近年、世界中で注目を集めている和食ですが、そんな和食の中で一番人気と言えばやっぱりお寿司。
そして、そのお寿司の中の一番人気のネタと言えば、やっぱり「マグロ」ですよね。
しかし一口にマグロと言っても様々な種類があり、その大きさも様々です。
そこで今回は日本と世界の史上最大のマグロについてまとめてご紹介します。
マグロの種類
マグロは世界中の温暖な海に生息する回遊性の大型肉食魚です。
世界の海には下記の8種類のマグロが生息しており、大きさは全長60cm~3mに達するものまで種類によって異なります。
・タイセイヨウクロマグロ:マグロの最大種(体長250cm~300cm、体重350kg)
・クロマグロ:太平洋の外洋を回遊している大型マグロ(体長250cm~300cm、体重200kg)
・ミナミマグロ:南半球に分布する中型マグロ(体長250cm、体重140kg)
・メバチマグロ:赤道近くの温かい海域(中層)に分布する中型マグロ(体長200cm、体重120kg)
・キハダマグロ:赤道近くの温かい海域(表層)に分布する中型マグロ(体長150cm、体重70kg)
・ビンチョウマグロ:世界中の熱帯・温帯海域に広く分布する小型マグロ(体長100cm、体重40kg)
・タイセイヨウマグロ:大西洋に分布する小型マグロ(体長100cm)
・コシナガマグロ:インド洋から太平洋にかけて分布する小型マグロ(体長60cm、体重30kg)
このうち日本近海で獲れるマグロはクロマグロとビンチョウマグロの2種だけです。
しかし、近年では冷凍技術の向上により世界中の漁場で捕獲と同時に瞬間冷凍されたマグロが日本の魚市場に水揚げされるようになりました。
日本最大のマグロ
日本で獲れる最大のマグロは「海のダイヤ」「黒いダイヤ」とも呼ばれるクロマグロです。
太平洋の熱帯・温帯海域の外洋を群れで回遊しており、その遊泳速度は70-90km/hにも達します。
クロマグロの大きさは全長3m・体重400kgを超えますが、400kgを超えるサイズになるためには15年~20年はかかるそうです。(平均寿命は20年~30年と言われています。)
日本国内でのマグロの最大記録は、1986年4月に宮崎県延岡市島浦町のマグロはえ縄漁船「幾伸丸」(船長:佐藤元久さん)が種子島の南東約80kmの沖合いで捕獲した巨大マグロです。
その大きさは、なんと全長288cm、胴回り236cm、体重483kgで、刺し身にすると2400人分という超ビッグサイズでした。
日南市油津港に水揚げされましたが、マグロのあまりの大きさに当時の漁港の体重計では測定できず、自動車用の重量測定器で計測したそうです。
この巨大なクロマグロは一匹で200万円の値がついたそうです。
青森・大間港最大のマグロ
クロマグロと言えば、青森県大間の一本釣りが有名ですよね。
大間漁港で最大のマグロは、1994年に水揚げされた440kgのクロマグロです。
また、近年は乱獲による個体数減少により400kgを超える超巨大サイズのマグロの水揚げされることは非常に稀ではありますが、2017年12月28日には大間の漁師・竹内正弘さんが同港史上2番目となる体重405kgのマグロを釣り上げました。
このマグロは、2018年の初セリで仲卸業者「やま幸」が3645万円(9万円/kg)で競り落としました。
マグロの歴代最高落札額
ちょっと脱線しますが、セリと言えば年始に行われる東京豊洲(築地)市場の初セリが有名ですよね。
毎年のように高値で競り落とされたマグロの価格がニュースになっています。
そこで、歴代最高額で落札されたマグロは一体いくらだったのか調べてみました。
これまでの史上最高値のマグロは、2013年の初セリで寿司チェーン「すしざんまい」を展開する(株)喜代村の木村清社長が1億5540万円という圧倒的な価格で落札した222kgの大間産クロマグロでした。
しかし、豊洲市場で初開催となった2019年初セリで、(株)喜代村が大間産クロマグロ(278kg)を2013年の倍以上となる3億3360万円という史上最高額で落札しました!!
