インターネットの闇!ダークウェブの全貌と入り方の続きです。
前のページを読んで頂いて、仮にあなたがダークウェブに興味を持ったとしても、いきなりダークウェブの世界に飛び込むのは、日本人が手ぶらで危険なスラム街を歩くようなものです。
そこでダークウェブの入り方に続いて、ダークウェブの代表的なサイトと、ダークウェブ用語・隠語をご紹介していきます。ダークウェブと言っても危険なサイトばかりではありませんので、しっかりと準備をして匿名で安全なインターネットを楽しんでください。
代表的なダークウェブのウェブサイト
ダークウェブにもGoogleやYahoo!のような検索エンジンが存在します。
①Ahmia(https://ahmia.fi/)
Ahmia(アミーア)検索精度が高い検索エンジンで、ドメインが.onionではないのでサーフェイス・ウェブからも利用可能です。しかし、検索数はあまり多くはありません。
②Grams(http://grams7enufi7jmdl.onion/)
Grams(グラムス)は闇サイトに特化した検索エンジンです。
③not Evil(https://hss3uro2hsxfogfq.onion/)
not Evil(ノットエヴィル)は検索精度は低いものの、検索結果が非常に多い検索エンジンです。
④onionちゃんねる(http://xiwayy2kn32bo3ko.onion/)
日本で最も有名なonionサイトの一つです。2ちゃんねるのような日本語掲示板サイトで、2ちゃんねるのアングラ版といった感じです。活発に議論されている様子はなく、ユーザーはそれほど多くはないようです。
⑤Facebook(https://www.facebookcorewwwi.onion/)
Facebookのonionサイト版です。
Torを使ったままサーフェイス・ウェブのTwitterやFacebookなどのログインが必要なSNSを利用した場合、IPアドレスが逐一変わってしまうので乗っ取りと判断され、アカウントが凍結される危険もありますので注意しましょう。
⑥Hidden Wiki(http://www.thehiddenwiki.org/)
Hidden Wikiはダーク・ウェブのリンク集です。.onionのサイトではありませんので一般的なブラウザからも閲覧できます。「Torを使ったり、ダーク・ウェブに接続するのは怖いけどどんなサイトがあるのか知りたい」という方は、まずはこちらのサイトを見てみてはいかがでしょうか?
※リンク先を開くにはTorが必要です。
ダークウェブ用語・隠語辞典
あ行
アドミニストレーター(Administrator)
サイト管理者のこと
アノニマス(Anonymous)
独自の思想に基づいて政府や各国企業などに対してハッキングを行っている匿名ハッカー集団。
アノニミティー(Anonymity)
匿名性という意味。身元が分からないこと。
アノンファイル(Anon Files)
ファイルをアップ/ダウンロードできるサイト。匿名でデータのアップ/ダウンロードができる。
アベンジャーズ(Avengers)
違法物品を販売していた闇サイト「シルクロード」の売人に対して、商品が本物か確かめる為に実際に注文し、レビューしていた人たちのこと。
アルトコイン(Altcoin)
ビットコイン以外の仮想通貨のこと。(時価総額の高いものを主にアルトコインと呼び、それ以外は「マイナー通貨」「草コイン」などと呼ばれる)
ウォールストリートマーケット(The Wall Street Market)
世界最大級の規模を誇るダークウェブマーケットの一つで、薬物や盗難データ、偽造書類などの販売が行われていました。
2019年に摘発・閉鎖され、ドイツでサイト運営者3名が、米国で薬物を大量に取引していたバイヤー2名が逮捕されました。
エグジット スキャム(Exit Scam)
「閉店するので安くします。」などと謳ってお金だけを受け取って逃げる詐欺。
エスクロー(Escrow)
中立的な第三者(ダークウェブの管理人など)にお金を預けて、商品が届くまで、売人がお金を受け取ることができないようにする売買方法。
エンクリプト(Encryption)
暗号化のこと。
オール・ユーアー・ベース(All Your Base)
2000年から2001年にかけて流行した言葉。ダークウェブ内において「君達の基地は、全て我々がいただいた。」や、一部では「その言葉は間違っているよ」という意味で使われていました。「All Your Base」を略して「AYB」とも言われます。
オア・ボット(OrBot)
AndroidのスマートフォンでTorを利用できるスマホアプリ。
か行
カーディング(Carding)
クレジットカード番号やパスワードを盗んで、販売する一連の行為のこと。
クリアネット(Clearnet)
Tor以外の一般的なインターネットのこと。
クリプトグラフィー(Cryptography)
データ送信する際の暗号化手法の一つ。画像を決められた特殊な解読方法で読み込ませないと正しく表示されず、それ以外の場合には別のフェイク画像を表示させます。違法性のある画像(ポルノ関連)などで使われます。
ゴーカー・メディア(Gawker Media)
闇サイト「シルクロード」一番最初に紹介したオンラインメディア。ギズモードやライフハッカーなど有力なメディアを運営しています。
コールドストレージ(Cold Storage)
別名「コールドウォレット」。オフライン環境下で、仮想通貨(秘密鍵)を管理する方法。
