驚異の自然現象

【スーパーボルケーノ】史上最大の噴火を起こした超巨大火山8選

世界には約1500の活火山が存在します。

その内訳は、アメリカ(178)、ロシア(150)、インドネシア(140)、日本(129)の順になっています。特に国土の狭い日本においては常に噴火の脅威にさらされていると言っても大げさではないでしょう。

しかし、活火山と言ってもその脅威は様々です。

特に、ひとたび噴火すれば地下のマグマが一気に地上に噴き上げ、世界を滅ぼすほどの壊滅的な環境変化を引き起こすほどの大噴火(破局噴火)をする可能性がある超巨大火山をスーパーボルケーノ(Supervolcano)といいます。

今回は、世界に存在する8の超巨大火山スーパーボルケーノと、日本最大の噴火の被害をご紹介します。

火山爆発指数(VEI)


火山爆発指数(VEI)とは、火山の爆発規模の大きさ・爆発の規模を示す指標のことで、爆発した際の噴出物(火山灰、火山弾など)の量で0~8の9段階で区分されています。

VEIのレベルが1上がる毎に噴出物の量は10倍になります。

レベル8の破局噴火は数万年に1回程度発生するとされ、今回ご紹介するスーパーボルケーノのほとんどは過去にレベル8の噴火を起こした事があります。

レベル8の噴火が起こった場合、環境や生物にとって壊滅的な被害が発生し、人類滅亡の可能性すらあると言われています。

 

イエローストーン(アメリカ)


イエローストーン国立公園は、現在でも数百カ所から熱水を噴き上げている北アメリカ大陸最大の火山地帯です。

国立公園の地下には現在進行形でマグマが溜まりつつあり、破局噴火発生の可能性があると危惧されています。

イエローストーンでは巨大カルデラの形成を伴う超巨大な破局噴火(VEI8)が過去に3回(約210万年前、約130万年前、約64万年前)発生しているのが分かっています。

最も新しい64万年前の噴火の規模は、1980年に57人の死者を出したセントヘレンズ火山噴火(アメリカ)の1000倍の溶岩が噴出し、火山灰は上空約3万メートルにまで噴き上げ、噴出物は西部一帯を覆い、南はメキシコ湾にまで達したと考えられています。

また、800℃に達した灼熱の火砕流が渓谷一帯を席巻し、緑に覆われていた大陸一体が一瞬にして死の大陸に変わってしましました。

さらにイエローストーン最大とされている210万年前の噴火では、ギャラティン山脈の南側長さ80kmの部分が吹き飛んで、カルデラ内の平地になっており、その規模はセントヘレンズ火山噴火(アメリカ)の少なくとも2万5000倍はあったと考えられています。

イギリスの科学者によるシミュレーションでは、もしイエローストーン国立公園の破局噴火が起きた場合、3 - 4日内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸に着き、米国の75%の土地の環境が変わり、火山から半径1,000km以内に住む90%の人が火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は10度 - 12度下がり、その寒冷気候は6年から10年間続くとされています。

 

タウポ火山(ニュージーランド)


タウポ火山帯はニュージーランド北島のタウポ湖周辺に位置する火山帯です。

約24万年前に出来たと考えられており、約2万5000年前に発生した超巨大噴火はVEI8 (1170km3)の破局噴火で、1兆トン以上の噴出物を大気中にまき散らしたとされています。

近年では、1886年にタラウェラ山で噴火し150名の死者が出ました。

 

トバ湖(インドネシア)


インドネシアのスマトラ島にあるトパ湖は、長さ100km、幅は約30km、最大水深530mで、面積は1,000km2にもなる世界最大のカルデラ湖です。

84万年前、50万年前、7.4万年前と3回の超巨大噴火(VEI8)を起こし形成されました。

74,000年前に起きた最新の超巨大噴火(2,800km3)は、200万年前に起こったイエローストーンの超巨大噴火(マグマ噴出量2,500km3)と並び世界最大級の噴火でした。

この噴火の火山灰はインドやパキスタンで5-7センチ、中国南部でも数センチの厚さで堆積し、東インド洋やベンガル湾の海底からやグリーンランドの氷床コアからも検出されており、地球の各地に降り積もったことが確認されています。

更に、この噴火の影響で地球の気温が5℃低下し、氷河期になってしまったともいわれています。

近年では、スマトラ島沖地震(2004年)、スマトラ島西沖地震(2005年)、そして、スマトラ島シナブン山の大噴火(2016年)とトバ湖近郊での地震や噴火が続いており、トバ火山で破局噴火が発生する可能性が危惧されています。

