山道を歩いていると、道の端にキノコが生えているのを見かけたりします。
本当にその気がなくても、これは食べられるのだろうか、と考えることもしばしば。
特に、食用としてスーパーに売っているしめじやしいたけに似ていると尚更です。
しかし、一見安全そうに見えるキノコであったとしても、とんでもない毒を隠し持っている可能性があるのです。
ここでは、危険とされる毒キノコ20種をご紹介します。
20位 オオワライタケ
引用:https://www.kinoco-zukan.net
オオワライタケは、カサの直径5~10cmの世界的にも広く分布する毒キノコです。
夏から秋にかけて、ミズナラ、シイ、ブナなどの広葉樹に発生すると言われています。
色は黄褐色~褐色で、基本的に黄色を帯びており、中央部の色は濃くなっています。
形は半円形または円形で、小さい時は饅頭型ですが、成長と共に徐々にカサが開き、やがて平らになります。
肉は噛むと強い苦みがあるとされています。
誤って食べてしまうと、5~10分ほどでめまい、寒気、ふるえなどの神経系の症状が現れ、重症な場合は幻覚、幻聴、異常興奮、狂騒状態になるとされています。
時には視力障害を起こし、見るものすべてが赤く見えることがあると言われています。
オオワライタケという名は、大笑いするのではなく、有毒物質により顔面神経を刺激されて笑っているように見えることに由来するとされています。
オオワライタケの有毒物質は、水溶性の成分であり、煮たり水にさらすことで毒抜きをして食べる習慣がある地域もあります。
致命的な毒素ではなく、時間の経過と共に症状が回復していくと言われています。
だからといって、むやみに食べるのは絶対にやめましょう。
19位 カラハツタケ
引用:https://www.kinoco-zukan.net
カラハツタケは、カサの直径5~12cmほどの中型の毒キノコです。
夏から秋にかけて、カバノキなどの広葉樹林の地上付近に発生します。
形は小さい時は中央がくぼみ、縁が内側に巻いた饅頭型で、成長するとカサが平らになりますが、中央はくぼんだままです。
成熟すると漏斗型になります。
色はオレンジ色を帯びた黄褐色~淡い黄色で、中央部はやや色が濃くなります。
縁の部分は白っぽい繊維質の軟毛で覆われるとされています。
カラハツタケは、傷ついた部分から白色でとても辛い乳液を大量に出すという特徴を持っています。
そのため、和名が「辛初茸」となっていると言われています。
カラハツタケを食べると、下痢や腹痛、嘔吐などの消化器系の中毒症状を引き起こします。
誤って口に入れてしまった際、強い辛味を感じたらすぐに吐き出しましょう。
18位 スギヒラタケ
引用:http://www.rinya.maff.go.jp
スギヒラタケは、カサの直径2~7cmの毒キノコです。
分布は広く、北半球の温帯以北の地域で多く発生するとされています。
晩夏から秋にかけて、スギやマツなどの針葉樹の倒木や古株に群生すると言われています。
形は耳型または扇形であり、縁は内側に巻きます。
白いキノコがいくつも重なり合って群れて生えるのが特徴です。
かつては、スギヒラタケは食べられるキノコだと考えられていました。
そのため日本でも、東北、北陸、中部地方を中心に野生のものが広く食べられていました。
しかし、スギヒラタケを食べた腎臓疾患を持つ人が、急性脳症を引き起こしていると多数報告されるようになりました。
当初は、腎臓の機能が低下している人がスギヒラタケを食べると、急性脳症が引き起こされるのではないかと考えられました。
しかしその後、腎臓の機能に異常が見られない人においても、スギヒラタケを食べた後に急性脳症を引き起こして死亡する事例が報告されました。
発症初期には脚の脱力感やふらつきが見られ、さらに数日後、筋肉の不随意運動が現れます。
その後急速に症状が進行し、死に至るとされています。
現在では農林水産省からも、スギヒラタケを摂取しないように呼びかけられています。
17位 タマゴテングタケモドキ
引用:https://www.kinoco-zukan.net
タマゴテングタケモドキは、カサの直径3~8cmの毒キノコです。
