動物に比べて地味な印象がある植物。珍しい、不思議と言ってもたかが知れていると思われるかもしれません。しかし、世界中には「なんでこんな姿に!?」と感じられるような独特な進化を遂げている植物が数多く存在します。
子孫を残すために高度なサバイバルを身に着けてきた植物たちの中から、特に不思議な生態、奇妙な外見を持つレアなものを20選紹介していきます。
珍しい植物① リザンテラ
リザンテラは、ラン科に属する植物であり、オーストラリアにのみ自生します。
引用元:http://diariodabotanica.blogspot.com/
リザンテラには、オーストラリア東部から発見されたスラテリーと、西武から発見されたガルドゥネリに2種があります。
どちらの種も、地中で花を咲かせるという非常に珍しい性質をもっており、一生を土の中で終えることもあるという奇妙な生態を持つ植物です。
成熟した果実がかろうじて地表に顔を出すことがあるというリザンテラは、見つけることが難しく、偶然発見された植物と考えられています。
研究が進んでいるガルドゥネリは、1928年に農園で発見され、植物学者のチャールズ・ガードナーの元に届けられて、調査されるようになりました。
リザンテラは腐生ランの仲間であるため、栄養は地中の菌から取ることができます。光合成をおこなわないため、葉緑素を持たず、茎は退化して鱗状になっており、花もキノコのような多肉質です。
受粉も土の中で行われ、腐葉土の中にいるアリやキノコバエが花粉を媒介しています。
珍しい植物② マダガスカル・レースプラント
マダガスカル・レースプラントは、マダガスカル島の沼地や小川などの淡水に生息する水草で、レーウソウ科アポノゲトン属に分類されます。
引用元:http://http://www.tropicalworldusa.com/
マダガスカル・レースプラントが、このような穴の開いた形状になっている理由は、川の流れが速い場所に生息していることから、水の抵抗をなくすために進化したためと考えられています。しかし、正確なことは分かっていません。
花を咲かせることができ、水の中で穂状花序を出します。花はピンク色をしており、水管が破裂して中から小花があふれてきたような姿で、結実すると休眠します。
マダガスカル・レースプラントは、マダガスカル島では、水位が低くなると硬い葉をつけると言われています。日本でもアクアリスト達に愛されている水草ですが、飼育が難しいため、上級者向けと言えるでしょう。
珍しい植物③ ノビレダイオウ
ノビレダイオウは、ヒマラヤ東部から中国の南西部の標高4000mの高山地帯の岩場に自生する、タデ科の植物です。
別名・セイダカダイオウとも呼ばれるノビレダイオウは、成長すると全長2mにまで伸びる巨大な高山植物です。外側に見える薄黄色の苞葉の中心には、太い花茎が通っています。
苞葉は半透明で光を通し、花は苞葉に包まれたまま咲きます。これは、寒さの厳しい高山地帯で生き残るための生存戦略で、苞葉の内側は熱をためることができるため、外気よりも10℃程度、高い温度を保つことができます。
成長は非常に遅く、根に栄養を蓄えて、7~8年かかってこの姿になるそうです。受粉は中に虫が入り込むことで行われますが、花が咲いた後、種をつけると枯れてしまいます。
珍しい植物④ タヌキノショクダイ
タヌキノショクダイは、ブラジルと日本に生息するヒナノシャクジョウ科の植物です。日本では、東京都(神津島)、宮崎県、徳島県、静岡県に自生していることが分かってます。
狸が蝋燭を持っているように見えることから、この名前が付けられました。
まるでクリオネのような姿を持つタヌキノショクダイは、2cm程の小さな茎に、壺状の花を咲かせる菌従属栄養食物です。花の上には壺の蓋をするように3枚の内花被弁がくっついたものが被さっています。
葉緑素が無く、白く透き通っていることから、いっそう神秘的に見えるタヌキノショクダイは、とても希少な植物でもあり、レッドデータで絶滅危惧種IAに指定されています。
