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世界最大の仏像ランキングTOP10

仏像とは、仏教で信仰の対象とされる仏の姿を表した像のことをいいます。

本来、仏とは、仏教の開祖である釈迦(ゴータマ・シッダールタ)のことを指しますが、今では阿弥陀如来や弥勒仏などいろいろな仏が作られるようになり、菩薩像や明王像なども仏像と呼ばれるようになっています。

仏像というと、お寺の本尊になっている、私たちの身長よりも少し高いものや、大きいといっても仁王像程度のものを想像するかもしれませんが、世界には私たちの予想を超えたケタ違いに大きな仏像があるのです。

ここでは、世界の巨大な仏像をランキング形式で紹介していきます。

第10位 九華山地蔵菩薩像 76m

引用:http://www.fengsuwang.com/

九華山地蔵菩薩像は、中国の安徽省にある九華山にある仏像で、世界最大の地蔵菩薩像となっています。

九華山は、中国仏教の聖地で、中国四大仏教名山の1つにも数えられます。

中国四大仏教名山は、古来からの中国における仏教の有名な名山、霊山、聖山を呼ぶもので、山西省の五台山、四川省の峨眉山、浙江省の普陀山、そして九華山からなり、それぞれ、文殊菩薩や普賢菩薩、観音菩薩の聖地とされ、九華山は、地蔵菩薩信仰の聖地となっています。

九華山は、もともと陵陽山と呼ばれていた山で、昔、新羅からやってきた金喬覚(きんきょうかく)という僧侶(僧名を地蔵といった)が、この山で入滅したところ、3年経って棺を開いてみたところ、その顔が生前からまったくかわっていなかったという話が伝わっています。

そのため、地蔵菩薩と金喬覚を同一視する信仰が生まれ、中国における地蔵菩薩信仰の中心地となりました。

明や清の時代に隆盛を極め、その時代には、九華山に360山以上の寺院があり、5000名を超える僧侶がいたといわれます。

この場所に作られた巨大な地蔵菩薩像は、建造費3億元(37億円)が投じられ、1998年から計画され、九華山のシンボルとして2005年から建設が始められました。

高さ76mにもなる巨大な像には、重量1100tとなる3000枚もの銅板が使われ、頭部には35㎏もの金メッキが塗られ、体内には、3基のエレベーターが設置されています。

第9位 世界平和大観音像 80m

引用:ja.wikipedia.org

世界平和大観音像は、日本の兵庫県淡路島の寺院兼博物館である平和観音寺にある仏像で、完成当時は世界最大の象といわれていました。

平和観音寺は、大阪を中心として不動産事業を行うオクウチグループの創業者である奥内豊吉によって、彼の出身地である淡路島に、私財を投じて1977年に建立された寺院です。

この施設の中心的建造物となっているのが、巨大な観音菩薩像である世界平和大観音像です。

敷地内には、他にも、十重之塔や、五百羅漢象、自由の女神のレプリカなどが置かれています。

観音像の内部には、1階の台座部分に「豊清山平和観音寺」として本尊が祀られているほか、内部のほとんどは奥内氏による個人コレクションを展示する博物館となっています。

像の首の部分には、展望台が設けられていて、大阪湾や大阪の街並みを一望することができたのですが、風の強い日はとても揺れて怖かったといいます。

この展望台部分がむち打ち治療用のギプスを着けているように見えることから、「むち打ち観音」という異名がついてしまいました。

世界平和大観音像は、完成時には物珍しさも手伝って、一日2000人もの人が訪れるほどの大盛況でしたが、やがて来客も減り経営難になっていきました。

そして、奥内氏とその妻が亡くなると2006年には閉館となってしまいます。

その後は、次第に廃墟化していくとともに象の老朽化が進み、周辺に落下物が降ってくるといったトラブルも起こるようになります。

遺族が相続を放棄したため、現在は半放置状態なり、出入り口も封鎖されて立入禁止となっています。

2020年4月1日、世界平和大観音像の取り壊しが決定したというニュースがあり、工事は2022年中に完了する予定となっています。

第8位 霊山大仏 88m

引用:www.chinaviki.com

第8位には、2つの仏像がランクインしています。

最初に紹介する霊山大仏は、中国の江蘇省無錫市、龍山のふもとにある巨大なブロンズ製の大仏です。龍山は、無錫市太湖のはずれにある小霊山で。霊山大仏は、中国5大仏の1つにも数えられています。