夏から秋にかけて、広葉樹林や、広葉樹と針葉樹の混じった混生林の地上に発生します。
タマゴテングタケモドキのカサは、小さい時は饅頭型で、成長するとカサが開いて中央にくぼみがある浅い皿型に変化します。
質感は平らで滑らかで、湿気の多い時には弱いヌメリが見られます。
カサの表面は、淡い紅色を帯びた灰褐色で、カサの裏のヒダの部分は淡い紅色です。
肉の色は白色で特徴的な匂いや味はありません。
タマゴテングタケモドキを食べてしまうと、6~10時間後に激しい下痢、腹痛、嘔吐が起こり、肝障害や腎臓障害を発症します。
強い胃腸系の中毒症状を起こした事例があるにもかかわらず、その毒性については詳細に研究されていないそうです。
16位 カキシメジ
引用:https://ja.wikipedia.org
カキシメジは、カサの直径3~8cmの毒キノコです。
秋頃に、ブナやコナラ、クヌギなどの雑木林の地上に群生します。
カキシメジのカサは、小さい時は縁が内側に巻いた形状をしていますが、成長するにしたがって平らに開いていきます。
表面は繊維状で、湿気が多い場所では強いヌメリが見られます。
カサの色は黄褐色または赤褐色です。
カキシメジの肉には強い悪臭があり、その味にも苦みがあります。
肉の色は白色ですが、傷などがつくとわずかに黒っぽく変色します。
食後30分~3時間で頭痛や嘔吐、下痢や腹痛などの症状を起こします。
カキシメジの毒は、ウスタリン酸という毒成分を含みます。
この毒成分は水溶性であるため、食べた本数よりも、カキシメジの毒成分が溶け出した汁をどのくらい摂取したかによって、潜伏時間や症状に差が出てくるとされています。
15位 ドクヤマドリ
引用:https://matome.naver.jp
ドクヤマドリは、カサの直径10~20cm、時に25cmの大型になる毒キノコです。
夏から秋にかけて、主にエゾマツやシラビソなどの亜高山帯針葉樹林の地上に発生します。
国内では本州一部の高山帯や北海道などで分布が確認されています。
ドクヤマドリのカサは、小さい時は半球型、成長すると平らな饅頭型になります。
表面はややビロード状で、成長するとわずかにフェルト状になり、成熟すると湿気が多い場所では弱いヌメリが出るとされています。
カサの色は、小さい時は白色で、成熟にしたがって汚黄色から淡黄褐色となり、やがて上部に赤褐色のシミができるとされています。
似ているキノコとして、毒を持たない食べられるキノコであるヤマドリタケがあります。
下の写真が、ヤマドリタケです。
引用:https://www.kinoco-zukan.net
ドクヤマドリは柄に、ヤマドリタケのような網目模様を持たないため、判別のための重要な特徴だと言えます。
ドクヤマドリの毒は、ボレベニンやイソクレチンなどのタンパク質だとされています。
ボレベニンはマウスに対して致死性を示すことが確認されており、水溶性で熱に対しても不安定なことも分かっています。
摂取すると2~5時間で腹痛や下痢、嘔吐などの症状を起こし、最悪の場合は脱水状態によって死に至ると言われています。
14位 テングタケ
引用:https://www.kinoco-zukan.net
テングタケは、カサの直径5~25cmの大型になる毒キノコです。
夏から秋にかけて、広葉樹林の地上に発生します。
テングタケのカサは、小さい時は半球型で、成長するにしたがってカサが広がって平らになります。
表面には白いイボが無数にあり、湿気が多い時にはヌメリが出ます。
カサの色は、褐色または黄土色を帯びた褐色です。
テングタケの肉は白色でもろく、味や匂いは特にありません。
テングタケを食べると、30分ほどで嘔吐や下痢、腹痛などの胃腸系の中毒症状が見られます。
神経系の中毒症状、発汗、めまい、痙攣、呼吸困難になる場合もあり、現在では1日程度で回復しますが、昔には死亡例もあったと言われています。
それほど紛らわしい食用キノコはありませんが、味が大変おいしいとされているためか、被害者の多いキノコだとされています。
おいしいからといって食べ過ぎると、毒性が強くないとはいえ、命に関わることもあるため、絶対に食べないようにしましょう。