コントロールデリバリー(CD:Controlled Delivery)
警察が、違法取引と知りつつ証拠を揃える為に犯罪行為を行わせること。
さ行
シーラス(Cirrus)
シルクロード掲示板のモデレーター(仲裁人)のこと。投稿や取引などで問題が生じた時に、間に入り中立な立場で問題を解決する人です。
サンプル(Samples)
ダークウェブ上で、商品購入前に低価格あるいは無料でお試しで注文すること。商品がちゃんと届くか。効果があるのかなどを確認するために使われます。
シェア・センド(Shared Send)
ビットコインアドレスを追跡できなくする方法の一つ。
シッピング(Shipping)
梱包して商品を発送する一連の手順。
シリン(Shilling)
掲示板や情報共有サイドなどで自分の評価を上げたり、他人の評価を下げたりする行為。
シルクロード(Silk Road)
ダークウェブ上にかつて存在した世界最大の闇サイト。2011年から2013年まで運営されており、ダークウェブのAmazonなどと呼ばれていました。
シグアイント(SIGAINT)
かつてダークウェブで使われていた匿名メールサービス。
http://sigaintevyh2rzvw.onion/
スタッツ(Stats)
ベンダーに対する統計的な評価システムのこと。
ステルス(Stealth)
薬物を密輸する際に税関職員にバレないように偽装すること。
た行
ダークネット(Dark Net)
ダークウェブの別称。Torなどを使わないとアクセスできないダークウェブのネットワーク全体のこと。
ダック・ダック・ゴー(DDG:Duck Duck Go)
ダークウェブの検索エンジンの一つ。Torと組み合わせることでプライバシーを保ってインターネット検索することができます。
https://duckduckgo.com/
タンブラー(Tumble)
ビットコインアドレスを追跡できなくするサイト。
ディー・ドス(DDOS)
サイバー攻撃の一種。サーバーに一気に膨大な量のアクセスを行いサーバーをダウンさせるシンプルな手法。ダークウェブには、DDOS攻撃などのサイバー攻撃を有料で請け負うハッカーも存在します。
ディーバン(DBAN)
HDD(ハードディスクドライブ)の記録を消すソフト
https://dban.org
ディープドットウェブ(DeepDotWeb)
ディープウェブについて詳細に書かれている有名なブログ。
https://www.deepdotweb.com/
ディスピュート(Dispute)
ディープウェブ上での取引において、揉め事を解決するときの中立な第三者(仲裁人)のこと。
テイルズ(Tails)
匿名性に特化したOS。
トーア(Tor)
元々アメリカ海軍が開発した匿名ネットワーク。
トーチ(Torch)
Tor用の検索エンジン。
トーア・マーケット(Tor market)
ダークウェブ上にあったECサイトの一つ。シルクロード閉鎖後に開設ましたがすぐに閉鎖されました。
トーア・メール(Tor mail)
匿名メールサービスの一つ。2013年8月にサーバーがFBIによって押収されました。
トーア・ブラウザー(Tor Browser)
Torネットワークを利用するために作られたダークウェブ専用のブラウザ。かつては「BTT:Tor Browser Bundle」と呼ばれていました。
トゥルークリプト(True Crypt)
HDDやUSBなどストレージ・デバイスを暗号化するソフトウェア。
ドックス(Doxx)
掲示板(フォーラム)などで個人情報をさらす行為。
ドネーション(Donation)
「寄付」のこと。ダークウェブ上での寄付はビットコインですることが一般的で、寄付先にはビットコインアドレスが書かれています。
ドメスティック(Domestic)
同じ国内の売人から薬物を注文すること。
は行
バイヤー(Buyers)
ダークウェブでは買い物客のこと。
ハック・ビービー(HackBB)
Zeusという有名なウイルスを配布していたハッキングサイト。
ハリー・セブンワン(Harry71)
ディープウェブ上のまとめサイト。
ハニーポット(Honeypot)
政府機関や警察などが捜査や犯罪者の情報収集の為に運営している囮サイトのこと。
ビットコイン(Bitcoin)
世界初・最大の仮想通貨。「シルクロード」など違法商品の匿名決済手段として使われていました。
ビットコインフォッグ(Bitcoinfog)
ビットコインアドレスを追跡できなくするサイト。2018年以降は追跡が可能となり逮捕者が出ました。
ヒドゥンサービス(Hidden Service)
ドメインが「.onion」のサイトの総称。Torを使わないとアクセスすることができません。
ピンコード(PIN Code)
IDやパスワード以外に設定する第二パスワードのこと。
フーニックス(Whonix)
匿名性の高いOSの一つ。
https://www.whonix.org/
ファイナライズ・イーアリー(FE)
商品の注文時にお金を支払う売買方法。売買方法には他にエクスロー(商品到着時にお金を支払う売買方法)があります。商品到着前にお金を支払うため、匿名サイトでは詐欺にあう危険性が非常に高いと言えます。
ファッド(FUD)
恐怖心などを煽り、商品の購入を促すマーケティングの手法の一つ。Fear(不安) / Uncertainty(不確実) / Doubt(疑念)の頭文字をとってFUDと略されています。
フィッシング(Fhishing)
一般ユーザーなどに、なりすましメールを送り、偽のサイトに誘導してアカウント情報など盗むクラッキング手法の一つ。