1996年に完成したもので、高さ9mの蓮の台座の上に据えられ、大仏の重量は700tにもなります。

2008年には、ヒンドゥー教の影響を受けた霊山ブラフマー宮殿が大仏の南東に建てられました。

この場所を訪れて、大仏の周りを歩きながら、大仏を見上げると、その方向から見ても、大仏がこちらを見ているように見えるといわれ、霊山大仏に祈りを捧げると、幸運がやってくるといわれています。

第8位 北海道大観音 88m

引用:hokkaidofan.com

北海道大観音は、北海道芦別市にある観音像で、日本で第3位、北海道では第1位の高さを誇ります。

芦別市は、かつて石炭産業で栄えた街ですが、エネルギーの主役が石油に移り変わっていくなか、街が寂れていくのは避けられないと思われていました。

そこで、地域振興のために、大成功したことで有名な福島の常磐ハワイアンセンターを手本として、1970年に芦別レジャーセンターを開園します。

大浴場やボウリング場などを備えたレジャーセンターは、繁盛して一定の成功をみました。

そこで、比較的多くのお金を使ってくれる高齢者層をターゲットにした宗教テーマパーク化を目指し、1989年に北海道大観音像が作られました。

観音像の完成にあわせて、レジャーセンターも「北の京(みやこ)・芦別」に名称変更します。

北海道大観音の内部には、エレベーターで上がっていける展望台が設けられ、レジャーセンターと観音像を結ぶモノレールも作られました。

新しくホテルもオープンし、テレビCMも放映されて、北海道内での知名度は高まっていきました。

しかし、日本が不況に陥ると、レジャーランドの経営も悪化、観音像も積雪期の公開は中止されました。

レジャーランドは、2013年8月をもってテーマパークとしての営業は終了。

現在は、譲り受けた宗教法人によって、宗教施設としてのみ運営が続けられていて、観音像も、「北海道天徳大観音」と名前を改称しています。

第7位 グレートブッダ 92m

引用:www.travel.co.jp

グレートブッダは、タイのアーントーン県にあるワットムアン寺院にある、黄金色に光り輝く、高さ92m、幅63mという巨大な仏像です。

ワットムアンは、14世紀のアユタヤ朝時代からあった寺院といわれていますが、1765年から侵略してきたビルマの軍勢によって、跡形もなく徹底的に破壊されたといわれています。

その後は長い間廃墟として放置されてきたのですが、1986年にある僧侶の呼びかけによって再建がはじめられ、以後、16年の歳月をかけて今の姿に復元されました。

グレートブッダは、タイで最も高い像であり、東南アジアでは2番目に高い像、そして、世界で第9位の高さを誇る像となっています。

グレートブッダは、ルアンポーヤイといわれる座位姿勢をとっていて、座位姿勢の仏像としては世界最大のものとなります。

グレートブッダは、タイのプミポン国王を讃え、ワットムアン寺院の最初の長であるプラクルヴィブールアルジャラクンにより、仏教徒からの善意の寄付を集めて建てられました。

グレートブッダの建設は、1990年から始められ、2008年に完成しています。

グレートブッダには、象の指先に触れるための台座が備え付けられていて、指に触れることでご利益がもらえるパワースポットになっています。

アーントーン県には、あまり外国人が訪れるような観光スポットに恵まれた地域ではありませんが、ここはそのなかでも有名な場所となっています。

グレートブッダは、アーントーン県のシンボル的な存在となっていて、実は、その正式名称は、「プラプッタマハナワミントラサカヤムニースリヴィシェチャチャルーン」という非常に長いものです。

プラプッタが「仏」、マハナワミントラが「プミポン国王」、サカヤムニーが「仏陀」、スリが「神聖になる」、ヴィシェチャチャルーンが「グレートブッダ像が位置する地域の地名」を表しています。