13位 クサウラベニタケ
引用:https://www.kinoco-zukan.net
クサウラベニタケは、カサの直径3~8cmの毒キノコです。
夏から秋にかけて、ブナ科の広葉樹などの林の地上に群生します。
クサウラベニタケのカサは、小さい時は半球型で、成長すると中央がやや高くなり、平らに開いていきます。
湿気の多い場所では表面にヌメリが出ますが、乾燥すると絹糸のような光沢が見られます。
カサの色は、薄い灰色から灰褐色です。
カサの裏のヒダの色は、最初白色ですが、成長にしたがって紅色を帯びていきます。
ヒダの縁には細かいノコギリの歯のようなギザギザが見られます。
肉は、表面とほぼ同じ色をしており、味は特になく、匂いにはわずかな粉臭があります。
柄の部分の肉はスポンジ状になっているとされています。
クサウラベニタケの摂取後10分から数時間で、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器系中毒症状を発症します。
発汗などの神経系中毒の症状も現れ、死亡例も報告されています。
日本では、10年間で200人以上の被害者を出している毒キノコです。
12位 ツキヨタケ
引用:https://yamahack.com
ツキヨタケは、カサの直径10~25cmの大型の毒キノコです。
秋頃に、主にブナやカエデ科の樹木の倒木やそれらの枯れたものに発生します。
ツキヨタケのカサは、小さい時には扇形で、成長するにしたがって半円形または腎臓型に変形していきます。
カサの表面には、ロウ状の艶が見られ、色は暗褐色から紫褐色です。
カサの裏のヒダの色は白色で発光性があるため、闇の中では発光します。
引用:https://irorio.jp
ツキヨタケの肉は小さい時は淡黄色で、成長したものは白色です。
味は特にありませんが、異臭がすると言われています。
ツキヨタケを縦に裂くと、カサと柄の間に濃い紫褐色から暗褐色のシミがあります。
これがツキヨタケを見分けるポイントの1つだとされています。
食後30分~3時間程度で、下痢や腹痛、嘔吐を引き起こします。
酷い場合は、幻覚症状や痙攣、脱水症状を伴います。
食用キノコであるヒラタケ、シイタケと間違えて食べられることが多く、被害者は10年間で700人と言われています。
近年においては、日本で最も患者数が多い毒キノコと言われています。
11位 ニガクリタケ
引用:https://www.kinoco-zukan.net
ニガクリタケは、カサの直径2~5cmの毒キノコです。
様々な種の樹木の林の切り株や倒木などに発生し、ほぼ一年中みられるとされています。
ニガクリタケのカサは、小さい時は半円型で、次第にカサが開いていき平らになります。
カサの色は淡い鮮やかな黄色で、成長するとカサの中央部が赤褐色を帯びることが多いとされています。
ニガクリタケのカサには、少しではありますが、吸水性があると言われています。
カサの裏のヒダの色は様々であり、薄いクリーム色から緑色を帯びた黄褐色、深い紫褐色などバリエーションが豊富です。
肉の色は淡い黄色で、まれに赤みを帯びることがあるとされています。
ニガクリタケを食べると、3時間で強い腹痛、激しい嘔吐、下痢などの症状が現れます。
重症になると、脱水症状や痙攣、手足の麻痺などを経て、神経麻痺や肝障害などが起こり、最悪の場合死に至ります。
ニガクリタケに似ているキノコとして、食用のクリタケがあります。
引用:https://www.kinoco-zukan.net
ニガクリタケとクリタケが同じ木に発生する場合もあり、野生のクリタケを食べる際はニガクリタケとしっかり見分けることが必要になります。
ニガクリタケは噛むと強い苦みを感じるとされています。
クリタケを食べていた際に、苦みを感じた場合はニガクリタケの可能性が高いため、すぐに吐き出すことが重要です。
口をすすぐなど、十分に洗浄すれば、中毒症状は出ないと言われています。
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