海の中には実に様々な生き物が生息していて、陸上とはまた違っていて興味深いものがあります。
ですが、興味本位で手を出すと痛い目に遭ってしまう、危険な海の生き物も多数存在するのです。
ここでは、人間にとってデンジャラスな海の生き物をご紹介していきます。
ミノカサゴ
https://gourmet-note.jp
ミノカサゴは、胸びれや背びれをひろげた様子が、簔(みの)を着ているようなので名付けられた魚です。
派手な縞模様を持ち、長くて美しいひれをたなびかせながら優雅に海中を泳いでいるため、「海の貴婦人」という異名も付いており、ダイビングや水族館でもたいへん人気のある魚です。
ですがそのような優雅な見た目にだまされて油断すると痛い目に遭います。
ひれには毒棘があり、刺されると激しい痛みに襲われるのです。
性格もたいへん気が強いので、ダイバーなどが写真を撮ろうとカメラをミノカサゴに近づけると、背びれの棘を立てて威嚇してきます。
この時にもっと接近してしまうと、背びれを相手に立てて突進してくることがあるのです。
オニダルマオコゼ
http://do-butsu.com
オニダルマオコゼは英語でストーンフィッシュという名前が付いているとおり、岩そっくりに擬態している魚です。
擬態能力が高く、ダイバーなどがオニダルマオコゼを誤って触ってしまいケガを負うといった事故があるので危険な海の生き物なのです。
海底にある岩などに擬態しながら、餌となる小魚や甲殻類がちかづいてくるのを待ちます。
オニダルマオコゼには浮き袋が無いため、海中を泳ぐのではなく、海底にじっと潜んでいることが多いです。
オニオコゼ科の魚には、ヒレの部分に毒棘があって注意が必要なのですが、オニダルマオコゼの持つ毒は強力で、死亡例まであります。
オニダルマオコゼの毒棘は、背びれに13棘、尻びれに3棘、腹びれに各1棘あります。
オニダルマオコゼについてもっと詳しく知りたい方はこちら
エラブウミヘビ
http://www.kaiteibugyo.com
ウミヘビは海に住む爬虫類。
コブラ科に属しており、牙には猛毒を持っています。
中でもエラブウミヘビは非常に危険なウミヘビで、エラブトキシンという猛毒を持ち、その毒はホンハブの70~80倍とされていて、死亡例もある危険な生き物なのです。
エラブウミヘビは非常に大人しい性格で、口も小さいため、むやみに近寄ったり触ったりしなければ、噛まれる心配はあまりないとされています。
ただし、沖縄ではエラブウミヘビを食すために、素手で捕獲することもあるそうです。
沖縄の郷土料理である「イラブー汁」はこのエラブウミヘビ を使ったもので、滋養強壮の効用があり、昔は高級な宮廷料理として珍重されてきたのだと言います。
ウツボ
https://taberugo.net
ウツボは鋭利に尖った歯を持つ肉食魚で、温かい海域を好んで生息しています。
人間を積極的に攻撃してくることはありませんが、ウツボを不用意に攻撃したり、ウツボのいる岩の亀裂に手を突っ込んでしまったりすると、噛んでくることがあります。
もしも噛まれてしまうと、その鋭い歯で肉をえぐるように噛まれ、深い傷を負ってしまうのです。
魚だと甘く見ずに噛まれてしまわないように注意しましょう。
また、日本の南西諸島周辺には、毒を持った「ドクウツボ」というウツボも生息しています。
ドクウツボの持つ毒は「シガレタ毒」と言い、食中毒の原因となります。
口に入れると、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が起きてしまうので、食してはいけません。
ヒョウモンダコ
https://tsurihack.com
ヒョウモンダコは、マダコ亜目マダコ科ヒョウモンダコ属のタコで、12cm~20cmほどの小さなタコですが、唾液には猛毒のテトロドトキシンが含まれていて、噛まれてしまうとしびれや言語障害が生じ、死亡する例もあります。
たとえ赤ちゃんのヒョウモンダコであっても、人間を20人殺すほどの毒を持っているのです。
この毒に対する血清が現時点でないため、ヒョウモンダコはたいへん危険な海の生き物と言えるでしょう。
ヒョウモンダコはおとなしい性格をしていますが、刺激をしたり素手で触ろうとしたりしてはいけません。
岩の割れ目などにうかつに手を出しては危険です。
ヒョウモンダコは刺激を受けると、体に青と黒のリング模様が浮かび上がるので警戒しましょう。
ヒョウモンダコについてもっと詳しく知りたい方はこちら
キロネックス
https://fusigiseibutu.pipi01.com