タヌキノショクダイが初めて発見されたのは1943年のことで、次いで1950年に発見された際に名前が付けられたものの、正体が分からなかったため、この2つが同定されたのはずっと後のことでした。
一個体しか見つからないことも多く、また一代しか根付かないことも多いことから、発見することが非常に困難な植物の1つです。
珍しい植物⑤ タマゴバロニア
タマゴバロニアは、ミドリゲ目バロニア科の海藻で、本太平洋岸中・南部に生息します。
ヒスイの卵とも称されるその姿は、他には見ないほどの美しさです。この卵のような部分は、1つ1つが細胞の集まりであり、不規則に分裂して、互いにくっつくことでブドウの房のような形態になると言います。
繁殖力が強く、冬から初夏にかけて、本州の中部から九州の海の中の漸深帯の岩陰に生息しています。
一見エビの卵のようにも見えますが、タマゴバロニアの粒の中には強力なリン酸が蓄えられており、口に入れると大変なことになります。触れる分には硬い殻に守られているため、問題ありません。
珍しい植物⑥ バンクシア
バンクシアは、オーストラリア南西部やパプアニューギニアに自生する、ヤマモガシ科の低木になる植物です。
バンクシアの仲間は75種類が確認されており、そのうちの65種がオーストラリアに自生しています。写真は、種を出した後の果実のものです。
このバンクシアの多くの種はオーストラリアの乾燥地帯に生えており、あまりの乾燥に山火事が起こることも少なくないと言います。
バンクシアはこの山火事に上手に適応した生態を持っており、火事の炎で枝が燃えると、熱で二枚貝のような形の殻が弾けて、中の種が飛び出してくるのです。
しかも、周囲の樹木が山火事で焼き払われることにより、日当たりが良くなるうえに、燃えた後の灰が栄養となってバンクシアはよく育つという特性を持ちます。
引用元:https://www.gardendesign.com/
また、バンクシアの花も変わっています。数千もの花がびっしりとつき、雌しべが長く伸び、上の写真のようにブラシのような形態になります。
このブラシのようにデコラティブな花と、種を出した後の実のギャップから、バンクシアは一種の恐怖の対象となっており、オーストラリアの民話には、バンクシアに足の生えた姿の鬼が登場するものもあります。
珍しい植物⑦ ゴルテリア・ディッフサ
ゴルテリア・ディッフサ は南アフリカに自生する、ヒナギク科の植物です。
引用元:http://www.indefenseofplants.com/
ゴルテリア・ディッフサ は、別名をビートルデイジーと言い、花粉を運ぶハナバチの雌に似た模様が特徴です。
この目玉のような独特な模様を見たハナバチの雄は、雌だと勘違いしてゴルテリアに近づき、花に誘い込んで花粉を付けさせます。
メタリックな色合いと模様から、虫が止まっているようにも見えるゴルテリアは、不規則に模様を浮かび上がらせ、花ごとに違う模様を作ります。本種は南アフリカの中でも、ナミブ砂漠近くにあるナマクアランドに自生するそうです。
珍しい植物⑧ ヒドノラ
ヒドノラはアフリカ、アラビア、マダガスカル島に自生する寄生植物の一種です。
ヒノドラは正式にはヒノドラ・アフリカナと言い、これは“結節状のトリュフ”という意味があるとされます。また、英名では“ジャッカル・フード”と言い、生肉に見立てられています。
ヒノドラは、トウダイグサ科の植物の根に寄生し、地下で成長して花だけが地表に現れます。そして、熱を発することで腐敗集を周囲に放ち、ムカデなどの甲虫類を、このパックリと割れた裂け目におびき寄せて受粉させます。
珍しい植物⑧ ワタゲトウヒレン
ワタゲトウヒレンはキク科の植物で、インド、チベット、ブータンの標高5000mの高山地帯の岩場に自生します。
ワタゲトウヒレンが生息している地域は、夏でも夜間の気温が氷点下になります。そして、1年を通して雪が降らないのは僅か3ヶ月だけとも言われています。
