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160km超!世界一長い橋ランキングTOP12

橋とは、谷や地面、河、ときには海もまたいで道を作るためにかけられる人口構造物で、道路や鉄道などが通ります。

私たちの日常生活でもとても身近なもので、人類の歴史の中でも起源がよくわからないくらいに古い時代から架けられてきました。

最近では技術や社会の進歩によって巨大な橋が建造されるようになりました。

ここでは、世界の様々な橋の中から、全長の長い、世界最大の橋をランキング形式で紹介していきます。

第12位 キング・ファハド・コーズウェイ(サウジアラビア、バーレーン) 26000m

引用:www.arabianbusiness.com

キング・ファハド・コーズウェイは、中東のペルシア湾に浮かぶ島国家バーレーンとサウジアラビア東部のアル・コバールとを結んでいる海上橋です。

1968年に両国の合意によって建設がきまり、1980年から工事がスタートし、1986年に開通しました。

橋の上には4車線の道路が走っており、橋の約10㎞が海上道路になっています。

橋の途中では150mにわたって棟梁を高くして船舶が航行できるようになっています。

橋の途中には人口島が造られ、両国の出入国管理事務所や展望台タワー、休憩所などが設けられています。

橋の建設費用は全額サウジアラビアが出したことから、当時の国王ファハド・ビン・アブドゥルアズィーズの名がつけられました。

キング・ファハド・コーズウェイの開通により、それまで周囲と離れた島国だったバーレーンではサウジアラビアまで1時間、クウェートまで4時間で行けるようになり、バーレーンには多くのモノが流入するようになり、サウジアラビアからの観光客も激増しました。

戒律の厳しいサウジアラビアから、比較的自由なバーレーンで休日の息抜きをしようという人々で、休日には渋滞ができるほどの盛況ぶりです。

今では両国の物流・交通にとって、なくてはならない橋となっていて、第2のキング・ハマド・コーズウェイの建設計画も持ち上がっています。

第11位 東海大橋(中国) 32500m

引用:ja.wikipedia.org

東海大橋は、中国の上海市浦東区から、上海市の南東にある杭州湾上に建設された洋上の大型コンテナターミナルである洋山深水港とをつなぐ連絡橋です。

洋山深水港は、輸出入の増加によるコンテナ取扱数の激増によって従来の上海港の能力が限界になりつつあったため、超大型コンテナ船も入港できる新しい港として国家プロジェクトによって建設されました。

東海大橋は、2002年から工事がはじまり、2005年に開通、制限速度は80km/hで、設計寿命は100年となっています。

橋の北側は、浦東新区の滬芦高速道路につながっています。

第10位 杭州湾海上大橋(中国) 35673m

引用:ja.wikipedia.org

杭州湾海上大橋(こうしゅうわんかいじょうおおはし)は、浙江省東部の杭州湾を南北に縦断する海上橋です。

北の嘉興市、海塩県と、南の寧波市、慈渓県級市とを結ぶもので、6車線道路が走っていて、最高速度は100㎞/hです。

杭州湾は中国南部にある、東シナ海に面してラッパ状に開いている湾で、奥には銭塘江が注ぎ込んでいます。

銭塘江は、海嘯(かいしょう。潮津波(しおつなみ)とも呼ばれる)といわれる水の逆流現象が起きることで有名で、高さ9mもの波が40㎞/hほどの速さで河の上流へとさかのぼります。

杭州湾海上大橋の完成により、上海から寧波への道程が320㎞短縮され、輸送や観光に大きなメリットを果たしました。

上海から寧波までは長距離バスを使用することで3時間ほどで行けるようになりました。

杭州湾海上大橋は10年以上の調査を経て、2004年から工事が開始され、2008年5月1日に開通しました。

完成の時期は2010年に開催された上海国際博覧会にタイミングをあわせたものと思われます。

開通直後には、景色を見るために徐行したり、駐車したりする車もあり、大渋滞が起きた上、追突事故も多く発生しました。

杭州湾海上大橋は、完成時、海上橋として世界第2位の規模でしたが、その大半は、陸地の上や、干潮時に干潟になる場所を通っており、水上を通っている部分も純粋な海水ではなく、銭塘江(せんとうこう)と杭州湾が混じりあう汽水域です。

