心霊現象と言われて、あなたはまず何を思い浮かべますか?
金縛り?予知夢?ラップ音?
ネット・書籍その他いろいろ……情報の氾濫する昨今では、一口に心霊現象と言ってもその種類はあまりにも多岐に及び、想起するものも十人十色でしょう。
そこで今回は、比較的ありがちな『心霊現象あるある』とでも言うべきものを6つあげ、それらの特徴や類型を整理していきます。
もしかしたら、あなたが実際に経験したことがあるものも含まれているかもしれませんね。
心霊現象1 金縛り
引用元:http://news.livedoor.com/
・寝ていたらいきなり身体が動かなくなった。
・目が覚めたのにピクリとも動けない。
・何か重たいものが自分に伸し掛かってきて動けない。
こうした経験をしたことがある人は、多いのではないでしょか?
恐らく、もっとも経験者が多い心霊現象であることが予想されます。
金縛りの語源
『金縛り』の本来の語源は仏教用語であり、不動明王が持つ法具によって煩悩を縛り付ける密教の修法『金縛法』に由来します。
現代では霊、それも主に悪霊による霊障・恐怖体験の括りで理解されていますが、元々は『悪しき物を封じる』方法であったのです。
不動明王から『悪者』認定されて押さえつけられているとしたら、それはそれでなまじなことでは祓えそうになくて怖いけれども。
現代科学的見地による金縛り
現代では金縛りにも科学的な説明がなされ、必ずしも霊的な問題ではないと言わざるをえません。
一般的に『金縛り』と呼ばれている現象は、覚醒と睡眠の移行期(眠りがけ・起きがけ)に起こる『入眠時幻覚を伴う睡眠麻痺』と医学・科学的には位置づけられています。
金縛りが起きやすい条件
①不規則な睡眠・覚醒を繰り返す生活やストレス
夜勤・夜更かし・日常のストレスによって自律神経が乱れたりすると起きやすいそうです。
子供からお年寄りまでが『ストレス』を口にする我が国では、金縛りが当たり前の日常になる日も間近かもしれません。
②若者に多い
ホルモンバランスが悪く多感な思春期の子供や、若さに任せて無理をしがちな青年に起こりがちです。
脳の活性と肉体疲労のバランス問題もあります。
③仰向け寝
身体全体の力だけが抜けるため金縛りになりやすいです。
抱き枕を使う、横向きで寝ることで対処できるそうですが、背骨や骨盤のバランス的には仰向けが良いと整体師から聞き及んでいます。
金縛りのリスクと腰痛のリスク、どちらを取るかはあなた次第です。
このように金縛りは極めて現実的・科学的根拠によって説明がなされており、一度や二度経験したからと言って直ちに『取憑かれた!取り殺される!!』と大騒ぎする必要はありません。
ただし、あまりにも頻繁に起きる・体に外傷を追う・金縛りが原因で日常生活に支障をきたすとなれば、それはある意味恐ろしくリアルな心霊現象です。
ストレスや若者の抱える不安定さとは、元来目に見えぬものであり数値化も出来ません。
そうした不確かさや曖昧さを孕む人の心そのものが霊であると定義すれば、ほとんどの金縛りは立派な心霊現象と言えましょう。
私たち日本人は誰もが当たり前に『心霊現象』と口にし、その言葉に違和感を覚えませんね。
つまり、私たちにとって『心』と『霊』は不可分なのです。
心霊現象2 験幽体離脱・体外離脱
引用元:http://omajinai-navi.jp/
何となく言葉は聞いたことがある、という方が多いのではないでしょうか?
平たく言うと、寝ている間に魂(意識)が身体から乖離、気が付けば寝ている自分を上から見ていました!というアレです。
もっとも、これはかなり乱暴な説明で、実際にはもっとずっと繊細な現象であり技術です。
幽体離脱と体外離脱の違い
どっちも身体から意識が抜けるのだから同じだと思いがちですが、実はこの二つは似て非なるものです。
幽体離脱:簡単に言うと魂が肉体から抜けて別世界に行くこと。
体外離脱:肉体から抜け出たような夢を見ている状態。つまり、実際には抜けていない。
とはいえ、体感的な差異のないこれらを、実際の体験中に判別するのは極めて困難でしょう。
故にこの二つは多くの場合において混同されるのです。
幽体離脱が起きるキッカケとは?