そのような極寒の環境を生き抜くために、ワタゲトウヒレンは、立ち上がった葉にふかふかの白い綿毛を密集させ、茎を覆うような毛の塊になって厳しい寒さに耐えるのです。この独特の機能から、ワタゲトウヒレンはセーター植物、温室植物とも呼ばれています。
ワタゲトウヒレンは、この広い毛玉の中で紫色の花を咲かせるのですが、毛玉の中は温かいため、花の周囲の温度は30℃にもなると言います。
白い毛玉の上部がわずかに開いていることから、ここから花粉を運ぶハナバチが出入りし、受粉を手伝う仕組みになっています。
珍しい植物⑨ キソウテンガイ
キソウテンガイは、アフリカのナミブ砂漠に自生するグネツム綱に分類される裸子植物です。
引用元:http://interestingfacts12.blogspot.com/
キソウテンガイは、その姿から“砂漠万年青(オモト)”とも呼ばれる植物で、1859年にオーストラリアの植物学者、フリードリッヒ・ウェルウィッチによって発見されました。
複雑に絡まりあっているように見えるキソウテンガイの葉は、実は2枚のみで、地上に出た膨らんだ茎には、2枚の葉しか付いていません。
そして、その葉が永遠に伸び続けるのですが、葉が伸び続ける植物というのは非常に珍しいとされます。数mに渡って伸び続けた葉の先は裂けてボロボロになり、葉が何枚もあるように見えますが、実際は2枚だけ、まさに名前通りに奇想天外な生態を持ちます。
ナミブ砂漠は年間の降水量が100mlもなく、過酷な乾燥地帯で砂の温度も40~70℃にまで上がります。その環境に適応してキソウテンガイはこのような姿になったと考えられているのです。
雌雄異株で、株の中心にはげたような丸い窪みがあり、花序をつけます。種はワンタンの皮のような薄い羽根が周りについており、風で遠くまで飛ばされやすいような構造になっています。
根は太く、地下に2mもの根を下ろして砂漠の下の湿った土から水分を吸い上げます。ほかの植物に比べて気孔の数が多く、日中は気孔が閉じていて、霧が掛かる早朝と夕方に、気孔を開くと言います。
キソウテンガイは確認されている古い株では、なんと2000年生きているものも存在するそうです。また、本種がこの地球に誕生したのは1億年前と推測されており、当時からほとんど姿かたちを変えずに砂漠で生き続けています。
珍しい植物⑩ ハンマーオーキッド
ハンマーオーキッドは、オーストラリアの南西部に自生するドラカエア属の植物で、蘭の一種です。
引用元:https://www.earth.com/
細長い花びらと、赤黒く細かい毛が密集した唇弁という奇妙な外見を持つハンマーオーキッド。この唇弁の形は、花粉を運ぶコツミツバチの雌に似せたものです。
コツミツバチの雌には羽が無く、まさにこのような姿をしているのですが、それだけではなくハンマーオーキッドからはコツミツバチの雄を引き寄せるフェロモンも出ています。
これに引き寄せられて雄のコツミツバチが唇弁に抱きつくと、ものすごい速さで唇弁が反転して、体が逆さまになったまま、ずい柱に叩きつけられます。
この時に雄のコツミツバチの背中には、ベッタリと花粉が付くという仕組みになっているのです。
珍しい植物⑪ ゲンリセア
ゲンリセアは、タヌキモ科に属する食虫植物で、南アメリカとアフリカの熱帯地域に自生しています。
ゲンリセアは地下茎の捕虫器を持ち、それが下に向かってY字になり、写真のように螺旋を描いて伸びていきます。そして、この螺旋の隙間から入り込んだ生き物は、一度入り込んだら出られない構造になっていることから、後戻りすることができすに、上に向かって進むことしかできなくなります。
進んだ先には膨らんだ消化器官があり、ここで溶かされて捕食される仕組みになっているのです。
また、ゲンリセアの花茎には、細かな腺毛が生えており、粘液を分泌させています。この粘液の成分は明らかになっていませんが、もし消化酵素が含まれるとすると、花茎からも食虫することができるということになります。
珍しい植物⑫ オニク