フリーダム・ホスティング(Freedom Hosting)
ダークウェブ上の最大のホスティングサイト(まとめサイト)です。
プロキシ(Proxy)
インターネット接続を行う際の中継サーバのこと。
ブロックチェーン(Blockchain)
ビットコインなど仮想通貨に使われている分散型の通貨台帳技術。
ペーストビン(Pastebin)
テキストデータを保存し公開することができるWEBサービス。PC上に履歴を残さず、匿名で情報をやり取りするときに利用されます。
ベンダー(Vendors)
売人の総称。
ベンダーラウンドテーブル(Vendors Roundtable)
シルクロードの売人専用の掲示板。
ホイッスル・ブローウィング(Whistle blowing)
内部告発という意味。
ま行
モリー(Molly)
カプセルに詰められているジェル状のMDMAのこと。
モネロ(Monero)
匿名性に特化した仮想通貨。
ら行
ラブレター(Love Letter)
商品が配送中に(検閲で)没収されたという通知のこと。中には、商品を発送せずに「没収された」と嘘の通知をする売人もいます。
リモートアクセスツール(Remote Administration Tool)
PCなどを遠隔操作するソフトのこと。
ABC(アルファベット順)
AYB(エー・ワイ・ビー)
「All Your Base」の略語で、2000年から2001年にかけて流行しました。ダークウェブ内において「君達の基地は、全て我々がいただいた。」や、一部では「その言葉は間違っているよ」という意味で使われていました。
CD(シー・ディー)
コントロールデリバリー(Controlled Delivery) の略語。警察が、違法取引と知りつつ証拠を揃える為に犯罪行為を行わせることです。
CP(シーピー)
児童ポルノの俗称。
DDG(ダック・ダック・ゴー)
ダークウェブの検索エンジンの一つ「Duck Duck Go」の略称。Torと組み合わせることでプライバシーを保ってインターネット検索することができます。
FUD(エフ・ユー・ディー / ファッド)
恐怖心などを煽り、商品の購入を促すマーケティングの手法。Fear(不安) / Uncertainty(不確実) / Doubt(疑念)の頭文字をとってFUDと略されています。
I2P(アイ・ツーピー)
Tor以外の匿名化ソフトのこと。Torと違い、インターネットアクセスには不向きで、I2Pユーザー間での通信を匿名で行うことが出来ます。
IRC(アイ・アール・シー)
チャットを行う為のプロトコル(手順)のこと。Internet Relay Chat の略称です。
NDD(エヌ・ディー・ディー)
「Next day delivery」の略。翌日に配達することです。
PGP/GPG(ピージーピー/ ジーピージー)
「Pretty Good Privacy/ Gnu Privacy Guard」の略称。メールを暗号化して、内容が盗まれても第三者に読み取られないようにするソフトです。
RAT(アール・エー・ティー)
「Remote Administration Tool」の略称です。遠隔操作ソフトのこと。
SMAC(エスマック)
MACアドレスの変換ツール。
SMS4Tor(エスエムエス・フォー・トーア)
匿名メッセージツール。PGPと併用することで匿名性が更に高まります。
SQL injection (エス・キュー・エル インジェクション)
データベースから情報を盗むこと。
123(数字)
3DD(スリー・ディーディー)
商品を3日で配送すること
420(フォー・トゥエンティ)
大麻の隠語
ダークウェブの有名人
デジタルリンク(Digitalink)
闇サイト「シルクロード」で最初に逮捕された売人のハンドルネーム。
デフコン(Defcon)
闇サイト「シルクロード2.0」の管理人のハンドルネーム。「シルクロード」は現在はすでに閉鎖されています。
ドレッド・パイレーツ・ロバート(Dread Pirate Roberts)
闇サイト「シルクロード」の管理人名。
フラッシュ(Flush)
Flush(本名:Curtis Green)はシルクロードフォーラムの元管理人の名前。ウルブリヒトを裏切りアメリカの麻薬捜査官と秘密裏に協力して逮捕に協力しました。
ロス・ウルブリヒト(Ross Ulbricht)
闇サイト「シルクロード」の管理人の名前。
サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)
Bitcoinの製作者。詳細は不明。
トニー76(Tony76)
シルクロードにいた有名な売人。詐欺を行い行方不明になりました。身元がバレて殺害されたとの噂もありますが真偽は未だ不明です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はインターネットの闇であるダーク・ウェブについてご紹介しました。
様々な情報を簡単に検索することができ、とっても便利なインターネットですが、危険な闇サイトは実際に存在しますし、2017年に発生した仮想通貨NEMの580億円盗難事件もダーク・ウェブで換金されていたりと、実際に犯罪にも使われています。
ダーク・ウェブの闇サイトは、サイトを見ただけでコンピュータウイルスに感染したり、個人情報やパスワードを盗まれたりといった危険があります。
興味本位での接続はおススメできません。もし、接続する際には個人情報等が保存されていないサブPCを準備するなど十分に注意して下さい。