これを科学的に説明すると、人間の意識が認識している自分の『位置』が、様々な刺激によって実際の自分の位置とズレていることで起きる現象です。
より具体的な例を挙げると、 危篤状態・痛み・過呼吸・失神・アルコール・ドラッグ・瞑想などによって起こり得ます。
事故などで死にかけた人の話にありがちな――
ふと気が付くと綺麗なお花畑に立っていた。
身体も軽くとても気分が良い。
歩いていたら川に出て渡ろうとしたところ、向こう岸に亡くなったはずのお婆ちゃんが立っている。
お婆ちゃんは怖い顔をして『来るな!』と身振り手振りをしてきた。
後ろの方から自分を呼ぶ声がして戻った、らこの世に帰れた
――とかです。
彼岸(ひがん・あの世)と此岸(こがん・この世)というとてもわかりやすい構図ですね。
一見フワフワとしたメルヘンなお話しですが、科学的根拠である『人間の意識が認識している自分の位置が、様々な刺激によって実際の自分の位置とズレている』に合致することがおわかり頂けるでしょう。
ちなみに幽体離脱には『自然に(事故なども含む)する』タイプと、『したくてする』タイプがあるのはご存知でしたか?
ここから先は『ちょっと幽体離脱してみたい』方だけお読みください。
幽体離脱の仕方
怖いもの見たさや好奇心から幽体離脱をしてみたいけれど、だからと言ってガチに死にかけてみるのもちょっとなぁ……ですよね?
うっかりホントに死んだら洒落になりませんから。
そんなあなたにお勧めの方法があります。
①瞑想
リラックスして静かな場所で座って目を閉じ、肉体を見ている自分をなるべくリアルにイメージし、そのイメージ体を動かします。
床を踏む足の裏や壁に触れる掌、なんなら部屋の観葉植物を嗅いだ匂いなど、バーチャル五感とでも言うべきものを研ぎ澄ませましょう。
高いレベルでこれをマスターすると、幽体離脱出来ると言われています。
②薬物
ネィティブアメリカンのシャーマンなどは伝統にのっとり秘伝の薬で飛んだりしますが、素人がやると極めて危険です。
その上、国内だと法律に抵触する危険性が高いのでやめましょう。
酒と煙草もやりすぎはあなたの健康を損ないます。
どうか明るく健全な心霊現象を目指してください。
③音楽(ヘミシンク)
努力したくない、法にも触れたくない。
楽に安全に幽体離脱がしたいという我儘なあなたにピッタリなのがこれ。
米国のロバート・モンロー氏が開発した、特定の音の周波数を組み合わせて人の意識をコントロールする音響技術であるヘミシンク。
ヘミシンク音楽のCDを聞きながらリラックスして微睡んでいくと、眠りの前後に幽体離脱出来る人もいます。
尚、心臓や精神を患っている方がヘミシンクを使うことは危険とされているのでご注意ください。
幽体離脱が出来ると、魂の世界で大切な故人と出会えたり、何かのインスピレーションを得たり、暗示的な過去や未来のヴィジョンが見えたりするとも言われています。
その真偽を確かめるすべはありませんが、人によっては人生が変わる経験にもなりえるそうです。
心霊現象3 明晰夢
引用元:https://www.lifehacker.jp/
これを心霊現象と呼ぶべきか迷いましたが、夢が心の中の潜在意識の投影であり、心と霊が密接に関わっているとするならばありでしょう。
明晰夢とは、夢の中でそれが夢だと気づき、夢を意図的にコントロールできるようになる夢のことです。
ただし、夢の要素全てを細部に至るまで意のままに操れるという意味ではなく、あくまで『夢であることを自覚』し、夢世界においても自我を持って行動できるといった意味です。
例えて言うならば、ドラクエで遊ぶ時プレイヤーは操作キャラに自由な行動を取らせることが出来ます。
もちろん、自分が今『ゲームをして遊んでいる』という自覚もありますね。
一向に魔王を倒しに行かずレベルを上げまくるのも、レアアイテムをコンプリートするのも自由です。
しかし、ドラクエの世界観やそこでのルールは変えられません。
HPが無くなれば死ぬし、MPが無くなれば魔法は使えないし、フィールドに出ればモンスターに遭遇するということです。
明晰夢の意味
まず実も蓋もない言い方をしてしまえば、コスト0円で手っ取り早く、しかもかなり楽しいバーチャル・リアリティーを楽しみつつ、現実逃避が出来ます。
それが悪夢でない限り。
さらに一通り夢の中で遊んでみたら、創造力の向上や自身の潜在意識の理解といったステップアップも望めると言われています。
晰夢は誰でも見られるのか?