オニクは、日本、北シベリア、サハリン、千島列島、カムチャッカ半島、北アメリカ北西部に自生する、寄生植物です。日本国内では東海地方より北で、その姿を見ることができます。
オニクは、ミヤマハンノキの根に寄生する寄生植物で、別名をキムラタケとも言います。湿った場所に生息し、葉緑素を持たないことから、他の植物の根に寄生して栄養を横取りして成長していきます。
オニクという名前は、中央アジアの乾燥地帯に自生する“肉じゅよう”という植物に間違えられたことで、付いたものです。肉じゅようは、乾燥したものが漢方薬として使用されており、このことからオニクにも効能があると考えられています。
医学的に証明されているわけではないのですが、オニクも疲労回復や便通の改善に効果があるとされ、盗掘が絶えないそうです。
また、オニクは茎の上の部分に二唇状のユニークな形の花をつけ、種も大量にできるのですが、この種にマタタビと同じ作用があり、嗅がせることで猫が酩酊状態になると言います。
珍しい植物⑬ モンキーフェイス・オーキッド
モンキーフェイス・オーキッドは、コロンビアやエクアドルなどの標高の高い山の雲霧林に自生する、蘭の一種です。
花の中央部に猿の顔が浮かび上がって見えることから、モンキーフェイス・オーキッドと呼ばれるこの植物は、蘭の仲間であるドラクラ(ドラキュラ)属に分類されています。
ドラクラ属の共通の特徴として、ガクの先が細く伸びて下に2本垂れ下がることが挙げられ、これがドラキュラの牙に似ていることから、この属名が付いたという説もあります。
ドラクラ属の蘭は、現在100種ほどが確認されていますが、中でも人気が高いのが、モンキーフェイス・オーキッドです。
唇弁が上唇と下唇に分かれていることで猿の口のように見え、側花弁は目のように見えることから、猿そっくりに見えるこの模様。唇弁の上の方がキノコバエに似ていることから、キノコバエに受粉させるために、このような模様になったとも考えられています。
珍しい植物⑭ ギンリョウソウ
ギンリョウソウは、東アジアに自生するイチヤクソウ科ギンリョウソウ属の腐生植物です。
引用元:http://www.tabata-tumugi.co.jp/
ギンリョウソウは別名“ユウレイダケ”とも呼ばれ、葉緑素を持たないことから、地下に菌根を作って菌から栄養を取ります。詳しくはベニタケが寄生先のコナラから得た栄養分を、ギンリョウソウが横取りしているのです。
全身が真っ白に透き通って美しく見えることから、ギンリョウソウは水晶蘭とも呼ばれています。葉は退化して鱗状になっており、日本国内でもベニテングダケが生えている腐葉土の多い場所で見ることができます。
珍しい植物⑮ ザゼンソウ
ザゼンソウは東アジアと北アメリカに離れて自生する、サトイモ科の多年草です。
紫色の袈裟を着た僧侶が座禅を組んでいるように見えることから、ザゼンソウという名前が付いたこの植物は、スカンクのような悪臭を放つことから、英名では“スカンク・キャベツ”と呼ばれています。
ザゼンソウは日の当たらない場所にひっそりと生息し、花の中心部にある肉穂花序は、熱を発します。花序は両性花で、メスの時期とオスの時期があるとされ、ザゼンソウは性転換をする花としても知られているのです。
ザゼンソウはメスと両性の時にはアデノシン三リン酸をエネルギー源にして、25℃まで発熱します。そのため、寒冷地に生息する個体の場合は、周囲の雪を溶かすこともあるのだとか。熱を発することで強烈なにおいを放ち、花粉を運ぶハエをおびき寄せるのです。
珍しい植物⑯ ドルステニア
ドルステニアはクワ科ドルステニア属に分類される塊根植物で、中南米やアフリカに自生します。
ドルステニアなどの塊根植物は地下の塊根に水を貯え、タンクの役割を果たします。盾状の花序の真ん中に、糸のような筒状の花を咲かせるドルステニアは、結実すると、果実が熟した頃に破裂して、種を遠くに飛ばすという性質があります。その姿は、まるで古代ギリシアの投石機のように見えるそうです。