 

シャツキー海台(太平洋)


シャツキー海台(かいだい)は、日本から南東の北西太平洋の海底に位置する海台(火山噴火の影響で隆起した海底の地形のこと)で、地球上で最も大きな火山とされるタム山塊を有しています。

海底深くに存在し、調査が非常に難しい為、詳しいことは分かっておりませんが、シャツキー海台の一部であるタム山塊は、約1億4,500万年前の超巨大噴火で形成されたといわれています。

 

オントンジャワ海台(太平洋)


オントンジャワ海台は、太平洋のソロモン諸島の北にある面積約200万km2、厚さ30kmという巨大な海台です。

約1億2000年前に発生したVEI8 (8,000万km3)の破局噴火によって、現在は離れているマニヒキ海台とヒクランギ海台を含む世界最大の海台が形成されました。

これは、タウポ(1170km3)、イエローストーン(2,500km3)、トバ火山(2,800km3)と比べても桁違いの規模の超巨大噴火であり、その規模は、この2億年で地球上最大の火山活動として1億km3のマグマが地球の約1%を覆ったとされています。

 

カムチャツカ(ロシア)


ロシア極東(北海道の北)に位置するカムチャッカ半島にある火山群です。カムチャツカ川と周辺の中央谷には160の火山を含む大きな火山帯があり 、そのうち29個はまだ活動しています。

クリュチェフスカヤ山は標高4750mで北半球最大の活火山で、日本の富士山に似ていることからカムチャッカ富士とも呼ばれています。

2006年に探検家によってカリームシナと呼ばれる超大火山のカルデラが発見されました。

これは約150万年前に大規模な破局噴火を起こして形成されたものと考えられています。カルデラの底には温泉があり、現在でも地下には大きなマグマ溜まりがあると思われます。

カムチャッカ火山帯では現在でも毎年のように噴火が起こっており、大規模な破局噴火が起こった場合、日本にも大きな被害が出ると予想されます。

 

ラ・パカナ(チリ)


ラ・パカナ(La Pacana)は、 チリの北部アントファガスタ地方のカルデラです。アンデス中央火山地帯の一部であり、チリ、ボリビア、アルゼンチンにまたがるアルティプラノ・プーナ火山複合体(APVC)で最大最強の火山でもあります。

ラ・パカナは超大火山で、約400万年前に既知の噴火の中で歴史上5番目の規模となる爆発的な破局噴火(2,800km3)を起こしました。

APVCにはラ・パカナの他にもセロガラン、セログアチャというVEI8レベルの火山が存在しており、現在でも大規模は地震や噴火が起こっております。

 

ラ・ガリータ・カルデラ(アメリカ)


ラ・ガリータ・カルデラ(La Garita Caldera)は、コロラド州南西部のサンファン山脈にある大きなカルデラです。

ラ・ガリータ・カルデラを生み出した噴火は、地球の歴史上最大の火山噴火で、約2800万年前におこりました。

5,000km3以上の溶岩を噴出し、既知の噴火の中で唯一のVEI9に達するレベルの超巨大噴火とも言われています。

 

【参考】阿蘇山(日本)


スーパーボルケーノではありませんが、日本最大の噴火は阿蘇山で起こっています。

阿蘇山は過去に4度の大規模噴火を起こしており、最大の噴火はAso-4と呼ばれる約9万年前に起こったVEI7(384km3)の噴火です。

しかし、VEI7と言っても火砕流は当時陸続きだった秋吉台(山口県)まで160kmもの距離を流走し、火山灰は日本列島ほぼ全域に達しました。

阿蘇山は、Aso-4の噴火で現在見られる広大な火砕流台地を形成しました。その後の侵食でカルデラの縁は大きく広がり、現在の大きさにまで広がったと考えられています。

 

まとめ

破局噴火によって引き起こされる被害は、巨大隕石の衝突と同等とも言われます。

実際に、研究者の間ではアメリカのイエローストーンやインドネシアのトバ湖では破局噴火がいつ起こってもおかしくないと危惧されていますが、それは地球規模での時間で考えた場合の話であり、人間の時間間隔(数年~数百年単位)でスーパーボルケーノの破局噴火の発生を予測することは不可能です。

しかし、地球滅亡レベル(VEI7~8)の噴火は数万年~数十万年に1度の確率ですので、私たちが生きている数十年内に起こる可能性はほぼないと言っていいと思います。(わからないですが…)

仮に数年内に発生してしまったとしても、個人で対策出来ることは何もありませんけどね^^;

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