皆さんは子供の頃、海に行くと砂浜で貝殻を集めたりしていましたか?
私は綺麗な色や形の貝殻を集めて必ず自宅に持って帰ってコレクションにしていました。
今回紹介する貝は、もしかすると名前は耳にしたことがあるかもしれませんが、子供の頃に集めていた小さくて綺麗な可愛らしい貝殻からは想像もできないような姿の貝なのです。
きっとその姿を見ると、「これが貝?!生きているの?!」と驚くと思います。
オオシャコガイの特徴
別名オウギガイやシャコとも呼ばれ、ザルガイ科シャコガイ亜科に属する二枚貝の総称で、その二枚貝の中でも最も大型となる種がオオシャコガイです。
水を細長く開いている穴が取り込む穴、いわゆる取水口で、奥にエラがあり、そこで酸素を取り込み、丸く小さい出水菅から水と老廃物を吐き出す仕組みになっており、二枚貝の仲間と同様です。
貝殻は分厚く、扇形をしており、太い5本の放射助が波状に湾曲し、色は全体的に光沢のある純白色をしています。
外套膜の組織に渦鞭毛海藻類の褐虫藻が共生し、生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に依存しています。
サンゴ礁の海域に生息するオオシャコガイは、生時には海底で上を向いて殻を半ば開いた状態で、その間に膨らんだ外套膜を見せています。
この部分に褐虫藻を持っており、光合成を行わせています。
そしてオオシャコガイの中央部分には水管があり、これを使って他の二枚貝と同じように海水をろ過し、プランクトンを食べています。
オオシャコガイは移動することはなく、海底に転がっているか、珊瑚礁の隙間に入り込んでいます。
しかし、移動のチャンスは一生に1度だけあります。
生まれた時に足糸を持って生まれ、その足糸を使ってお気に入りのサンゴ礁の環境を見つけます。
お気に入りのサンゴ礁の環境を見つけた後、その場に定着するために体内から酸性物質を出して貝と岩を溶かし、足糸で固定させます。
その後、足糸は失われ、そこから動かなくなります。
その場に固定するために開けた穴は、シャコガイの置物などを裏返すと見ることができます。
引用:https://4travel.jp
オオシャコガイの大きさ
海外では「ジャイアントクラム」とも呼ばれ、殻長約2m、重量約300㎏を超えることがある二枚貝の中で最も大型の貝です。
寿命は100年以上だと言われています。
基本的に二枚貝の仲間はプランクトンをエラでとって食べますが、オオシャコガイはそれだけではありません。
移動をしないオオシャコガイは、体内に取り込んだ褐虫藻と呼ばれるも藻の仲間を外套膜に住まわせて共存関係を作ります。
体にいる何十億もの藻が光合成をすることによって糖分やタンパク質を作り出し、それを消費することで、このような巨大な体に成長します。
その藻が効率よく光合成を行うことができるようにオオシャコガイの口の中にはキラキラした膜があり、その正体は水管の肥大したもので、いわゆる褐虫藻の栽培室になっています。
その水管の表面には、数百個もの光を感じる細胞、いわゆる眼があり、光量や光の波長を調節し、褐虫藻に光を届ける役割をしています。
それで光量や光の波長を調節し、褐虫藻に光を届ける役目をしています。
褐虫藻の依存度は半分程度で、太陽光を豊富に与えれば、プランクトンなしでも生活することができるそうで、「光を食べる貝」とも言われています。
引用:http://www.instagub.com
オオシャコガイの生息地
太平洋の中西部とインド洋の熱帯から亜熱帯海域のサンゴ礁の浅海に生息しています。
オオシャコガイの生息する北の限界が日本で、八重山諸島では小柄な個体がわずかながら生息しています。
しかし、海水温が高かった約7000年から4300年前までは沖縄各地に生息しており、現在でも当時の貝殻がたくさん発見されており、その中にはギネス級の大きさの貝殻も発見されています。
引用:http://www.instagub.com
オオシャコガイの産卵
オオシャコガイは雌雄同体で、生殖は出水菅を使います。
生殖はオオシャコガイ群落の一つの貝がフェロモンのようなものを出し、それにつられて周辺の貝が精子を出すことで始まります。
約30分から1時間おきくらいに15分程かけて何度も吐き出します。
精子がなくなったら、5億もの卵を吐き出します。
精子と同様に吐き出しますが、煙は卵の方が濃いそうです。
大きさは0.2㎜足らずですが、その卵を食べに魚が群がってくるそうです。
そこで運良く受精した卵は、なんと12時間ほどで孵化します。
幼生は海の中を漂いながら成長して、半年で5㎜程になり、このくらいになると漂うことはできないが、子供のうちは1時間で10㎝程移動することができます。
引用:https://www.gettyimages.co.jp
オオシャコガイの食用
日本では沖縄地方で刺身にして食べられており、コリコリとした歯ごたえで、甘みがあるのが特徴です。
沖縄食材を扱っている店舗や魚市場や漁港店などで購入できるそうです。
オオシャコガイは生きていると指を挟まれるので危険ですが、包丁を入れて貝柱を切断すると、パカっと開くことができます。