また、南米やアフリカではドルステニアを民間薬としても利用しており、炎症を抑える効能や、下剤としても使用されています。根を煮出した汁を傷に塗布することで、外用薬にもなるとされます。
珍しい植物⑰ ツチトリモチ
ツチトリモチは、日本の三重県より南に自生するツチトリモチ科の寄生植物です。
引用元:http://amamishimbun.co.jp/
ツチトリモチはキノコの柄のように見える茎に、ごく細い黄色い雌花が付き、その上を赤色の粒が覆います。鱗片状の葉がついて葉緑素は無く、キノコそっくりに見えます。
クロキやハイノキに寄生して地下に塊茎をつくり、寄生先の植物から栄養を吸収して育つのです。ツチトリモチは、この塊茎をすりつぶすとトリモチが作れることから、この名前が付いたとされます。
近縁種には、キイレツチトリモチ、リュウキュウツチトリモチ、ミヤマツチトリモチなどがあり、それぞれ寄生先の植物も異なります。
珍しい植物⑱ ゲンチアナ・ウルヌラ
ゲンチアナ・ウルヌラは、中国の青海省やチベット自治区、ブータン、ネパールに自生するリンドウの一種です。
ゲンチアナ・ウルヌラはヒマラヤ山脈の標高5000m地帯に生息する高山植物で、多肉植物のような葉を持ちます。この葉は先が尖って星形を作り、塔のように重なっていきます。そして、塔の上に花芽が付いてベルのような形の花を咲かせるのです。
岩肌には分岐した地下茎が絡みつくことで固定され、ゲンチアナ・ウルヌラの高山で必死に咲いている様子は、植物好きからは高い人気を集めていると言います。
また、良く見ると花弁が半透明で、ここに光を集めることで花の中を温めて、寒冷な高山地域でも生息を可能にしています。
珍しい植物⑲ ショクダイオオコンニャク
ショクダイオオコンニャクは、インドネシアのスマトラ島に自生する植物で、サトイモ科コンニャク属に分類されます。
引用元:http://powo.science.kew.org/
ショクダイオオコンニャクは、巨大な円盤状の塊根を持ち、大きなものなら全長3m、葉の高さは6mにもなるとされます。
見た目のインパクトも凄いショクダイオオコンニャクは、インドネシア語では“ブンガ・バンガイ”と呼ばれ、これは“死体の花”という意味です。臭いに由来する名前で、ショクダイオオコンニャクは生ゴミのような悪臭がすることでも有名です。
学名は“アモルフォス・ティタナム”と言い、アモルフォスは不格好な男性器という意味なのだとか。
ユニークな植物ですが、数年に1度しか花が咲くことはなく、花の寿命も2~3日と短いと言います。そのため、限られた時間で花粉を運んでもらうべく、強烈なにおいを発しているのです。
育てるのが難しい植物ですが、日本の筑波実験植物園でも人工的に開花させてことがあり、この時はショクダイオオコンニャクの花を見るために渋滞が起こったと言います。
珍しい植物⑳ ブルゲリ
ブルゲリは、南アフリカに自生するハナミズナ科の多肉植物です。
ブルゲリは南アフリカのナミブ砂漠の南、ナクアランドに生息し“生きた宝石”とも呼ばれる植物で、透明な部分が窓の役目を果たし、この場所に光を集めることができるウィンドウ・プラントです。
頭頂部の2mm程度の割れ目から小さな花を咲かせ、まるで花が噴火しているような様子が見られます。また、ブルゲリの花は自機によって色合いが変わり、休眠前には徐々に赤く色づいていくという特徴を持ちます。
休眠前には透明な球体部分もしぼみ、古い皮が紙のようになって葉を覆っていきます。これは乾燥を防ぐためであり、休眠期間が明けると、脱皮をするという珍しい特徴も持つ植物です。
まとめ
高山地帯や砂漠地帯など、過酷な環境にも植物は適応するように強かに進化をしています。
植物と言うと目を楽しませてくれる美しいものや、香りの良いものに注目が集まりがちですが、見た目が地味なものや、不気味なものであっても、どうしてその姿になったのかという背景を知ると、愛着がわくものです。
移動する術を持たない故のドラマチックな植物の進化は、動物の進化過程とはまた違ったロマンを感じさせてくれます。