説。
しかし、1-3の説では、月の動きや岩石の作りを説明することはできません。
そこで、ジャイアント・インパクト説が一番有力と考えられていました。
しかし、最近の研究では、「複数衝突説」が考えられています。
20回程度小惑星が衝突して、今の月の大きさまで大きくなったと考えられています。
この説だとジャイアント・インパクト説も含み考えることが出来ます。
4.月の異常な大きさ
引用:https://goo.gl/images/
太陽系の惑星には、水星と金星以外に衛星があります。それぞれの惑星の月ですね。
多くの惑星の月は、惑星に比べてかなり小さいのです。
例えば、お隣の火星の衛星、フォボスとダイモス。
大きさは、フォボスで直径20km程度、ダイモスで直径12km程度です。形も、いびつで完全な球形ではありません。
しかし、月の直径は、地球の直径の約4分の1あり、以上に大きい存在です。
この大きさは、他の惑星と比べると異常です。
しかし、なぜ、月だけが大きいのか?
これは、長年天文学者を悩ませています。
そこで、この大きさを説明するためにも考えているのが先ほど紹介した月の出来方の複数衝突説なのです。
大きな星が地球に衝突し、月ができたと考えれば、月が大きいことも説明できます。
そして、月が大きいために、地球と月の互いの引力のために、海の潮の満ち引きがおこるのです。
5.地球に生命が誕生したのは月があるから?
もし、月が無かったら地球はどうなるか?
まず言われているのが、自転軸が安定しない。
そうすると、気候変動が大きくなり、生命が住み続けるのは難しいと考えられています。
また、海の潮の満ち引きがなくなります。
海の潮の満ち引きは、月の引力によるもの。
そのため、海面が上下し、それにより、海水がかき回されるのです。
そして、酸素や栄養分の循環が起こります。
もし、月が無かったら潮の満ち引きもなく、生命が誕生しなかったかもしれません。
また、潮の満ち引きに影響を受けて生きている生物も多くいます。
例えば、サンゴ。
サンゴは、大潮の日に産卵します。
もし、潮の満ち引きがなければサンゴは産卵することができなくなりますよね。
6.月にも水がある?
引用:https://goo.gl/
2018年8月、アメリカのNASAは、月にも水が存在すると発表しました。
長年、月に水が存在すると考えられていましたが、今回、観測で水の存在が明らかきなりました。
これは、2008年から2009年にインドの月周回機「チャンドラヤーン1号」に搭載されたNASAのレーダーが観測した結果を解析してわかったとのこと。
月の極地域にあるクレーターの影の部分に、氷の状態であることが観測結果からわかったということです。
もし、人類が月に行くことができれば、この水を利用することが出来ると考えられています。
7.月に行った人類は何人?
1950年後半から、アメリカとソビエトの月探査競争が始まります。
どちらが先に人類を月に送り込めるか、競争を繰り返しました。
勝ったのはアメリカ。
アメリカは、アポロ計画で人類を月に送ることを考え、アポロ11号で初めて、人類が月の表面に立つことになります。
アポロ11号では、ニール・アームストロングとエドウィン・オルドリンの2人の宇宙飛行士が月面に降り立ちました。
その後、アポロ12号から17号までで計12名が月面に降り立ちました。
すべてアメリカ人です。
1972年12月に月に到着したアポロ17号を最後に、人類は月に行くことなく、人工衛星や探査機を多く送り出すことになります。
8.月に行ったことのある国は?
探査衛星を送り出している国は、ソビエト(現ロシア)、アメリカ、日本、インド、中国、ヨーロッパ宇宙機構の6つの国と組織です。
そして、人類を送り出したのは、アメリカのみ。
他の国は、探査衛星を送り込み、また、探査機を月面のおろし、調査しています。
最近では、2013年中国が嫦娥(じょうが)3号を打ち上げ、無人月面車の「玉兎号(ぎょくとごう)」を月面におろし、探査しました。
しかし、2016年にはその活動を終えています。
先日も、2030年頃に月面旅行が出来るようになり、日本人が申し込んだとかニュースになりました。
9.月にある、人工物は?
今まで、多くの探査機が月に行き、月面に衝突したり(事故の場合と実験のための場合がある)、観測機器を置いてきたりしています。
その総量は170tほどあるとか。
かなりの量ですね。
その中には、アポロ計画でアメリカ人宇宙飛行士が残してきた星条旗や、アポロ14号でアラン・シェパードが打ったゴルフボールなど、変わったものもあります。
また、調査を終えた探査機も数多く残されています。
そして、現役に使われているのものが、アポロ計画で設置された月レーザー測距実験用の逆反射鏡があります。
10.月は、地球から離れている?
今現在、月は、年に3~4cmずつ離れていっています。
先の書いた月レーザー測距実験用の逆反射鏡を使って、現在も月の地球の距離を計測しています。
その観測で月が地球から離れていっていることがわかったのです。
万有引力で有名なアイザック・ニュートンは、地球と月の引力のために、月は地球の周りを円運動していると説明しました。
しかし、円運動をしているということは遠心力が働きます。
その遠心力で少しずつ少しずつ月は地球から離れていっているのですね。
何億年もすると、夜空に月は小さくしか見えないかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は10の月の謎と不思議をご紹介しました。
まだまだ最新の研究で多くのことがわかってきている月。
2030年頃には、再度、人類が月に立つことになりそうです。
50年もすると、月面旅行が普通になっているかもしれませんね。