第9位 ポンチャートレイン湖コーズウェイ(アメリカ) 38402m

引用:ja.wikipedia.org

ポンチャートレイン湖コーズウェイは、アメリカ合衆国ルイジアナ州のポンチャートレイン湖にかかる橋です。

北のマンデヴィルから南にあるニューオーリンズ郊外のメテリーを結んでいます。

ポンチャートレイン湖は、ルイジアナ州南東部に位置する海水と淡水が混じりあっている汽水湖で、塩水の湖としてはユタ州のグレートソルト湖に次ぐ2番目の面積を誇ります。

ニューオーリンズ市民には行楽地として親しまれています。

ちなみに、名前の由来はルイ14世時代にフランス海運大臣および財務大臣をつとめたポンシャルトラン伯ルイ・フェリポーからきており、ルイジアナはもともとフランスの植民地で、アメリカが買収したという歴史があります。

ポンチャートレイン湖コーズウェイは、南側が1956年8月、北側が1969年5月に開通し、マンデヴィルからニューオーリンズまでの所要時間が約50分短縮されました。

橋には約9500ものコンクリート製の橋桁が使われています。

4車線の有料道路が通っていて、通行量は普通車の場合3ドルになっていますが、料金を徴収されるのは北のマンデヴィル側から利用したときだけです。

昔は通行量が50セントで橋の両側で徴収されていたのですが、ニューオーリンズ方面への車両の渋滞を防止する目的で、現在の方法に変更されました。

第8位 青島膠州湾大橋(中国) 41580m

引用:www.peoplechina.com.cn

青島膠州湾大橋(ちんたおこうしゅうわんおおはし)は、山東省にある海上橋で、膠州湾接続プロジェクトの一環として開通したものです。

青島膠州湾大橋はT字型になっていて、青島市の膠州湾の西側にある黄島区と東側の李滄区を結び、北の半島である紅島へと分岐するインターチェンジが海上に設けられています。

2007年から工事が始められ、開通したのは2011年6月30日です。

開通して以来、通行車両は増加を続け、一日あたり14000台の通行量があります。

この橋が完成したことで、膠州湾によって東西に隔てられていた青島の両岸の行き来が活発になり、青島西側に西海岸ニュータウンなどが造られました。

米フォーブス誌が選ぶ、「世界で最も優れた橋ランキング」にもランクインしたこともあります。

青島膠州湾大橋は、陸上の高架道路や青島膠州湾トンネルなどを含む膠州湾接続プロジェクトの一部になっていて、全長はこれらすべてを合計した41.58㎞を「青島膠州湾大橋の長さ」としています。

この数字は、当時の世界最大の水上橋であったアメリカのポンチャートレイン湖コーズウェイを上回っていたため、青島膠州湾大橋は2011年に世界最大の水上橋としてギネス記録に登録されました。

しかし、純粋に橋の長さだけでみると全長は26.7㎞、海上部分は25.9㎞となっています。

2016年に全長50㎞におよぶ港珠澳大橋が開通したため、青島膠州湾大橋は純粋な長さとしてもトータルの長さでも世界一の座を明け渡すことになりました。

第7位 北京特大橋(中国) 48153m

引用:triponzy.com

北京特大橋は、中国の首都北京に位置する橋で、京滬高速鉄道の一部となる鉄道高架橋です。

京滬高速鉄道(けいここうそくてつどう)は、中国の二大都市である北京と上海を結ぶ高速鉄道路線で、最大の高速鉄道プロジェクトとして2011年6月に開通したもので、全長1300㎞以上にもなります。