要は夢の中で『これは夢だ』と気付くことが出来ればよいのですから、その習慣を身に着けさえすれば理論的には誰でも・何度でも意図的に見ることが出来ます。
その習慣づけの方法として、夢日記・リアリティチェック・瞑想・5時間眠って短時間覚醒からの二度寝などがあります。
明晰夢を見やすい人
特に何かを頑張らなくても、ナチュラルに明晰夢を見る土壌が出来ている人もいます。
どういった人たちがそれに該当するのか見ていきましょう。
①想像力が豊かな人
執筆や絵画を嗜む人・クリエイティブな人。
夢も現実離れしているから、それが夢だと気づきやすい。
②妄想癖がある人
日頃から現実離れした想像をしがちだから。
②論理的思考の人
有り得ないことが起きるとすぐに気づくため。
④ゲームが趣味の人
日頃から非現実体験をすることで想像力が高い。
論理的思考のみ異質ですが、基本的には想像力が豊かで日頃から非現実を愉しむ習慣があると見やすいようです。
心霊現象4 幻聴・幻視
引用元:https://allabout.co.jp/
皆には見えないモノが自分にだけ見えた・聞こえた。
こんな経験は誰でも五回や六回はあることでしょう。
果たしてこれは霊によるものなのか、それとも自分の妄想なのか?
はたまた自分は何かの病気なのではないか?
様々な可能性があるだけに気になる体験の一つを、ここでは掘り下げます。
本物の心霊現象
実際にプロの霊能力者として活躍している方もおられるので、『見える・聞こえる』の全てがインチキではないでしょう。
彼らにとって『見える・聞こえる』は当たり前のことであり、まったく特別な現象ではないのです。
『道を歩いていたら人がいたよ』というのと同じくらい普通のことにすぎません。
妄想
幻聴や幻覚(多くは被害妄想的なもの)を見聞きする病気として知られているのが統合失調症です。
統合失調症患者の多くは否定的・中傷的な暴言を吐かれる幻聴を『現実の声』と認識し、何か恐ろしいものを『現実に』見ていると感じています。
加齢による認知症なども脳の疾患であるため、こうした症状を招くことがあると言われています。
その他、多感な思春期の妄想であったり、『特別』に憧れるあまり願望を現実と錯覚したり、単なる『かまってちゃん』である可能性も捨てきれないのが厄介なところです。
本物と妄想のはざま
正直、この二つは紙一重な部分があります。
修験者や霊能力者の中には、長く過酷な修行の末に霊の世界と繋がり強い力を得る方がいます。
滝行などはかなり心身共に追い込みがかかるため、脳内麻薬が分泌されていたとしても不思議はないでしょう。
また精神を患う方には繊細で感受性が強く聡明なタイプが多いことからも、もともと霊的なものを受信する素質が高いとも言えます。
古代のシャーマンが神や霊を降ろし神託をする際に、歌や踊りや秘薬によってトランス状態になるまで己を追い込んでいたことからも、霊視と幻視・霊聴と幻聴は紙一重であることがわかります。
より身近なお話をしますと、ある高齢女性は『隣の家の学生が毎日一日中歌を歌っていてうるさい』と盛んに言いますが、彼女の家族はそんな声を聞いたことがありません。
これはミュージック・イヤー症候群と呼ばれる症状に酷似しています。
また、彼女は家の中で座敷童のような小さな子供を頻繁に見ています。
もちろん家族は90近い年寄の言うことと、まともには取り合いませんでした。
しかし、彼女の40代の孫娘は同じものをサイクリング中に山の中で見ています。それも何故か14歳くらいの少女に成長した女の子を。
『女の子』が同一霊かはわかりませんが、着ていた着物の色や柄が概ね一致したのは偶然でしょうか……
心霊現象5 狐憑・犬神憑きに代表される憑依
引用元:https://serendipity-japan.com/
日本では明治時代辺りまで言動が急に可笑しくなった人を指して『アイツは狐に憑かれた』『犬神様の祟りだ』などと言われてきました。