あまりにも長いため、地元の人からは単に大仏を意味する「ルアンフォトー」と呼ばれているそうです。

第6位 沩山千手千眼観音像 99m

引用:ru.wikipedia.org

沩山千手千眼観音像は、中国の湖南省長沙市にある高さ99mを誇る仏像で、中国で4番目に高い像となっています。

沩山千手千眼観音像は、総額260億元(約3500億円)の建造費をかけて2009年に完成したもので、世界最大となる千手観音の彫像です。

沩山千手千眼観音像は、青銅に金メッキを塗っており、ブロンズ像としは、世界で2番目の大きさとなっています。

使われている銅の重量は600tを越えており、額にはオーストラリア製の直径25㎝にもおよぶ巨大なルビーが埋め込まれています。

この千手漢観音像を建てるため、地元の商人や仏教グループから資金が集められました。

現在、観音像の周辺は、沩山千手千眼観音文化公園として整備されています。

第5位 仙台大観音 100m

引用:www.sentabi.jp

仙台大観音は、仙台市の大観密寺に建つ高さ100mにもなる大仏で、このお寺の通称にもなっています。

仙台大観音は、正式名称「仙台天道白衣大観音(せんだいてんどうびゃくえだいかんのん)」といいます。

仙台大観音は、仙台駅の方向に正面を向けて建てられていて、仙台市内でも高いビルなどからは、その姿を見ることができます。

仙台大観音は、不動産事業で成功した実業家が、自分が成できたのは、日ごろから観音様を信仰していたご利益のためだと考え、大観音像の建立を発願したものです。

1988年から工事がはじまり、40億円の建設費が投じられ、1990年に完成しました。

仙台大観音は、全身を白色フッ素樹脂で塗装されており、象の高さは92m、台座の部分も含めると、100mになり、この100という数字は、1989年に仙台市が市政100年を迎えたことにちなんでいます。

さらに、21世紀に向けての仙台の繁栄を願って、地下方向にも21mの深さまで掘られています。

像の中に入れる台座の入り口は龍の口を模した登竜門になっていて、正面から見ると、観音像が龍の上に乗っているように見えます。

眉間にある白毫は直径74㎝で、手には重さ34tの如意宝珠と、67tの水が入る水瓶をもっています。

内部は12層に分かれていて、60mにおよぶ吹き抜けがあり、エレベーターを使って上がることができるようになっています。

1層には十二神将や三十三観音、水子観音を祀った水子供養殿があり、3~11層にはじつに108体もの仏像が安置されています。

最上階である12層には正面と背中側の2方向に展望台が設けられていて、仙台市内と太平洋を眺望することができます。

さらに、両肩には航空障害灯も設置されていて、その部分には窓も設けられています。

アナログ放送の時代には、この大観音のために電波障害が発生していたため、テレビの中継局が置かれていたこともあります。

造られた当初は、物珍しさから多くの人が見学に押し寄せ、大変な賑わいとなっていましたが、現在では普通の静かなお寺になっています。

それでも、この観音像の通称がお寺の通称としても使われていることからも分かる通り、仙台大観音は、今でも多くの人々の信仰のよりどころになっています。

第4位 南山海上観音聖像 108m

引用:rtrp.jp

南山海上観音聖像(なんざんかいじょうかんおんせいぞう)は、中国南部にある海南島の三亜市の南山寺にある観音菩薩像です。

南山海上観音聖象は、世界で最も高い観音像となっています。

南山海上観音聖象は、6年がかりで建造され、2005年4月24日に完成しました。

完成した像を安置する際には、中国だけでなく、台湾や香港、マカオからの各宗派の高層108人とともに、小乗仏教や密教の代表、そして巡礼者10000人が集まったといわれます。

南山海上観音聖象には3つの正面があり、1つは海南島のほうを、あと2つは南シナ海のほうを向いています。

これは、中国と全世界に対する天恵と加護を表しているものです。

1つの正面では、観音菩薩は左手に教典、右手に印相(仏教における手の形で悟りを表現するもの)を結んでいて、もう1つの正面では手の平を交差させて数珠を持っていて、残り1つの正面では、蓮をもっています。

第3位 牛久大仏 110m

引用:www.ibarakiguide.jp

牛久大仏は、正式名称を牛久阿弥陀大佛といい、茨城県牛久市にある青銅製の大仏立像です。

立像の高さとしては世界第6位の大きさであり、ブロンズ製の立像としては世界最大のものとなります。

世界一の大きさのブロンズ製仏像として、ギネス世界記録にも認定されています。

奈良の大仏が手の平に乗るほど、といえばその大きさがどれくらい大きいかがわかるでしょうか。

牛久大仏は、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺によって造られたもので、1986年から工事がはじまり、1992年12月に完成しました。

牛久は、浄土真宗の開祖である親鸞上人が後鳥羽上皇によって流罪にされて放免された後、関東における不況の拠点としていた場所で、茨城県内には、親鸞上人とゆかりの深いお寺や事跡が多く残されています。