北京特大橋は、2010年に工事がスタートし、2011年に開通しました。

第6位 港珠澳大橋(中国) 49968m

引用:tabicoffret.com

港珠澳大橋(こうじょうおうおおはし)は、香港とマカオの間を通って東シナ海に注ぐ大河である珠江に架かる橋で、水上橋としては世界最大を誇ります。

珠江は、長江、黄河などに次ぐ中国の大河で、流域面積では長江に次いで中国第二の広さです。

河口部の三角州は珠江デルタ地帯と呼ばれ、香港・深圳・広州・東莞・珠海・マカオといった大都市が並ぶ中国の輸出産業の集積地になっています。

港珠澳大橋は、広東省珠海市と香港新界離島区ランタオ島からマカオ花地瑪(ファティマ)堂区を結んでいて、中国本土から香港、マカオをつなぐ橋です。

香港側の出発点は香港国際空港のすぐ東側に造られた人口島である港珠澳大橋香港口岸で、市街地と空港をつなぐ北ランタオ高速道路と連結しています。

橋は片側3車線の自動車専用道路になっていて、全長約50㎞のうち、22.7mが海上に架かっていて、香港側にある2つの人口島の間は6.7㎞の海底トンネルになっています。

車線は、中国本土での通行にあわせて右側通行になっています。

大陸側は、マカオの東側を埋め立てて人口島である珠澳口岸人工島を造り、そこでマカオ方面と珠海方面に分かれます。

珠澳口岸人工島の南側にはマカオに属する澳門口岸管理区となっていて、中国・香港・マカオと入出国の審査を行うゲートが橋全体で3ヶ所設けられているため、中国語で「三地三検」と呼ばれています。