迷信が強くい残る田舎などでは、昭和に入ってからもそのような話をちらほら耳にします。
これを神様と日常生活の距離が現代よりもずっと近く、科学や技術が未発達であった時代の迷信と切り捨ててしまうことは簡単ですが、遠く海を隔てた西洋でも狼化妄想症や臨床人狼病という名前で類似した症状が語られているのです。
霊的考察
日本で最も数の多い神社は稲荷神社であり、境内にはお狐様が祀られています。
しかし、稲荷神社の御本尊は五穀豊穣を司る神様であってお狐様ではありません。
お狐様は眷属と呼ばれる神様のお使いなのです。
お稲荷様は身近な神様でありながら、粗末にすると祟られるという祟り神の側面を持っているため、やたらと安易に拝んだり願ごとをしてはいけないとされています。
これが『さわらぬ神に祟りなし』の語源にもなっていて、つまり狐憑きの正体は稲荷神社の祟りというわけです。
非科学的ではありますが、そうした信仰が根強くあった時代や地域において神は人の心に宿り、祟りもまた人の心が引き起こしたのではないでしょうか。
また、地域によっては犬や狐を代々祀る一族がいて、彼らは狐筋・犬神筋(他にも猿神や蛇神といった、バラバラになった鵺から生まれた神がいる)と呼ばれ、村八分とまではいかないまでも共同体の中で忌避されてきました。
さわらぬ神に祟りなしであり、富を独占する(それらの筋の家は狐や犬に守られ裕福)家として妬まれてもいたからです。
彼らに本当に特殊な力が宿っていたならば、そして半村八分的に忌避され血族婚が多かったとしたら、インブリードの結果オーバーヒートする者が時々出ることもありそうです。
科学的考察
霊的考察と一部重なる部分もありますが、ポピュラーなものから新たに考察したものまでを下記に述べます。
①狂犬病説
犬を飼っている方ならばご存じでしょうが、現在我が国では狂犬病の予防接種が全ての飼い犬に義務付けられています。
その結果、日本では20年近く狂犬病の発病を防いできました。
しかし、それは歴史的なスパンの中で見れば極々最近の話です。
過去においては結構な数の人間が狂犬病に罹患し亡くなったことでしょう。
狂犬病の症状は『狂』の字をいただくだけあって激烈です。
激しい痙攣、錯乱、言語中枢の麻痺による獣のごとく唸り声、光や音といった少しの刺激に対する過敏な反応、舌の痙攣による嚥下障害から水を飲めず渇きに苦悶します。
治療法もなく狂い死ぬのを待つだけの恐ろしい病は、人間から人としての尊厳を根こそぎ奪ってしまいます。
その狂騒する姿を見た昔の人が、『犬に取り憑かれて狂い死んだ』と思うのは自然なことではないでしょうか。
ちなみに狂犬病は犬だけではなく狐や狸といった野生動物からも伝染するので、『狐に噛まれてから可笑しくなった』『狸に引っ掻かれてから人が変わった』もあり得ます。
ワクチンも打たずに狩猟をしていた時代の猟師たちは、常に野生動物から狂犬病その他の伝染病をもらうリスクと隣り合わせでした。
運悪く感染し悲惨な死に方でもすれば、『殺生を繰り返していたから祟られた』などと噂されることでしょう。
どんなに可愛くても野生動物に手を出してはいけません。
どうしてもという方は、先にワクチンを接種してからにしましょう。
うっかり忘れがちですが、哺乳類である野生の蝙蝠も要注意です。
心霊現象の話から些か逸脱しますが、犬を飼っている皆さまは身勝手な安心感に胡坐をかくことなく、愛犬に必ず狂犬病予防ワクチンを受けさせてください。
②月齢説
月と潮の満ち欠けが人の精神に影響を及ぼす説。
西洋の狼人間をはじめとする獣人(ライカンスロープ)は概ね月との関連で語られます。
悪魔と契約した魔女(男の魔女も少数ですが存在し、実際魔女裁判で吊るされています)という些か荒唐無稽なものもありますが。
③インブリード説
霊的考察の狐筋・犬神筋でも触れましたが、何らかの理由で特定家系が共同体の中で忌避された結果として、血族婚が増えたとしたらどうでしょう?