そのため、この牛久の地が大仏建立の場所に選ばれたのです。

牛久大仏は、東本願寺派の霊園である牛久御苑の敷地内に建てられました。

牛久御苑は、総面積37万㎡にもおよぶ霊園で、ヤギと触れ合える公園や花畑もある複合施設になっています。

牛久大仏は、東本願寺派の本尊になっている阿弥陀如来像の形状を拡大した外観をもっています。

像の表面には、6000枚以上の青銅板が使われていて、牛久大仏の表面をよく見ると、これらの正方形のタイル状になった継ぎ目がわかります。

牛久大仏の青銅板は、表面に貼り付けてあるだけのため、厚さは6mmしかなく、銅板を使って仏像全体の重量を支えている奈良の大仏とは大きく違っています。

牛久大仏は、いくつものブロックを組み合わせる手法によって作られており、クレーンを使ってこれを積み上げていきました。

ブロックの間には、あえて隙間が設けられていて、台風や地震、気候変動による地金の伸び縮みに対する構造上の余裕をもたせてあります。

牛久大仏の内部には、仏教の世界や歴史について解説したパネル展示が設けられています。

第2位 レンチュンセッチャー大仏 116m

引用:sumally.com

レンチュンセッチャー大仏は、ミャンマー中部チンドウィン川東岸の都市モンユワ近郊の村に建つ巨大な大仏です。

レンチュンセッチャー大仏は、ギネス未登録ですが、台座を除いた世界で最も高い人型建造物になっており、台座だけでも13mあるため、台座を入れるとその高さは、129mにもなります。

レンチュンセッチャー大仏は、1996年から建設が開始され、12年の歳月をかけて、2008年2月21日に完成しました。

旅行者からは観光地として人気ですが、地元の人々からは、神聖な像として崇拝の対象になっています。

レイチュンセッチャー大仏は、仏教の開祖とされるゴウタマ・シッダールタを象ったもので、これほど巨大な像にも関わらず、地元の人々の寄付だけによって建造されました。

建設期間が長くかかったのもそのためといわれています。

レイチュンセッチャー大仏は、仏教における知恵の象徴の色と考えられている黄色で全身を塗装されています。

レイチュンセッチャー大仏の内部は31層に分かれていて、地獄の様子を描いた絵など宗教絵画による装飾が施されていて、エレベーターを使って上に上がれるようになっています。

第1位 魯山大仏 128m

引用:sougi-soushiki.beauty-box.tokyo

魯山大仏(ろざんだいぶつ)は、中国河南省魯山県にある密教の教祖である大日如来の仏像で、世界最大の高さをもつ仏像となっています。

立像のみの高さなら、2位のレイチュンセッチャー像のほうが高いのですが、台座を含めた高さでは、魯山大仏のほうが高くなっています。

魯山大仏は、足元の20mの蓮華座を含めて総高128mとなっていますし、台座となっている建物を含めれば153mとなっており、2008年にはさらに台座が造り直されて、全体の高さは208mにもなりました。

魯山大仏の内部は、僧院になっています。

魯山大仏は、2018年にインドの「統一の像」が完成するまでは、仏像としてだけでなく、象としても世界最大の高さを誇っていました。

魯山大仏を構成している銅の鋳物は全体で約1100パーツといわれ、総重量は1000tともいわれています。

建造費は約5500万ドル(日本円にして約18億円)と推計されていて、そのうち1800万ドルが彫像に費やされたとされています。

魯山大仏は、2001年にアフガニスタンにあるバーミヤン遺跡の大仏がタリバンによって破壊された直後に、その建造が発表されました。

中国政府は当初から、バーミヤン像を含めてアフガニスタン内の仏教施設が多数破壊されたことを非難しており、魯山大仏の建造が決定したのはこうした事件とも関係があるようです。

まとめ

以上、世界最大の仏像ランキングを紹介してきました。

世界には、私たちが仏像と聞いてイメージするよりもはるかに大きな仏像が多数存在していることがわかります。

世界最大の像ランキングを作っても、そのなかに多数の仏像がランクインします。

このランキングをみていると、日本にもたくさんの巨大仏像があることがわかって、少し驚きですね。

さらに、仏像というと古いものというイメージもあるかもしれませんが、ランクインしている仏像は、比較的最近作られたものが多いこともわかります。

考えてみれば、このような高い仏像を作るには現代の建設技術が必要になってくるはずです。

現代でもこうした仏像が作られるのには、それだけ人々の中に仏教に対する信仰が根付いている証拠といえるでしょう。

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