港珠澳大橋の完成により、車を使えば珠海‐香港が45分、香港‐マカオが30分となり、従来のフェリーの半分ほどになりました。

この橋を車で走行するには通行ライセンスが必要で、特に香港‐マカオ間は各都市に300台ずつ、計600台という限られた枚数しか発行されていません。

個人で取得する場合にはマカオの会社で働いていること、法人の場合は香港かマカオで登記していることが条件となるなど、誰にもでも入手できるものではありません。

そのため、ほとんどの人はバスを利用してこの橋を渡ることになります。

バスは香港国際空港にある税関から専用のシャトルバスがでており、24時間運行で一日に200本、ピーク時には5分間隔で走っています。

香港の大手建設デベロッパーの発案により建造されたもので、工事は2009年12月にスタートしました。

開通は2018年10月24日で、記念式典には習近平国家主席も出席しました。

建設費用は1100億元(約1兆7000億円)とされています。

第5位 バンナー高速道路(タイ) 54000m

引用:jp.123rf.com

バンナー高速道路は、タイの首都バンコクのバンナーから観光地としても有名なパタヤのあるチョンブリ県までを結ぶ高速道路です。

バンナー高速道路は世界一長い道路橋で、完成した2000年1月から2004年までのあいだは、世界最大の橋の座にありました。

バンナー高速道路はタイの高速道路運輸局(ETA)によって性格され、上部構造の設計はアメリカで、基礎部分の設計はタイで行われました。

アメリカのペンシルバニア州にある高速道路パンシルバニア・ターンパルクを設計したアメリカ人技師のルイ・バーガーも設計を担当しています。

バンナー高速道路の完成により、バンコクの交通渋滞が緩和されることが期待されていました。

橋の建設には180万㎥を越えるコンクリートが使用され、信頼性と弾力性が確保されています。

建設は1995年にはじまり、5年以上の歳月が費やされ、投じられた費用は10億ドル(約1080億円)以上とされています。

第4位 渭南渭河特大橋(中国) 79700m

引用:japaneseclass.jp

渭南渭河特大橋(いなんいがたとくだいきょう)は、中国の鄭西旅客専用線にかかる橋で、陝西省渭南市臨渭区にある鉄道橋です。

鄭西旅客専用線(ていせいりょかくせんようせん)は、は中国の河南省鄭州市と陝西省西安市とを結んでいる高速鉄道路線です。

鄭西旅客専用線は、「四縦四横」と呼ばれる、南北方向と東西方向に4つずつある旅客鉄道専用線で、中国の高速鉄道の中核となる鉄道網の1つ、徐蘭旅客専用線の一部です。

「四縦四横」旅客専用線では、8つの路線の全長は12000㎞にも達します。

渭南渭河特大橋は、鄭州市から西安市を結び、渭水と2回交差しており、そのほかにも多くの高速道路や鉄道、川をまたいでいます。

渭水とは、黄河の支流の1つで、現代中国では渭河という呼び方が一般的で、この橋の名前にもなっています。

完成時は世界最大の橋としてギネス記録に認定されていましたが、京滬高速鉄道の開通によってそこにかかる2つの橋(丹陽-昆山特大橋、天津特大橋)に記録を破られました。

渭南渭河特大橋が完成したのは2008年のことでしたが、その後、鉄道が開業したのは2年後となる2010年2月6日でした。

第3位 天津特大橋(中国) 113700m

引用:matome.naver.jp

天津特大橋(てんしんとくだいきょう)は、京滬高速鉄道に架かる橋で、中国の廊坊市から青県までを結ぶ鉄道橋です。

天津特大橋は、世界第3位の橋ですが、2位の彰化-高雄高架橋がギネスにのっていないため、ギネス記録上では世界で2番目に長い橋として認定されています。

天津特大橋は、いくつもの高速道路や鉄道が交差する、経済の中心である天津市に、2011年6月に開通しました。

建設にあたっては、あらかじめ工場で造られた橋桁を組み合わせる工法により、工期の短縮がはかられました。

第2位 彰化-高雄高架橋(中国) 157317m

引用:ja.wikipedia.org

彰化-高雄高架橋(しょうか‐たかお こうかきょう)は、台湾高速鉄道(高鉄)の鉄道橋で、台湾彰化県から高雄市に至る、5つの県と市をまたぐ連続高架橋です。

台湾で最も長い橋であり、中国の丹陽-昆山特大橋に抜かれる2010年までは世界最大の橋でした。

台湾高速鉄道は、台湾の台北市から高雄氏を結ぶもので、ノンストップならこの2都市を約1時間半でつなぎます。

彰化-高雄高架橋は、彰化県員林市林厝里の八卦台地を通る八卦山トンネル出口付近を起点とし、高雄市仁武区高楠里の高鉄左営駅手前を終点としています。

完成時にはタイのバンナー高速道路を抜いて世界最大の橋になりました。

工事の際には、あらかじめ工場で橋桁を組み立てておき、現場で取り付けて、すでにある橋桁の上のトレーラーとクレーンで1スパンずつ伸ばしていくFSPLM工法(Full Span Pre-Cast Launching Method)によって工期の短縮がはかられました。

彰化-高雄高架橋は、断層の上を通ることがわかっていたため耐震性能に力を入れており、地震のときでも列車を安全に停止させることができ、想定される最大規模の地震による損傷でも修復が可能なように設計されています。

第1位 丹陽-昆山特大橋(中国) 164800m

引用:matome.naver.jp

丹陽-昆山特大橋(たんようこんざんとくだいばし)は、京滬高速鉄道に架かる高架橋で、世界で一番長い橋としてギネス記録にも認定されています。

丹陽-昆山特大橋は、中国東部の江蘇省丹陽市から崑山市までの区間にかかっています。

橋はちょうど南にある長江と平行に伸びています。

蘇州市では陽澄湖(ようちょうこ)の上を通っている9㎞の区間がこの橋のなかで最も長い水上区間となっています。

橋は10000人以上の労働者を使い、4年以上をかけて2011年に完成し、建設には85億ドル(約9200億円)の費用が投じられました。

まとめ

以上、世界最大の橋をランキング形式で紹介してきました。

やはり、成長著しい中国の橋が多くランクインしているのが目につきますし、その多くはここ10年ほどで開通した新しい橋ばかりです。

ちなみに、日本で一番上位の橋は瀬戸大橋(12307m)の21位です。

中国のように広い国土をもつ国のほうが大きな橋がたくさん建設されやすいといえますし、中国ではこれからもまだまだ長い橋が造られていくと予想されます。

近いうちに、このランキングもどんどん変わっていくかもしれません。

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