キロネックス(オーストラリアウンバチクラゲ)は殺人クラゲの異名を持つ危険なクラゲです。
1884年以降、少なくとも5567人の人間がキロネックスに刺されて犠牲になったという記録も残っています。
キロネックスの触手は非常に長く、その触手から強力な毒を注入します。
もし刺されてしまうと、耐えられないほどの激痛に襲われ、ショック状態になって溺れるか、岸に着く前に心臓麻痺で死んでしまうこともあります。
また、刺された場所が悪いと2~5分で絶命してしまうこともあるのです。
命を取り留めても、数週間にわたって激痛に襲われるという怖いクラゲです。
キロネックスに対する血清は存在しないため、治療法はありませんが、すぐに病院へ運んで適切な治療を受ければ助かる可能性があります。
キロネックスについてもっと詳しく知りたい方はこちら
アンボイナガイ
https://agije.com
アンボイナガイは、太平洋からインド洋にかけての珊瑚礁周辺で生息している肉食性の巻き貝で、長い吻の先端を獲物に差し込んで猛毒を注入します。
アンボイナガイは動きが遅いため、獲物に毒を注入して麻痺させる必要があるのです。
この毒は人間にとってもたいへん危険なものなのです。
アンボイナガイの持つ、コノトキシンという毒は、ヘビの中でも最も強い毒を持っているタイパンの4倍以上の強さです。
なんと、アンボイナガイの一刺しで、成人の人間が30人も命を落とす量の毒が注ぎ込まれると言います。
もしもアンボイナガイに刺されたら、激しい痛みとともに、毒によって手足のしびれや嘔吐、めまいなどの症状が現れ、ひどい場合には運動失調や呼吸麻痺によって死に至ることもあるのです。
アンボイナガイについてもっと詳しく知りたい方はこちら
ハナブサイソギンチャク
http://shikatani.net
イソギンチャクの触手は毒を持っていることでよく知られていますが、そのほとんどは人間に影響を及ぼすことはありません。
ですが、体長が30cm以上もある大型のイソギンチャクであるハナブサイソギンチャクには猛毒が含まれていてたいへん危険です。
ハナブサイソギンチャクの触手の刺胞球の中にはたくさんの長い刺胞があり、人間が刺胞に刺されると、皮膚がやけどのように赤く腫れ、ひどい痛みに襲われます。
神経毒のため、皮膚の麻痺を引き起こしたり、呼吸困難に陥る場合もあるのです。
もしもハナブサイソギンチャクに刺された場合には、すぐに陸へ上がり、刺胞球を海水でこすらずに洗い流し、消毒用アルコールなどで消毒して、早急に医療機関を受診しましょう。
ウモレオウギガニ
https://ja.wikipedia.org
食べるととても美味しいカニですが、決して口に入れてはならない、超危険なカニも存在します。
ウモレオウギガニというカニは世界最大の猛毒ガニという異名を持っているカニで、南太平洋を中心とした海域に生息しています。
ウモレオウギガニの筋肉部分には、麻痺性貝毒のサリシトキシンやフグ毒のテトロドトキシンを大量に含んでいて、食中毒の発生や死亡例もあるのです。
サリシトキシンは神経毒で、脳から各細胞に伝達される命令系統に異常をもたらします。
手足のしびれなどを起こして、呼吸筋の動きが止まって呼吸困難に陥り死に至ることもあるのです。
毒にあたった際の有効な対処法がなく、解毒するのが難しいため、もしも知らないカニを
見つけても不用意に食べてしまわないように注意が必要でしょう。
ソウシハギ
https://ja.wikipedia.org
ソウシハギは、フグ目カワハギ科の海水魚の一種です。
ソウシハギは消化管や肝臓にパリトキシンという毒素を持っている魚なのです。
このパリトキシンとは、フグ毒で知られているテトロドトキシンの約70倍の強さを持つ猛毒であり、もしも食べてしまうと、呼吸困難や筋肉痛、手足のしびれ、けいれんなどの症状を引き起こして死に至ることもあります。
ソウシハギは見た目がウマヅラハギに似ていて、体にある青い斑点と、大きな尾びれが特徴の魚です。
水温が18度以上の場所でしか生息できない魚と言われていましたが、近年では水温の低い海域でも見られるようになってきています。
2018年には三重県で、カワハギと間違えられてソウシハギが市販されるという事件が発生しました。
まとめ
人間が不要に近づくとケガをしてしまう危険な生物から、下手をすると命を落としかねない強力な毒を持っている生物まで、非常に危険な海の生き物を紹介しました。
元々は人間を攻撃しようという気がない生き物ばかりなので、不用意に刺激をしないことが大切です。