近親相姦ではないにしても、狭い範囲で血族婚を繰り返せば嫌でも血は濃くなっていきます。
兄妹・姉弟で婚姻する習わしの古代エジプトのフォラオに夭折(何割かは暗殺と思われる)が多く出たことや、近親婚を繰り返したハプスブルグ家×ブルボン家の間に出来た子供の多くが障害を持っていたことを考えても、濃すぎる血は何かと心身にトラブルを起こしやすいのは医学的に証明されています。
④精神疾患説
精神を患ったことによる錯乱。
ただ、ストレスの蓄積などもなく『ある日を境にいきなり』となると、患った原因に霊的なものが作用しているのかもしれません。
精神疾患とは少し異なりますが、甲状腺ホルモンの異常から人変わりしたように粗暴になったという例もあります。
そのような場合は病院で適切な治療を受けることで完治するのでご安心下さい。
心霊現象6 ポルターガイスト現象・ラップ音
引用元:https://serendipity-japan.com/
ポルターガイスト現象とは、そこにいる誰一人として手を振れていないのに、勝手にモノが動く・モノを叩く音がする・発光(照明器具の点滅・謎の発光)・自然発火などが繰り返し起こることです。
ただし、ポルターガイストは必ずしも幽霊の仕業=霊的なエネルギーによるものとは限らないと言われています。
無意識のサイコキネシス(念力)の発動によるもの、つまり人間による心的エネルギーによるものです。
主なポルターガイスト現象を下記に挙げます。
①モノがやたらと無くなる
所定の位置に鍵やスマホを置いたはずなのに、数分後には消えている。
あちこち探しても、一向に出てこない。
なのに数日後、いつもの場所にちゃんと戻っている。
あるいは絶対に置かないような、有り得ない場所から出て来る。
こんな経験は日常誰しも年に数回は経験することでしょう。
単に物忘れが激しいだけかもしれませんが、ひょっとしたらポルターガイストの仕業かもしれません。
②モノが宙に浮く・飛んでくる
映画のワンシーンのように派手な現象です。
さすがにこれは『心霊現象あるある』とは言い難いものがありますが、特に誰も触っていないのに部屋の本棚から本が落ちる、夜部屋にいたら隣の部屋のラックからカバンが落ちる――くらいならば偶にありますね。
③異臭
臭いのもとになるようなものがないのに、家の中に有り得ない臭いが漂う――例えば、誰も喫煙しない家庭の浴室で煙草の臭いがする。
ただし、これは近所から発生した臭いが開いた窓などから入ってきているだけの可能性も高いです。
④電波障害
頭上の照明器具が突然点滅するなど、電気系統に原因不明の障害が出る。
寝ていたら引き出しの中のウォークマンが勝手に再生を始めた、などというのもこれに当てはまります。
ただし、単純に電気系統が故障しているだけの場合もあるので、霊媒師より先に電気屋さんを呼ぶべきかもしれません。
⑤原因不明のエネルギー
何年も動かないまま放置していた時計がいきなり動き始める。
アラームがいきなり鳴り出し、止めても止まらない。
スイッチが可笑しいからと電池を外そうとしたら、電池など最初から入っていなかった。
こうした原因不明のエネルギー・パワーによって様々なものが動き出します。
何故か電池の入っていないリモコンを力一杯叩いたら、何となくテレビがついた……くらいならばギリギリで『あるある』ではないでしょうか。
⑥不可思議な物音
自分しかいないはずの家の中で、隣の部屋から壁を叩く音や足音がする。
ボルタ―ガイストの中でもありがちな現象で、ラップ音と呼ばれるのがこれです。
集合住宅などの場合、天井や壁が薄く防音機能が悪いと、隣近所の生活音が聞こえているだけの可能性もあります。
マナーの悪い隣近所にいちいち腹を立てるより、『ただのラップ音だ』と思っていた方がストレスがないかもしれません。
⑦身体への攻撃
強いストレスを感じた個人(若者に多い)が、その心的エネルギーで自傷もしくは他害する。
他害はともかくとして、自傷ならば大いにありうるでしょう。
人の肉体はその精神によって思った以上に大きく左右されるものです。
プラシーボ(偽薬)であっても本人が『良く効く薬』だと思って飲めば症状が和らぎ、水であっても本人が『熱湯だ!』と思い込んでいれば火傷の症状が出ることがあると言います。
精神、とうか脳がリアルな嘘に騙されれば、肉体に脳が作り出した症状が出るということです。
まとめ
以上、比較的メジャーで誰もが一度は聞いたことがありそうな心霊現象を六つ並べてみました。
どの体験・現象に関しても言えることは、心霊現象とは決して科学と対極に位置するものではなく、むしろ背中合わせに存在するものだということです。
何でもかんでもすぐに霊と結び付けることも、科学で説明しきれないことは全否定することも、同じくらい間違っているのではないでしょうか。
どちらの可能性も平等に疑いながら真実を探す姿勢こそが、問題の解決に繋がるはずです。
そして原因が科学的であれ霊的なものであれ、手に負えなくなる前に一人で抱え込まず専門家に相談するべきでしょう。