現在地球上には100万~150万種の動物が生存していると言われています。
しかし、その中には絶滅の危機に瀕している動物も少なくありません。
そして、それは食物連鎖の頂点に立つ最強の肉食動物でも同様です。
如何に最強の動物であっても環境の変化に対応できなくては生存し続けることは出来ません。
今回は古生代・中生代・新生代でそれぞれ食物連鎖の頂点に立ち一時代を築いた最強の絶滅動物たちをご紹介します。
- 古生代(約5億4200万 - 約2億5100万年前)の最強絶滅動物10選
- 中生代(約2億5217万年前 - 約6600万年前)の最強絶滅動物10選
- 新生代(約6,500万年前 - 現代)の最強絶滅動物10選
【古生代】最強の絶滅動物10選
古生代は、約5億4200万 - 約2億5100万年前までで、古生代・中生代・新生代と分かれる地質時代の大きな区分の一つです。
無脊椎動物の繁栄から、恐竜が繁栄しはじめる中生代の手前までの期間です。
アノマロカリス
古代生物の代名詞とも言えるアノマロカリスは、カンブリア紀(5億2,500万 - 約5億500万年前)に世界中の海に生息していた節足動物の先祖です。
体長は最大2m(カンブリア紀最大)で、固い殻を持つ三葉虫や海の生物を餌とし、当時の生態系の頂点に君臨していたと考えられています。3万個のレンズで構成されていた複眼は、当時の地球上で最も進化した目だったとされています。
ダンクルオステウス
ダンクルオステウスは、古生代デボン紀後期(約3億8000万 - 約3億6000万年前頃)の北アメリカ、北アフリカに生息していた巨大魚です。
体長6-10m程で、鎧のような重厚な頭骨を持ち、顎の噛む力は最大5000N以上で、歴史上の全ての魚の中で最強とも言われています。
当時の頂点捕食者であり、デボン紀に大繁栄を遂げましたが、その繁栄は長続きせず、デボン紀大量絶滅により衰退し、約3億6000万年前頃には絶滅しました。
ジェケロプテルス(ウミサソリ)
ジェケロプテルスは、シルル紀からデボン紀(約4億6000万年前 - 約2億5140万年前)にかけて栄えた肉食性水棲動物(ウミサソリ)の一種です。
体長は大きいもので2.5m前後にも達し、アースロプレウラと並んで史上最大級の節足動物です。ウミサソリとも呼ばれますが、実際には淡水湖や河川の河口に生息していたと考えられています。
海中における頂点捕食者として約2億年も生き続けましたが、古生代を終わらせた約2億5140万年前の大絶滅期を乗り切ることはできず絶滅しました。
ヘリコプリオン
ヘリコプリオンは、石炭紀後期から三畳紀前期(約3億1000万年前 - 約2億5000万年前)にかけて生息していた軟骨魚類の一種です。
体長は3-4mほどでサメに似た巨大な魚で、最大の特徴である渦巻き状に巻いた歯を持っています。最初の発見から1世紀以上、螺旋状の歯が下顎のどこに位置するのかは不明でしたが、1960年代に発見された頭骨によって螺旋状の歯は下顎に位置することが判明しました。
カメロケラス
カメロケラスは、オルドビス紀 - 三畳紀(約4億7000万 - 約4億2500万年前)にかけて生息していたチョッカクガイの最大種です。
体長は最大10mにもなり、オルドビス紀の海洋世界において最大級の動物であり、最大の軟体動物でした。大型のものは海底に潜み、触手で獲物を捕らえて捕食していたと考えられています。
アースロプレウラ
アースロプレウラは古生代石炭紀(約3億6000万 - 約2億9000万年前)の森林に生息した巨大な節足動物です。
体長は2-3mと大きく、ジェケロプテルスと並んで史上最大の節足動物です。
ムカデ(肉食)やヤスデ(雑食)の仲間と考えられていますが、アースロプレウラは植物食で、石炭紀に繁栄しました。
その理由としては「シダ植物群の大繁殖により大気中の酸素濃度が約35%と高かった」「脊椎動物が進化を始めた頃で捕食されることがなかったから」などの説があります。
ゴルゴノプス
ゴルゴノプスは古生代ペルム紀後期(約2億6000万年前)に南アフリカに生存していた哺乳類の先祖です。
全長2メートルほどの大型獣で、下顎下端に達するほどの長い犬歯と発達した切歯をもち、咬む力は非常に強く、ディノケファルス類やディキノドン類、パレイアサウルス類などを捕食していたと考えられています。
当時としては極めて強力な捕食者でしたが、ペルム紀末(P-T境界)の大絶滅を生き延びることはできず絶滅しました。
ディメトロドン
ディメトロドンは、ペルム紀前期(約2億9,500万 - 約2億7200万年前)に現在の北アメリカに生息していた肉食獣です。
全長1.7 - 3.5mのトカゲ型で、背に脊椎が伸びて形成される「帆(神経棘)」を有していました。
この帆には多数の血管が走り、大量の血液が流れるようになっていて、体温が低い早朝に日光から効率よく熱を吸収したり、体温が上昇しすぎた時には風に当てて身体を冷やしていたと考えられています。
主に、爬虫類や両生類を含む魚や動物を捕食していた頂点捕食者であり、恐竜によく似た姿ですが、最初の恐竜が出現する4,000万年前には絶滅していました。
エオティタノスクス
エオティタノスクスは、ペルム紀後期(約2億6000万年前)に主にヨーロッパに生息した大型肉食獣です。
名前は「夜明けの巨大なワニ」を意味しており、ワニのようにガッシリした作りの頭骨は縦に長く1m程もあり、顎にはサーベルタイガーのような長い牙を持っていました。
体長は最大で6~8m程度で、間違いなくその環境の支配者であり、普段は水中に潜んで水辺に近づく生物を捕食していたと考えられています。
プリオノスクス
プリオノスクスは、約2億7,000万年前(古生代ペルム紀後期)に南米大陸に生息していた原始的両生類です。
ワニに似た姿をしており、学名も「ノコギリワニ」という趣旨の言葉ですが、ワニの仲間でも爬虫類でもなく両生類です。現在知られる限りで史上最大最強の両生類であり、その体長は全長9m。頭部だけで1.6m以上あると言われています。
現生ワニ類のガビアルに非常によく似ており、生態的にもガビアルと同様、1日のほとんどを陸に上がることなく水中で過ごし、水際の待ち伏せ型捕食者であったと考えられています。
【P-T境界】古生代の終わりと中生代の始まり
P-T境界と呼ばれる約2億5,100万年前の古生代と中生代の境目に、過去6億年間で最も大きな火山噴火によって、史上最大級の生物の大量絶滅が起こりました。
これにより海洋生物の種の96%、全生物種の90 - 95%が絶滅したと言われており、古生代が終わり、爬虫類の時代と呼ばれる中生代が始まることになりました。
中生代最強の絶滅動物10選は次のページです。