また、過去の初セリの結果は下記になります。
※2020年の初セリ結果を追記しました。
西暦 | 重量 | 産地 | 価格 | kg当りの価格 | 落札者 |
---|---|---|---|---|---|
2009 | 128㎏ | 青森県大間 | 960万円 | 7.5万円/kg | リッキー・チェン |
2010 | 233㎏ | 青森県大間 | 1628万円 | 7万円/kg | リッキー・チェン |
2011 | 342㎏ | 青森県大間 | 3249万円 | 9.5万円/kg | リッキー・チェン |
2012 | 269㎏ | 北海道戸井 | 5649万円 | 21万円/kg | すしざんまい |
2013 | 222㎏ | 青森県大間 | 1億5540万円 | 70万円/kg | すしざんまい |
2014 | 230㎏ | 青森県大間 | 736万円 | 3.2万円/kg | すしざんまい |
2015 | 180㎏ | 青森県大間 | 435万円 | 2.4万円/kg | すしざんまい |
2016 | 200㎏ | 青森県大間 | 1400万円 | 7万円/kg | すしざんまい |
2017 | 212㎏ | 青森県大間 | 7420万円 | 35万円/kg | すしざんまい |
2018 | 405㎏ | 青森県大間 | 3645万円 | 9万円/kg | 鮨おのでら |
2019 | 278kg | 青森県大間 | 3億3360万円 | 120万円/kg | すしざんまい |
2020 | 276kg | 青森県大間 | 1億9320万円 | 70万円/kg | すしざんまい |
和歌山・勝浦港最大のマグロ
和歌山県の勝浦漁港は生マグロの水揚げ日本一を誇る有名漁港です。
マグロの水揚げ日本一の勝浦は、巨大マグロの記録でも大間に負けてはいませんでした。
2017年3月に体長282cm・446kgの巨大マグロを宮崎県のはえ縄漁船「第22勝徳丸」が紀伊半島の沖合約330kmで捕獲しました。
さらに、2018年3月には同じ宮崎県のはえ縄漁船「漁安丸」が、体長274cm・体重450kgという超巨大マグロを水揚げしました。
JGFA最大のマグロ
ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA:Japan Game Fish Association)は、スポーツフィッシングの普及・発展を目的とし、各地でフィッシング大会の開催や日本記録の登録などをしている非営利法人です。
JGFAの記録によると、2003年5月18日に沖縄県ケラマ南沖で下地英幸さんが釣り上げた全長268.5cm・体重348kgのクロマグロが日本記録として認定されています。
また、マグロ釣りと言えば忘れちゃいけないのが俳優の故松方弘樹さんです。
釣り好きで知られた松方弘樹さんも巨大マグロを釣り上げており、2015年5月26日「沖縄県石垣島沖で6時間半の死闘の末、361kgの特大マグロを釣り上げた」と当時の所属事務所が発表し話題になりました。
世界最大のマグロ
世界最大種はメキシコ湾・カリブ海、大西洋に分布するタイセイヨウクロマグロです。
寿命は35年~50年にもなるそうで、成体の大きさは平均全長2~2.5m・体重225~250kgで大きいものは全長3m・体重400kgを超えることもある世界最大のマグロです。
世界的な魚のデータベースである「FishBase」によると、これまで捕獲された最大のタイセイヨウクロマグロは全長458cm・体重684kgという事です。
実在する?体重900kg超の超超超巨大マグロ!
アメリカを代表する研究機関である「スミソニアン学術協会」と「米国海上漁業局」の研究によるとタイセイヨウクロマグロは体重900kgを超えるサイズまで成長する可能性があるということです。
しかし、これはあくまで可能性の話であり、現時点でそれほど巨大なマグロが確認された記録はありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本最大のクロマグロも、世界最大のタイセイヨウクロマグロも水揚げされたのは何十年も昔のことです。
近年はどのマグロも乱獲などにより個体数が減少しており絶滅危惧種に指定されている種もあります。
クロマグロは孵化後74日で全長約25cmと成魚とほぼ変わらない大きさまで成長しますが、産卵できるようになる性成熟までは5年もかかるそうです。
マグロは限りある資源ですし、寿司や刺身には欠かせないネタの一つです。
漁獲量の制限などのルールが作られていますが、漁業関係者の方には将来のためにもルールをしっかり守って漁をして頂きたいですね。