貝柱を切断すれば挟まれる危険はなくなるので、そのまま内臓をすべて取り除きます。
食べられる部位は、貝柱、ヒモやミミと呼ばれる外套膜、肝と呼ばれる精巣や卵巣です。
さばいたオオシャコガイの貝殻はお皿として利用できます。
その他にも、お寿司や、バター焼きなんかも美味しいそうです。
しかし、それによって資源の減少が心配されています。
引用:https://belcy.jp
オオシャコガイの利用
オオシャコガイの見た目の美しさから、昔は仏教の七宝の一つとして珍重されていたそうです。
白色や黄色をしたオオシャコガイは心を穏やかにするアイテムとも言われており、女性向けの美しいアクセサリーなどに利用されています。
オオシャコガイのネックレスやブレスレットは、玉状に加工をして連ねて作ったものが一般的で、オオシャコガイを輪っか状に加工したものや不思議な形をしたものもあり、形は様々です。
オオシャコガイはアクセサリーだけではなく、お部屋のインテリアにも利用され、そのままの形を生かしてお部屋を南国風にコーディネートすることができます。
また、オオシャコガイに自分で色を塗ってみたり、加工をしたり、個性的なオオシャコガイのオブジェを作ることができます。
最近注目を集めているのが、オオシャコガイを利用したランプです。
ランプに利用されるのは小ぶりなもので、中に電球を入れると、オオシャコガイの中から明かりが透き通って、お部屋を優しい淡い光で照らしてくれます。
引用:http://photozou.jp
オオシャコガイの真珠養殖
オオシャコガイは真珠の養殖に必要な核として利用されておりますが、日本に輸入される際にきちんと輸出国から輸出許可書を得ているか、条約対象種の取引状況が確認できる年次報告書の記録からは核としての輸入が読み取れず、輸入状況を確認することは難しいそうです。
現在流通している海水産の養殖真珠は、通常アコヤガイを真珠母貝として養殖されたもので、そのほとんどは、真珠層を持つ他種の貝から造った球状の核と、ピースと呼ばれる母貝の外套膜の細胞小片を母貝に挿入して養殖します。
この核は真珠核と呼ばれ、米国のミシシッピー川などに生息するイシガイ科のボブガイの貝殻は真珠層の構造を持ち、養殖真珠の核とするには最適であると言われているそうです。
しかし、このドブガイからできる真珠の核よりもより安価な真珠層を持たないオオシャコガイやプラスチックを核として利用する場合があります。
オオシャコガイの貝殻が大きいため、その分厚い層からドブガイと比べて大きな核を数多く造ることができるそうです。
日本へは養殖真珠用として核そのものが輸入される場合と、オオシャコガイの核を有する養殖真珠が輸入される場合があります。
引用:http://yurukuyaru.com
人食い貝の噂
シャコガイに関する知識や情報が乏しかった1960年代頃まで、オオシャコガイは、「海中に潜った人間が開いた貝殻の間に手足を入れると、急に殻を閉じて水面に上がれなくして殺してしまう」「殺した人間を食べてしまう人食い貝」などと言われていたそうです。
しかし実際にはオオシャコガイの方から人間を襲うことはなく、閉じ方が緩慢なのでそのようなことはないそうです。
引用:https://www.ibreeze.info
オオシャコガイによる事故
日本国内ではオオシャコガイに挟まれる死亡事故は起きていませんが、海外では真珠採りのダイバーが足を挟まれて溺れ死ぬ事故は起きているそうです。
貝の閉じるスピードは遅いと言われていますが、稀に俊敏に反応して閉じることがあリます。
オオシャコガイは巨大な体になる程危険な強い力で挟み込み、スイカをも割ることができるそうで、一度挟まれるとちょっとやそっとでは抜け出せないので注意が必要です。
誤って足や手を入れて気づかない、悪ふざけな軽い気持ちで手足を入れてしまうことが
また、オオシャコガイは重たいので、回収する際に怪我をしたり、腰を痛めることはあるそうなので、危険が隣り合わせだということには変わりないそうです。
もしも海底で手足を挟まれた場合、大怪我を覚悟の上で、オオシャコガイを蹴るようにして思いっきり手を引き抜くか、オオシャコガイの一部を切り取るなどして脱出するしかないようです。
それでも抜けない場合は、救助が来るまで待ちますが、酸素ボンベの量や、近くに仲間や観光船がいるかどうかに生存率がかかっています。
地上で挟まれた場合は、オオシャコガイを解体したり、オオシャコガイを抱えて病院に駆け込むなどしてください。
引用:http://soranokakera.lekumo.biz
まとめ
貝は貝でも、3mをも超える大きさの貝を目の当たりにすると、きっとびっくりしますよね。
実際、私はパラオでダイビングをした際にオオシャコガイを見たことがありますが、本当にこれが貝?!と目を疑うほど大きくてとても驚きましたが、ブルーやグリーンのような色をしており、キラキラしていてとても綺麗で、オオシャコガイの側で記念写真を撮ったことを思い出しました。
オオシャコガイが生息している海に行くことはなかなかできないと思いますが、日本では愛知県の名古屋港水族館で見ることができるそうなので、機会があれば見に行ってみてはいかがでしょうか?